ぶどう園で藤稔やブラックビート、安芸クイーンにナガノパープルなどを思うぞんぶん食べて天国へ。
久しぶりの天国は雨に濡れていた。
雨でも晴れでも天国は天国。家族にも場所を明かしたくないほど素敵な場所なのだ。
ホストのすーちゃんに接待してもらって、ドンペリならぬ鹿ジャーキーを貢いだ。お料理もやっぱりおいしくて、この時間がもう味わえないなんて考えられなかった。豪快に笑うあのひとの不在もたまたまとしか思えず、これからもまた幼なじみに頼んだら連れていってもらえる気がする。とはいえ去りがたくて、2時間ほども風呂に浸かったり、風呂上りに大相撲をTV桟敷で鑑賞したり、気付けば最後の客になっていた。
以前、花見という名の日本酒の新酒発表会でともに長野日報の一面を飾ってしまった酒友だちのイタリアンマフィアの運転で、幼なじみにとともに一路スキー場へ。
イタリアンマフィアは常に笑顔を絶やさない、とてもすてきな家で好きなものに囲まれて暮らしているダンディなひとなのだが、たまに姿が見えないと、誰か殺りに行ってるのかな、などと不名誉な噂をされてしまうワイルドな風貌を持っている。この日も日焼けした顔にサングラスが似合いすぎていたが、実はシードルのためのりんご畑で日焼けしたなんて誰も信じないだろうな、とぼやいていた。
山の天気は変わりやすいというが、ここまでとは、というほどころころ変わる陽射しと風。それでも晴れ女の幼なじみのおかげで雨に降られることはなく、珍しいウィスキーを舐めたりクラフトビールを飲んだり。おいしいお酒ばかりだったが、特に印象に残ったのが、キューバ革命以前のラム。
私の知っているラムとはまったく違う、ヴィンテージな味。ちびちび舐めては香りを嗅いで、飲み干したあとのグラスの匂いでしばらくうっとりした。
音楽をテーマにした、見たことのないウィスキーもずらり。
これらはワンショットずつお土産にできるというので、迷わずHIPHOPを選んだ。
ここのところ、お酒がおいしく思えなくなっていたのに、この旅でいっぺんに回復した。
翌日は全身からウィスキーの匂いがしたほどいろんなお酒を飲んだけれど、おいしいおつまみとゆるい雰囲気で愉しく酔った。運転免許を持っていないために、毎回このふたりにお世話になってひとり気楽に酔っているのが申し訳ない・・・
でもやっぱり運転免許はとらない方がいいと思いますよ。
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