そういえばむかしむかし、やはりここである洋服にひとめ惚れしたとき店主に、サイズ大丈夫ですか、とぼそっと言われたことがある。なんと失礼な!と思ったが、試着するまでもなくどう見ても当時の自分には入らない洋服だった。
そういえば、何年になりますか、と唐突に店主。
その日はお彼岸で、フンド氏がお世話になっているお寺さんの秋の法事で、クラシックギターとソプラノ歌手の生演奏と精進料理と、未亡人友だちとのおしゃべりを愉しんだ帰りだった。
店主がジャケットを畳みながら、カラダ、いい感じに戻ってよかったですね、とぼそっと言った。そんなに痩せていましたか私、と訊くと、一時期ね、今の方がいいですよ、と店主は応えた。
そうですかねぇ、とつぶやきながら、半年以上量っていない己の目方はいったい今どうなっているのか、恐ろしくて目を背け続けているとは言えなかった。
エッセイ以外もう全作読み尽くしたと思っていた作家の、未読の本を5冊も発見。
それは仕事帰りの「オロロン書房」にて。
その作家の小説を読みながら湯舟に浸かったり、お酒を飲んだり、眠りに落ちたりする幸せといったらない。これでしばらくは禁断症状に怯えることもない。
相変わらず、マラソンの練習にはやる気が出なくて、締切の迫っている案件も手つかず。
やる気のないときは、やる気が出るまで休むべし、と決めて早や3年。本気出す、と意気込んで早や半年。
季節とともに空の様子や道端の雑草や古ぼけた建物が変わっていくのを眺めながら、焦りがないことに焦る。
とはいえ、秋から冬にかけて行くライブと旅のことで、頭はいっぱい。
0 件のコメント:
コメントを投稿