彼女との出会いは最悪であった。
ボーイフンド氏と三人で乾杯してすぐに記憶を失った私。
のちにフラッシュバックしたのは
さっきと違う店で、席について下を向いたまま・・・(自粛)
それをフンド氏が両手で・・・(自粛)
そのさまを、眉間にしわを寄せながら、にやにやして見ていた彼女。
それから、彼女とふたりで会うことは、なかった。
(当然だ)
のちに、「用事」があって、ふたりで飲むことになった。
どのツラさげて行けばいいんだ、と思ったことは覚えているが、
再会がどのようなものであったかは、覚えていない。
でも、いい歳になって、友だちができた。
彼女は遠く秋田で、「生活選手」という、なつかしい名前の雑貨店をきりもりしている。
そこへ、遊びに行ってきた。
「店はせまいし、そんなに見るもんないから、閉店5分前に来ればいいよ」
という言葉を鵜呑みにして、
市民市場をのぞいたり
紅葉に見とれたり
川の魚をながめたりして、川ぞいをのんびり歩いて行ったら、
閑静な住宅街に突如、にぎわう雑貨屋さん。
白地に黒の、なつかしいゴシック体の文字。
ひょいとのぞくと、お客さんと話しながら、てきぱき手を動かす彼女が
手を振ってくれた。
その夜は、彼女のだんなさんと三人で秋田名物をたくさんごちそうになり
ふたりのお家に移動してまた飲み、飲み、飲み。
はじめて泊めてもらったというのに、
だんなさんとはほぼ初対面だというのに、
とても居心地のよい、寝心地のよい家だったことよ。
反省すべきは、手みやげがどうにも貧相だったこと。
「両国のさんぽ道」は自慢の手みやげだが
納豆嫌いのだんなさんに、あられに納豆をのせた「ねばり腰」
これは、いけなかった。
「両国の恋人」は、喜ばれました。