2021年10月27日水曜日

両国のさんぽ道

出かける途中で以前のマンションでのお向かいさんとばったり。

この方も引っ越されたがやはりご近所さんで犬のピピくんと暮らしている。立ち話をして、また飲みに行きましょうと約束した数日後、酒場へ行くか行かないか悩んで結局家で飲むことにしてアテを求めてうろうろしているとこの方から電話があり道端で洋服をどっさりもらった。

そのまた数日後に飲みに行く約束をしてたくさんの洋服を抱えて歩いていると後ろから名前を呼ばれて振り向いた。しばらく行っていない酒場の大将だった。この日は大将のお店の定休日で、飲みに行かない?と言われたが酒のアテを買い込んだ帰りなので残念ながらまた今度。
そうそう、うちのねこの動画見てくれた?と言われて首を傾げると、メッセージ送ったのにと言うので帰宅して確認するとそのアプリがおかしなことになっており右往左往してようやくアプリを開くことができた。元野良だったねこが階上の家から脱走して階下のお店の裏に再び住みついたらしい。なにそれ!
他にも懐かしい面々からのメッセージが数件。とっくに過ぎている日のお誘いもあり、悶えながら返信をした。

この晩飲みに出かけなかったのは、やらねばならないことがあるから。頭の中では壮大なモノがいくつも完成しているのに技術が追い付かず、ついに初めて動画で学ぶことにしたが、初心者でもできるという動画についていけず、こんなのできないよと投げ出してRHYMESTERの「After 6」を聴きながら歌って踊っていると、ねまちが驚いて逃げていった。
何時だと思ってるのよ!

2021年10月23日土曜日

モテています

満席の「ニューねこ正」でむりやり席をつくってもらい

今年2度めのさんまと素晴らしく美味しい白子を熱燗で飲り、さらにまかないの通称・貧乏チャーハン(ねぎが多いから、らしいがちっとも貧乏ではない)までいただいて機嫌よく帰った夜。酒場が再開してから会っていない飲み友だちからメッセージがきた。
仕事が忙しくてねこ正に行けず、悲しいのでねまさんの最新の写真を送ってくださいとのこと。お安いご用とカメラを構えるも写真を撮るのがへたくそなために、ねまちが荒ぶっている写真しか撮れず。
こんな写真でも喜んでくれた。

独身の頃から長く一緒に暮らしたねこたちを亡くして、またねこと暮らしたくなった妹が泊まりに来たいという。それではどこに行こうかと聞くと、ねまちに会いたいだけだから別にいいとのこと。

週に5日は真夜中の大運動会で寝させてくれない暴れ太鼓なねまちは実にモテている。
久しぶりに会ったこの牛もマスクや帽子をつけており、裏通りなのに人気者。


2021年10月19日火曜日

家さがし

新婚の友だち夫婦の新居を探しに、その地元民のみなさんと待ち合わせ。
新婚のご主人は仕事なので奥さまとその仲間たちと。いつもは酒場で顔を合わせるので朝から会うのは照れくさい。

新居についてはまだ具体的に考えているわけではないとのことで、梨畑を更地にしているところや更地、建設予定地や新築工事中の家に新築の家や中古の空き家、さらには案内してくれた友だちの家からその娘さんたちの家まで見てまわった。
ここは昔大きな運動場だったんだよ、ここはサッカー場だった、などと地元民の昔話を聞きながら歩くのは楽しい。コンクリの塀から立派な木の切り株がはみ出ている古い家がいくつもあった。素敵な花屋さんやカフェ、古くからの商店の看板に庭に咲き乱れるバラなど、初めて歩く住宅街はどこを見てもおもしろかった。

途中お蕎麦屋さんで休憩したときは、飲みたい気持ちを一同ぐっと堪えた。
おいしそうなおつまみがたくさんあったのと、天ざるの芝えびの数がとても多かったこともあり、ああこれで「清酒 綱取り」をちびちびやったら、といじましく想像した。

食後はじゅんさい池の主というねこたちにごあいさつしたのちに、新婚の友だち一番のお気に入りの豪邸(もちろん知らないひとの邸宅)に案内してもらい全員ため息がとまらず。春になったら昼は広いベランダで、夜は広いサンルームでお花見できるね、でも掃除が大変だよ、ルンバ何台いるかな、と妄想もとまらず。

たくさんの家を見た一日だったが、結局途中で寄った友だちのひとりのマンションの豪華さに一番衝撃を受けたのであった。

2021年10月14日木曜日

やっぱり愛されている秋の親子

昨日まで朝から松茸を焼いていた親子だったが
今朝はハロウィン仕様になっていた。

しかも去年と同じではない。
思っていた以上に愛されている親子に思わず立ち止まって見入っているとお掃除の方が、いつもいろいろ着せられてるんですよ、と笑った。愛されていますね、と頷きあって労働へと急いだ。

久しぶりにおとなしく寝ていたねまちだったが、翌朝、台所には歯ブラシが落ちていた。そしてごはんの皿にはお気に入りの通称ポンポンボールが。
ぼっちゃんもよくしていたこれは何のメッセージだろうか。今夜は飲みに行かないからと言い聞かせたが、家を出るときには恨めしい目で扉が閉まるまでこちらを見ていた。

2021年10月13日水曜日

ソロ活動開始とぜいたくな昼ごはん

緊急事態宣言が解除されて通常の時間まで労働しながら、この晩はソロで酒場へ行こうと考えていた。いそいそ帰宅してねまちにごはんを与え、ミルクを平らげたのを見届けていざ、とかばんを持ち上げるとこの日に限ってねまちが絡んでくる。すぐ帰るから、と言い聞かせるも玄関で平べったくなってケケケケと文句を言われて根負けした。
期待はずれの映画を観ながらねまちの耳掃除をして、余震が来たら心配だしこれでよかったと深酒。真夜中の大運動会で眠れず。

翌日もいそいそ帰宅してねまちのごはんの用意をする。私のスプーンと片方の箸がない。これは飲みに出かけてよしというメッセージと解釈し、すぐ帰るからと説き伏せて家を出た。今度は靴箱に隠れてにらんでいた。ここまで反対されても酒場へ行く必要はあるのか、と途中ふと思ったが振り向いたら負けよ。

酒場の暖簾から中を覗くとお豆腐屋さんがサッカーを見ていた。
こんばんは、と腰を下ろすと、どうも、毎度ありがとうございますと言われてあの出来立てのお豆腐と揚げたての厚揚げの味がよみがえった。
いつもはあまり表に出てこない大女将がにこにこしながら、こないだの湯葉とてもおいしかったわ、とお豆腐屋さんに言いに来た。最後の最後の湯葉が好きなお客さんがいるので大女将にもおすそわけしたのだそう。豆乳も湯葉もとろとろでシチューのようなんですよと聞いて、いてもたってもいられなくなった。
近所で工事などがあると昼食にお豆腐を買いに来る作業員さんもいるらしい。お弁当だけではもの足りないのでお豆腐を一丁買って、醤油たらしてくんない、と言って隣の公園で食べるのだそう。それいいですね、と感心していると、昔は商売やってるところは昼どきになると肉屋でコロッケ、魚屋で魚、豆腐屋で豆腐や厚揚げを買って、でかい釜で炊いたごはんでみんなで昼めしにしたもんです、とのこと。なんともぜいたくな昼ごはんだなぁ。
しばらくして常連さんのきれいな女性が現れて、この日はいなかった常連さんの話からお豆腐屋さんの初めての海外旅行の話になり、あんまりおもしろくて酒がすすんだ。
ふと気づけばいい時間。ねまちの顔が浮かんだのでお先にさようなら。

今夜は早めに寝ようと床についたが、この夜も大運動会で眠れなかったのであった。

2021年10月11日月曜日

年に一度のこんにちは

つらい健康診断を終えると必ずうどんを食べる。

(ご存じでしたか、「土俵そば」にはうどんも、丼ものもあるんです)
いつも朝はおそば一択だけれど、ひと仕事終えたあとは必ずうどんと決めている。
古い小さなお店のやさしい味のそのうどんを啜ると秋だなぁとしみじみ思う。うどんは秋の枕詞。

しばらく後に、なかなか効かなかった下剤が効いて突然の腹痛で冷や汗を流すことも知らず、のんびり一服していた朝の自分が憎らしい。

2021年10月10日日曜日

近くの他人はありがたい

深夜の地震は久しぶりに大きかった。
友だちと電話中で気が紛れてよかったけれど、生まれて初めての地震を経験したねまちはあちこちへ走り回っていた。あたし疲れたわ。

棚から貝殻が落ちたくらいで済んだし飲むものがなくなってハブ酒を啜っていたおかげで泥酔もしていなくてよかった。幼なじみや友だちや妹が心配してメッセージをくれたのがありがたかった。落ちた貝殻ってビキニの?と訊いてきた友だち、ずいぶん会っていないけれど変わっていなくて吹き出した。
震度がもっとも大きかった場所に住む友だちの顔が浮かんでメッセージを送る。無事だよとの返信に安心して寝ることにした。

翌朝は、なんとしても朝ソバをキメなければとなぜか強く決心してずんずん歩いた。

先日久しぶりに暖簾をくぐったとき、ずいぶん久しぶりじゃない、とおかあさんに言われた。ここんとこ朝起きれなくて、とソバを啜りながら答えたがその日は昨日のあれ、大丈夫だった?と訊かれたので、あの時間はお店に?と訊ねると、家よぅ、あたしいつも2時に来んのよとおかあさんは薄く笑った。そうだった、このお店は2時からやっているのだった。

お弁当をつくりそこねたのでお昼は顔馴染みの中国人のおねえさんのお店へ。昨日大丈夫だった?と訊かれたので、お店は大丈夫でしたかと訊くとお店は大丈夫よ、ワタシは電車止まって大変だったよ、と顔をしかめた。やっと夜の営業を始めたばかりなのにね、とお互い苦笑いしてさようなら。

実は名前も知らない、でもいつも顔を合わせる人たちとのこんな会話がなにより安心する。
世間話といえばそれまで、でもしみじみ心強い。

2021年10月5日火曜日

ふしぎなまち・土浦

なんとも魅力的、などという言葉ではおさまりきれない熱量の高さのかえるかわる子さんの展示を観に初めての土浦へ。
今年の夏はつくばで、先日は近所で怒濤の個展を見たが、今回はご本人念願のご実家での記念すべき個展。そのご実家は県の指定重要文化財になっている酒屋さんと聞いて、そしてDMに描かれた土浦のまちのお店にも行きたくて楽しみにしていた。

空腹で土浦駅にたどりついてまずはお蕎麦屋さん。気になる喫茶店や天ぷら屋さんがあったので、軽めのたぬきそばにした。醤油の味が我が東東京より濃くて新鮮だった。
あちこち寄り道してようやくたどり着いた会場は思った以上に重厚で彼女の作品にぴったりだった。
活けられていたお花まで、季節にも作品にも気分にもぴったり。
近所のお年寄りやたくさんのお友だちでほどよくいっぱいの古い建物の中で、しばし友だちの実家にお邪魔した気分で作品だけでなく飾られた手拭いや梁などにも見入った。階段が梯子のようで緊張した。
地元愛の大きさと、自分を変えようとして変えた姿にまた圧倒された。行ってよかった。

この日は結局、スマホをまったく見ずにDMの手描きの地図のみを見て歩いた。久しぶりのこの感じ、わくわくして楽しかったなぁ。間違いないだろうと思ったお店はやはり間違いなくて、それでも寄ることができたのは蓮根カレーパイのお店と古書センターと天ぷら屋さんまで。また来月のこちらでの個展にも来ようと思った。

そういえば私もフリーペーパーやかわら版が好きで「深川福々」のお手伝いをしたり、自分でも一度作ったこともあったのだった。
その名も「ねまち新聞」。
このときは広告が好きで広告のためにお店をつくって新聞で宣伝したのだけれど、かわる子さんの新聞をたくさん見るうちにまちの新聞をつくってみたくなった。

酒場巡礼の日々

緊急事態宣言が解除になり、近所の飲み友だちに誘われてあちこちこんばんは。
とはいえ心から安心はできないのだが、一軒一軒訪ねるたびに以前の感覚がよみがえる。最初に行ったのは「おいてけ堀」。
水茎の跡うるわしきメニューを見ずともすらすら注文。お馴染みのメンバーとも会えたし、しみじみ美味しかった。
次の日は別の「おいてけ堀」。(実はいくつもあるのだ)ここでも美人女将や大将たちの元気そうな顔を見ながら、ありがたく美味しく飲んだ。
また別の日は自家製チーズが特に美味しいお店。翌日から緊急事態宣言でしばらく来ることができないと目を皿のようにしてメニューを探したときそのチーズを発見した。食べたらおいしくて、たしか6皿も食べた。それでも嫌いになるどころかもっと好きになった。今回は3皿食べた。

どのお店の風景も味もそのままでうれしかったが、以前と違うのは家にねまちがいること。あまり泥酔する気にはなれず優等生的にごちそうさま。酒もいいがねまちが気になる。それにしてもみなさんお元気でよかった。
落ち着いたらソロ活動も始めようと帰宅すると、ねまちの顔を見てやっぱり我があばら家が一番かもしれないとも思った。
いいのよ、帰ってこなくても。ごちそうさえ用意してくれればね。