2020年11月12日木曜日

背筋を伸ばし微動だにしない美女

先日偶然いただいた大相撲11月場所4日目のチケットをにぎりしめて国技館へ。
9月場所よりさらに配慮が行き届いているように感じながら売店を覗くと、なんと親方衆が売り子をしていた。呆然としてお釣りをもらうのを忘れ、若荒雄の不知火親方に呼び止められた。

わんぱく相撲でしか座ったことのない升席におそるおそる腰を下ろして周りを見回していると、しばらくして花道を挟んだ東側に武隈親方の豪栄道が現れた。映画「相撲道」を観たばかりなので余計に目は釘づけ、しかし今は髷こそあれど協会員のジャンパー姿。ふと気づくと花道奥に座っていたので何度か盗撮を試みるも、やはりためらわれてやめた。

幕下上位戦のころ、花道奥からえずく声が頻繁に聞こえた。咳込むならまだしも、オエ~ッとは如何に。一緒に観ていた方に、九重部屋の関取はわりと声出しますね、と言ったが苦笑いされた。席がよいせいか、関取衆の体が先場所より大きく見えたりイケメンで有名な呼出しさんがさらにイケメンに見えたり。
そして今場所話題の、中継で毎日見かける向正面溜席の謎の美女は、硬い床にも関わらずきちんと正座して背筋を伸ばして座っていた。
取組は手に汗握るきわどいものばかりで、お昼に食べたスパゲッティハンバーグもすっかり消えた。
一緒に相撲見した方は相撲にも相撲以外にも詳しく、帰り道は呼出の拓郎の話をしながら、このまま「ニューねこ正」コースかな、とドキドキしていると、私はあのお店に寄って帰りますと言うので、では私はあそこで一服して帰りますと頭を下げて別れた。
とか言って「ニューねこ正」の暖簾をくぐると、いつもの席におしぼりふたつ。
あれ、ひとりなの、と美人女将に言われて、ふられちゃいました、と席についた。
初対面に等しい人との相撲見、よく考えたら名前を聞くのを忘れていた。

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