近所の足場職人さんの事務所のビルに、半年に一度会えるかどうかのねこがいる。
子ねこの頃から、ガラスの扉越しに人差し指を差し出すとコロンと倒れる。
今朝もガラス越しに道行く人を眺めているのが見えたので、そっと近づいて人差し指を差し出したらやはりコロンと倒れ、倒れたついでに全身をつっぱって伸びをした。
ミルクティ色のうすい茶とらの子は、足場職人さんの事務所の事務員かもしれない。紅一点で職人さんたちのアイドルで、2階の事務所から脱走して入口で外を眺めるのが好きなのだ。
ふと視線を感じて振りかえると、クルマに乗りこもうとした職人さんたちが不思議そうにこちらを見ている。どうもどうも、と立ち去ったが、そうか、あの子は職人さんたちを見送っていたのか、と今さら気付いた。
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