2020年1月16日木曜日

ヘンタイの聖地

ラン友達になぜか誘われて、ヘンタイランナーの聖地へ。そこは、とある大衆酒場2階の座敷。
(※「ちゃんこ えびすこ」ではありません)

20名近くいる面々は皆和やかな雰囲気であったが、そこにいる半数以上がサハラマラソンの経験者だと知ったのは席についてすぐ。その他ジャングルやモンブランを走破した話を小耳に挟むうちに、なんて場違いな場所へ呼んでくれたんだ!とラン友達をにらみつけた。

とはいえ講義をしてくれたのは整体師でテーマも「体幹」なので、ヘンタイマラソン大会に出る予定のない私にもとてもためになったし面白かった。

その聖地には何度か来たことがあったが、噂に聞いていたヘンタイランナーの集いにまさか自分が同席することになるとは。みなさんのお話しは、ランも仕事も規格外で驚くばかり。
供されたごちそうもものすごいクオリティと量で、アルコールなんてどれでも飲み放題。

なんて世界なんだ、と酔った頭で呆然としていたら、2軒め行くぞと連行。さすがに酔ったぞと自らのグラスにこっそり水を注いでごまかしたのは、自分史上稀なことであった。

2020年1月13日月曜日

年明けの前に

昨年の最後は最高な気分でRHYMESTERのライブに行くことができた。
オープニングは「予定は未定で」。ゆるくていいなぁと思っていたこの曲で昨年は何度も泣かされたものだったがこの日もそうだった。
その他にも、いつもは何気なく聞いていたリリックがいちいち刺さって痛い夜。
お待ちかねの岡村靖幸が出てきたときには満身創痍で、刺激が強すぎて倒れそうなところを踏ん張って堪えた。生で聴いた「マクガフィン」は、昨年をしめくくるには余りあるほどであった。

今年はきっといい年になる、根拠のないわくわくが湧いてきたのは初めての就職を決めたとき以来だが、翌日には不安に襲われて凹み、そのまた翌日には元に戻りで未だ定まらない。
流れ任せでいいんじゃない、でもやるんだよ。

フルーティふたつ

コーヒー豆は「喫茶ニャーゴ」と決めているが、旅先で自分のために選ぶコーヒーは別もの。
用事がありごくたまに行く海辺の街で通りかかった小さなコーヒー屋の扉を押す。

コーヒーは大抵その店のブレンドに決めることが多いがそこにはブレンドはなかったので、コーヒーは好きですけど全然詳しくないので教えてください、と言うと、深煎りがお好きですか?と訊かれ、いえ、たぶん深くないほうが好きですと応えると、フルーティなのはいかがですか?果実がついたまま焙煎するとフルーツのような味になるんですよ、と言われてそれは飲んでみたいと思い即決。改めて店内を見回していると、あ、このコーヒーもフルーティでミルクを入れるとロイヤルミルクティーみたいになるんです、と言われて唸る。ではそれもお願いしますと言ってコーヒー豆をすっかり挽いてもらうまで用事があった場所で用足しをすることにした。

翌朝ていねいに淹れたそれは、本当にフルーティな味わいのコーヒーであった。

別の日、やはり用事があった場所へ行ったのちにそこの一階の、いつもは通りすぎるだけのカフェでなにか飲みたくなって店主おすすめのマダガスカルのココアをいただく。普段はアルコール以外はテイクアウトしかしないせっかちな性質なのにどうした風のふきまわしか。

おすすめのココアとはどのようなものか訊ねると、フルーティな味わいとのこと。マッチさん(私のこと)はコーヒーがお好きだからどうかなと思ったんですけど、と差し出されたそれを口にすると、今までに飲んだことのない甘くないフルーティな味わいのココアであった。そのままでも十二分に美味しかったが、残りわずかになったらお砂糖を入れるとまた美味しいですよと言われたので忘れずにそうしてみたらこれまた味わったことのない味に。

同じ日に異なるフルーティな飲み物を味わって、悩んでいたことを一瞬忘れた。

美味しいものってちょっと怖い、とポルトガル人ガイドが主人公に言っていた小説を思い出したが、悪い気は少しもしなかった。

2020年1月9日木曜日

いまさらながら

明けましておめでとうございます。
今年こそ、去年まで出なかった本気を出す!

と心に決めて本年2度めのおみくじを引くも、まさかの凶。なかったことにしてもう一度引くと末吉。1度めもたしか末吉。
神頼みする気まんまんだったくせに、おみくじの言いなりになんかならないぜ!と鼻息荒くしております。

2019年12月25日水曜日

そしてまた酒を呑んだ

前夜の酒が残っており、意識が朦朧としたまま労働を終えた夜。早く帰ってお風呂につかって本の続きを読んで、とふとんの感触を思って家路を急いでいても、赤ちょうちんが目に入ったとたん引き戸に手を掛けてしまうのはなぜだろうか。
今夜はここだな、ここだもなにもその道を通っているのだから最初からその気なんだよなぁ、と店を覗くと珍しいことにがらがら。そういえばいつも満員のあの店もあの店も今日は閑古鳥が鳴いていた。
店内には知っている顔ばかり。完全に自宅状態。
とにかく冷えていたので熱燗をお願いすると、ハセガワさんこっちへ来なさいよと仲良し社長・社員コンビが赤い顔で手招きするが、まだ飲んでないんだからまずはここよ、と季節の花のある特等席をママが指定。
やってきた熱燗を両手で抱えてホッとしていると、クリスマスなのに熱燗か、と仲良しコンビ。いいんです、私はこれが飲みたかったんです。
カウンターの端にはゴルチェおじさん、後ろはジオラマおじさん。今夜は一段と常連色が濃い。久しぶりに仲良しコンビと話したくて途中から席を移り、愉しい話もまじめな話もした。やっぱりこの人たちはなかなかお目にかかれないほどいい人たちだなぁとしみじみ思ったのは、紙カツをごちそうになったからではない。
よいお年を、と二人とかわしたあいさつがしみじみよかった。


ことり:
この人、いつも酒くさいよね
たぬき:
酒飲んで帰ってきたのに、シメでハブ酒だって
鯛:
見ててごらん
そのうち冷蔵庫を漁ってなにか食べだすよ

2019年12月24日火曜日

二日酔いのろくでなしにも 沈丁花はやさしい

ベランダの沈丁花のつぼみが少しずつ大きくなってきた。
ぼっちゃんとお別れした帰りに花屋さんで見つけた沈丁花。あの香りで真冬だな、と感じる大好きな香り。雑な育て方なのに今年も無事に育ってくれてうれしい。


マラソンの練習会メンバーと、イルミネーションきらめく銀座でしゃぶしゃぶ忘年会。楽しみにしていたのになぜか胃痛が顔を出してきたので、普段は丸腰だけれど沖縄で発見した琉球酒豪伝説(ウコン)と胃腸薬をキメて出陣。なぜそこまでして酒を飲むのか、と考えてはいけない。

久しぶりに顔を見る面々にうれしくなってテンションが天井を突破。もはや家族同様、気楽な存在になりつつある好きな人たちばかりなのだ。
途中からピッチャーハイボールの色が濃くなり始め、ぎょうざハイボール会のデジャヴかと思ったあたりまで覚えている。あとはメンバーの撮ってくれた写真を見て落ち込むのが常だが、どうやら今回は何事もなかったようだ。と思ったが、朝ゴミ箱の奥まで押しこめられた記憶にない食べもののゴミを発見してやはり落ち込む。翌朝の自分に気を遣って隠ぺいしたつもりだろうが、そんなやさしさはノーサンキューだ。

二日酔いのときはカレーと昼寝にかぎる、という金言は「深川福々」編集長のもの。激しく同意。しかし二日酔いではなく酒が残っているときはどうしたらよいのか。そんなときは、温かいおそば。
お弁当のおかずはたっぷりつくってあるが、こんな日のランチはおそば。そば出汁の匂いでアルコール臭さも消える。
しかし、こんな食べかたをしてはおそばに失礼ではないだろうか。と反省するも、やはりおそばのおかげで気分はすっきり。今夜こそ、早く寝るのだ。

2019年12月23日月曜日

たまにおさわりOKな両国図書館

日曜日、ごくたまに飲みに行く「両国図書館」はフンド氏が見つけたお店。
フンド氏と行くときにはどのお店でもおしゃべりと食べることに夢中で店主と話したことはなかったが、ソロ活動するようになってお店の人はお客さんのことをよく見ているのだなぁということがわかり、またお客さんも他のお客さんを見ていることがわかって気恥ずかしくなることもしばしば。

そこは店主夫婦が無類のねこ好きであり、お店の裏のガレージに通いのねこを3匹住まわせている。おさわりOKの子が出勤(出勤?)しているときには、あの子来てますよ、と教えてくれる。あるときは重要な役目を仰せつかった。ぼっちゃんはあまり好まなかったチャオちゅーるをあげてほしいと。またあるときは、なにか不満があるのか大声で鳴く子の相手をしてほしいと乞われ日ごろのねこ不足を補うがごとくモミモミ。
マラソンと読書が好きなお客さんを紹介してくださったり、矢沢永吉の熱狂的なファンのお客さんが武道館帰りにDVDを観たいというのでご一緒させてもらったり。
このお店でめずらしく深酒したある日のこと。
店主が他のお客さんと話すのを聞くともなしに聞いていると、聞き覚えのある店名が耳に飛び込んできた。それは、フンド氏の父上行きつけで今では私が行きつけとなった少し離れた場所の酒場。思わず店名を聞き返すと、行ったことありますか、と店主。聞くと店主どうしが幼なじみで互いの店を行き来しているという。世間はせまいが墨田区もせまい。


フトコロがさみしいのでおとなしく家で晩酌していたある雨の晩。
突然いたいけな子ねこたちが箱の中を動き回る動画が店主から送られてきた。メッセージはなし。これはもしや、捨てねこではないか。
このとき既に白ワインを半分以上空けていた。RHYMESTERのDVDのオーディオ生(ビール)コメンタリーをBGMに、創作意欲がむくむくふくらんで一心不乱に料理をしながらそこそこ酔っていたが、これは一大事と上着をひっかけて参上。
あれ、来てくれたんですか、とのんびりした声の店主が出迎えてくれた。
捨てねこたちはどこに?と尋ねると、ああ、あれはうちの子たちの赤ちゃんの頃。かわいいでしょう、と店主。
もうねこは飼わないと心に決めていた。しかし今なら飼うことのできる家に住んでいるので決心して駆けつけたのだが、ああ、それならよかった、と気が抜けて一杯。おっと今日はフトコロがさみしいのであった、ときっちり2杯で立ち上がろうとするも、とっておきのハイボールをごちそうになり、やっぱり酩酊。