2020年9月29日火曜日

公開サイン会とMid 90'sと千秋楽

観たい映画があり映画館へ赴いたが2日連続で満席で観ることができず。
ネット予約ができないのはココロモチとしては好きだけれど、ちょっと離れた場所だとがっかり度もたいしたもので、このままスゴスゴ帰宅するのもナニなので次に観たい映画を観に別の映画館へ向かった。最後の1席。砂かぶり席で観てきた。

最新のMovie Watch Menで映画評を聞いたばかりの「Mid 90’s」は最初から最後までスティーヴィーにくぎ付け。表情といいしぐさといい目が離せなかった。そして若いのににじみ出るレイの苦悩とやさしさが切なかった。
ものすごく素敵な俳優ばかりだったな、と後で調べてみたら登場した俳優さんのほとんどがプロのスケートボーダーだった。ということは、スケートボードを始めたばかりでへたくそだったあのシーンも演技だったのか。しかもあんなせつない表情までできるなんて。

それにしてもあんなに中田ルミ、ではなくて中ダルミなしで映画を観たのは久しぶりだったが、そのあとTV桟敷で観た大相撲九月場所千秋楽もすごかった。
正代の優勝を見届けたあと、興奮冷めやらずにRHYMESTERインターネット公開サイン会を3度目の視聴。そういえばPUNPEEの配信ライブも3回観た。自分のニックネームが呼ばれたところは4回見た。酒はひかえめの夜だった。

それにしても、ライブに行きたいなぁ。

2020年9月25日金曜日

電車を止めるな!

先日乗った電車で気になるポスターを発見。控えめすぎるほど小さなものだったが、それは映画のポスターだった。
経営困難といわれる(というか自らいっている)銚子電気鉄道の映画。ぬれせんべいやまずい棒が有名で、なかなかナイスなおみやげ物も数多く扱う会社なのでおみやげ屋さんをのぞくのがいつも楽しみだったが、ついに映画まで!
これは観なければ、と労働帰りに会場のライブハウスへ。ライブハウスなので予告の代わりにどなたかの曲がSEで流れる。ビールを飲み干していざスタート。
まったく期待していなかったが、なかなかどうして、おもしろい。「カメラを止めるな!」へのオマージュ(オマージュ?)だということを忘れて、なんという救いようのないラストなんだ、と唖然。しかし最後に納得。
こないだ乗ったばかりの電車と見たばかりの景色や駅舎になぜか地元愛のようなものがじわじわ湧いてきた。
おみやげに1日乗車券をもらったので、またあの電車に乗りに行こう。
「おとうさんのぼうし」も美味しかった。

珍しくほのぼのしたパッケージと名前のお菓子だが、「ぼうし」は倒産「防止」ともかけているらしい。そのセンス好きだなぁ、銚子電気鉄道。

2020年9月23日水曜日

海は?

いつもの海は飽きたので、以前何度も行ったけどゆっくり見られなかった別の海へ向かった。
朝食は駅弁に決めていた。こないだの駅弁がなんともおいしかったので今日は同じところの別の駅弁。菜の花に見立てたその駅弁もやはりとても美味しかった。
目的地は荒くれた海。毎年マラソンで走って横目で見ていただけなのでゆっくり見たくて行ったのだが、歩いて行ける場所だとそれなり。でも気はすんだので駅へ引き返した。
魚が有名なまちだがやはりここは町のお蕎麦屋さんへ。涼しい日だったので、まずはおでんで熱燗でもやるかとお願いしたら、三人でつつけそうな大きな土鍋がぐらぐら煮たって登場。いわしのつみれがおいしくて鶏天が入っていたのがおもしろかった。
電車に揺られて一冊だけ持ってきた本を開く。結局、どこへ行くかより長く電車に乗ることが好きなんだなぁと今さら気付いた。

2020年9月21日月曜日

好きなものはなに

安藤鶴夫の著作などで名前だけは知っていた大津絵を観に朝から東京ステーションギャラリーへ歩いて向かう。
大津絵は、なるほどこういうものだったのかと納得していると、だからなにって感じぃ~との声が。そこがいいのになぁ。意味がないようであるようなものが好きだ。地口行灯にも似ている。
自分の好きなものがだんだん見えてきてもっと何かを観たくなったので、ステキ朝食を自分にごちそうしながら考えることに。
そういえばギャラリーが再開されたときになぜか民芸っぽい展示を観に行ったなぁ。民芸か、さっき観た大津絵の保存されている場所に日本民藝館って書いてあったな。調べてみると、現在はアイヌ民芸の展示をしているとのこと。よし、モノはついでだ、とステキ朝食を平らげたが、おっと先にフンド氏の両親のお墓参りに行ってから。

フンド氏の両親のお墓はキリスト教のお墓なので線香等は不要。お花だけを持って途中でお義父さんのお酒とお義母さんのコーヒーを買っていったものだがずいぶん前にそのお店は無くなった。
今回は帰りによく寄ったラーメン屋さんまで無くなっていた。かなり古いお店で、キンキン声のおばさんがいて懐かしい味のラーメンだった。これで行くラーメン屋さんが無くなってしまった。
気を取り直してこれまたよく行っていた喫茶店で珍しくプリンを注文。固くておいしいプリンだった。
それから日本民藝館へ。10年以上ぶりに小田急線に乗り初めての駅で下りて複雑な道を行く。幼なじみから教えてもらったラジオの再放送がおもしろくて何度も膝から崩れ落ちそうになりながらも、ようやく到着した日本民藝館の門前で最後まで聞き終えたのち、気持ちを切り替える。
ここにもやはり大津絵が何点かあり思わず声が出そうになった。たまたま見た、獣を狩って解体するためのナイフの柄とケースを作る過程に気が遠くなった。
芸術ではないけれど、実用のためのものだけれど芸術的。うーんこれが民芸なのか。おみやげのために大量に描かれた大津絵も初午のために描かれた地口行灯も、芸術ではないけれど味がある。結局味が好きなんだ。自己流に分析して納得し時計を見ると、大相撲中継が始まっている時間。あわててラジオで聞き始める。
空腹をおぼえたがせっかくだから神保町へ寄って佐々木一郎さんの「稽古場物語」を手にとってみたい。書店の二階から一階のエスカレーターに少し稽古場のイラストが展示してあり、思った以上におもしろそうだったので即購入。
早く読みたくていつもはあまり行かない酒場の縄のれんをくぐる。よく冷えた白ワインにハモの天ぷらなどつまみながら、いい買いものをしたなぁと「稽古場物語」をめくる。塩らっきょうで最後のワインを飲み込んで、帰宅後は大相撲の動画を見返したりPUNPEEのライブ配信を見返したり。かばんの整理をしたら先ほどのお店のレシートが出てきたので何気なく見てみたら、食べた覚えのないやきとんが4本も印字されていた。確かに少々お高いと思ったよ。がっくりうなだれてふて寝を決め込んだ。

2020年9月15日火曜日

下がり竜

野暮用で地図を片手に危険地帯に踏み込んだ夜。
ビルも公園も作りが独特で猥雑なニオイのこのあたりに一度だけ飲みに来たことを思い出した。
野暮用を終えて独特で猥雑なビルのまわりを歩いていたら、海辺のカフェのような飲食店を発見。こんなところにこんなお店があるんだ、としげしげと眺めたら既視感。
外装も内装もきれいになっているが、つくりが明らかにあのとき来た焼鳥屋さん。コの字のカウンターのみのとても狭いお店で、フンド氏とふたり、あの角の席に座ったのだ。
私たちを除く他のみなさんは常連さん。しかもそのスジの人、もしくは元そのスジの人たちばかりで気まずいことこの上なかった。
軽く飲んで帰ろうかと目で合図していると、私たちを囲むように両隣のおじさんたちが刺青自慢を始めた。私の隣の痩身のおじさんは興にのってシャツを脱いだ。俺の昇り竜を見せてやるよ、との言葉につい横を見たら、しわしわの竜のようなものが背中一面でしょんぼりしていた。笑い出しそうになるのをフンド氏に制されて必死でこらえた。
昇り竜じゃなくて下がり竜じゃねぇかよ、とダミ声で笑うフンド氏隣のおじさんに、痩せちまったからなぁ、と悲しげにシャツのボタンを留める下がり竜のおじさん。目と声に特徴のあるフンド氏がお勘定を、と言った途端に静まり返る店内。
それからどうなったかは覚えていないが、今ではこんなおしゃれなカフェになっていますよ。

2020年9月14日月曜日

九月場所初日

酔った勢いで約束した「帽子の会」で飲み散らかして、気付けば布団の中で目覚めた朝。ドレスコードのある集まりは楽しいが、なぜこうも飲みすぎるのか。

濁った頭でしたくをして国技館へ向かう。九月場所初日はもう始まっているし寄せ太鼓も聞こえる。
照ノ富士や豊昇龍や照強や霧馬山や竜電や北磻磨や若元春を応援しなければ!呼出の邦夫も!ああ忙しい、と鼻息荒く歩いていたら応援タオルを忘れたことに気付く。がっくり落ち込むが気を取り直して豊昇龍の分を入手し握りしめた。
今場所は横綱土俵入りがないのがさみしいが、初日なので優勝旗の返還や新たな優勝額のお披露目もあって新鮮。照ノ富士が膝にテーピングしていない姿を見るのも新鮮だった。
今場所のお目当ては特に、新入幕の豊昇龍。初めての幕内土俵入り姿を見て感激した。仕切りとか、たまに叔父さんにダブって驚く。大声が出せない今、タオルがあって本当によかったとしみじみ。
返り十両の北磻磨もかっこよかった。途中まで応援している関取が全員白星だったので気をよくしていたが、この番付では照ノ富士は序盤が厳しい。でもケガだけはしないでふんばってほしい。

先場所より人出が少なく感じた国技館。でも先場所よりさらにいろいろが改善されていて苦労が忍ばれる。今場所も無事に15日間が終わりますように。

2020年9月10日木曜日

太陽にほえろ!

フンド氏の誕生日は、休みをとっていつもの場所へ。
海以外に目当てのなにかがあるわけではないけれど、なんとかのひとつ覚えみたいにそこへ行きたくなるのだ。
小さめのかばんに本を入れて、朝からなにも食べていなかったのでめずらしく駅弁をキメる。
ずっと前から気になっていた小さめのトンかつ弁当。ずいぶん昔からあるお弁当らしく簡易な包装にも掛け紙にもひとめぼれした。もちろんとてもおいしくて、本を読んだりうとうとしているうちに、あっという間に到着。
着いたらまずは駅のテラスで一服することにしている。ずいぶん暑いなと空を見上げたら、ぽつりぽつりと降ってきた雨が激しくなった。雨雲が去って足が勝手に喫茶店へ向かう。海へ行こうと思っていたのにな、と思ったがフンド氏が行きたがっているのならと従うことにした。

以前読んでいた見知らぬ人のブログを何年かぶりに見てみたら、その人はつい最近突然パートナーを亡くしていた。その人は外食産業の仕事をしておりブログにもあちこちのお店の食べものや自宅でつくった料理などがならんでいたが、それを続けながらもパートナーへの思いもあふれている。食べものは何を食べたかではなくて誰と食べたかが大切だと、またきちんと仕事をしつつ感情を文章にすることができるなんてすごいな、と心から思った。自分にも、お店のいつもの席で涙を流すような素直さがあったら、と後悔するも今は目先の寒天。いつもの席などあるはずもないこの喫茶店では春はいちごのケーキ、その他の季節は寒天と決めている。そして帰りにコーヒー豆を挽いてもらうのだ。ここのコーヒーは家で淹れてもすぐにこの喫茶店の様子がありありと浮かぶ独特な香り。
あとは海へ行ってパン屋さんでフンド氏のホットドッグを手に入れて帰るだけ。レンタサイクルを漕ぐ元気もなく日傘をさして海岸へ出ると、沖が緑色に光ってとてもきれいだった。
しばらく海岸を歩き雨に2度降られて、途中でいちじくを手に入れてさようなら。

パン屋さんがめずらしくお休みだったので「ニューねこ正」の焼鳥を持って帰ろうと思ったのに、フンド氏の父上の行きつけだった「おいてけ堀」の暖簾をくぐってしまった。
気分よ気分、といつもの肴で軽く飲る。誕生日のことさえ忘れて気分よく帰った翌日はいよいよ「ニューねこ正」へ。北海道のほやがあったのですかさずご指名。焼いた赤魚が来て堪えきれず枡酒にチェンジ。ソロ活動するようになって干物などの魚を自宅で焼かなくなった。魚は大好きなのにな、としみじみ味わう。
そういえば外のあれ、気付いてないでしょうと急に大将に言われて外のサンプルケースを見ると、はたしてそこにはなつかしのマッチが。ずっと前から飾っていたとのこと。知らなかった!
おみやの焼鳥とともに渡された焼いもが温かくてうれしかった。

とはいえ、美人女将と話していたのは「太陽にほえろ!」のことばかりだったのだけど。

2020年9月7日月曜日

予定のない日は すべすべ温泉へ

「ニューねこ正」の美人女将に借りた「鬼龍院花子の生涯」を見終わった。三度に分けて1週間かけて観たが正解だった。濃度が高くていっぺんに観られないから。
仲代達矢の顔が目に焼き付いて離れない。まぶしいほどの夏目雅子はもちろん、美しい岩下志麻に夏木マリに、花子の顔も。

後日美人女将に報告しに行くと、今度はショーケン関連のDVD-Rを渡された。いつかは通る道と思いながらちっとも通って来なかった若き日のショーケンに、ついにお目にかかることができる。

思いきって枡酒をもう一杯お願いしたのはこの日初めてお目にかかった北海道のほやのせい。ちょうど帰り道で「ウィークエンドシャッフル」の泥水特集を聞いていて、RHYMESTERが初めての地方イベントに向かう東北新幹線のデッキで酒盛りを始めて〽ホ~ヤ ホヤホヤと浮かれてへべれけで到着し、その後・・・という話を聞きなおして笑いを堪えて歩いたところであった。
今まで食べていたのは東北地方のものでそれはそれでおいしかったが、北海道のほやはまったくの別モノでびっくりした。へべれけで帰宅して、楽しみにしていたCreepy NutsのMステ初出演を観たはずなのに記憶が断片的だったのが悔やまれる。

特に予定はなかったがこの日は一日お風呂に浸かろうと決めていた。
落語の「らくだ」に出てくる棺桶のような自宅の浴槽ではなく、広くて静かで長居できるお風呂。
久しぶりの「すべすべ温泉ねこぞの」はぐっと大人の雰囲気になっていた。
最近お気に入りの高炭酸風呂では自分の手脚についていく泡を気持ち悪いと思いながら飽きずに見て、露天風呂ではひょうたん型の天井から雲ひとつない空を眺めた。途中岩盤浴でうとうとしているうちに、暑いのになぜわざわざ熱いところで寝ているのかと疑問が浮かんだが気づけばまた高炭酸風呂で腕の泡をじっと見ていた。
身も心もすっきりしてねこぞのを後にしたが、すべすべマッサージを受けるのを忘れていたことに気付いた。日々がんばっている自分にご褒美ならばリベンジしたいところだが、まったくふざけた毎日をおくっているので特に悔しくはなかった。

2020年9月3日木曜日

下品が足りない

たまにはまじめに在宅の夜。
実家から送ってもらった野菜をああしてこうして、と晩酌しながら考えていたら友だちグループからメッセージが来ていたことに気付いた。

このグループは年齢も職業もいろいろもまったく違う不思議な三人組。ランで知り合ったのだが、タイムもやる気もまったく違うのにたまに会っては肉を食べる不思議な仲。
あるとき、誰かがふと発した下品発言から口を開けば下品な話ばかりするようになり、それがまた近年見かけない好もしい下品ぶりで会うのが愉しみになった。しかもふたりは美男美女。しかし約束はコロナの蔓延のせいで何度も流れ、今ではメッセージのやりとりばかりだ。

どれどれ、と切り始めた茄子を置いてスマホを見てみると、今回もまた下品な話題であった。
どうして自分のまわりには下品な話題が集まってくるんだろう、と嘆くその子に、それでそれで?と続きを促すもうひとりと私。早く会って肉食べながら下品な話をしたいね、と三人の意見が一致。

そうだ、長いことなにかがつまらないと思っていたら、下品が不足していたのだった。

2020年9月2日水曜日

記憶の珍味

ポスターを見て気になっていた「記憶の珍味」展を観に、初めての資生堂ギャラリーへ。
実は資生堂ビルのどこにギャラリーがあるかも知らず、時間が来てこちらへどうぞと言われた先のエレベーターに乗り込もうとしたらさらにその奥にひっそりとした階段があって胸がときめいた。
歩を進めるごとに木々の香りが濃くなる。踊り場には大きな白い壺があり覗いても中は見えなかった。
階下では流暢な美しい日本語の金髪の女性スタッフが笑顔で迎えてくれたが、事前にDLしなければいけないアプリをDLしていなかったためにモタモタと操作。私の次に来た殿方も同じくあたふたしていたので安心した。

アーティスト自らの音声ガイドをたよりに、不思議な空間をおそるおそる歩く。
大きなテーブルを囲むように天井からぶらさがったさまざまな木の枝や葉の香りを嗅いでいき、好きな香りでなく気になってまた嗅ぎたくなる香りを選ぶのが難しかった。副鼻腔炎の具合が少しましでよかったが正直違いのわからないものもあった。

それでも選んだ香りは正解だった。
マスクと指先に残った香りは、何度嗅いでもまた嗅ぎたくなる香りだった。
翌朝もまだ香りの記憶が残っているような気がして資生堂ビルを通りかかると、あの香りが漂っていた。気のせいではなくビルのまわりがすべての香りに包まれていた。