先週のアトロクでの、都築響一さんの「二度と行けないあのお店の話をしよう!」特集を聞いてなつかしいお店をいくつか思い出した。
田舎の商店街の角にあった喫茶店。
昼間でも暗いそのお店は仲の良いおじいさんとおばあさんが営んでおり、生まれて初めて食べたあんみつにラムネがぱらぱら入っていたのを覚えている。のちにそのおじいさんとおばあさんはご夫婦ではなかった(内縁関係)と聞いて、そのお店のことがなぜかますます好きになったのだった。あれからずっと、あんみつは大人の食べもの。
それと母親の友だちが夜連れて行ってくれたやはり薄暗い喫茶店。
なにしろ田舎で夜出歩くことなどなかったので、薄暗い喫茶店を出たら外が真っ暗だったことに驚いたのと、初めて嗅いだアーモンドコーヒーの香りにうっとりしたことを覚えている。
それと小学生のころ通学路に出来たやはり薄暗い喫茶店。
ログハウス調の重い扉を押して入るとコーヒーの香りとケチャップの焦げた匂いがしていっぺんに好きになったが、帰省の折になつかしい思いで行ってみたらどぎつい看板が立てられており気持ちが醒めてしまった。
薄暗い喫茶店が好きなのは子どものころからだったのだなぁ。
「二度と行けない」というのにはいろいろな理由があることにも、この特集で気づいた。お店が移転・閉店してしまっただけではなく、そこで知り合った人と気まずくなったりフラれたりというのもあるらしい。しかしそのようなお店の存在などないという人がいることにも驚いた。
この特集ではパンチラインがたくさんあって、自分のことを言われた気がしてうれしくなった。
本を年間何千冊読むより好きな本を何度も何度も読み返す方が人生が豊かになると思う、とか、知らない場所で飲食店を探すときに食べログなどの星の数や口コミにばかり頼って探すのはつまらない、とか、捨てられないものがなくてなんでも捨てる人にはその程度の思い出しかないんです、断捨離なんて愚の骨頂、など。
どれもこれも、うんうんと頷きすぎてめまいを起こすほどだった。
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