2020年10月19日月曜日

凱里ブルースと面影の消えた街

授業をサボって 日の当たる場所に来たんだよ

RCサクセション「トランジスタラジオ」の冒頭のフレーズが好きで、昔からいろいろをサボるときに頭のなかで再生しては浮き足立つ。
中年の今も相変わらずいろいろをサボっており、この日はどうしても観たかった「凱里ブルース」を観るために労働を半分サボって初めての街へ。
映画の上映時間は労働中しかなく、この間は別の映画館で連日満席だった。チケットは窓口のみの販売で上映はこの日までなので仕方ない。(ことはない)
整理番号3を入手して、さてあと数時間どう過ごそうか。
土地勘のない場所だが、むかしむかしよく遊びに行っていた下北沢が近いので歩いて向かうことにした。
自宅や労働の場所と違って建物が低く、空が高くて広い。空が高くなった 夏はもう終わりだ、という一文を、どこで目にしたか忘れたが空が高いと感じるたびに思い出す。のどかでいい時間だなぁと、多くの人が働いている時間にサボって散歩。
古着屋さんがちらほら見えてきて、ここはどこらへんかなと考えるもさっぱりわからない。古書店や古道具屋もたくさん寄ったがまったく懐かしくない。まるで知らない街を歩いているような気分で映画館へ引き返した。

映画「凱里ブルース」は、今までにない中国映画で、漂うムードが違っていた。
スクリーンからも湿気が伝わってきたほどしっとりした凱里という町は監督の出身地なのだそう。
途中何度も人間関係がわからなくなって悩んだが、エンドロールが流れ始めたところで腹の虫が鳴ったということは集中して観ていたということか。
どうしてもわからないことがあってパンフレットを購入してじっくり読み込む帰り道。なるほど、と感心しながら赤ちょうちんに誘われてお久しぶりねの「おいてけ堀」へ向かう。
これまたお久しぶりねの飲み友達と再会して、思いがけず深酒した秋の夜。
このあと怒涛の痛飲の日々が始まった。

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