よく知っている街なので迷わず歩きだすと、ビルの谷間から夕暮れどきのきれいな空が見えた。マジックアワーだ。きれいだなぁ、とうっとりしながら角を曲がると知らないお店が建ち並んでいた。さらに角を曲がるともっと知らないお店。
しばらく来ないうちにずいぶん変わってしまった。懐かしいお店が一軒もないなんて、としんみりしながら歩くもどうも様子が違う。全く違う出口を出て逆方向に歩いていたのであった。
翌日はラン友さんたちと花小金井からブルーベリー&武蔵野うどんのLSD。
駅前の「ブルーベリー栽培発祥の地」の碑に驚き、-18℃のフローズンブルーベリーのおいしさに驚き、サイクリングロードの心地よい日陰ときれいな花に話は弾み、気付けばただのお散歩になっていた。
ぶどうや梨、りんごやキウイフルーツなどの木が生い茂る小道を抜けて酒蔵に到着。汗だくでまだ青い杉玉をいくつも見ながら酒蔵見学をして待ってましたの試飲タイム。最初こそ味について話していたが途中から好きな酒ばかり飲んで居酒屋状態に。絞り始めのあらばしりは知っていたけれど真ん中の中取りと最後の「せめ」というのは知らなかったなぁ。
それぞれ気に入ったお酒を買って酒蔵を後にし、武蔵野うどんのお店へ。引き戸を開けるとそこには4人のおばあちゃん。どこから来たの、武蔵野うどん初めてかい、肉うどんがいいよ、酒蔵行ってきたのかい、開けて飲んでもいいよ、と畳み掛けられおすすめをいただくことにした。
田舎の親戚の家に来たような懐かしい座敷に座ってずいぶん遠くに来たような気がするね、などと話しているとあっという間にうどんがやってきた。女の子はかぼちゃの天ぷらサービスよ、ほらこれもどうぞ、と野菜の天ぷらなどの他にもきゅうりの漬けものも。手打ちのうどんもつけ汁もとてもおいしくて、おいしいねと念願の武蔵野うどんを啜っていると聞き覚えのある電話のベルが鳴った。黒電話であった。
まだ現役なんだね、と驚いているとほら、と今度はじゃがいもの煮っころがしが。これもとてもおいしくてお腹がいっぱい。お勘定の段になってその値段にもびっくり。やっぱり私たちは時空を超えて昭和の時代に来てしまったのかと不思議な気持ちでお店を後にした。
お風呂に入って、まだ時間が早いしお店も開いてないだろうからここで軽く飲もうかと乾杯してふと気付くと夜が更けていた。5時間以上経っていた。
やっぱり私たち、今日は時空を超えてしまったんだね、と酔っぱらいランナーたちはそれぞれの帰路についた。
早く帰るって言ったのに!
2 件のコメント:
てんぷらにおうどん、食べてみたいなぁ!
おいしかったし、なによりけんちゃんをホウフツとさせるおばあちゃんがよかったよ!今度行こう!
コメントを投稿