2022年11月16日水曜日

傘の職人さん

朝目覚めて、今日はさぼるぞと決心した。
ずっと行きたかった傘屋さんへ傘の修理に行こう。

いつもよりすばやく準備して家を飛び出し、電車に乗って下り立った駅には、以前から気になっていたお蕎麦屋さん。迷わず飛び込んで食べた紅しょうが天そばはとてもおいしくて、お天気がよくて駅前の花屋さんの花がきれいで、ああ今日という日はさぼるためにあったんだと確信。

お目当ての傘屋さんに到着して、しばし外からディスプレイされた傘を眺めてからこんにちは。ほどなくして出てこられたおじさんは職人然とした方で話していてなつかしくなった。
この傘屋さんはフンド氏と長く付き合いのあった、数年前に急逝された方の傘の師匠と聞いていた。思い切ってそれを伝えると、なんだ親戚みたいなもんじゃねえか、と少しくだけた口調になった。
修理してほしい傘は、以前私が柄を描いたもの。

骨が1本ぶらぶらになってしまって町の修理屋さんではお手上げだったと伝えると、これはうちにしかできねえよ、とおじさん。上がってテレビでも見てなよと声をかけられたが、こんなお宝ばかりのところはそうそう見ることができないのでずっとお店を見ていた。
作業自体は15分もあれば終わるとのことだったが、傘の生地に合う骨や持ち手、石突きがなかなか見つからず、膨大なパーツの数々と骨の微妙な違い(骨を見ただけでどこで作られたかわかるのだ!)に驚き、試作したという見たことのない日傘に驚き、気づけば何時間か経っていた。その間飽かずにずっと傘を見ていて11月も半ばだというのに日傘を3本も買った。包装紙まで素敵で、おじさんお手製の傘袋もなんともよかった。

浮かれて通りに出るとバスがやってきたので飛び乗った。行先は西新井駅。
お詣りでもしようかと西新井大師前で下車して参道を歩くと、平日なのにまずまずの人込み。池の鯉や萩の花を見てぶらぶらしていると、あと数十分後にここでテレビの生中継があるとのポスターを発見。
さぼって傘を3本背負って西新井大師をうろうろしている姿がテレビに映ってはいけないので早々に引き上げて西新井駅へ。西新井駅へ行くからには駅のホームのラーメンを食べなければなるまい。なるまい、というよりそれがお目当て。
汗ばむほどの陽気の中を歩いて駅のホームでいつものワンタンメンを食べて、今度は修理が終わった大切なバッグを取りに行き、コーヒー屋さんで数年ぶりにマラソン大会に出場する店主を励まして帰宅。
でも休日はこれで終わりではなく、この夜は翌日に控えたRHYMESTERのライブのために幼なじみとその恋人とで痛飲したのであった。
帰りに寄った酒屋さんで酒を買わなかったからえらいわ!

2022年11月7日月曜日

秋のさんぽ道

妹のところでにぎやかに過ごした翌日、この日もお天気がよかったので走りに出た。

今が見頃のばらを見に向かう途中で東大の門をくぐって銀杏の葉の乾いた匂いを吸い込んだ。学生時代によその大学に忍び込んで学食を食べた記憶がよみがえった。何を食べたかは定かではないけれど。古くて立派な校舎もじきに取り壊されて新しい校舎に生まれ変わるようだ。弥生門を出て住宅街を抜けると魅力的な古書店に出会った。気になる本ばかりなのでお店に入ってあれこれ見ていると、そこは以前虎屋の方のトークイベントで来たお店であったことを思い出した。
掘出し物を見つけて坂を下り、ついでに根津神社で今月の花御札を入手。七五三の写真撮影をする親子を写真撮影する外国人たちがいて長閑だ。知らない道を走るのは楽しくて、あっという間に旧古河庭園に到着。
ばらを撮影する人たちの間をすり抜けてみずみずしい香りを嗅いでさようなら。
ばらのアイスのにおいがする!