2017年10月2日月曜日

傷めた太ももだって、旅の思い出

旅の前日は
缶ビールでおとなしく過ごした。

現地に着くとすぐに、宿を飛びだして歩く。
昼食も食べたいが、早くまちの中が見たい。
初めて歩く、まちだもの。
翌日のマラソン大会の場所の下見もせず
チャリンコとも友達にならず
歩きに歩いて、昼食の時間を完全に逃すも
途中、なんとも好みの食堂を見つけてイン。

どんぶりめしをかっこんでいたおばあちゃんが
「ごめんなさいね、どうぞどうぞ」
と恥ずかしそうに立ち上がる。
夜は少しだけ地酒をいただいて、早く寝よう。
そう思っていたのに、そばでも食べようと入った2軒めで
地元のおじさんと話が盛りあがり
うっかり、にごり酒。

おじさんと入れ替わりに入ってきた人が
翌日の大会で走るというので、またもうっかり、おかわり。



翌日のハーフマラソンは、
途中から脚の付け根が
銀紙を噛んだようなかんじになって
なんとか完走したものの
残っていた写真は
特大アップルパイのみであった。



天然温泉が近くにあったのだけれど
昨日のおじさんに教えてもらったラーメン屋さんをめざして
脚をひきずりながら、炎天下を歩く。

途中、なんとも好ましい喫茶店で休憩をはさみ
ラーメンも美味しくいただき
また脚をひきずりながら
駅前のみやげものやさんへ。

ちいさなこけしをひとつ、買っただけなのに
見とれるほど美人なおばあちゃんが
つめたいものでも、飲んでいきな、と
椅子を出してくれたので
お言葉に甘えて腰かけて待っていると


・ジョア
・コーヒー
・りんごジュース
・かぼちゃと豆の煮もの
・おせんべいたくさん
・あまいお菓子
・おおきなくり3つ


が、次々にショーケースの上に並べられた。

「おいしいカレーがあるんだ、食べるか?」
と言ってくれたけれど、
昼食を食べたばかりなんです、と答えると
そうか、本当においしいんだけどな、と
残念そうな顔をした。

話をしているうちに結局、
ルーだけでも食べろ、と言われて
器にたっぷりのカレーをいただいた。
たしかにおいしいです、と言うと
そうだろ、とうれしそうに笑った。

2017年9月29日金曜日

そりゃだめだよ

愛する酒場に背を向けてさっさと帰宅し
毎晩毎晩、飽きもせずに
厚揚げと豆腐と納豆をつまみ
ノンアルコールビールを2本飲む。

本棚の本をめくりながら
ウイスキーをひとくちだけ飲んで早々に寝る。
たまには早朝ジョグもして
さらに歩いて出勤。

こんな生活をしているのは
健康診断と、マラソン大会のため。
マラソン大会はともかく
また旅ができるのが、うれしい。

終わったら、帰りの車内で
たくさん飲んで食べて
おっと
この旅に合う本も持っていかなきゃ。


最近読んでいる本は
特になにも起こらない、寝る前に最適な本。
しかし
あまりにもひんぱんに
「併し」
という言葉が出てくる。
1ページに5回は出てくる。

気になって気になって
文章が頭に入ってこないので、
また戻って読み直しているうちに
本が顔面に落ちて、寝るのが常である。

2017年9月26日火曜日

橙色の彼岸花のあるまちへ

日馬富士が、苦しみながらも、がんばっていたなか
夜間飛行、というほど遅い時間ではなかったが
夜の便で、旅に出た。
訪れるのは、2度めの場所であった。
以前教えてもらった、
夜12:00オープンの
ハンバーグがおいしい居酒屋さん。
1:00を過ぎてお店を覗くも、満員。
スナックに行くのも目的のひとつであった。

しかしこの街は、スナックが多すぎた。
2軒ほど呑んで回ったのに酔いが足りず、
ドアを開ける勇気が出なかった。
かに
「だめなやつだね」

たこ
「意気地なしめ」



初めて訪れたときに寄って、
とても好きになった洋服屋さん。
ここの女店主にお目にかかるのは、もちろん二度め。
でも、とてもなつかしく
古くからの知り合いに、逢ったみたい。

そこで、すてきなお店を教えてもらったり、
教えてもらったそのお店で
おいしいお店を教えてもらって
さっそく行ったり、
いいもの見つけたり。
かっぱ
「『いいもの』で、乙女心を取り戻したらしいよ」

パンダたち
「え~・・・・」
ただひたすら愉しかった旅の思いでにひたる間もなく
まもなく、健康診断とマラソン大会が。

旅の間にダイエットなど気にしたくはなかったので
週明けからストイックに行くぞ、と決めていたのに
るんるんパスタにさそわれて
マラソンレッスンの後にまた、食べて飲んでしまった。

2017年9月22日金曜日

ひっこしするなら

ひっこすぞ


ついに決意して、まずは物件を物色。
「ニャーニャーホテル」でホテル住まいも悪くないけれど
せめて、屋根はほしいなぁ。
「ニューねこ正」から、離れるのはイヤだし、
「土俵そば」が徒歩10分以内にないとイヤだし、
「両国図書館」のない生活なんて、耐えられない。


などと、わがままを言いながら物色していたためか
新居に引っ越す夢を見た。


しゃれたデザイナーズマンション。
外からまる見えの、大きな窓。
一階は、ひろびろとした、カフェ。

外から見上げて
ここに住むのか、と
夢の中で、ためいきをついた。
目覚めてすぐに
「喫茶ニャーゴ」へ。

コーヒーをすすっていると
もう秋のコーヒーになったことに、気付く。
この間来たときには、夏のコーヒーをおいしく感じたのに。

ここから離れるのも、イヤだな。

2017年9月19日火曜日

こんなところでも、気づかされる

友だちの展示を見に行って知り合った方の主催している
「おとなのデコぬりえ教室」に参加した。

プロの漫画家さん(今回は劇画)の描いた下絵に
ぬりえしてデコるなんて、なんだか楽しそう、と
軽い気持ちで寄せてもらったのだが
その下絵を描かれた漫画家さんとその奥さま
ふだん作品作りをされている方々などなど
プロ尽くしだけれど、なごやかな雰囲気の中
自分だけ必死に、色鉛筆を動かす。

かなしいことに
デコがまったく理解できずに、先生に仕上げてもらった。

おのれの乙女心が残量ゼロであることに気付かされ
激しく動揺しながら、大雨の中を帰宅。
こんなていたらくでは「サロン・ド・こけし」のマダムに
叱られてしまう!
女子力の高さナンバーワンである
「BAR GABGAB」白ママの姿をぬすみ見しながら
ひとまず、秘蔵のネイルを取り出した。


深紅のネイルを塗っただけでうっとりして
翌日、なぜか大掃除を始める。
本棚からベランダ、トイレにおふろまで。
すこし剥げてくすんだネイルを見ながら
やはり足は「ニューねこ正」へ。

「あら未亡人会の」

なんとこの日は、カウンターの半分が未亡人であった。
いつもきれいな未亡人たちを見て
思わず爪をかくした。

2017年9月12日火曜日

週末をひきずって酒を飲む日々

いろいろのイベントがあった週末。
平常心を保つために、朝ジョグを決めたが
どこをどう走ったのか記憶がなく、
カメラには
指が思い切り写りこんだ、さぎの写真が残されていた。


いただきものは
やはりその日が過ぎてから、いただくべきだろうと
第一イベントが終わった翌朝から
ぜいたくに、いただいている。
ひさしぶりのメロンなのに、
なんだかいつも見ている気がする、と思ったら!



次なるイベントは、初めての場所でのコンサート。
おのぼりさん状態で
わあわあ、口を開けてさわいでいたために
残されていた写真は、一枚のみであった。
見たことのない数のお花にも驚いたけれど
ファンからも、たくさんお花を贈られるということにも、驚いた。


おめあての彼
米つぶではなく、コーヒー豆くらいの大きさには、見えた。
うたごえハウス「ねんね」での、ミュージシャンとの距離に慣れていたので
あまりにステージが遠く感じたが
途中から遠近感がおかしくなって
コーヒー豆大なのに、目と口が見えるような気がした。

コンサート前、昼間からさんざん飲んで食べたのに
終わったらものすごい空腹を感じて
前かがみでよろよろ歩く。
ほうほうのていで飲んだ
ハートランドのおいしかったことよ。

さらに帰宅後、黒ラベルを追加。
気付けば当然、午前様。

2017年9月7日木曜日

未亡人との再会

カウンターで、友だちと大笑いしながら呑んでいたら、
向こうがわに、未亡人会メンバーのひとりが座った。
友だちが手洗いに立ったときに
「こんばんは」とあいさつしたら
「あら、未亡人会の」と、にっこり。

あざやかな緑色のブラウスに、翡翠の指環がとてもきれいで
さみしげな横顔もうつくしく、つい見とれていたら
また一杯、ごちそうになってしまった。



ちかぢか、大切な用事があるというのに
いつもの美容院に行ける日がなくて
特別に紹介してもらった、夜の「サロン・ド・こけし」へ。
ホテルのカフェで話しをしているうちに、
少しずつまわりの景色が変わって
そのうちに、まったく別の店にいることに気付く、
という小説が好きであるが
夜も更けてからの美容院も、なんとも不思議な雰囲気。

お酒の呑める美容院って、どう?などと
アハアハ(田辺聖子のマネ)話しつつも
ほんとうに、いいかもしれない、と
帰宅してから考え込んだ。
ばか言ってないで、煮込みがきたよ。