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2022年8月29日月曜日

匂いについて

たまには走りますか、と家を出るも予想通りほぼ歩いていると向かい風にとても濃い匂いが乗ってきた。決してよい匂いとはいえないが知っている匂い。なんだっけこの匂い、と振り向くと大きないちじくの木。戻って見上げたらたくさんのいちじくの実が実っていた。

午前中、労働先で一服しているとなんとも懐かしい匂いが漂ってきた。階下の西安料理のお店からだ。香港へ遊びに行ったとき、朝粥のお店から漂ってきた餅米のような甘い匂い。仕事をサボって中華街へ行ったときにも同じ匂いを感じた。

東京湾納涼船でのクルーズ(という名の飲み放題)に誘われたとき浴衣姿の若いお嬢さんたちを見て友だちが、若い子の浴衣姿はいいよねぇ、それに比べてほら、あのおねえさまたち、なんか古い匂いがするよね、と言うので鼻をくんくんしたがわからなかった。かばんを開けて財布を探そうとして気付いた。もしや、このポプリ(確かに古い)の匂いのことか。
一昨年気に入って使っていた香水は線香の匂いがすると言われ、ずっと探していてようやく見つけたお気に入りのポプリは古い匂いと言われ、自分の感性に自信を失くした。
それに比べてあたしの香ばしい手の匂いときたら!

2021年3月1日月曜日

マンネリ上等

毎朝フンド氏と自分のために淹れるコーヒーの、そのコーヒーメーカーはメイドイン香港のおもちゃのようなもの。ネルドリップなんかも使ったことがあったけれど、結局これが好きでかれこれ5年は使用している。いつの間にかあちこちが取れてしまっているけれど、いつもの朝の唯一のおごそかな習慣には欠かせない。

先々月末からよく走るようになった。
先月は200km以上走ったしまた元の体型に戻れるかしらんとにやにやしながら体重計に乗ったが体重はビタイチ減ってはいなかった。
肥えたせいで、距離は一丁前でもほとんど歩いているので、たまに友だちとLSDをすると、今までのはLSDではなくて散歩だったと気付かされる。先日の神田川上流ランもそうで、故障中のエリートランナーでさえ涼しい顔をして走っていたのに、途中から口もきけないほど苦しくなった。後半、友だちの豪邸に寄って素敵な庭でコーヒータイムをキメて約20kmでゴール。温泉で温まったあとは4人で近くの食堂のメニューのほとんどを食べつくした。
ビールでほどよく酔って満腹。夜は家で本でも読んで過ごそうと思っていたら、しばらくお邪魔していなかった酒場の大将から新入りねこの写真がたくさん送られてきた。さっそく出掛けてみたがあいにくこの日は出逢えず。そして後日またもや大将から新たなねこの写真が。
いつもの場所にいつもねこがいる日々がまた始まる。同じことの繰り返しがいちばん安心。

2020年10月19日月曜日

凱里ブルースと面影の消えた街

授業をサボって 日の当たる場所に来たんだよ

RCサクセション「トランジスタラジオ」の冒頭のフレーズが好きで、昔からいろいろをサボるときに頭のなかで再生しては浮き足立つ。
中年の今も相変わらずいろいろをサボっており、この日はどうしても観たかった「凱里ブルース」を観るために労働を半分サボって初めての街へ。
映画の上映時間は労働中しかなく、この間は別の映画館で連日満席だった。チケットは窓口のみの販売で上映はこの日までなので仕方ない。(ことはない)
整理番号3を入手して、さてあと数時間どう過ごそうか。
土地勘のない場所だが、むかしむかしよく遊びに行っていた下北沢が近いので歩いて向かうことにした。
自宅や労働の場所と違って建物が低く、空が高くて広い。空が高くなった 夏はもう終わりだ、という一文を、どこで目にしたか忘れたが空が高いと感じるたびに思い出す。のどかでいい時間だなぁと、多くの人が働いている時間にサボって散歩。
古着屋さんがちらほら見えてきて、ここはどこらへんかなと考えるもさっぱりわからない。古書店や古道具屋もたくさん寄ったがまったく懐かしくない。まるで知らない街を歩いているような気分で映画館へ引き返した。

映画「凱里ブルース」は、今までにない中国映画で、漂うムードが違っていた。
スクリーンからも湿気が伝わってきたほどしっとりした凱里という町は監督の出身地なのだそう。
途中何度も人間関係がわからなくなって悩んだが、エンドロールが流れ始めたところで腹の虫が鳴ったということは集中して観ていたということか。
どうしてもわからないことがあってパンフレットを購入してじっくり読み込む帰り道。なるほど、と感心しながら赤ちょうちんに誘われてお久しぶりねの「おいてけ堀」へ向かう。
これまたお久しぶりねの飲み友達と再会して、思いがけず深酒した秋の夜。
このあと怒涛の痛飲の日々が始まった。

2020年10月1日木曜日

KING OF STAGE vol.14

KING OF STAGE vol14 47都道府県ツアーDVD&Blue-Lay発売記念イベントのRHYMESTERインターネット公開サイン会の興奮と熱狂も冷めやらぬうちに、その現物が届いた。
あわてて梱包を開けて、まずはサインの確認。ない、ない、と同梱されていた納品書の注意書きも見ずに焦ったが、丁寧に袋に入れて段ボールで挟んでくれていた。あのサイン会は夢じゃなかったんだ、としみじみ。
激しくお手洗いへ行きたかったのに、Blu-rayディスクをプレーヤーに入れてしまった。
しばらく生で観ていないライブとたった1年前のライブハウスの映像にさっそく涙腺がゆるむ。それどころか嗚咽。密なんて言葉を知らなかった1年前に戻りたい。

発売日当日のアトロクはRHYMESTER全員がゲストだというのでON AIR時刻に合わせて遠回り帰宅。
新木場での「ONCE AGAIN」がかかってまた涙がじわり。何度も聴いているのにたまんないなぁとしみじみ歩いていたら、本編が始まる前に読まれたメールで脚が止まった。昨夜、酔って幼なじみに送ったメッセージと同じ文面で送ったメールが読まれている。ライトアップの始まった橋の上でマスクの上から口を押さえた。顔から火が出た。そして数日前から日に日にひどくなっていた頭痛がウソのように消えた。
本編が始まり、今度は笑いを堪えるためにマスクを押さえる。まさか私の田舎の虫の話が出るなんて。すべて聞き終えてからあわてて幼なじみにメッセージを送り「ニューねこ正」へ。とびきりのつぶ貝を堪能して興奮を鎮め、帰宅後はまたBlu-rayを観てSpotifyで先ほどのアトロクを聞き直し久しぶりに幸せな気分でおやすみなさい。
まだ始まっちゃいねぇよ、の「キッズ・リターン」のラストのセリフとともに思い出す「ONCE AGAIN」のリリックがやけに沁みた満月の夜であった。

2020年8月6日木曜日

いってらっしゃい

近所の足場職人さんの事務所のビルに、半年に一度会えるかどうかのねこがいる。
子ねこの頃から、ガラスの扉越しに人差し指を差し出すとコロンと倒れる。
今朝もガラス越しに道行く人を眺めているのが見えたので、そっと近づいて人差し指を差し出したらやはりコロンと倒れ、倒れたついでに全身をつっぱって伸びをした。
ミルクティ色のうすい茶とらの子は、足場職人さんの事務所の事務員かもしれない。紅一点で職人さんたちのアイドルで、2階の事務所から脱走して入口で外を眺めるのが好きなのだ。
ふと視線を感じて振りかえると、クルマに乗りこもうとした職人さんたちが不思議そうにこちらを見ている。どうもどうも、と立ち去ったが、そうか、あの子は職人さんたちを見送っていたのか、と今さら気付いた。

2020年5月27日水曜日

カモたちよ

たまに飲みに出かけても酒はほどほど、しかしとにかく食べ過ぎるクセがついたので、これではイカンと走りに出た。
前に行った松の木の東の横綱にごあいさつしてから橋を渡って千葉県は市川市の看板を見てさようなら。
帰り道は気になっていた親水公園をパトロール。細長い川に沿って走っていると一羽のカモが並走していた。
ほぼ同じペースでしばらく走ると川はふたまたに分かれた。あなたは右に私は左に、ふり向いたら負けよ。

心なしかペースアップした後ろ姿を見送っていると小さな橋の下へもぐった彼もしくは彼女がものすごい勢いでこちらへ飛びだした。と同時に小さな毛玉が何個もはじけた。
いくつもの毛玉、それは子ガモたちであった。
達者でやるんだよ、とそのせわしない毛玉たちと彼もしくは彼女たちのうしろ姿を見送った。

2020年5月14日木曜日

朝の匂い

お弁当をつくらなくなったのとマスクのせいでメイクがおろそかになったために朝家を出るのが早くなり毎朝少し違うルートで徒歩出勤。
洋食屋さんを通りすぎると濃いナポリタンの匂い。
路地を抜けるとパンのたねの匂い。
マスク越しでもわかる朝の匂いを楽しみながら、マスクをしているおかげで声を出さずに歌っていると出汁のいい匂いが漂ってきた。お気に入りの朝ソバのお店だ。
外に貼り出されたメニューを見て腕組みをする若きサラリーマンに、ここはアタリだからさっさと入って紅しょうが天そばを頼みなさいよ、と声に出さずにつぶやきこっそり親指を上げて通りすぎた。
晩酌を控えめにすると体調がいいなぁとあたりまえのことに感心しながら歩く朝のこの時間が気に入っている。

2020年5月3日日曜日

ガリーボーイ

先日もランニングウェアに着替えて出かけたが、ほぼ歩いて帰ってきた。
収穫は、何軒めかの森鴎外の居住地跡を通ったことと西新橋のスナックでもなかなか聞くことのできないクオリティの「人生いろいろ」をギターの弾き語りのおじさんと通りすがりのおじさんに励まされながら歌うおじさんを見たこと。

その翌日はずっと観たかった「ガリーボーイ」を観た。自宅でPCで映画を観るのは初めてだったが我ながらチョイスがよかった。ムンバイのスラムの中の青年からわきあがるリリックが!
映画館で観たかったけれど自宅だと酒も肴も追加できるし一服にもお手洗いにも行けるし踊れるしたまに出てくる耳の垂れた山羊にこのかわいこちゃんめとつぶやきながら目尻を下げることもできる。

HIPHOPは生きざまだとジェーン・スーが言っていたことを改めて理解して砕けるほど膝を打ったがそれにしても酔いすぎた。