2019年3月29日金曜日

春はきらいよ

むかしから、春は憂鬱でしかない季節。
その理由は年齢とともに変わったが、憂鬱さは度合を増している。

そんなときは
「両国のひと」を熱唱してごまかすか
それとも
「R.Y.O.G.O.K.U.」を踊って暴れてごまかすか。
もしくは
ごぶさたしている「ライブハウスねんね」に行って
深いシダの森にいるような、あのウッドベースを聴きながらしばし現実逃避してごまかすか。
どちらにしても、解決しないものはごまかすほかない。



ねまちに、しばらく行っていないなぁ。
クソみたいな毎日に、めためたになる週末。

ジェーン・スーを見習って何がクソなのか書き出してみて分析すること、星野源を見習ってクソなことを嘆くのではなくそれでも生きていくのだと考えること、このふたつをタトゥーにして心に刻んでおこう。


2019年3月25日月曜日

ねこにやさしく

うっかりしていたら、三月場所が終わっていた。
今場所は、TVで一瞬目にしただけだった。
「深川福々」の会議で三月場所の話題になったときにも、まだ初場所が終わったばかりなのになぁ、などとスットコドッコイなことを考えていた。


その「深川福々」は、先週発行された。
今回は「ふかがワンダーランド」の記事を書いた。
・・・まずは体幹を鍛えないとね、というのが、取材直後の感想であった。
温故知新コーナーでは、あの辺の方なら誰もが知っているあの方のマル秘写真が!
大江戸線 清澄白河駅などでお手にとってみてください。


体幹については、先日コーヒー豆を買いにいったときにも話題になった。
コーヒー屋さんは、私が以前出たことのあるマラソン大会にご夫婦で出られるとか。
病み上がりの奥さまはしきりに不安がっておられたが、とにかくいい大会だから楽しんできて、と伝えた。そして体幹鍛えましょうと誓い合った。

病気を克服してから味覚が鋭くなったのか、奥さまは市販のルウでつくるカレーを受け付けなくなったという。
オムライスとえびフライの名店なら、教えてあげられたのになぁ。



ごぶさたしていた、義理の両親のお墓参りに行った。
自宅近所のお花屋さんでスイートピーの花束をつくってもらったので、道中ずっといい香りが漂っていた。
お隣さん(お墓の)とこの大木が伐採されており、切りかぶの形の複雑さにしばし見入る。すみれが咲いていた。


とある休日、今夜はここに行くと朝から決めていたお店へ。
隣り合ったひとと、しばしねこ談義。
彼女の写真を見せるようにいそいそと、まだ3歳のかわいこちゃんの写真を見せてくれたそのひとと話しながら、先代のアヨちゃんやぼっちゃんのことを思い出した。
ねこにやさしいひとと話すと安心するなぁ、と気づけば酔いが回っていた。

2019年3月19日火曜日

両国の恋人とオランダせんべい

あまり大きな声では言えないが、両国にはパッとしたおみやげがない。
国技館の焼鳥だって、そう簡単に手に入らない。
そこでつくられたのが「銘菓 両国のさんぽ道」であった。
ふつうのおまんじゅうと侮るなかれ。
見ためは地味でも、味には自信あり!
まるで両国のまちのよう。


続いて誕生したのが「銘菓 両国の恋人」
あまくないビスケットは、資生堂の例のアレを参考にしたとか、しないとか。
(本当は私があまいものが苦手なので、おまんじゅうで限界だったのだけど)
パッケージに へくそかずらをあしらっており、甘くないぜという姿勢を見せつけている(か?)。
くさいけど、可憐な花なんです。


先日の旅で連れていってもらった、オランダせんべいの工場。
うなぎの寝床なんてもんじゃないくらい細長いつくりで、めずらしい機械がつぎつぎにオランダせんべいを作り出していた。
普通の塩味のおせんべいでしょ、と一枚かじると、奥深い味に驚く。
それは、あの「つや姫」でつくられているから。
友は、試食のしすぎで夜遅くまで苦しいと唸っていた。

2019年3月18日月曜日

旅は終わった

むかしむかし「スナック女将」は、高校を卒業したおんなのこたちの、社会勉強の場であったらしい。
言葉遣いや作法などママやお客さんに叩き込まれて、社会へ巣立つなりお嫁に行くなりしていたとのこと。


先日旅先で連れていってもらった飲み屋さんもそうで、歴代のバイトくんは地元の国立大学の生徒さんのみ。
開店直後からとてもにぎわうお店なので、まじめで信用のおける先輩からの紹介のみ、ということらしい。
コの字形のカウンターの並びで、まだ幼さの残る青年がおじさんたちに囲まれて赤い顔をしていた。この店に連れていってくれた友も、なにやら話しかけている。
向かいの席でひとり飲んでいた紳士が勘定を済ませて立ち上がると、青年は立ちあがって紳士に近づいた。

やあ、と紳士が微笑むと、おかげさまで来週卒業式で、そのあと引越しです、と青年が頭を下げた。
そうか、いまは3月。3月は卒業と旅立ちの季節なのだった。


忙しくていつも疲れていた友は、初対面のひとかと勘違いするほど元気になっていた。
そして一番食べたかった手料理をふるまってくれた。
ばかじゃないの、と呆れられるほど酒を買い込み、笑いすぎて涙を滲ませながら手を振って別れた。濃すぎる旅は終わった。

2019年3月11日月曜日

めでる国芳、向島。

むかしむかし地方の洋品店では、あの奥さまこんなのお好きよね、などとお得意さんの顔を思い浮かべながら一点一点仕入れをしていたらしい。
ハズレはなかったのか?と余計な心配もしてしまったりして。

きせかえブティック「メンキー&ノンキー」においては、そのような心配はまったくない。
だって、いつ行ってもそのとき欲しい服があるから。
ここのブティックの店主はどんな方なのか、いまだ知らないけれど。


この本を見つけたとき、これはマッチさん(※わたし)だ!って思ったんですと、ズバリな本を仕入れてくれた本屋さん。
ひさびさに本を見てときめいた。

帰宅後その本をめくっていると、既視感。
50年近くむかしの、房総のはまぐり弁当の写真。
本から目を上げると
どこで手に入れたか忘れた、はまぐり。
写真と寸分違わず。
古い洋雑誌を見ながら、これこのお皿だ、なんて発見するとうれしいものだよ、とアンティーク屋さんが言っていたのを思い出した。


今月いっぱい行われている「39アートin向島」。
甘夏書店さんでは国芳特集をしている。
私も生きものつながりということで、生きもののマッチのみこそっと出店させてもらっています。
いつもいつもありがたいことです。
展示用のブツを持っていったら、忘れもの発覚。しかも大事なショップカード・・・

2019年3月7日木曜日

おんな稼業を張るということ

そろそろ「サロン・ド・こけし」へ行かねばならない。
女主人に話したいこともあるからね。
しかし最近のこのていたらくでは、叱られるだろう。
こんなまつげではドレスコードにひっかかるし、髪はくるくるうねっている。



「MOD BAR BERこけし」にも行かねばならない。
店主に相談したいこともあるからね。
しかし最近のこのMODとはかけ離れたスタイルでは、叱られるだろう。
ぶくぶく肥えてきたし、ファッションも適当。

叱られない生活とスタイルを確立したいものだ。




先日ひといきに読了した本の主人公るみ子は、魅力的な女性だった。
最初はたよりない子だったのに、内面がだんだんたくましくなってゆくさま。
るみ子のセンスもとても好きだし、いい女発見!と思わせるこの作家の腕にうなった。


るみ子のように、せめて手の込んだ料理でもつくろうか。
なんて言った舌の根も乾かぬうちに「レストラン両国駅」にふらっと寄ってしまうのが関の山。
正統派のお料理は最強だもの。

2019年3月5日火曜日

機密事項と謎

ある友が言った。

最近あまりにあちこち傷めたりケガが多かったりするので、ふと思い立って盛り塩してみたらあちこちのケガの痛みが治まった、と。
あなたはオカルトな人間ではないのになぜ盛り塩なのか、と問うと、う~ん、なんとなく、とのこと。へえ、怖いけどよかったね、とやはりなんとなく答えたが、ある日突然それを思い出し、彼女を真似てランタン柄の小皿にバリの塩を盛って置いてみた。

あちこち傷めてもいないしケガもしていないが、ずっと考えていたことにその日結論が出た。目が醒めた。(些細なことの積み重ねで傷ついていたので、傷めてはいたのか)
盛り塩、おそるべし。

このバリの塩を使って・・・はいないが、おいしい塩をちょこっと使った「ぺろりレストラン」のお料理は、家庭では真似できない味。
スパゲッティハンバーグのパスタを茹でるときにひとつまみ。
やきそばサラダのサラダにひとつまみ。
クリスマスのピザ生地にひとつまみ。
これで魔法のようにおいしくなるらしい。
どこのなんて塩かは、企業機密。


「BAR GABGAB」の水割りは、バーボン自体は平凡なものなのに不思議にうまいと評判だ。
バーテンダーが毎日汲んできているという井戸水のせいではないか、いやどこぞの神社の手水ではないか、など常連さんの噂が後をたたない。
ほんとうのところは、謎。


「おはよう商店」の朝ごはんは、どんな朝にもよく合う。
ひどい二日酔いの朝でも、自分の腹の虫の音で目覚めるくらい食欲旺盛な朝でも、彼(もしくは夫)との予定のない休日の朝でも、恋が終わった朝でも、必ず食べたいものがある。
ただ、セクシーサンドのセクシーさがいまひとつ、謎。



盛り塩の塩は、けっして食卓に置いてはならないらしい。
ゆでたまごにちょっとつけるなんて、もってのほかなんですってよ。

2019年3月4日月曜日

猪突猛進

ようやく、ようやく、大好きな本屋さんへ行くことができた。
それまでどんな黒い気持ちを持っていても、そこへ行くと、元の自分に戻ることができる。例外なく、このたびもそうだった。
愉しいニュースにお誘い、うれしい言葉。
ああ、この本屋さんとめぐり逢えて、本当によかった。

愉しい気分のまま、スカイツリーの近所に引っ越したフンド氏にあいさつ。
そろそろ4年になるんだね、としみじみ。

今夜届く荷物を受け取ったら「ニューねこ正」へ行くぞ、と意気込んで歩いていたら、沈丁花を手にした未亡人会の会長と遭遇。
あら今夜はどうすんの、と聞かれたので、荷物を受け取ったら行きますよ、では後ほど、とあいさつして家路を急ぐ。

荷物はまだ来ない。
ビールでも飲むことにする。
つまみなしのビールは味気ないので、先日の旅みやげで友にあげそびれたかまぼこを一切れ口に入れる。なにこれおいしい。
さらにもうふた切れ。うまい。あとふた切れだけよ。ああ、やめられない止まらない。
主のいないかまぼこ板をながめて、表札のことなど考える。

荷物はいっこうに来ない。
野菜のつまみがほしい。よしあれをつくろう。切って炒めるだけのあれ。
お皿いっぱいにつくったつまみを口に入れる。我ながらおいしい。半分にしとかないと「ニューねこ正」の愉しみが半減もしくは全減よ。あとひとくち。ああ、やめられない止まらない。
主のいないヒョウ柄の皿をながめて、義兄は元気かな、などと考える。

荷物は来る気配もない。
ビールどころか、冷蔵庫にあった生酒も残りわずかとなってしまった。ああもう、こうなったら少し手はかかるがあれもつくってしまえ。
これは余らせてお弁当のおかずにするんだぞ。わかってるな。って誰に言い聞かせてるんだ。自分だよ。ああ、こりゃ酔ってきたな。
う~ん、我ながらおいしい。フンド氏もこれ好きだったなぁ。いや、別の男だったっけ。それとも女?もうわからなくなっ・・・・

「ピンポーン」

ようやく荷物を受け取ったが、もう「ニューねこ正」に行く気は失せていた。
そんな、よくある夜の話。



旅先で見かけた不憫な親子と、ボーイフンド氏の干支。
たったこれだけの接点だったいのししに、もうひとつ接点を発見。
それは、猪突猛進。

熱しにくく醒めやすい性質なので、短期間に終わるかもしれない。
それどころか、まだ始めていないのにやや醒めはじめている気もする。
でも、なにごとも勢いよ。
今までだって、計画立ててものごとを始めたことが一度でもあったか?ないだろ?
(誰に言っているのか)
思い立ってから3日。なんとなく今週から、いろいろ始めます。


そして


甘夏書店さんでマッチやおべんとうノートをお買上げくだすった奇特なみなさん、ありがとうございました!

2019年3月1日金曜日

ソロ活動、開始

なんだかんだと忙しかった日々から解放されて、マンネリな日常に戻った。
つまり約束のない夜。
酒場には目もくれず、いそいそと帰宅して、スマホの音を切って本を読む。
その本がまたおもしろかったものだから、止まらない。
風呂場にまで持ち込んで、上下巻、嗚咽しながら読了。
(泣くような類の内容ではないのだが)
こういうの、溜飲が下がるとか、カタルシスとかいうんだっけ。

いきおいづいて、次の本を手に取る。
こういうときは、思い切り不吉な本がよいだろう。
次なる世界との出逢いに目がギンギン。
あまりにも幸せなこんな時間を、なによりも求めていた。


別の日。
今年初めてのライブに登場。
久しぶりにあっという間の3時間だった。
新しい曲は背筋になにかが走るほど最高だったし、一見関係のなさそうなあのミュージシャンとこのミュージシャンがつながっていて、あんな曲がこのような場所で聴けたり、実は初めて聴いた初期の曲、とてもよかったなあ。



旅先にて。
どうにも体調がすぐれず、薬を求めてさまよった商店街で見つけた、漢方薬局の悲しい親子。
今年の干支なのに、不憫でならない。
でも親切なボスでよかったね、と心の中で声をかけて別れた。