憂鬱の象徴でしかなかった桜が珍しく美しく見えたある夜のこと。
友が、急に語りだした。
「実は、話していて全然楽しくなかった」
「実は、少しずつ、すーっとイヤになった」
「実は、正直1ミリも尊敬できなかった」
「実は、ばかだなぁってずっと思ってた」
「実は、どうしても好きになれなかった」
付き合っているような、いないような男への、ずっと我慢していた本音。
まださよならしていないのに、すべて過去形であることから、友にその男への気持ちが無いことがわかった。
たしかに・・・
あなたには、あの男は違うと思ってた、ひどくださいし、やさしくないし、と、こちらまでうっかり本音がこぼれ落ちた。友は大きく頷いた。
いらない男のことはさっぱり忘れて、新しい洋服を見に行こう。
おしゃれは自分のためにするもの。おしゃれはスタイルだから。
なんてことを教えてくれたのは、
いつも控えめな「スナック女将」のママだったか、それとも
美と人生のプロフェッショナル「サロン・ド・こけし」のマダムだったか。
好きな洋服と好きなヘアメイク、こんなに心弾むものはないのに隣にいるのがアレじゃあねぇ、と友は歯を見せて笑った。
ちげぇねぇ ちげぇねぇ
2 件のコメント:
これ忘れられない…怖っ!
フフフ・・・
怖いのに棄てられない写真のおすそわけよ!
コメントを投稿