大相撲初場所を千秋楽に観戦した友だちから彼女が大ファンの押尾川親方とのツーショット写真が送られてきた。
私は中日に観戦して照ノ富士のハリボテとのツーショット写真を友だちに撮ってもらったのが精いっぱいだったので、次回どなたかに遭遇したらきっと写真をお願いしようと決心したその舌の根も乾かないうちに豊昇龍関と遭遇。
たまたまチケットを譲ってもらった豪栄道の断髪式へ向かう途中、紋付き袴姿の関取が駅前を何人か歩いており、ひときわカッコいい関取をすれ違いざまにじっと見たら豊昇龍関だった。千秋楽のときも痛々しかったおでこから右目の傷はすっかりかさぶたになっており、TVで見るより大きくて壁のよう。しかし叔父さんと似た威圧感のようなオーラに声など掛けられるわけもなく、何度も振り返っては後ろ姿を見送った。
国技館に入るなりいつも以上に関取衆や親方衆があちこちにいることに舞い上がりつつ、いただいたチケットの席が狭すぎたのでゆったり観ることのできる席を求めて右往左往。
幕下選抜トーナメントはとても豪華なメンバー。そして断髪式・引退相撲といえば大好きな初切。このご時世なので口に含んだ力水をぶっかける代わりに塩を顔にかけていた。そして楽しみにしていた甚句で巧みな言葉あそびと美声に酔いしれ、決して聞き逃してはならない
〽せっかくなじんだ皆さまと
今日はお別れせにゃならぬ
いつまたどこで会えるやら
それともこのまま会えぬやら
思えば涙がパラリパラリと
このフレーズをしっかり聞いて満足。
さらに呼出の太助による太鼓の叩きわけ。
太助がこんなに立派になって、と近所のおばちゃんフィーリング丸出しで感慨深く見入った。横綱の綱締め実演も照ノ富士のものはもちろん見たことがなかったので真剣に見た。
これだけでも来た甲斐があったというもの。めったにお目にもお耳にもかかれないから。
肝心の断髪式は400名という大人数だったので途中抜け出してはお土産屋さんを覗く。まったくお腹は空いていなかったが晩御飯にと豪栄道弁当を買った。
豪栄道は違和感のないオールバックにタキシード姿で登場して、私が果たせなかった横綱を育てたいという言葉を残した。私までふんどしを締めなおしたい気分であった。
豪栄道弁当を買ったのを忘れて飲みに行ったくせに!