急行電車に乗っても1時間以上かかるフンド氏の両親のお墓参りに向かい、そこから走って帰ってくるという酔狂をやってのけた休日。
フンド氏が元気だった頃のお墓参りの愉しみは、駅の近くのラーメン屋さんだった。
そこがいつの間にか閉店しており、すっかり足が遠のいた。
キリスト教式のお墓は線香もたてないしいつ行っても枯葉ひとつ落ちておらずとてもきれいなので、持参したお花を活けるだけでお墓参りは終わり。めったに行くことのない遠方のご両親のいる地にせめて少しでも長くいるために、そのラーメン屋さんは必要だったのだ。
時間をかけて選んだお花を活けて少しお墓の前に佇んだのちに、いつもは気にも留めていなかったがその日にかぎって妙に気になる駅のお蕎麦屋さんへ早足で向かう。果たしてそこは、都心の駅ソバともまったく違うすばらしくおいしいお店であった。(都心にもあるかもしれないけれど)お墓参りの後、これからはここに来ようと決めた。
舞茸天そばをゆっくり味わって、食後によく寄った喫茶店を横目に、強風の中いよいよスタート。とはいえ食後なので即歩く。野菜の無人販売所がところどころにありとても気になったが、がまんがまん。先日ラン友達が写真を送ってくれた茅葺の屋根の家にもすぐに着いたがまだ先が長いので無念の通過。
そこから先は、街が変わるたびに各党のポスターの顔ぶれが変わるのを見ながら特になにも考えず進むのみ。23区内に入ると少し気が楽になった。住居表示を見て、ここには昔好きだった人が住んでいて遊びに来たことがある気がする、とかここにも昔、妹の受験する学校の見学で来たはずなどといろいろ思い出す。
いい加減に休憩しようと東京ドームへ。いつもは飲まない甘い缶コーヒーを飲んで一服し、ジェットコースターで両手を上げて叫ぶ人たちを見上げる。両国まではあと少し。塩を吹いてざらざらした顔から再度汗を流してラストスパートだ。
結局32㎞も走ったり歩いたりして、シャワーを浴びて酒場に行くにはちょうどよい時間に帰宅。音楽もラジオも一切聞かずに進んだ約4時間、頭の中ではずっと少年隊の「ABC」や「湾岸スキーヤー」が流れていたのであった。
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