2018年11月13日火曜日

すべては笑われる景色

しばらく会えなくなるひとに会った。
互いに疲れていたので、薄いお酒に淡白なおつまみ。

「看板あげるから、つぎはあなたがやりなよ」

大切にしてきたお店を閉じる決断をしたそのひとが、笑いながら言う。
私にこの名前は荷が重いですよ、と大きく首を振った。

そのひとと私にとって、とても大切な名前がまた消える。
さみしくは思うけれど、生きていてくれればそれで大丈夫。
お店終わって体調崩すかもしれないけれど、風邪ひくくらいにしてね、とだけ念を押した。

別れぎわは、やはりくっだらない話しをして、いつものように別れた。
別の晩、ずっと行けなかったいつものお店へ登場。
「いちばんいいとこ入れといたよ」と板さんがお刺身を差しだす。
あんきもにしようかなぁ、と言うと「蒸したてだからおいしいよ」と大将。
「たい焼き、未亡人会のあのひとからもらったから一個あげる」と美人女将。

こんなに落ち着く場所がありながら、しばらく浮気をしていたなんて、口が裂けても言えない。
今度からは心を入れ替え・・・ようにも、浮気だったはずのあちらのお店にも、既に根を張ってしまった。
好きなお店が増えるのもナニだなぁ。
などと考えながら、勢いづいて「BAR GABGAB」へ。
腰を下ろすなり
「あれから、落ち着かれましたか」
バーテンさんが尋ねる。
なんのことかな、と首をかしげると
「あ、落ち着かれたんですね、それならよかったです」
あの、相方さん・・・ていうか、と言いづらそうにしているので、ああ、私たちのこと覚えていてくれたんだ、とうれしくなった。


ところかわって
ハロウィンが終わって、ブル親子は新たなおしゃれに挑戦していた。

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