2022年3月23日水曜日

やる気スイッチが行方不明

締め切りが迫っている。
お声掛けいただいてからずいぶん余裕があったはずなのに、気付けばあと数日に迫っている。
今回ばかりは何も浮かばなくて頭を抱えているうちに毎日は過ぎてしまった。
なにかひらめくかしらと、かこさとしさんのご長女の紙芝居についてのトークショーを聞きに出掛けたら品のよい話し方とかわいらしい幼少時の話に引き込まれた。「どろぼうがっこう」をかこさとしさんご本人による紙芝居で聞いたという話は本当にうらやましかった。ついでに最寄の駅でそばをキメてみたが特に何もひらめかず。

「おいてけ堀」のTV桟敷で相撲観戦。たまに顔を合わせる長年の常連さんに、照ノ富士はどこが悪いんだいと訊かれたので膝の古傷と右の踵ですと答えたら、あんたよく知ってるねと褒められて調子に乗って飲みすぎた。一緒に飲んでいた別の常連さんは何かに感激して涙を流していた。酒飲みのお手本のようなお二人。

ずっと気になっていた「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」を観に行った休日。
せっかくなので走って向かおうと家を出たが案の定ほとんど歩いた。途中、暑いほどに晴れた午後の皇居はとても静かで、今年初めての桜を豊川稲荷でそして今年初めてのつくしをまさかの永田町で見つけた。おかんアートは思った以上にすごい迫力で、特に最後のコーナーがすばらしかった。これで無料だなんて、とまだできてもいないものに値段をつけようとしている自分を恥じた。帰路は途中から地下鉄に乗ってしまった。久しぶりの渋谷はどこもかしこも変わり果てていた。

久しぶりに幼なじみと会ってねまちと対面させたり「ニューねこ正」で板さんがつくっておいてくれた鯛の昆布締めと真ハタの刺身に感動しながらぺちゃくちゃ喋ったりどしゃ降りの銀座を歩いたりしてとても楽しかったけれど頭はからっぽのまま。

別の日。いつものメンバーとLSDに出掛けたら仲間のひとりがつまずいて転倒、頭を怪我して出血したがマスクしか持っておらず応急手当でマスクを患部に当てたその姿に不謹慎にも笑いが込み上げてしまった。我ながらひどい。
翌日は練習会での街ラン。コーチは湯島へ梅を見に行こうと言っていたけれど、私が先日寄ったときが満開だったのでもう桜になっているのでは、と思ったらやはりそうであった。神田明神の桜はちらほら、湯島天神では思いのままという名前の梅がまだがんばっていた。
それからわいわい話しながら走った後にランチへ。ランチだったのにお店の外へ出たら夜になっていたのはなぜか。

それでもぼんやり何かが浮かんできた。でもまだ取り掛かるほどでもない。
おでんとナポリタンのブックカバーはありがたいことにどなたかがお買い上げくだすった。そうこうしているうちにもうひとつお誘いをいただいた。そちらこそはなんとかなる気がする。
それはどうかしらねぇ。

2022年3月14日月曜日

あなたはひどいです

タイトルもサムネイルもアレなのにうっかり見始めてしまった配信ドラマ。雑なストーリーとあんまりな登場人物に全然はまる気がせず、それでもなんとなく見ていたら、あと14日で配信終了との表示。その時点で残り20話余り、決してはまってはいないがこうなったら最後までお付き合いしなければと、暇さえあれば続きを見た。
眠気のためにあらすじがわからなくなる日が続いたががんばった。おかげで配信終了を待たずに全て見終わった。
あれだけのひどい人たちが突然いい人になったのもナニだし、当初の目的はどうした!などと果てしなくもやもやしたがなんとか終わった。
気付けば例の親子も春仕様。
花びらの散り具合といい、やはりぬかりない。
我が家も春らしくしたいところだけど、日当たりが悪くてまだまだ冬なのよねぇ。

2022年3月10日木曜日

距離を置く

労働の朝のたまのお楽しみだった真っ黒いつゆにうどんのようなやわらかいそばの紅しょうが天そば。
そのお店が少しだけ休業したあとの再開を知って遅刻上等で乗り込んだら、いつものおかあさんではなく知らない顔のおじさんが独特の節で出迎えた。祝開店のお花まであった。なんだか味も変わった気がして(実はもっとおいしくなってはいた気がする)早くおかあさん出てこないかなと再度訪ねてみるも同じおじさん。しつこく三度目に向かうと信じられないことに満員で、鳩の入る隙間もなかった。どうやらおかあさんは高齢のために引退して一部のそばファンには有名なベテランのおじさんがそのお店を継いだらしい。

もうあのおそばとおかあさんに逢うことはないんだ、と目の前が暗くなり休日に別のお店をはしごしてみたが一軒目も二軒目も味は覚えていないしさすがに胸やけがして、しばらくそばとは距離を置くことにした。

おじさんとおばさんたちが喧嘩していたお弁当屋さんのおにぎりとサンドイッチにも、暗黒つゆの紅しょうが天そばにもお別れの春、朝ごはん難民はどこへゆく。
自分だけの「おはよう!商店」をさがさなければ。
どれもしばらく食べていないなぁ。

2022年3月8日火曜日

沈丁花とゲラン

たいした手をかけなくても毎年きちんと咲く沈丁花が今年は青いつぼみのままなかなかふくらまず、心配になって一段高いところに置いて数日。
咲いても咲かなくてもそれがあなたの物語、と「over the sun」で言っていたのを反芻しながら毎朝毎晩見張っていたらついにつぼみが赤らんでひとつふたつ花を咲かせた。この沈丁花はぼっちゃんを見送った帰りに買ったこともあり喜びもひとしお。もう少ししたら一輪取ってねまちにも香りをかがせよう。

労働帰りに寄ったデパートに濃く漂っていた匂いに立ち止まった。ゲランの香水だった。
ゲランの香りは空港の香り。旅立つ前と帰国する前の気持ちがよみがえる。しばらく海外に行く予定はないし行くことさえできないだろうが、この香りがあれば満足できそう。

匂いの記憶はおもしろい。
イメージそのものから他のイメージを生むことはできない(と、なにかの小説で言っていた)が、匂いは記憶と空気を呼ぶ。せつなかったりわくわくしたり。なにより季節を思い出させる。

沈丁花が咲いたらもう春。ねまちには初めての春。
春ってなあに?

2022年3月7日月曜日

羊と矢切ねぎと東京マラソン

ラン友がひとり大阪へ転勤になったため、有志で壮行会。とはいえ今年初めて顔を合わせるメンバーだったので、3月なのに今年もよろしくお願いしますからスタートして限られた時間で羊料理をむさぼりワインを飲んだ。
帰宅後も全身から羊の匂いが消えず、ねまちは近寄ってこなかった。
ああ、やだやだ!

翌日はお花見の下見のつもりで久しぶりに里美公園までLSD。寄り道しておもしろそうな本を手に入れたり古道具屋さんのウインドウを覗いたりしてほとんど歩いて到着。満開の梅の香りを胸いっぱいに吸って河津桜をながめて公園を1周歩き、売店をひやかして小さな階段を下りると大蛇に遭遇。
この辺りでは辻斬りという風習が残っていて、悪いものが入らないように地域の入り口にこのような大蛇をまつるらしい。
おもしろいものを見たついでに矢切の渡しまで歩くとねぎ畑が多いことに気づいた。しばらく地図を眺めて売店のようなものがあったので覗いてみると立派なねぎが売っていた。矢切ねぎといってこの辺りの名産らしい。とても欲しかったがこれほど太くて長いねぎを担いで帰るのは大変なので断念してようやく新葛飾橋を渡る。このままのらりくらりと行けば約30㎞になるけれど、やらねばならないことがあることを思い出してバスにゆられてさようなら。
酒場に行きたい気持ちを堪えてちびちび晩酌しつつ、はさみや鉛筆をねまちに隠されたりしながら翌日の東京マラソンの応援グッズが完成した。まるで保育園の子どもの作品のようだったがまあヨシとしよう。

翌日は友だちとの待ち合わせ場所まで歩く道すがら、交通規制でしんとしたいつもの道路と警察車両や警察官たち、黄色や青の服のボランティアさんたちの姿に気持ちが盛り上がってきた。
2年ぶりに開催の東京マラソン、本当は沿道での応援は禁止だけれどラン友たちが何人も出場することもあって初めて応援のために沿道に立った。最初に通過した車いすの選手の姿に数年前は悪天候で目の前でリタイアする選手が続出したことを思い出して、お天気がよくてよかったね、と友だちと話した。キプチョゲをはじめとするトップ集団は往路も復路も早すぎて、たとえ100m、いや50m全力疾走でもかなわないだろうなぁと思った。(お散歩LSDしかしていないのだから当たりまえ)
子どもがつくったような応援グッズでも少々目立ったようで、通り過ぎるランナーたちがよく見てくれたので応援にも力が入った。エリートランナーの友だちもランステ仲間の友だちもなんとか見つけて復路側に移動したらお久しぶりねのラン友に遭遇。しばし一緒に応援してから東京駅まで歩いて、朝から飲まず食わずで立ちっぱなしだったのでゴール近くで友だちが給食に持ってきたおまんじゅうを頂戴してからちょっと飲んで帰ろうかとワインで乾杯。ちょっとだけね、という約束が守られたことのない私たちは話が尽きずに何杯飲んだのか。息子のような店員さんに親切にしてもらって上機嫌でさよなら。
応援した友だちは全員無事にゴールしてPB更新した人もいた。

それにしても、ゴキブリのコスプレのランナーさんが迫ってくる様はしばらく忘れられそうにない。