2020年6月29日月曜日

冷たい女

毎度ダメな週末ではいけないと、一念発起してあれこれ用足しした上にちょびっとジョグ。ただずっと行こうと思っていた展示だけはおケツが重くて行けなかったので雨降りの翌日に持ち越し。雨降りの方が気分が出るのは雨女たる所以か。
てくてく歩いて銀座の小さなギャラリーに到着して入館前に体温測定をしてもらうと、何度測っても34℃。体温いつも低いですか、とスタッフに訊かれたがそんなわけはない。5回ほど測るも結果は変わらず。高いよりいいですから、と無罪放免になり民芸品とヒバの香りでいっぱいの展示をゆっくり観た。それから弾みがついて日本橋の美術館で3つのナゾの作品群を観て(体温は36.5℃だった)なんともいえない気分をどうにかするために神保町などパトロール。
夜は飲み友だちのバイトしているお店に登場。とんでもなく美味しいお料理をとんでもなく濃い焼酎の水割りでいただく。たちまち酔いがまわり、美味しかった希少な魚・石投の名前を忘れそうになったのでお品書きをカメラに収めた。
帰宅後、ベランダのくちなしは新しいつぼみが開いていい香り。両親から届いた野菜も濃くていい匂い。いい気分で体重計に乗ると、体温が低すぎたとは思えないほど体重が増量していてがっくりうなだれた。

2020年6月27日土曜日

みんなが笑ってる

月に一度のお楽しみのRHYMESTER配信飲みーティング。
同じ日がやはり月に一度だったチーズ会社のセール再開の日でもあり、ここで飲みーティングのお供を入手しようと思い付いた。途中、毎朝気になっていた「真夜中のスパゲッティ」のお店も覗いてみようかとも思ったが、ひと足お先にチーズ会社へ行った友だちからの浮き足たつメッセージに気持ちが前のめりになり寄らずに早歩き。
セール会場は川のほど近くの小さなスペースで毎回違うものが並んでいる。いろんな種類のチーズはもちろんサラミや生ハム、ワインやオリーブオイルなど見ごたえがあり、残りわずかなタパスや唐辛子のペースト、このチーズもドライフルーツもいくか、と次々に手にしてお勘定。今日は贅沢するんだぜ、とかばんの中の財布を探す。こうしている間にも後ろにはお勘定を待つお客さんの列が出来ており店員さんも汗を拭いながら計算機を叩いたりチーズの説明をしたりと大忙しだ。

財布が見当たらない。
まさかそんな、と改めてかばんの中を漁るもやはり財布はなかった。ゆっくりでいいですよ、と言ってくれた店員さんに、ごめんなさい、お財布忘れたみたいです、と平謝りに謝りあわてて会場を後にした。
これで今宵の飲みーティングのための、いつもよりちょっといいチーズやタパスやワインが消えた。ひと足お先にセールを楽しんだ友だちに事の顛末を伝えると、サザエさんか?と返信。

帰宅すると、果たしてそこには我が財布が転がっていた。今からセール会場に戻るには疲れすぎており、結局いつものお店でいつものようなものを買いそろえた。

楽しみにしていた飲みーティングが始まり、友だちとメッセージをやりとりしながら夜は更けていった。頭の片隅には逃したチーズやタパスがずっとこびりついていた。

2020年6月25日木曜日

旅に出ました

銀座の裏路地に捨てられていた地方紙がとても気になり、旅に出たくなった。しかしこのご時世、東京からの客人なぞ嫌がられることだろう。
そんなとき少しだけ旅気分にひたることのできる場所、それは各地のアンテナショップ。
先ずは長崎県へいそいだ。
島の多い長崎県のパンフレットは聞いたことのない地名も多いが、行ったこともこれから行く予定もない場所のパンフレットでもひとまずいただく。移住しませんか、の文字に引き寄せられてそんなパンフレットも手に取る。今から知らない場所へ移住か、仕事を探してよさそうな飲み屋さんをみつけてそれから、と妄想はふくらむ。(運転免許がない時点で可能性薄)続いて店内の五島うどんやちゃんぽんを見て長崎港や中華街に想いを馳せる。

さあ、次は福島県へ行こう。
このところ毎週のように乗りものを予約しては取り消している。長崎よりはるかに近いのだからさっさと行けばいいのに、いつも他の予定を失念していたり日付を間違えていたり。そんなときはアンテナショップでパンフレットを集めて気持ちを高めるのがいちばん。旅のパンフレットをじっくりながめるには「おいてけ堀」でなければ気分が出ない、というのをいいわけにしてダイエットで減酒生活に入っているのに「おいてけ堀」へ向かう。かばんの中には長崎県・福島県各地のパンフレットに「私の若草物語」「パラサイト」の映画パンフレット、そして決意のヘルスメーターが入っており肩がもげそうだ。
飲み屋さんへ来たのは久しぶりだなぁ、と思ったが数えてみたらたったの4日ぶりだった。こらえ性のないやつめ、と穴子を味わう。たった4日ぶりだが早くも酔いがまわってきた。美人女将が、ねぎ炒めはそろそろねぎが固くなってきたからやめました、と声をかけてくれた。今年はねぎの季節が長かった気がするが、いよいよ夏だ。

2020年6月24日水曜日

映画な日々

観ていた映画が自分でも気づかないほど退屈だったようで、こっくりこっくり船を漕ぎながらようやくエンドロール。
イタリアの美しい景色やド派手な映像をたのしみにしていたが、印象に残ったのはスタイルも顔もすばらしいラテン系美女たちと20歳の大学生の彼女。あと子ヤギ。
この映画についてラジオで紹介した方の話がおもしろかったので観たのだが、実際に鑑賞すると事実は小説より奇なりという言葉がしっくりきた。これが現実にあったことの断片とは。
事実は映画より奇なり。でも豪邸もパーティもあまり楽しそうじゃなかった。

ずっと観たかった映画をいつ観にいこうかと思いながらうっかり予約。まあこういうのは勢いが大事だし、と詳細を見たら翌日の予約のはずが今日だった。しかも日本橋の映画館を予約したつもりが日比谷だった。
最近、いや以前からこんなうっかりミスが多いが大丈夫だろうか自分。

観たかった・観た映画は「ストーリーオブマイライフ・私の若草物語」。絵本の「若草物語」が好きだったのは食べものの絵が美味しそうだったからという理由だが、丸腰で臨んだこの映画はもうすべてがよくて、食べものよりもドレスや髪、家や景色、そして登場人物が素敵だった。マスクはびちょびちょになった。

帰りの電車でパンフレットを読みたいと強く思い、なぜか「パラサイト」のパンフレットまで入手して思った以上の楽しい帰り道であった。


2020年6月22日月曜日

雨にうたれて

週末は日帰りの旅に出よう、急に思い立って往復の乗り物を仮予約。
しかし現地での当日中の移動がどうにも不可能であることに直後に気付いて泣く泣くキャンセルしたその晩はまたもや深酒。つかの間の旅のときめきは消えうせたが、観たい映画と観たい絵がある。どちらに行こうかな、その前に久しぶりに走ろうかな、とわくわくしながらも何もしなかった二日酔いの休日。開き直って引きこもることにして早々におやすみなさい。

翌朝はまだ薄暗いうちに目が覚めたので、思いきって以前から行きたかった朝市へ出発。小雨がぱらついているのも気分よ気分、と傘を差して海のまちへ。
朝市は離れた3ヶ所で行われるとのことで、こぢんまりした岬の1ヶ所めをパトロールしたのちにしばらく歩いてバスを待つ。雨脚はだんだん強まりどしゃ降りになった。傘の柄をしっかり握りしめながら、どしゃ降りの早朝からよく知らない場所でいったいなにをしているのだろう、という考えが一瞬頭をよぎった。いけない。
2ヶ所めに着いたころには滝のような雨。当然朝市などやっておらず、なのにまだ3か所めを目指そうとする自分にストップをかけて海岸を目指す。
以前このあたりで入手したコーヒーがとてもおいしかったことを思い出して歩を進めるも店はまだ開いていない。時刻は午前9時前。当然だ。
買いものたくさんしちゃったらどうしよう、といくつも持ってきたエコバッグのせいで肩が痛い。海岸を歩くことはわかっていたのに白いスニーカーを履いてきたのもばかばかしい。
海には釣りに興じたりボートに乗ったり磯遊びをする多くの人たち。雲の切れ間からは青空が見えてきた。ぼさぼさ頭のカラスが波打ち際で遊んでいる。朝市への色気がまた出てきたが、ここはおとなしく帰ろう。


部屋を整理していたら出てきたという一升瓶の泡盛をくれた友だちから、今度は会津の古酒の一升瓶が出てきたよ、いるよね?との連絡があり待ち合わせ場所へ向かう。しかし一升瓶が何本も隠れている家とはいったいどんな家なのだろう。
先日もばったり会って少し立ち話をしたが、この日は横断歩道の信号の色が何回変わったかわからないくらい長いこと立ち話。その後もらった一升瓶をかついで歩いていたら、近所の友だちにばったり。少し締まった印象なのでそう伝えると、毎日5Km走っているとのこと。この日話した友だちふたりはまったく別のルートで知り合ったラン友だが、ふたりともスリム体型であることから、人生初のダイエットに挑戦してみる気になった。

ダイエットには禁酒だ。でもゆるやかに始めようとおつまみ少なめ、お酒は薄めで始めた昔のドラマ鑑賞がつらくてつらくて、飲まなきゃやってられないと禁断の古酒にも手を出してしまったダイエット初日の夜。
本気出すのは明日からだ。

2020年6月16日火曜日

あばら家のくちなし

くちなしの香りは雨が似合う。
ようやくひとつ咲いたくちなし、3日ほど匂いを嗅いでいたら、またひとつ白くなってきたつぼみを発見。今夜あたりかな、と思って帰宅するとノーマークだった場所の花が開いていた。
夜、窓を開けるとむせるほど濃くてセクシーな香りが流れてくる。湿気をはらんでいるところがまたいい。が、ふと気付いた。
この日は雨など降っていなかった。そうだ。我が家のベランダ真上の避難梯子のあたりから雨漏りのようにぺちゃぺちゃ雫がたれているのであった。

ナニが「くちなしの香りは雨が似合う」だ。このあばら家のベランダは常に雨降りだぜ。

2020年6月11日木曜日

新茶とタクシー運転手

酒場でのソロ活動をキメた後、帰宅して一服。
その後立ち上がると軽く立ちくらみがするのはいつものことだが、その晩は立ちくらみのあとに目の前にモノクロの乱れた映像が見えて怖い、と思った次の瞬間に、つぼみをたくさんつけたくちなしの鉢の上にばったり倒れた。これが貧血かと恐ろしくなったが、それよりくちなしが心配で暗闇の中手さぐりで確かめる。つぼみはつけていないが新しい芽が出てきた枝が折れていた。毎日成長を楽しみに大事にしていたのに。本当にごめんよ、と折れた枝を空いていた植木鉢に挿した。

翌日は反省して即帰宅、映画を鑑賞していると宅急便が届いた。毎年静岡の友だちが送ってくれる新茶。うれしい。お礼のメッセージを送ってから続きを鑑賞。
今宵の映画は先日ラジオを聞いていて気になった「タクシー運転手」。
ひどい。ひどすぎる、と顔をしかめると前夜したたか打ったこめかみが痛む。自分まで銃撃されたかのように痛みを感じつつも、宇多丸さん曰く”トラック野郎的な”カーチェイスには胸アツになりそして当時の軍人さんの中にだってこんな人もいたんだ、と胸を撫で下ろしたり。私には靴が印象的な映画だった。酒は4杯飲んだ。

このところ観る映画や古い本が、ことごとく現在の状況を現しているようなものばかり。
田辺聖子著「お聖どんアドベンチャー」(ポセイドンアドベンチャーのパロディのタイトル)は田辺聖子本人や筒井康隆などが実名で登場して未来のSF的な「ありえない」話がおもしろおかしく描かれているのだが、コロナも世界情勢も日本の情勢も思わせる内容であり恐ろしくなってきた。1980年に書かれたものなのに。
大切なひとがここにいないのはさみしいことだが、今いなくてよかった、とも思う。

2020年6月9日火曜日

ホストクラブの楽しみかた

コロナがいよいよ深刻になる手前に会ったきりの友だちと長電話。
出るわ出るわ愚痴と不安。よく喋る。聞いてほしい話があったが聞き役に徹することにする。

話は行ったりきたりで結局コロナ。そして話はコロナからホストクラブに。先日久しぶりに電話で話したフンド氏の従兄弟ともホストクラブの話題になったが、互いに行ったことも行く予定もないのでその話はすぐに終わったことを言うと、私は若いころよく行ってたよ田舎のホストクラブ、との衝撃の言葉。
彼女とホストクラブがまったく結びつかず、よく行ってたってことは愉しかったの?何を話すものなの?と訊ねると、説教だよ、のひとこと。説教?ホストクラブで説教?

私にとってのホストクラブは「すべすべ温泉ねこぞの」と
「おいてけ堀」。
どちらもホストはねこや犬だが、すばらしく美しいホストたちが手厚いおもてなしをしてくれるのがたまらない。おさわりOKだから、たまにマウンティングされるのも許す。実生活でもマウントをとられてばかりだとねこや犬にもわかるのかなぁ、などと無駄にへこむのはやめて今宵もホストクラブへ行こう。

「ニューねこ正」にかぎる

どれぐらいぶりかわからないほど久しぶりに皇居へ登場。
ひと気の少ない日比谷公園を横切って桜田門へ向かうと、今までに見たことのないほど少ないランナーたち。待ち合わせより早く着いたのでソロで軽く一周すると、意外にカラダは軽かった。
二周めは友だちと話しながらゆっくり走り、焼鳥屋で大急ぎで飲んで食べてさようなら。営業時間が短縮されているからだが、私にはこの方がよい。それにしても焼鳥はやはり「ニューねこ正」にかぎる。
ここ数日とある問題で悩んでいたのが、憑物がとれたかのようにすっきり解決。
その夜は「ニューねこ正」にいたのだが、おいしい焼鳥などをいただいた直後になぜかクソまずい焼鳥を食わされるはめになりせっかくのねこ正の余韻がとんでしまったことが遠因で問題は解決。
後日改めてソロで「ニューねこ正」へ。美人女将の目の前の席に座って、コトの顛末を聞いてほしかった。しかし、今日のは美味しいよ、といわれたかつおがそれはもうおいしくて、板さんが添えてくれた皮の近くの身を薄く削いだものにも悶絶するうちに話すのを忘れた。焼鳥だけでなく、やはりすべては「ニューねこ正」にかぎる。

2020年6月5日金曜日

傘を忘れたことを忘れた

満を持して「ストレイト・アウタ・コンプトン」を観て、思いがけずタイムリーな映画をチョイスした自分に驚いた。引き込まれずにいられなかった。明日はきっとお久しぶりねの朝ソバをキメることになるだろうと思ったがその通りだった翌朝。
紅しょうが天そば一点勝負!と店内に入ると、入れ替わりに店を出る客あり。それはハトだった。
なにかいるの、とおばさんに言われたのでハトが、と答えるとハトはゆっくり歩いて出て行った。そういえばあなた、傘忘れていかなかった?とおばさんが指さす方をみると、たしかに先日行方不明になった自分の傘。あれからかなり日にちが経っているのに覚えていてくれたとは。
この朝の紅しょうが天そばはいつにも増しておいしかった。

2020年6月4日木曜日

ハセガワさんはいなかった

前夜に観た映画がなんとも薄味だったので、翌晩は久しぶりに「おいてけ堀」へ登場。
そういえばしばらくソロ活動をしていなかった。たまには旅の本なぞ読みながら飲るか、と縄のれんをくぐるとそこには飲み仲間・常連さん・顔見知りの面々。必然的に相席となり、本は1ページもめくらずにぎやかな酒席となった。そういえばたいていこんな感じだったな、と数か月前までのことを思い出す。

ハセガワさんがあのときさ、と不意に隣のテーブルの会話が耳に飛び込んできた。
このお店でたまに耳にする「ハセガワさん」の仲間たちか。肝心のハセガワさんは今日もここにいないようだが、どうやら好人物のようで同じハセガワとして鼻が高い。

ハセガワさんが亡くなってもうじき15年か、とつぶやく声が聞こえた。そうか、ハセガワさんはもういないのか。こちらのハセガワは5年経ちました、と心の中でつぶやいた。

15年経っても話題の中心であるそのハセガワさんの人望たるや、大変なものだ。お目にかかってみたかったなぁ。

2020年6月1日月曜日

現実逃避

旅先の食堂で目にした懐かしいドラマが気になって、労働から帰るなり三話まで視聴。
週末は酒を飲みすぎて海で遊んでたらふく食べて
おっとその前に大切な問題が発生してずっと頭の片隅で考え続けながらもラン友からのランのお誘いをありがたく受けたりしつつ実家から送ってもらった巨大なズッキーニを炒めたりして、三話まで視聴したのだ。

昔のドラマは中身はもちろんのこと、景色が当時を思い起こさせるものだからたまらない。ツヨシくん元気かなぁ。雨の井の頭公園といえばツヨシくんと行ったあのステキカフェを思い出すなぁ。でもカフェの名前忘れちゃったなぁ。

今夜はここまで。
問題は山積だけれど、悩みすぎて疲れたから今夜はこのまま寝るから、と食べきれなかったズッキーニに語りかけながら風呂に向かうのであった。