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2024年3月28日木曜日

日日雑記と本の山

毎日少しずつ読んでいた「日日雑記」を読み終わった。
読み終えたらまた最初から読み直したくなったので久しぶりに本棚に戻した。本棚に戻したら以前読んだ「ことばの食卓」が目についたのでぱらぱらめくるとおもしろくて次はこれにした。本棚にある文庫本はみな何度も何度も読んだもの。
エッセイは好きではなかったのに武田百合子さんの言葉は率直で、彼女の見たものが見えるよう。

帰りの電車を待っていたら、ホームから古本市をやっているのが見えた。いつもいまいちだよなぁと思っていた古本市だけれどなぜか気になって、翌日お使いついでに覗いたらあっという間に4冊も買ってしまった。武田百合子さんの本も見付けた。さらにその日の帰りにもまた4冊。雨さえ降ってこなければあと3冊は手に入れていた。帰宅するとポストにも1冊。昨日友だちが図書館で一気に読んだと聞いた本。
どれから読もうか、幸せな贅沢を前にわざとお弁当をつくる夜。
またさっきチクチクしてイテッと言って指をちゅうちゅうしてたわね。

2021年7月9日金曜日

かわいい文豪たちと過ごす

我が家のくちなしの最後のつぼみが開いた。
ゆっくり、長く咲くんだよと言い聞かせたおかげで今年はみんなずいぶん長く咲いてくれた。

しかしこの香りも、鼻が悪ければわからない。
鼻炎がひどくなってきたので労働先の近くの耳鼻科へ行くも臨時休業。それでは自宅近くの耳鼻科へと急いでいたら「おいてけ堀」での飲み友だちから珍しくお誘いの電話。来週からはまたしばらく会えないので、耳鼻科を捨てて「おいてけ堀」へ。
この日はいわし刺が美味しかった。
それから近所のお豆腐屋さんがやってきて三人で宴会。お豆腐屋さんは自分が考えていたよりずっと早起きで、そして彼が早朝の配達中に通る「レストラン両国駅」が、今日誘ってくれた飲み友だちの行きつけと知って驚いた。
こんな楽しい時間もまたしばらくおあずけ。今度の自粛期間は本を読むのだ。

先日のアトロクでの特集がおもしろくて、聞き終えてすぐに「オロロン書房」に走って手に入れた本「文豪たちの美味しいことば」がとてもおもしろかった。
小泉八雲の言葉が特によかった。
そのずっと前の特集「文豪たちのずるい謝罪文」もおもしろくて、やはり「オロロン書房」へ走った。内容もさることながら、著者の山口謡司さんの語り口と文章(イラストまで!)がとても気に入ってファンになったし、有名だからこそ敬遠していた文豪たちの著書を読みたくなった。
酒は控えめに・・・できるだろうか。

2021年4月9日金曜日

ほめられて

念願の海のまちへ出かけた、特別な日。
海以外なにもないので、特別な日に行こうと思っていたのだ。

のんびり砂浜を歩いてたまに水平線や遠くの島をながめ、好みの貝殻を探して歩き、ちょうどよい丸太を見つけて腰かけた。日陰で本を読みながらうとうとしたら気持ちよさそうな日。そう思ってこの日のお供に選んだ山口瞳「湖沼学入門」をバッグの上から撫でた。
山に囲まれて育ったから海があるだけでうれしい。

海のまちだけれど、行くのは喫茶店。
春になると登場するここのいちごケーキは自分にとって季節の風物詩であり、甘いものは苦手で、などと言っていられない特別なもの。
ここでしか見たことのない大きなまな板の上で注文の入ったサンドイッチを見事な手さばきで仕上げていくこわもてマスターがよく見える席でじっとその手つきを見る。いちごケーキはいちごがおいしくて、コーヒーをおかわりしてじっくり味わった。
薄暗くてコーヒー豆の香りが木の壁や床にしみこんだ古いお店。ここのブレンドは自宅で飲んでもこのお店の匂いがする。

予定も目的もなくいちごケーキでおなかもふくれて、むかし一度だけ行った森の中の雑貨屋さんがまちなかに越してきたことを思い出して向かう。まちなかといえど3㎞近く離れてはいるが、路上で売る花や野菜をながめたり年季の入ったビルで古書を売っているのを発見したり早くも田んぼに水が張ってありもうつゆ草が咲いていることに驚いたりしているうちに到着。制服姿の女の子とその両親が店主と話しており、店主は入学祝ですとなにかを手渡していた。
小さなそのお店をあちこち見て回っていると、鮮やかな金髪の店主からいい髪色ですね、と言われた。髪をきれいにしてもらっても酒場しか行かない身としてはうれしい。来てよかった。

パン屋さんでフンド氏へのおみやげにホットドックを買って一服しているといつの間にか隣にきれいな顔立ちのおばあさんがにこにこ立っていた。あなた、その赤いスニーカー似合ってるわね、と唐突に言われて、えへへ、ありがとうございますと答えた。新しい靴を履いても酒場しか行かない身としてはうれしい。

ほめられたからではないけれど、やっぱりこのまちが好きだなぁ。
愉しかった、いい一日だったな、とマスクの中でつぶやいた。

2021年3月10日水曜日

ニッキラン

未だニッキ熱が冷めない今日この頃、「ニューねこ正」の美人女将に教えてもらったニッキの母校目指してランした休日。彼が幼少時に過ごしていただけの地になにがあるわけもないが、走るにはちょうどよい距離だった。
小綺麗な彼の出身中学校に特に感慨はなく、河川敷の桜をじっと見てからとりあえず最寄りの駅にも行ったがここも当然小綺麗でニッキを感じられるものは皆無だった(当たりまえだ)。しばし駅周辺をパトロールしたのちに線路脇から適当に進むと、いかにもよさそうな本屋さんを発見。
外の文庫本だけチェックしようと思ったがイベントの告知などがかなり気になって店内へイン。お店の広さも本のセレクトも好みだし、なにより地元のフリーペーパーもミニコミも充実している。しかも欲しい本が3冊もあった。ただし3冊も本を持って走って帰るのは大変なのでまた後日来よう。

そこでもらったフリーペーパーがとても素晴らしかった。こんな画期的なフリーペーパーが生まれる、そしてそれを紹介するすてきな本屋さんが根付く町にニッキは生まれたのだなぁと、思いがけない出逢いに無理やりニッキを結び付けてその晩会った飲み友だちに熱弁をふるうも、この日の自分の行動に軽くストーカー臭を感じて深く反省。

2020年6月11日木曜日

新茶とタクシー運転手

酒場でのソロ活動をキメた後、帰宅して一服。
その後立ち上がると軽く立ちくらみがするのはいつものことだが、その晩は立ちくらみのあとに目の前にモノクロの乱れた映像が見えて怖い、と思った次の瞬間に、つぼみをたくさんつけたくちなしの鉢の上にばったり倒れた。これが貧血かと恐ろしくなったが、それよりくちなしが心配で暗闇の中手さぐりで確かめる。つぼみはつけていないが新しい芽が出てきた枝が折れていた。毎日成長を楽しみに大事にしていたのに。本当にごめんよ、と折れた枝を空いていた植木鉢に挿した。

翌日は反省して即帰宅、映画を鑑賞していると宅急便が届いた。毎年静岡の友だちが送ってくれる新茶。うれしい。お礼のメッセージを送ってから続きを鑑賞。
今宵の映画は先日ラジオを聞いていて気になった「タクシー運転手」。
ひどい。ひどすぎる、と顔をしかめると前夜したたか打ったこめかみが痛む。自分まで銃撃されたかのように痛みを感じつつも、宇多丸さん曰く”トラック野郎的な”カーチェイスには胸アツになりそして当時の軍人さんの中にだってこんな人もいたんだ、と胸を撫で下ろしたり。私には靴が印象的な映画だった。酒は4杯飲んだ。

このところ観る映画や古い本が、ことごとく現在の状況を現しているようなものばかり。
田辺聖子著「お聖どんアドベンチャー」(ポセイドンアドベンチャーのパロディのタイトル)は田辺聖子本人や筒井康隆などが実名で登場して未来のSF的な「ありえない」話がおもしろおかしく描かれているのだが、コロナも世界情勢も日本の情勢も思わせる内容であり恐ろしくなってきた。1980年に書かれたものなのに。
大切なひとがここにいないのはさみしいことだが、今いなくてよかった、とも思う。

2020年2月19日水曜日

あるなまけものの夜

労働で何年ぶりかの落語会へ行くことができず、肩を落として帰宅。
この落語会は落語好きの友だちに教えてもらった近所のお寺で行われるもので予約は電話のみ。少々ハードルは高いがこの友だちが勧めるということはつまり間違いがないということなので重い腰を上げて電話もしたというのに。

こんな夜は酒場になぐさめてもらうより家でおとなしくしていよう、とめずらしく帰宅したのはいいが今は怠け者の時期なのでPCを立ち上げてYouTubeで「西原商会」の社歌をじっと見たのちにふとんへイン。
今読んでいる本がおもしろくて目が冴えたが、やっぱり顔面に本を落とした。

2019年11月14日木曜日

さらに マクガフィン

寝ても寝ても眠くてたまらない。
お久しぶりねの「おいてけ堀」でそう話すと、秋だからとちがう?と友だちに言われた。
どんなに早く床についても朝はぎりぎりまで起きられず、お昼前にこっくりこっくりしてお昼後にもこっくりこっくり。
どんなに早く床についても早朝ジョグをキメることができず、さらに早朝そばをキメることもできずにいる。


いつも絵や美術館の話しをする酒友だちが貸してくれた本が重い内容なのになんともいえずおもしろかったので、その本の話を肴にまたもや飲みすぎた。国家の陰謀ではないか、という結論に落ち着いた。
勧められた本を読むのは新鮮だし、勧めてくれた酒友だちのことがわかる気がしておもしろい。
最近読んでいる長編は佳境に入っているのになかなか進まずもどかしい思いでいたら、やっと新しいフェーズに入った。続きが気になって、寝坊したくせに今朝ちょっとだけよ、とベランダで本を開いた。ついにやってしまったか・・・これからどうするんだ平三(主人公)よ、と落ち着かない気持ちで弁当をつめる。


宇宙初オンエアの新曲を聴き終えたあと、あまりのカッコよさに思わず立ち上がった夜。
こんなカッコいい曲を作ってしまったの!と興奮していてもたってもいられなくなったが配信は再来週。これを爆音で聴きながら走りたいな、と思ったが、まずは早起きをしなければ叶わないこと。

2019年10月10日木曜日

待ってろ今から本気出す

新しい世界や本を教えてくれて、愉しい情報をたくさんくれて、さらによいアイデアもくれる、逢うとやる気が出る大好きな本屋さん。
しばらくごぶさたしていたその本屋さんから、久しぶりにイベントのお誘いを受けた。
やる気を失っているときだったが、思いきって参加することにしてメッセージのやりとりを終えたとたんにアイデアが浮かんだ。
顔を見て話してもいないのに、メッセージだけでスイッチを入れてくれるなんて、この店主さん、いったいどんなパワーを持っているのだろう、と不思議な気持ちになった。


本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展2019
日時 11月9日(土)~30日(土) 12~18時 最終日17時まで
※火・水定休

場所 甘夏書店 〒131-0033 東京都墨田区向島3-6-5 一軒家カフェikkA2F


まだひとつも完成していないけれど、頭に浮かんでいるから大丈夫。
その前に締切の迫っている展示の方もあるんですけどね・・・あとマラソン大会・・・

2019年10月1日火曜日

初めての信州駒ヶ根ハーフマラソン

文太といつもの道を散歩していたら現れた「3㎞」の看板。
 振り向くと「18㎞」の看板。
翌日は、生まれ育った田舎での「信州駒ヶ根ハーフマラソン」。
どうにもやる気が出ないので、文太に練習に付き合ってもらったものの、みちくさばかりで愉しくて進まなかった。ああ、翌日ここを通るときは、さぞかしくたびれていることだろうなぁ。
文太はなぜかこの道が好きだが、私も好きだ。
文太の選ぶ散歩道と川はセンスがよい。
きんもくせいがあちこちで匂っているのに、ひんやりしていない空気が不思議であった。
翌日は雨の予報だった。
雨の予報だったはずなのに。
どうなってるんだ、と同級生と文句を言っているうちにスタート。

昨日文太と散歩したあたりはスタート後15分ほどだし下りなので、なつかしい風景を眺めながら・・・というわけにもいかず(前週も帰省していたのでさほどなつかしくない)早くもだめな予感。わかっていたこととはいえ、なんだこの坂道は、と毒づきながらヨタヨタ進む。
エイドのアイスを食べていたら見知らぬおじさんが振り返って、それ何個め?と尋ねるので、1個め!と応える。それからそのおじさんと抜きつ抜かれつ、追い抜きざまに互いに声を掛け合い、最後はなんとか追い抜いてへとへとでゴール。(ところであのおじさんは誰だったのだろうか)

見るも無残なタイムであったが、部門別40位でラッキー賞なるものをいただく。
あとはエイドでもおいしくいただいた梨。

大会100選にも選ばれているだけあって、坂道の辛さ以外は文句なくよい大会だった。中央アルプスや南アルプス、天竜川などの写真を撮っているランナーもたくさんいた。
スタッフのおじさんたちの言葉に方言を聞いたのが、知っているだけになんとも脱力ものであった。
暑さのために食欲が湧かず、エイドの手打ちそばを食べることができなかったことだけが心のこり。
山帰りとマラソン帰りの人でごった返す温泉の入り口で、あけびを発見。
種のまわりが甘くておいしい。久しぶりにお目にかかった。

子どもの頃あけびを教えてくれたのは
「メンキー&ノンキー」の名前の由来でもある、幼なじみのノンキー。
あけびは高いところにしか実がならないから、いつも見るだけだった。その場所も、この日のマラソンコースの近くだった。


夕方には帰らないといけないため同級生たちとの打ち上げにも参加せず、文太と名残惜しく散歩。きんもくせいの香りはずっと漂っていた。
疲れているから、ゆっくりね、軽くだよ、と言ったのに、この日は全力で駆け抜ける文太。それ、昨日したかった。
着替えたばかりのCreepy NutsのTシャツは汗で濡れていたが、時間がなかったので汗くさいまま暫しのさよなら。
帰りの車中で本を1冊読み終えた。放心状態だった。
衝撃のラストで衝撃を受けたと同時に、これ前に読んだ、と気付いたからだ。

気分転換にGoogleのニュースを見ると、なんと!Creepy NutsのDJ松永が、ロンドンで行われたDMC世界大会で優勝したとの記事が目に飛び込んできた。
びっしょり汗くさかったTシャツは、いつの間にか乾いていた。

2019年9月27日金曜日

だがそれでいい

秋が深まったら着たいジャケットを「メンキー&ノンキー」で発見。
そういえばむかしむかし、やはりここである洋服にひとめ惚れしたとき店主に、サイズ大丈夫ですか、とぼそっと言われたことがある。なんと失礼な!と思ったが、試着するまでもなくどう見ても当時の自分には入らない洋服だった。

そういえば、何年になりますか、と唐突に店主。
その日はお彼岸で、フンド氏がお世話になっているお寺さんの秋の法事で、クラシックギターとソプラノ歌手の生演奏と精進料理と、未亡人友だちとのおしゃべりを愉しんだ帰りだった。
店主がジャケットを畳みながら、カラダ、いい感じに戻ってよかったですね、とぼそっと言った。そんなに痩せていましたか私、と訊くと、一時期ね、今の方がいいですよ、と店主は応えた。
そうですかねぇ、とつぶやきながら、半年以上量っていない己の目方はいったい今どうなっているのか、恐ろしくて目を背け続けているとは言えなかった。


エッセイ以外もう全作読み尽くしたと思っていた作家の、未読の本を5冊も発見。
それは仕事帰りの「オロロン書房」にて。
その作家の小説を読みながら湯舟に浸かったり、お酒を飲んだり、眠りに落ちたりする幸せといったらない。これでしばらくは禁断症状に怯えることもない。


相変わらず、マラソンの練習にはやる気が出なくて、締切の迫っている案件も手つかず。
やる気のないときは、やる気が出るまで休むべし、と決めて早や3年。本気出す、と意気込んで早や半年。
季節とともに空の様子や道端の雑草や古ぼけた建物が変わっていくのを眺めながら、焦りがないことに焦る。
とはいえ、秋から冬にかけて行くライブと旅のことで、頭はいっぱい。

2019年8月30日金曜日

素朴絵展と原田治展と友だちの展示と、あとなんだっけ

特にがんこなわけではないが、コーヒーなら「喫茶ニャーゴ」
新たな本を探すなら「オロロン書房」
勝負酒場なら「ニューねこ正」
(勝負ってなんだ)
傘を探すなら「しとしとぼっちゃん」
等々、決めごとがある。
どのお店も、歩いていて見つけた。
あてもなく歩く、ということをしなくなって久しい。歩かないと愉しいことは落ちていないのに。
音楽やラジオを聴きながら、あるいは長電話しながら歩くのも、景色が違って見えて面白いもの。
ブリブリでゴリゴリな曲に変わると気付けば肩で風切って歩いているし、遠く離れた友と話しているとたとえそこが駅ビルであっても、目の前に海が広がる。

久しぶりに予定のない土曜日、行きたかったところ全部に歩いて行きますか。
(まずは今晩飲みすぎないことが重要)

2019年5月27日月曜日

やじうま3 やじ犬1

怒濤の土曜日を越えて、待ちに待った予定のない日曜日。


ジムに行ったら、その晩行こうと思っていた酒場の大将にばったり。
ではまた、とマシンに向かうと、激しくトレーニングしている元お隣さんを発見。
和ものが好きなアメリカ人教師・P。ブロークンなイングリッシュを駆使して、再会を喜ぶ。


この日の両国は、例のアレで一日ヘリの音でうるさかった。
「あちら」へ行くときっとえらいこっちゃだろうと、わざと遠まわりしてコーヒー屋さんへ。
それなのに「こちら」がわも、見たこともない人数の警察官。
「こちら」でこんなだったら、「あちら」はいったいどうなっていたのだろう。
ようやくたどりついた「喫茶ニャーゴ」のまわりも、物々しい空気。
いつも絶対に目を合わせない犬も
この日はなぜか両脇に警察官をはべらせて、いつも以上に目を合わせようとしない。

コーヒー豆を挽いてもらいながら店主とぶつくさ文句を言っていたら、ひさしぶりに会う、店舗を持たない古書店の店主がやってきた。
ぼくの家は高速道路出入り口のすぐそばなので、そろそろかなとやじうまがてらコーヒーを買いにきまして、と古書店主は笑った。
ぶつくさ文句を言っていたコーヒー屋さんの店主も、実は・・・とカメラを持ち出した。

帰り道、警察官に抗議??して動こうとしなかった車はそのままであったが、道路を封鎖していたフェンス等の撤去が始まり、張りつめていた空気がふっとゆるんだ気がした。

ジムでばったり会った店主の酒場へ顔を出すと、おさわりNGのかわいこちゃん(ねこ)が出勤していた。今夜はおさわりできないのか、と少し落胆して飲み始めた。
隣り合わせたひととラジオの話で意気投合し、共通の話題であるランよりも盛りあがる。
いやぁ実は今日、「あちら」へ行ってからここに来たんですよ、と唐突にそのひと。
もしや、と思ったら、このひともやじうまであった。

2019年4月1日月曜日

活字中毒ではなく依存症

田辺聖子依存症になり、貪るように読んでいた時期があった。
多作な著者なのでしばらく困ることはなかったが、ついにディグの壁にぶちあたった。
女流作家が苦手だったので新規開拓が難しく、信頼する本屋さんに愚痴をこぼすと、こんなのどうでしょう、と次にお邪魔したときに用意してくれていた。
長時間の移動中、座席が狭いのも忘れるほど一気に読んだ。
用意していたワインは封も切らず、読み終わってからも同じところを繰り返し読んだ。

出てくる女たちがみんな好きなタイプだし、なにより溜飲が下がりまくった。私の悩みごとなんてこれっぽっちも話していないのに、なぜこんなにぴったりくる本を用意してくれたのだろう!

さらに、最近入手したブルーレイやCDなどが、ことごとく大当たり。
眠たいのに、いつまでも見入り聴き入る毎日。

これからは、おいしいものしか食べないしおいしい酒しか飲まないぞ、と決意した。(そんなことはどこにも書いていないし唄ってもいないが)
がまんしていた「ぺろりレストラン」のスパゲッティハンバーグだって、いずれ食べちゃうんだから。

2019年3月4日月曜日

猪突猛進

ようやく、ようやく、大好きな本屋さんへ行くことができた。
それまでどんな黒い気持ちを持っていても、そこへ行くと、元の自分に戻ることができる。例外なく、このたびもそうだった。
愉しいニュースにお誘い、うれしい言葉。
ああ、この本屋さんとめぐり逢えて、本当によかった。

愉しい気分のまま、スカイツリーの近所に引っ越したフンド氏にあいさつ。
そろそろ4年になるんだね、としみじみ。

今夜届く荷物を受け取ったら「ニューねこ正」へ行くぞ、と意気込んで歩いていたら、沈丁花を手にした未亡人会の会長と遭遇。
あら今夜はどうすんの、と聞かれたので、荷物を受け取ったら行きますよ、では後ほど、とあいさつして家路を急ぐ。

荷物はまだ来ない。
ビールでも飲むことにする。
つまみなしのビールは味気ないので、先日の旅みやげで友にあげそびれたかまぼこを一切れ口に入れる。なにこれおいしい。
さらにもうふた切れ。うまい。あとふた切れだけよ。ああ、やめられない止まらない。
主のいないかまぼこ板をながめて、表札のことなど考える。

荷物はいっこうに来ない。
野菜のつまみがほしい。よしあれをつくろう。切って炒めるだけのあれ。
お皿いっぱいにつくったつまみを口に入れる。我ながらおいしい。半分にしとかないと「ニューねこ正」の愉しみが半減もしくは全減よ。あとひとくち。ああ、やめられない止まらない。
主のいないヒョウ柄の皿をながめて、義兄は元気かな、などと考える。

荷物は来る気配もない。
ビールどころか、冷蔵庫にあった生酒も残りわずかとなってしまった。ああもう、こうなったら少し手はかかるがあれもつくってしまえ。
これは余らせてお弁当のおかずにするんだぞ。わかってるな。って誰に言い聞かせてるんだ。自分だよ。ああ、こりゃ酔ってきたな。
う~ん、我ながらおいしい。フンド氏もこれ好きだったなぁ。いや、別の男だったっけ。それとも女?もうわからなくなっ・・・・

「ピンポーン」

ようやく荷物を受け取ったが、もう「ニューねこ正」に行く気は失せていた。
そんな、よくある夜の話。



旅先で見かけた不憫な親子と、ボーイフンド氏の干支。
たったこれだけの接点だったいのししに、もうひとつ接点を発見。
それは、猪突猛進。

熱しにくく醒めやすい性質なので、短期間に終わるかもしれない。
それどころか、まだ始めていないのにやや醒めはじめている気もする。
でも、なにごとも勢いよ。
今までだって、計画立ててものごとを始めたことが一度でもあったか?ないだろ?
(誰に言っているのか)
思い立ってから3日。なんとなく今週から、いろいろ始めます。


そして


甘夏書店さんでマッチやおべんとうノートをお買上げくだすった奇特なみなさん、ありがとうございました!

2019年3月1日金曜日

ソロ活動、開始

なんだかんだと忙しかった日々から解放されて、マンネリな日常に戻った。
つまり約束のない夜。
酒場には目もくれず、いそいそと帰宅して、スマホの音を切って本を読む。
その本がまたおもしろかったものだから、止まらない。
風呂場にまで持ち込んで、上下巻、嗚咽しながら読了。
(泣くような類の内容ではないのだが)
こういうの、溜飲が下がるとか、カタルシスとかいうんだっけ。

いきおいづいて、次の本を手に取る。
こういうときは、思い切り不吉な本がよいだろう。
次なる世界との出逢いに目がギンギン。
あまりにも幸せなこんな時間を、なによりも求めていた。


別の日。
今年初めてのライブに登場。
久しぶりにあっという間の3時間だった。
新しい曲は背筋になにかが走るほど最高だったし、一見関係のなさそうなあのミュージシャンとこのミュージシャンがつながっていて、あんな曲がこのような場所で聴けたり、実は初めて聴いた初期の曲、とてもよかったなあ。



旅先にて。
どうにも体調がすぐれず、薬を求めてさまよった商店街で見つけた、漢方薬局の悲しい親子。
今年の干支なのに、不憫でならない。
でも親切なボスでよかったね、と心の中で声をかけて別れた。

2019年2月12日火曜日

雪の日に小豆を炊く

ぽっかりできた、自由な休日。

まずは惰眠をむさぼり、家事をこなして、長風呂。
酒のつまみ以外、ほとんどなにも入っていなかった冷蔵庫を食料で満たし、ていねいに料理をつくる。
途中ひと休みして、買ったばかりの文庫本を開く。
ラジオから好きな曲が流れる。
つぼみが大きくなってきた沈丁花の様子を見に、何度もベランダへ。

いただいた小豆を炊いたりなどして、約束の時間より少し早めに家を出る。
街に、体格のよい男の子があふれていると思ったら、「聖地」では白鵬杯をやっていた。
お互いにふんどしを締めあう子どもたちや、リラックスした表情の白鵬を眺めて、得した気分。

久しぶりによい時間を過ごした日のその晩は
会いたかったひとにいっぺんに会えて、おもわず深酒。


いつもすれ違いのあのひとも上階にいたらしいが、こんな酔っぱらい姿を見せるわけにはゆかず、この日もお目通しはかなわず。