2022年12月31日土曜日

よいお年を

今年最後の、という言葉がなんとも好きだ。今年最初の、よりしみじみよいものだ。
銀座で待ち合わせていた友だち夫婦と会う前に人形町をぶらぶら、今年最後のスタンドそばはここかなと、この日最初の食事はお気に入りのそば。揚げたての紅生姜天が美味しかった。
それから築地でもみくちゃにされて銀座をぶらぶら。over the sunの本はどこも売り切れていた。
友だち夫婦と会って日本一美味しいハイボールを飲んで、楽しみにしていたおせちを受け取ってさようなら。年が明けて労働の始まる前日にも会う予定だから気持ちが明るい。
帰りもぶらぶら歩いてまた人形町を覗いて、築地では売っていなかった普通のお刺身を買って帰宅。もう出掛けたくはなかったけれど、追加のワインとお風呂のために心を鬼にして家を出た。
昨日も行った銭湯はさほど混んでいなくて、サウナと東京の山吹のお風呂を楽しんで、いつものドリンクを一息に飲んでさようなら。今年最後のよいお年を、は番台さんから。北島三郎の「まつり」を聴きながら本当の帰宅。
大晦日の晩酌は一昨日買った厚揚げと友だちお手製のおいなりさんなどを幼なじみの送ってくれた「夜明け前」のにごり酒で。
今年もねまちと静かに過ごす大晦日。なんでもない月末だけれど、特別な一日。なんでもない日ほどありがたいものはないとわかったのは年を重ねたからだ。
ばあさんどうしになるまで、よろしくね。

2022年12月30日金曜日

怒濤の師走

労働納めは慌ただしく、飲み会にも行く気になれずにおとなしく帰宅。
冷蔵庫のしなびた野菜でおつまみをつくってひと息ついたら飲み友だちから電話がきてしばし喋る。電話を切ってふと画面を見たら何件かメッセージが来ていた。どれも衝撃的なもので、しばらく返事を返せずに酒を飲んだ。
どんな場合も、お別れはつらい。

連休1日めはいつもよりていねいに掃除をしたので大掃除をしたことにして満足、買い物に出掛けると友だちからお酒をくれるとの連絡があり、いつものようにあれこれ喋りながら歩いて喋り納め。よいお年を、というあいさつは少しさみしくて、でもしみじみよいものだ。
お豆腐屋さんでどっさり買いものをしてフンド氏の父上が行きつけだった「おいてけ堀」へ。

後からお豆腐屋さんがやってきてまたおもしろい話を聞かせてもらった。大晦日は余ったお豆腐やがんもなどを、やはり商売をしている親類などと交換してごちそうにするとのこと。おせち料理などというかしこまったものはつくらず、交換したお肉やハム、魚を料理して、手打ちうどんで大晦日。昔からそうなのだという。
フンド氏の父上もこんな風にご近所さんと話しながら一杯やって晩ごはんを呼びにくる少年フンド氏を待っていたのかな。
年末年始のために買ったワイン、もうないわよ!

2022年12月20日火曜日

いってきます

この季節になると近所のお寺の玄関先に、ご自由にお持ちくださいとの貼り紙とともに花梨が置かれている。
食用ではなく香りを楽しむもので、ひとつ頂戴して靴箱に置いた。
朝は忙しい。
忙しいのにねまちとの儀式があり、それを終えるとふっと香る。

心配ごとのない朝は、仕込みをするお店の匂いに敏感になる。ご飯の炊ける匂いと野菜を炒める匂いが澄んだ冬の空気に乗ってやってくる。

そういえば、そろそろクリスマス。
今年のイブはマザー牧場でトレイルランだ。昨年はうっかり1日間違えて無念の不参加だったが今年こそは。
なに、この子!

2022年12月19日月曜日

うさぎと冬の贈りもの展とスカジャン展

甘夏書店さんで開催中の「うさぎと冬の贈りもの展」に年賀状を納品しに出かけた冬のある日。
既に展示していただいているうさぎの手ぬぐいとともに冬のマッチと年賀状も展示していただいた。
春夏秋冬のうさぎの手ぬぐい。うさぎと聞いて浮かぶ姿を手ぬぐいにしました。うさぎといえばまつ毛なのです。
そして年賀状。

行司さんの軍配に控えめに「謹賀新年」。

懸賞旗に宛名を書く。
なんだか控えめすぎる年賀状になってしまった。

甘夏さんにおもしろそうな本や来年行きたい場所などをたくさん紹介してもらって、次は市川のギャラリーへ。小ぢんまりとしたギャラリーでたくさんの素敵な作品に出逢った。スタッフさんのおばあちゃまが、毎朝コーヒーとパンとヨーグルトを食べたのちに作っているいう美人さんが本当に素敵。

その翌日は落ち着いたら行こうと思っていた展覧会のひとつ、スカジャン展へ。
若い頃から欲しくてたまらなかったスカジャン。
でも気に入ったものはお値段がなかなかだし安いものは物足りないしでせめて展示を見たかった。
圧巻だったヴィンテージの数々もよかったし、当時の軍人たちが見えないおしゃれとしてカフスやセーラーに隠れた部分に刺繍してもらった制服がとてもよかった。家族へのおみやげに刺繍してもらったクッションカバーやテーブルクロスも素敵で、しばし往時の横須賀にいる気分になった。
横須賀美術館は海が目の前にあって気持ちがよく、その海を横目にバスに揺られてどぶ板へ。
売りものではないけれど、かわいいスカジャンも発見。
なのにあちこち調子が悪くて、かあさんかわいそう。

2022年12月1日木曜日

季節はずれの「微笑み返し」と「うさぎと冬の贈り物展」

労働に疲れはてた冬の帰り道、お惣菜屋さんを覗くと、あじフライとエビフライと豆腐のフライがひとつずつ残っていた。ありがたや、とそれらを包んでもらっていると、どこからかキャンディーズの「微笑み返し」。冷たい夜の空気になぜかぴったり合っていてしばし耳を澄ましていたら、お惣菜屋さんが10円おまけしてくれた。ささいなことでひとつ疲れが消えた。

別の日、やはりどうにも疲れて帰宅し晩酌していると、帰り道の公園で買った小松菜と香菜が気にかかった。本当はやらねばならないことがあるけれど、小松菜と香菜をどうにかしたくて久しぶりに料理を始めた。やらねばならないことがあるのに小松菜に合わせる油揚げはちゃっかり買って帰っていた。ついでに水菜もどうにかしようとあれこれつくったら楽しくなった。ささいなことで疲れはごまかすことができるが、やらねばならないことが進むわけではない。

12月になってしまった。
来週末から甘夏書店さんで始まる「うさぎと冬の贈り物展」に参加するつもりでグリーティングカードをつくるとお伝えしたけれど、頭の中で一転二転三転して実際はなにも進んでいない。はたして何ができるのか。かあさん、もう寝たら?
わたしはできるって言い聞かせて寝たらいいわよ。湯たんぽは忘れないでよね。

2022年11月16日水曜日

傘の職人さん

朝目覚めて、今日はさぼるぞと決心した。
ずっと行きたかった傘屋さんへ傘の修理に行こう。

いつもよりすばやく準備して家を飛び出し、電車に乗って下り立った駅には、以前から気になっていたお蕎麦屋さん。迷わず飛び込んで食べた紅しょうが天そばはとてもおいしくて、お天気がよくて駅前の花屋さんの花がきれいで、ああ今日という日はさぼるためにあったんだと確信。

お目当ての傘屋さんに到着して、しばし外からディスプレイされた傘を眺めてからこんにちは。ほどなくして出てこられたおじさんは職人然とした方で話していてなつかしくなった。
この傘屋さんはフンド氏と長く付き合いのあった、数年前に急逝された方の傘の師匠と聞いていた。思い切ってそれを伝えると、なんだ親戚みたいなもんじゃねえか、と少しくだけた口調になった。
修理してほしい傘は、以前私が柄を描いたもの。

骨が1本ぶらぶらになってしまって町の修理屋さんではお手上げだったと伝えると、これはうちにしかできねえよ、とおじさん。上がってテレビでも見てなよと声をかけられたが、こんなお宝ばかりのところはそうそう見ることができないのでずっとお店を見ていた。
作業自体は15分もあれば終わるとのことだったが、傘の生地に合う骨や持ち手、石突きがなかなか見つからず、膨大なパーツの数々と骨の微妙な違い(骨を見ただけでどこで作られたかわかるのだ!)に驚き、試作したという見たことのない日傘に驚き、気づけば何時間か経っていた。その間飽かずにずっと傘を見ていて11月も半ばだというのに日傘を3本も買った。包装紙まで素敵で、おじさんお手製の傘袋もなんともよかった。

浮かれて通りに出るとバスがやってきたので飛び乗った。行先は西新井駅。
お詣りでもしようかと西新井大師前で下車して参道を歩くと、平日なのにまずまずの人込み。池の鯉や萩の花を見てぶらぶらしていると、あと数十分後にここでテレビの生中継があるとのポスターを発見。
さぼって傘を3本背負って西新井大師をうろうろしている姿がテレビに映ってはいけないので早々に引き上げて西新井駅へ。西新井駅へ行くからには駅のホームのラーメンを食べなければなるまい。なるまい、というよりそれがお目当て。
汗ばむほどの陽気の中を歩いて駅のホームでいつものワンタンメンを食べて、今度は修理が終わった大切なバッグを取りに行き、コーヒー屋さんで数年ぶりにマラソン大会に出場する店主を励まして帰宅。
でも休日はこれで終わりではなく、この夜は翌日に控えたRHYMESTERのライブのために幼なじみとその恋人とで痛飲したのであった。
帰りに寄った酒屋さんで酒を買わなかったからえらいわ!

2022年11月7日月曜日

秋のさんぽ道

妹のところでにぎやかに過ごした翌日、この日もお天気がよかったので走りに出た。

今が見頃のばらを見に向かう途中で東大の門をくぐって銀杏の葉の乾いた匂いを吸い込んだ。学生時代によその大学に忍び込んで学食を食べた記憶がよみがえった。何を食べたかは定かではないけれど。古くて立派な校舎もじきに取り壊されて新しい校舎に生まれ変わるようだ。弥生門を出て住宅街を抜けると魅力的な古書店に出会った。気になる本ばかりなのでお店に入ってあれこれ見ていると、そこは以前虎屋の方のトークイベントで来たお店であったことを思い出した。
掘出し物を見つけて坂を下り、ついでに根津神社で今月の花御札を入手。七五三の写真撮影をする親子を写真撮影する外国人たちがいて長閑だ。知らない道を走るのは楽しくて、あっという間に旧古河庭園に到着。
ばらを撮影する人たちの間をすり抜けてみずみずしい香りを嗅いでさようなら。
ばらのアイスのにおいがする!

2022年10月31日月曜日

ぺろり弁当はおいしい

先日ガールスカウトをやっている姪について大勢で森へ行ったとき、涼しい森の中で妹お手製のお弁当を食べた。
人のつくったお弁当を食べるなんていつ以来だろう。しかも初めての妹お手製のお弁当。自分でつくったものと違って気持ちがつまっているようで本当に美味しかった。

久しぶりにお弁当(とは呼べそうにない雑なもの)をつくって公園で食べた。
無数の銀杏が落ちてあの強烈な匂いをまきちらしていたが、日当たりのよいベンチで食べたので美味しかった。食後に読んだ「喫茶柘榴」の一編もその場所に合っていてなんともよかった。

買ったお弁当には好きでないものもいらないものも入っているけれど「ぺろり弁当」には無駄なおかずが入っていなくて最後まで全部美味しい。
なんでもない日にこそ「ぺろり弁当」を。

かあさん、しばらくお弁当つくってないわね。

2022年10月25日火曜日

好きなんだよ

早朝から待ち合せて走った日曜日。
来月に迫ったMINATOシティハーフのコース確認と試走。天気の良い日曜日の虎ノ門はいつもと違う顔でのんびりしていた。折り返しが多くあまり好きでない日比谷通りも途中で曲がるし、なによりハーフだからと途中まで気持ちよく走ったが途中友だちの足が攣ったためにショートカット。それからやはり来月のRHYMESTERのライブのチケット申し込みのためにスマホとにらめっこ。私は箸にも棒にもかからなかったが幼なじみがチケットをゲットしてくれた。ありがたい。
夕方は幼なじみとそのボーイフンド氏と待ち合わせて、初めてのクレイジーケンバンドのワンマンライブへ。景気づけに寄った酒場で、もしかしてRHYMESTERが出てきちゃったりして、などと愚にもつかない話をしたのも忘れてCKBの世界にどっぷり。思えばSEからしてかっこよかった。
この日急遽ドラムとして入った方はCKBの曲を知らなかったらしいが、突然セットリストにない曲を始める剣さんの口伝えでの数秒の説明にすぐ反応して演奏しているのには驚いた。それも何曲も。他のメンバーもそうで、これがプロなんだなぁと感動した。
夢のように時間は過ぎて、剣さんが、おや、あと一曲だと言った時には心から驚いた。まだ3曲終わったくらいの気持ちだよねと幼なじみと言い合っているうちにアンコール。CKBが歌っている西原商会の社歌が始まりふたりでキャーキャー盛り上がる。最近RHYMESTERがさらに上乗せしたこの曲、ラップの箇所になるとつい口ずさんでしまうよねと彼女に言おうとした瞬間、ステージ下手からグリーンの衣裳の三人が飛び出してきた。まさかのRHYMESTERであった。悲鳴に似た声が出て支えあう私たち。今でも思い出すだけで震える瞬間。改めて「世界、西原商会の世界」が始まり、続いてあの曲へ。イントロだけで腰がくだけてまた支えあう私たち。思えばこのコラボはコロナ禍直前にふたりで行ったRADIO EXPO以来で、下衆な歌詞なのにカッコよくて感動して、朝走ったときよりはるかに汗だくに。
それからまたCKBの世界に引き戻され、あっという間に終わってしまった。と思ったら、最後の最後に剣さんが手招きしてまた三人がやってきた。
シークレットゲストでRHYMESTERが出てきたこともうれしかったけれど、とにかくCKBのライブはおもしろくて今でも頭を「ドバイ」のフレーズが回っている。
なんてすてきな大人たちだろう。
「あ、やるときゃやらなきゃだめなのよ」は、かあさんのためにある曲ね。

2022年10月21日金曜日

両国図書館の手ぬぐい

本当は先週金曜日までに完成するはずだった「両国図書館」の手ぬぐいが完成。
本を読みながらお酒を飲める場所はどこにでもあるけれど、好きな本の好きな箇所をふと思い出したとき、しかもその本が手元にないとき
「両国図書館」に来たら必ず見つかるんです。
繰り返し同じ本を読むのが好きなあなたにどうぞ。
かあさんは、トイレと布団にぼろぼろの本を常に置いています。

2022年10月18日火曜日

匂いについて再び・ねまちの手ぬぐい

耳鼻科の薬をきちんと飲んでいるせいか秋のせいか、ささいな匂いに敏感になった。
どこかの家でつくっている炒めものの匂いに記憶の蓋が開いて、これは実家を出て寮に住んでいたときの記憶だと思った。日が落ちて家路を急ぐ途中で嗅いだ匂い。炒めものはきっとソーセージにキャベツ。いつも誰かが調理場で料理していた。
カレーかシチューをつくっている途中の匂いもしみじみよいものだ。あとは2度めのきんもくせいの匂い。

年に一度ほど会う友だちと3人で待ち合わせて印旛沼を走った。昨年走ったときはひとりで、そして初夏だった。今年の秋の印旛沼は曇り空で走りやすく、雨上がりのあぜ道の匂い。たくさんのコスモスが咲き乱れていてボートやカヤックに乗る人たちもいてにぎやかだった。とりとめのない話をしながら走り終えてお風呂に入りお昼を食べてまたとりとめのない話。2度めのお風呂に入っているうちに空は晴れていた。この日は会ったとき3人とも弱っていたが、帰る頃には元気になっていた。

私が弱っていたのは単に寝不足だったからで、それは夜なべして手ぬぐいの絵を描いていたから。下絵はなかなか浮かばないけれど描くのは楽しくていつも午前さま。そんな深夜を越えた時間は、わくわくする匂い。今回は、美を追及するこけしグループの手ぬぐい。ヘアスタイルやまつげはもちろんのこと、MODなスタイルならなんでも相談にのってくれる心強いマダムたちにはいつもお世話になっております。
うっすら飛んでいるのは「サロン・ド・こけし」「MOD BARBERこけし」のイメージの花であるブラシの木の花。
納品した翌日にお買い上げくだすったそこのあなた、ありがとうございました。
もう1枚も、明日あたり完成かもね。

2022年10月12日水曜日

ミートソース!ミートソース!

通りかかった「ぺろりレストラン」でメニューを見ていたらお腹が鳴ったので迷わずイン。

発行が遅れたフリーペーパー「深川福々」を配布している最中だったがこの後は幸せなことに予定がなくてこうした寄り道もできたのだ。
しばらく食べていない焼きそばサラダもいいがやはりここはミートソースでしょうと注文。額装された平成26年の大相撲の大入り袋を眺めているうちにやってきたそれは少々焦げている麺がおいしそうで、まったくもって好みの風貌。
ひとくち食べたら懐かしい味。これは間違いなく子どもの頃に食べたデパートの食堂のスパゲッティハンバーグのミートソース。タバスコも粉チーズもかけずにぺろりと平らげた。(ぺろりレストランですからね)
夜なべして描いてる手ぬぐいができあがったら、また食べに行ってもいいんじゃない。

2022年10月7日金曜日

秋のおかん便

折々に幼なじみが送ってくれる、通称・おかん便が届いた。中身が、よくわかってるうれしいものばかりだからおかん便。
今回は信州でしかまだつくっていないというクイーンルージュというぶどうや珍しい桃(プラム)、大粒の巨峰にブラックビート、懐かしい秋映えをはじめとしたりんごに梨などなどの信州の豪華フルーツたちの中に、幼なじみのお母さんお手製の佃煮が2種類。幼なじみとそのお母さんは顔もそっくりだがお料理上手なところも似たのだなぁと改めて感心。夜のお絵描き後の晩酌のおともに大事にいただくことにしよう。
クイーンルージュという初めてのぶどうはとても甘くて甘くて、むかし雪降りの中食べた、枝に3粒ほどついていたぶどうを思い出した。

「ニューねこ正」で今年初めてのさんま。
初物のときはメニューの短冊に「小さいです」と書き添えてあって確かに小さかったが2度めのこの日のさんまは少し大きかった。年々小さくなってるしうちのさんまにしたらこれでもかなり小さいんだけどね、と美人女将。さっき常連さんに、これはさよりかしらって言われたよと笑った。
いつの間にか、今年も秋になった。
しみじみしてないで、早くごはんにして!

2022年9月28日水曜日

君の人生はもっと気高いはず

相撲三昧、酒三昧だった9月、ちょうど相撲観戦と重なってとても行きたかったライブに行けなくてがっかりしていたら、初めて単独でそのライブに行った幼なじみから熱気の伝わるメッセージ。
しばらく聴いていなかった大好きな曲を聴きたくなって久しぶりに聴くと、タイトルのフレーズに涙がぽろり。何度聴いても涙がぽろり。

いつもの朝
いつものおしゃれ親子の子どもがいなくてびっくりするも
翌朝にはおめかししていつもの場所にいてひと安心。ひとりで散歩にいくなんて。

甘夏書店さんで行われていた手ぬぐい展は延長期間も終わり、楽しくつくったねまちの手ぬぐいも完売したとのこと。なんてありがたいこと!
手に取ってくだすった方、お問い合わせしてくだすった方、お買い上げくだすった方、みなさん本当にありがとうございました。
これからも、季節に関係なくちびちびつくっていきます。
あたしはサンマがいいわ!

2022年9月14日水曜日

まだ温かかったホットドッグ

酒場で知り合った友だちから呼び出されて「おいてけ堀」へ向かった夜。
実は朝から「おいてけ堀」に行きたい気分だった。
長崎の旅から帰ったので話をしたいとのこと。その子がその日着ていたシャツの柄にもしやと訊ねると、おすすめした長崎の古着屋さんで入手したとのこと。波佐見焼のピアスとも合っており彼女によく似合っていた。
明日も仕事だから早く帰ると言い合っていたのに結構飲んだ翌日は朝から初めての病院へ。長い長い時間待ってくたびれ果てて診療が終わり、一丁そばでもすするかと病院を出ようとすると入口に素敵なレストラン。
半日ほど座っていただけだが頑張って待ったしと迷わずイン。クラシック音楽が流れる優雅なレストランで優雅にオムライスを食べた。

それからてくてく東大の辺りを歩いて根津神社で今月の花御札を手に入れ不忍池の蓮を見て、この日が誕生日のフンド氏にホットドッグを買わなければと思ったが、南船橋のIKEAは遠いなぁと新宿のIKEAへ行ったら、なんとそこにはホットドッグがなかった。さんざん考えて新宿駅の中のお店を思い出して向かうも、ビールが美味しそうでつい立ち飲み。まだほかほかと温かいホットドッグを早くフンド氏にと一気に飲み干して家路を急ぐと「ニューねこ正」のお兄さんが暖簾を出しているところだった。毎度、と言われたので後で来ますとあいさつして帰宅。まだほんのり温かいホットドッグをフンド氏に差し出して「ニューねこ正」へ引き返した。
美人女将の目の前のお気に入りの席でひと心地。
美人女将が、フンド氏さん最後にここへ来たときあの席でさんまを美味しそうに食べてたねと言ったが、ああそんな時期だったかもと記憶をたどるも思い出せず。
いつも飲んでばかりだからよ。あたしもさんま食べたい!

2022年9月2日金曜日

鬼が餅(あも)つく

もう何回読んだか覚えていないほど読んでいる田辺聖子の短編「鬼が餅(あも)つく」。

結局男が自分のことばかり話してるじゃんと鼻で笑ったがその男の気持ちはよくわかる。それはノスタルジーでもなく記憶を掘り起こすための会話でもなく、とりとめのない、でも大事な話。誰かとそんな話をしながらのんびり飲めたらと思っていたら、酔いがまわった頃に現れた顔見知りのおじさんとそんな話ができた。
それはトンカツ。それとオムライス。
どこそこのあれが美味しいなどとグルメな話ではなく、自分の好きな食べ方と作り方について思い付くままに話し合った。

別の日、年に一度ほど会う友だちと何年ぶりかの皇居ラン。3人のうち私ともう1人がMINATOシティハーフに抽選で当たったためもう1人を付き合わせての練習会。
夜の皇居はしっとりしていて気持ちがよいのだけれど、どうも疲れるイメージしかなくて気が進まず、3人とも嫌々ながら走り出したがぺちゃくちゃ喋っていたらあっという間に一周。
あまり酒は飲まない友だちとご飯を食べながらまたぺちゃくちゃ。酒は飲まずとも話は弾んで、気持ちも身体もすっきり。
とりとめのない話ができる友だちがいてよかった。
ばかあさんは、いつもとりとめがないでしょう?

2022年8月29日月曜日

匂いについて

たまには走りますか、と家を出るも予想通りほぼ歩いていると向かい風にとても濃い匂いが乗ってきた。決してよい匂いとはいえないが知っている匂い。なんだっけこの匂い、と振り向くと大きないちじくの木。戻って見上げたらたくさんのいちじくの実が実っていた。

午前中、労働先で一服しているとなんとも懐かしい匂いが漂ってきた。階下の西安料理のお店からだ。香港へ遊びに行ったとき、朝粥のお店から漂ってきた餅米のような甘い匂い。仕事をサボって中華街へ行ったときにも同じ匂いを感じた。

東京湾納涼船でのクルーズ(という名の飲み放題)に誘われたとき浴衣姿の若いお嬢さんたちを見て友だちが、若い子の浴衣姿はいいよねぇ、それに比べてほら、あのおねえさまたち、なんか古い匂いがするよね、と言うので鼻をくんくんしたがわからなかった。かばんを開けて財布を探そうとして気付いた。もしや、このポプリ(確かに古い)の匂いのことか。
一昨年気に入って使っていた香水は線香の匂いがすると言われ、ずっと探していてようやく見つけたお気に入りのポプリは古い匂いと言われ、自分の感性に自信を失くした。
それに比べてあたしの香ばしい手の匂いときたら!

2022年8月23日火曜日

まぬけなマジックアワーと大人の夏休み

いつもは乗らない電車に乗って途中下車した労働帰り。
よく知っている街なので迷わず歩きだすと、ビルの谷間から夕暮れどきのきれいな空が見えた。マジックアワーだ。きれいだなぁ、とうっとりしながら角を曲がると知らないお店が建ち並んでいた。さらに角を曲がるともっと知らないお店。
しばらく来ないうちにずいぶん変わってしまった。懐かしいお店が一軒もないなんて、としんみりしながら歩くもどうも様子が違う。全く違う出口を出て逆方向に歩いていたのであった。

翌日はラン友さんたちと花小金井からブルーベリー&武蔵野うどんのLSD。
駅前の「ブルーベリー栽培発祥の地」の碑に驚き、-18℃のフローズンブルーベリーのおいしさに驚き、サイクリングロードの心地よい日陰ときれいな花に話は弾み、気付けばただのお散歩になっていた。
ぶどうや梨、りんごやキウイフルーツなどの木が生い茂る小道を抜けて酒蔵に到着。
汗だくでまだ青い杉玉をいくつも見ながら酒蔵見学をして待ってましたの試飲タイム。最初こそ味について話していたが途中から好きな酒ばかり飲んで居酒屋状態に。絞り始めのあらばしりは知っていたけれど真ん中の中取りと最後の「せめ」というのは知らなかったなぁ。
それぞれ気に入ったお酒を買って酒蔵を後にし、武蔵野うどんのお店へ。引き戸を開けるとそこには4人のおばあちゃん。どこから来たの、武蔵野うどん初めてかい、肉うどんがいいよ、酒蔵行ってきたのかい、開けて飲んでもいいよ、と畳み掛けられおすすめをいただくことにした。
田舎の親戚の家に来たような懐かしい座敷に座ってずいぶん遠くに来たような気がするね、などと話しているとあっという間にうどんがやってきた。女の子はかぼちゃの天ぷらサービスよ、ほらこれもどうぞ、と野菜の天ぷらなどの他にもきゅうりの漬けものも。手打ちのうどんもつけ汁もとてもおいしくて、おいしいねと念願の武蔵野うどんを啜っていると聞き覚えのある電話のベルが鳴った。黒電話であった。
まだ現役なんだね、と驚いているとほら、と今度はじゃがいもの煮っころがしが。これもとてもおいしくてお腹がいっぱい。お勘定の段になってその値段にもびっくり。やっぱり私たちは時空を超えて昭和の時代に来てしまったのかと不思議な気持ちでお店を後にした。
それから東村山駅前でけんちゃんの銅像を拝み、だいじょぶだぁまんじゅうなどを手に入れて電車に乗ってさようなら。
お風呂に入って、まだ時間が早いしお店も開いてないだろうからここで軽く飲もうかと乾杯してふと気付くと夜が更けていた。5時間以上経っていた。
やっぱり私たち、今日は時空を超えてしまったんだね、と酔っぱらいランナーたちはそれぞれの帰路についた。
早く帰るって言ったのに!

2022年8月18日木曜日

ぺろりべんとうの手ぬぐい

ばかあさん、あんなに時間をかけてつくった手ぬぐいのことをもう忘れたの?
あたしがお水をこぼしたり絵の具をつけたまま走り回ったりしてお手伝いしたのに、もう忘れたの?
次の手ぬぐいに取りかかるって息巻いてたのに、連休中は遊びまわっていたわよね。

誕生日までには、と思っていたのに誕生日には海へ行ってうなぎとなすとハガツオという旬の短い魚のおいしいランチを食べて、「喫茶ニャーゴ」で寒天を食べてきたので
さらに数日かけて完成。

「本と手ぬぐい7」は甘夏書店さんで8/27(土)まで。
五十の手習いを見に、ぜひお出かけください。
実は友だちが結構出かけてくれたみたいでとてもうれしい。

夏休みはかこさとし展に感動したり久しぶりの友だちと飲んだり飲まれたり朝の築地でどしゃ降りに見舞われたり台風が来ているからと早いうちから飲んだりちょこっと走ったり「サロン・ド・こけし」できれいにしてもらったり
憂鬱な連休最終日は必ず会おうと約束している友だち夫婦と3人でフンド氏に会いに行ってからあちこち歩き回ったり。幼なじみからの通称おかん便の夏野菜などでぜいたくな毎日。過ぎてしまえばあっという間だけれど、楽しい休暇だった。