2019年7月29日月曜日

ビールと花火大会、そしてビール

幼なじみが指定したビールがおいしい小さなそのお店は、たまに通るだけの場所だった。
ごく普通のビールが、店主の手にかかるとすばらしくおいしいものに変身する。

おつまみもどれもおいしくて、特に日本からあげ協会なる団体が絶賛しているというからあげを2個にするか5個にするかで長年の友情にヒビが入りそうになったり、互いに話すことがありすぎてのどが渇いて新たにたのんだビールがまたおいしくて今の今まで話していたことを全部忘れて思い出したりしているうちに、幼なじみの帰りの時間が近づいてきた。
おいしかったです、また来ますね、とあいさつしてお店を出ようとしたら、これよかったらどうぞ、と手渡されたのはその日の夕刊フジ。真ん中あたりに注意してくださいね、いろっぽいページがありますからとの注意付き。

ビールしか飲んでいないのに千鳥足で駅に向かう。そして乗るべき電車を間違えた。
幼なじみの予約しているバスの時間は迫っている。
とにかく降りよう、と適当な駅で下車して別の路線のホームへ急ぐ。
なんとか間に合いそうだけれど念のためついていくよ、と言おうとしてやめた。千鳥足のしゃべり足りないスットコドッコイがついていったら最悪の事態を引き起こしかねない。申し訳ない気持ちで見送る。

へんな汗を流しながら時計をにらんでいると、間に合ったよ、との連絡。心底ホッとしていると、会いたかったひとから突然のお誘い。
酔ってはいるが、ビールしか飲んでないんだと言いきかせて酒場へ。
そのひとと飲むと、いつも愉しい。
ごめんね、なんか一緒に飲みたくなって呼びだしちゃったんだよね、と言われてうれしくなった。いえいえ、ありがたいです、その気持ち。
いつものごとく飲んで飲んで飲まれて飲んで、でも翌朝もきっちり生島ヒロシの声で目覚めた。


週末は、どこへ行っても隅田川花火大会の話題で持ちきりであった。
開催されるか否か、私は昨年に引き続き延期を願っていたが、台風はそれた。

「ニューねこ正」の美人女将は、台風のせいで焼き鳥のおみやげの電話が少ないとぼやいていた。毎年この日は昼過ぎからずっと焼きっぱなしだという。
かわらばん「深川福々」の最新号が発行されて、日中あちこち配布して歩く。
花火大会は夜だというのに、昼過ぎから浴衣姿の男女がちらほら。
配布先でも花火大会の話題で持ちきりであった。

花火大会が実施されるということは、毎年恒例となった「隅田川花火大会LSD」も実施されるということでもあり、日比谷からぞろぞろ走り始めた。
途中、栃の心が丸の内でラグビーボールを持って座っていた。

実は適当に行った場所で全員で今までで一番大きくて迫力のある花火を見ることができて、そして話してみたかったひとたちといろいろ話すこともできて、またもやビールでへべれけの夜であった。

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