2020年8月19日水曜日

すみれのゼリーの思いで

小学生のころに見た、コミックに出てきたすみれのゼリー。
薄いむらさき色のゼリーの中に漂うすみれはため息が出るほどはかなげであったが、これが想像の料理だとわかったのはつくったあとだった。熱いゼラチンを注いだとたん萎れたすみれの姿は今でも忘れられない。

やる気に満ち満ちた小学1年生の姪が考えた自由研究は、絵本に出てくる料理をつくること。
近年よく見かける大人用の絵本の料理ではなく、自分がつくってみたいと思った料理だというから恐れ入った。それは楽しみだね、と他人事のように言っていたらそれを手伝うことになった。
なにも予定のない夏休み、あの頃のすみれのゼリーの供養にもなるかもしれない。

小学1年生の姪が選んだのは「まいごのまめのつる」のとろりとおいしい豆のスープ
それと「こまったさんのグラタン」のグラタン
おはなしりょうりきょうしつ(6) こまったさんのグラタン
そして、なにかの冊子に載っていた、星空のゼリーの3つ。
(この、なにかの冊子に載っていた、というところがなんともいい)

この姪はとにかくやる気に満ち満ちているので、飽きることなくまずはスープとグラタンをつくり上げた。その味は掛け値なしにすばらしく、特に私も子どもの頃から美味しそうだと思っていた「まいごののまめのつる」の豆のスープはとんでもなくおいしかった。待ちくたびれて空腹でソファに倒れていた小学4年生の姪もおいしいおいしいと平らげていた。

翌日はゼリーをつくるのみだったので余裕をかましていたら、これが案外思い通りにゆかず、材料が足りなくなったりゼラチンが固まらなかったり。それでもなんとか完成したそれは本当にきれいなゼリーだった。絵の具の要領でかき氷のシロップを調合するのが楽しかった。

後日親子でまとめた研究結果を見せてもらって、これは、これは、かなりすごいのではないかと伯母バカではなく真剣に思った。
これで自分の料理熱も復活するかと思ったがそうはイカの・・・(自粛)

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