2021年11月6日土曜日

秋のさんぽ道

ねまちの具合がよくなかったときに「サロン・ド・こけし」の予約をキャンセルしたのだがねまちが快復して安心したとたん髪がうねりだし色が褪せてきたので頭を抱えていたら、その姿を見ていたかのように女主人から、様子伺いの言葉とともに(本来はお休みの日の)この日はお店にいます、それでは失礼しますとのメッセージが。

うれしい。うれしいがいつもと違うそっけないメッセージに一抹の不安をおぼえながらお店に向かった。一抹の不安をおぼえながらも以前から気になっていた武蔵野うどんは食べて向かった。
いつもの笑顔で迎えてくれた女主人に安堵すると、思っていたとおりねまちの具合が心配で髪どころではないかもしれないと気遣ってくれてのシンプルなメッセージとわかった。わかってはいたがホッとした。

いつものマシンガントークと秋らしいカラーとすてきなカットを施された鏡の中の自分に気分がうきうきして、素晴らしく晴れた空のもと女主人に教えてもらった和菓子屋さんを目指して歩いた。
途中、ひとめぼれした鍋つかみを入手したり通りがかった古民家のお店で珍しいフリーペーパーをもらったりして目的の和菓子屋さんに到着。ふだん甘いものは食べないけれど年に数回だけ食べたくなるときがありこの時がその時だった。感じのよい女の子の店員さんからいちじく大福と黒豆大福を受け取った。
さらに歩いてむかしむかし住んでいたアパートがまだあるかどうかを確かめて、やはりむかしむかし行っていた喫茶店(今年でなんと67年!)で変わらず急な階段をのぼってコーヒーを運ぶおばあさんの姿にうれしくなったり駅前の古書店で目についた本や古くからのお店で酒の肴を手に入れたりして離れがたいなつかしいまちを後にした。

年に何度もない完璧な一日。
選んだはずのグリーンピースのサラダがポテトサラダだったことに小さく落胆したが、シンプルで美味しかったので味の余韻が消えないうちにと猛然とポテトサラダをつくり始めた秋の夜長であった。

2021年11月3日水曜日

進水式

天気のよい朝、最近完成した公園を横切ると、できたばかりの新しい公園なのにすっかり落ち着いている方々がいることに気付き、きっと昼の常連さんも夜の常連さんもいるのだろうと想像した。まわりを見渡すと、真新しかった苗木もいつの間にか成長してなじんでおりなによりその公園が辺りにぴったりはまっていた。

状況も気持ちも変わっても、聴くとまた違った文脈を感じて聴き入ってしまう曲がある。この朝はKIRINJIの「進水式」。
大切な曲なのでRHYMESTER「K.U.F.U.」とともに滅多なときには聴かないリストに追加。

やらなきゃダメなのよ、なことが遅々として進まない。今回は〆切まで余裕もあるのになぜ、と思ったら、まさにその悩みを相談しているのをラジオで聞いた。
追い詰められた状況で満足のいくものを作ることができたという成功体験がクセになっているのだという回答に、何度も膝を打ちすぎてみみず腫れになった。(うそ)
ハズレもいくつかあるんですけどね。
それ言っちゃダメなのよ。

おしゃれはがまん

ねまちが最近かっこいいえりまきをしている。

しかも素敵なブーツ(裏がふさふさ)まで履いており、生まれて初めての冬に向けておしゃれしているようだ。
ついこの間まで具合が悪くてなにも食べることができなかったねまちとは別人のように最高級の毛皮で着飾っている姿がうれしい。
秋には重ね着のおしゃれ、冬にはコートだけでなく手袋やブーツ、えりまきのおしゃれがある。近年は真冬でもそれほど寒くなく、分厚いコートや暖かいマフラーなどはあまり身につけないことが多いが、おしゃれはがまんなのであった。

ねまちがそれを思い出させてくれたので、来る冬に向けて「きせかえブティック メンキー&ノンキー」で素敵なコートを仕立てようと思う。

2021年10月27日水曜日

両国のさんぽ道

出かける途中で以前のマンションでのお向かいさんとばったり。

この方も引っ越されたがやはりご近所さんで犬のピピくんと暮らしている。立ち話をして、また飲みに行きましょうと約束した数日後、酒場へ行くか行かないか悩んで結局家で飲むことにしてアテを求めてうろうろしているとこの方から電話があり道端で洋服をどっさりもらった。

そのまた数日後に飲みに行く約束をしてたくさんの洋服を抱えて歩いていると後ろから名前を呼ばれて振り向いた。しばらく行っていない酒場の大将だった。この日は大将のお店の定休日で、飲みに行かない?と言われたが酒のアテを買い込んだ帰りなので残念ながらまた今度。
そうそう、うちのねこの動画見てくれた?と言われて首を傾げると、メッセージ送ったのにと言うので帰宅して確認するとそのアプリがおかしなことになっており右往左往してようやくアプリを開くことができた。元野良だったねこが階上の家から脱走して階下のお店の裏に再び住みついたらしい。なにそれ!
他にも懐かしい面々からのメッセージが数件。とっくに過ぎている日のお誘いもあり、悶えながら返信をした。

この晩飲みに出かけなかったのは、やらねばならないことがあるから。頭の中では壮大なモノがいくつも完成しているのに技術が追い付かず、ついに初めて動画で学ぶことにしたが、初心者でもできるという動画についていけず、こんなのできないよと投げ出してRHYMESTERの「After 6」を聴きながら歌って踊っていると、ねまちが驚いて逃げていった。
何時だと思ってるのよ!

2021年10月23日土曜日

モテています

満席の「ニューねこ正」でむりやり席をつくってもらい

今年2度めのさんまと素晴らしく美味しい白子を熱燗で飲り、さらにまかないの通称・貧乏チャーハン(ねぎが多いから、らしいがちっとも貧乏ではない)までいただいて機嫌よく帰った夜。酒場が再開してから会っていない飲み友だちからメッセージがきた。
仕事が忙しくてねこ正に行けず、悲しいのでねまさんの最新の写真を送ってくださいとのこと。お安いご用とカメラを構えるも写真を撮るのがへたくそなために、ねまちが荒ぶっている写真しか撮れず。
こんな写真でも喜んでくれた。

独身の頃から長く一緒に暮らしたねこたちを亡くして、またねこと暮らしたくなった妹が泊まりに来たいという。それではどこに行こうかと聞くと、ねまちに会いたいだけだから別にいいとのこと。

週に5日は真夜中の大運動会で寝させてくれない暴れ太鼓なねまちは実にモテている。
久しぶりに会ったこの牛もマスクや帽子をつけており、裏通りなのに人気者。


2021年10月19日火曜日

家さがし

新婚の友だち夫婦の新居を探しに、その地元民のみなさんと待ち合わせ。
新婚のご主人は仕事なので奥さまとその仲間たちと。いつもは酒場で顔を合わせるので朝から会うのは照れくさい。

新居についてはまだ具体的に考えているわけではないとのことで、梨畑を更地にしているところや更地、建設予定地や新築工事中の家に新築の家や中古の空き家、さらには案内してくれた友だちの家からその娘さんたちの家まで見てまわった。
ここは昔大きな運動場だったんだよ、ここはサッカー場だった、などと地元民の昔話を聞きながら歩くのは楽しい。コンクリの塀から立派な木の切り株がはみ出ている古い家がいくつもあった。素敵な花屋さんやカフェ、古くからの商店の看板に庭に咲き乱れるバラなど、初めて歩く住宅街はどこを見てもおもしろかった。

途中お蕎麦屋さんで休憩したときは、飲みたい気持ちを一同ぐっと堪えた。
おいしそうなおつまみがたくさんあったのと、天ざるの芝えびの数がとても多かったこともあり、ああこれで「清酒 綱取り」をちびちびやったら、といじましく想像した。

食後はじゅんさい池の主というねこたちにごあいさつしたのちに、新婚の友だち一番のお気に入りの豪邸(もちろん知らないひとの邸宅)に案内してもらい全員ため息がとまらず。春になったら昼は広いベランダで、夜は広いサンルームでお花見できるね、でも掃除が大変だよ、ルンバ何台いるかな、と妄想もとまらず。

たくさんの家を見た一日だったが、結局途中で寄った友だちのひとりのマンションの豪華さに一番衝撃を受けたのであった。

2021年10月14日木曜日

やっぱり愛されている秋の親子

昨日まで朝から松茸を焼いていた親子だったが
今朝はハロウィン仕様になっていた。

しかも去年と同じではない。
思っていた以上に愛されている親子に思わず立ち止まって見入っているとお掃除の方が、いつもいろいろ着せられてるんですよ、と笑った。愛されていますね、と頷きあって労働へと急いだ。

久しぶりにおとなしく寝ていたねまちだったが、翌朝、台所には歯ブラシが落ちていた。そしてごはんの皿にはお気に入りの通称ポンポンボールが。
ぼっちゃんもよくしていたこれは何のメッセージだろうか。今夜は飲みに行かないからと言い聞かせたが、家を出るときには恨めしい目で扉が閉まるまでこちらを見ていた。