2019年11月15日金曜日

ガッデーム!

読んでいる長編小説の、えらいことになってきた平三さん(主人公)には付き合いきれず、かなり早めに就寝した夜。
数日後に迫っているハーフマラソン大会のために早朝ジョグする気持ちは起きなくても、早朝ソバのためなら早朝ジョグできそうな予感。
予感は的中、いつもより早く起きることができて、まだ暗い中をのろのろ走りだした。
既に営業しているお蕎麦屋さんにはまだお客さんはいなかった。

おいしく早朝ソバを食べるための早朝ジョグなので、疲れたら歩き、散歩中のかわいい犬には色目を使い、のんびり走る。空がだんだん明るくなるも、残念ながらマジックアワーには立ち会えなかった。

ゆっくり走り終えて、出勤の支度を整えてからいざ早朝ソバ。
開店したての早朝は「はっしゃオーライ!」のタクシードライバーや「はとエアライン」のパイロットが多いが、出勤時間になるとこれから現場へ向かう職人さんが多い。
天井近くに備え付けてあるTVのニュースを聞きながらおそばが茹で上がるのを待つうちに、せわしなかった気分も落ち着いてくる。
しばらくぶりの早朝ソバは、朝にぴったりのやさしい味。
味に慣れたら、そこのゆず胡椒を少し入れると味が変わっておいしいですよ、辛いけどね、とねぎを持って入ってきたおじさんに声をかけられる。知ってるけど、知らなかったふりをしてもぐもぐと返事をする。

ごちそうさま、と引き戸に手を掛けると、いってらっしゃい、とおばさんに言われるのもうれしい。
いつもより早く歩きながら「マクガフィン」をRadikoタイムフリーで聴く。
たしかにジンのような苦くてさわやかな香りのしてきそうな曲だな、と思う。そこにほんの少しの甘い香りも入っているゴルチェのオー・ド・トワレのような。
カッコいい大人のつくる音楽ってカッコいいなぁと、いつもと違うルートをしばらく気分よく歩いていたら、なぜか元の道に戻っていた。大人の色気の魔力ってこわい。

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