2019年6月12日水曜日

好きは気のせい

30年ほど前にデビューした彼らは、田舎の高校生には淫靡でセクシーすぎた。
楽曲はもちろん、その姿を雑誌で見るだけで、刺激が強くて気分が悪くなるほどだった。
でも、悪そうなものにほど惹かれるもので、あっという間にのめり込んでいった。

時は流れて

しばらくぶりに会う友だちが、どうせ会うならと誘ってくれた彼らのライブ。
そこには、年を重ねても攻めの姿勢を忘れていない大人の男たちがいた。そこからまた熱がぶり返して夢中になった。

また時は流れて

だんだんカッコ悪くなってきた(と感じる)彼らに興味を失った。
時代も変わったが、私も変わった。
他に夢中になっているミュージシャンもいっぱいいるので、その存在さえ忘れていたが、とある理由からウン年ぶりにまた彼らのライブへ。


あんなに燃えていた昔の自分は、遠いむかしのこと。
ビールを舐めても一向に酔わず、腰も動かず、醒めた目でステージを見るのみ。
あの熱狂的な気持ちは、どこへ行ったのだろう。
むかし好きだった映画を観てがっかりしたり、むかし好きだった音楽を聴いて興ざめしたり。こんなことを繰り返して、いいかげんに学習能力もついてきた。



先日、酔って電話をかけてきた友だちに、こないだやっとフンド氏が夢に出てきたんだよ、と伝えると、なぜか電話を切るときに「ありがとう」と言われた。
そんな夜に、また夢にフンド氏が登場。
夢はすぐに忘れる。朝、コーヒーを淹れているときなどに夢のしっぽをつかまえる。
そこから詳細を思い出す作業は、「おはよう!商店」のセクシーサンドを食べながら。

2019年6月11日火曜日

合宿という名のロング散歩と 木場の角乗り

1年ぶりの、姪との合宿。
今週末の大会に向けて、合宿という名のお泊まりに彼女はやってきた。

お泊まりなら「ニャーニャーホテル」のようなステキホテルが断然よいのだが
残念ながら、おんぼろの我が家。


お風呂だって「すべすべ温泉ねこぞの」へ連れていきたいところだが
残念ながら、少し離れた銭湯へ。
姪は、昨年の合宿の際に日本酒風呂に入ったことを覚えていた。
今年はというと、ビール風呂。来年はワイン風呂かもね、と笑い合った。

合宿は、いくつかの公園に寄ったり、あじさいを愛でたり、でいごの花の形に驚いたりして、気付けばロング散歩になっていた。

夜は「ニューねこ正」へ。
このお店で姪とふたり向き合うと、なんとも不思議な気持ちになる。
初めて娘と飲みに行く親父の気持ちだろうか。


翌日は、木場の角乗りの体験取材に姪も同行させる。
この道20年のベテランの方に丁寧にご指導いただいたが、己の体幹の弱さを実感。
姪は、そこにいた同い年の女の子に刺激を受けたか、上達が早かった。
それにしてもネイティブの江戸弁は、年配の方はもちろん子どもが喋っていても気持ちのよいものだなぁ。

2019年6月3日月曜日

体調が悪くて健康的な日々

あれからずっと、大酒が飲めないでいる。
カラダが、アルコールを欲していないのだ。
ウイスキーが、特にだめになった。
大好きだった日本酒さえも、今は顔も見たくないほど。

こんなことは今までなかった・・・って歌が昔々あったな。
なんてせつない大人の恋の歌!と感心していたら、なんてエッチな歌詞なんだ!と感心している男子がいたな。元気だろうか。


同級生たちと初めて一緒に出たマラソン大会。
お天気も気温も、大会そのものも、なにひとつ言うことはないほど、いい日であった。
ただひとつ、自分の体調を除いては。


大会前日は、文太くんにトレーニングに付き合ってもらった
・・・が、この日はとてもさわやかな、いい天気。
この時期に帰省することはなく、めずらしい花なんかも咲いているので、散歩に変更。
りんごの花をもっと微かにしたような香りの、低木についていた花。
調べたら、キウイの花であった。
矢車草やしろつめ草、あかつめ草やわすれな草がそこかしこで咲き乱れており、ほんのひと月でこんなに違う花が咲くのか、と感心した。
文太はいつも、キジの声を聞いて日がな一日過ごしているらしい。
たまの私との散歩では、おぼれない程度の深さと水量、そして美味しい水の流れる側溝探しに余念がない。
この日はかなり軽めにキメたつもりなのだが、帰宅するなり文太は大きなため息をついてバッタリと寝てしまった。

結局このトレーニング(散歩)だけで臨んだ、第5回安曇野ハーフマラソン。
ここ最近の著しい酒量の低下と、なくなった悪いクセの効果は特になく、カラダが前に進まない苦しい21㎞であった。

途中、後ろを走っていた男性が、あの花はラベンダーですか、と沿道の人たちに尋ねていた。矢車草だよ、と言いたかったが、息も絶え絶えで言えず。

この大会に誘ってくれた同級生たちとはまた別の、同じ中学校の仲間たちと不思議な再会を果たし、帰りのシャトルバスの行先を間違えて豊科の温泉郷方面まで往復ドライブしてしまったのも、いい思い出。わさび沢の水がきれいだったなぁ。
・・・はとエアラインに乗んなさいよ。


同級生たちと別れて駅をぶらぶらしていたら、大雪の初デートで見た0番線ホームを発見。
感慨にふけることもなく、ホームにお蕎麦屋さんを見つけて喜び勇んで入った自分にウン十年の月日を感じて、悪くないな、と思った。
帰りの電車でためしにワインを飲んでみたが、カラダは喜んでいなかった。
さらにカラダが欲していないというのに、おさわりOKのかわいこちゃん(ねこ)のいる酒場へ。
大将がくれたかにかまを、おさわりNGのかわいこちゃんに食べさせるという、たまらないサービスをさせてもらって、そこそこ酔って帰宅。やはりカラダは喜んでいなかった。

調子が悪くて健康的、というのが腑に落ちない。

2019年5月31日金曜日

ひどい二日酔いと、気を遣わなかった二日間

何年かに一度やってくる、大大大二日酔い。
思いがけず、その日はやってきた。


目覚めると、あちこちに脱ぎ散らかした洋服。
昨夜履いていたパンツのポケットには、タクシーの領収書。
・・・はっしゃオーライ!に乗んなさいよ。


前の晩は、まったく気を遣わない仲間との飲み食いの会だった。
気を遣っていないのは自分だけで、ほかのみんなは気遣いをしているのだろうな、と落ちている洋服を拾い集めながら、反省。

思えばそのまた前日の食事会はほぼ初対面の方ばかりだったが、特に気を遣った記憶がない。
気を遣う相手と、おいしくないものを食べるのをやめたから、ヨシとすっか。



大大大二日酔いの日は使いものにならないが、不思議と仕事はミスなくこなす。
ふと気づけば、いつもの悪いクセが出ていない。
しかし意識すると出そうだから、気付かないふりをしよう。
・・・まったく気を遣うなぁ。自分なのに。


2019年5月28日火曜日

直球勝負 投げる球カーブ

なにかのコラムを読んで知ったのだが、音楽を聴いて背筋がぞくぞくするひとというのは、案外少ないらしい。
好きな曲なら、何度聴いてもぞくぞくくるけどなぁ。
ステージでそのような曲を演奏された日には、ぞくぞくを通り越してクチをあんぐり開けてしまう。

それは、国技館2階席の扉を開けたときにも似ている(かもしれない)。
むかしむかし、初めて国技館へ入ったとき。
自分の席を探すために無防備に2階席の扉を開けたら、その光景に立ちすくんでしまった。
その日ナマで観た朝青龍の、にくたらしいほどの強さにハートを射抜かれたのは、必然だったと思う。



大切なのだけれど、やる気のないときに聴くとつらくなる曲があり、ここしばらくは聴くことをやめていたのだが、先日聴いたラジオで、この曲をかけたDJ(最近好きになった若手)が号泣しており、ますます特別な曲になった。

オトコも惚れるオトコたち、カッコいいに決まってる!
その、いいオトコたちが惚れるそのまたいいオトコってのがまた・・・

お銚子もう一本くださ~い。

2019年5月27日月曜日

やじうま3 やじ犬1

怒濤の土曜日を越えて、待ちに待った予定のない日曜日。


ジムに行ったら、その晩行こうと思っていた酒場の大将にばったり。
ではまた、とマシンに向かうと、激しくトレーニングしている元お隣さんを発見。
和ものが好きなアメリカ人教師・P。ブロークンなイングリッシュを駆使して、再会を喜ぶ。


この日の両国は、例のアレで一日ヘリの音でうるさかった。
「あちら」へ行くときっとえらいこっちゃだろうと、わざと遠まわりしてコーヒー屋さんへ。
それなのに「こちら」がわも、見たこともない人数の警察官。
「こちら」でこんなだったら、「あちら」はいったいどうなっていたのだろう。
ようやくたどりついた「喫茶ニャーゴ」のまわりも、物々しい空気。
いつも絶対に目を合わせない犬も
この日はなぜか両脇に警察官をはべらせて、いつも以上に目を合わせようとしない。

コーヒー豆を挽いてもらいながら店主とぶつくさ文句を言っていたら、ひさしぶりに会う、店舗を持たない古書店の店主がやってきた。
ぼくの家は高速道路出入り口のすぐそばなので、そろそろかなとやじうまがてらコーヒーを買いにきまして、と古書店主は笑った。
ぶつくさ文句を言っていたコーヒー屋さんの店主も、実は・・・とカメラを持ち出した。

帰り道、警察官に抗議??して動こうとしなかった車はそのままであったが、道路を封鎖していたフェンス等の撤去が始まり、張りつめていた空気がふっとゆるんだ気がした。

ジムでばったり会った店主の酒場へ顔を出すと、おさわりNGのかわいこちゃん(ねこ)が出勤していた。今夜はおさわりできないのか、と少し落胆して飲み始めた。
隣り合わせたひととラジオの話で意気投合し、共通の話題であるランよりも盛りあがる。
いやぁ実は今日、「あちら」へ行ってからここに来たんですよ、と唐突にそのひと。
もしや、と思ったら、このひともやじうまであった。

2019年5月24日金曜日

夢で逢えたよ

約束のある日々は過ぎて、さあ、今夜はジム!

・・・と思っていたのに、やっぱり
飲みに出かけてしまった。

乾杯したのは、ずっと前にご一緒した高齢のおじいちゃま。
青りんごサワーの好きな、陽気なかた。
そのあとに来た飲み友達とジムでの再会を約束して(この人は入会してからサウナしか利用していないらしい)たまに会うランナー青年とラン話。スリムなこの青年は、いつもさわやかにレモンサワーを飲んでいる。そして涼しい顔で、こないだ60㎞ほど走ってきました、などとのたまう。

ジムに行かなかった日の翌朝、ひさびさに早朝ランをキメようと、早い時間に目覚めた。
・・・なのに、やっぱり
ふつうの時間に家を出て、徒歩出勤。

まあ、いいでしょ。
自分のこういうだらしないところ、一周まわって嫌いじゃないぜ。



明け方に夢を見た。

どこかを走った帰り、バスにゆられて、なつかしいビルの辺りで降ろされた。
初めて勤めたOビルだ。戦前に建てられた古いビルで、今はもうない。
フンド氏がまだいるはず、とビルの入り口を探すもなかなか見つからなくて、なぜかアールデコな雑貨店に迷い込む。大きな犬が何匹も寝ている隙間に飛び降りて外へ出ると、仕事を終えて帰宅するフンド氏と遭遇。

そっちに行っちゃうんですか、と勤めていたころのように声をかけたら、フンド氏はおう、とこたえた。心の中では、すぐ行くから待ってて、と焦っていた。少ししてフンド氏からメールが来た。

好きにやんなさい

そのメールを見て、急ぐのをやめた。