2020年2月13日木曜日

生肉担いだ休日

やはり飲みすぎたある朝早くに電話が鳴った。
このところやけに元気な友だちから、巣鴨行かない?とのお誘い。
なぜ巣鴨、と考える間もなく、じゃ昼くらいにと電話は切れた。

よく晴れた昼の巣鴨は北風が吹きすさび、逃げ場のない寒さであった。

誘ってくれた友だちのご主人はもともと歩くのは好きではなかったが、東京に転勤してから必然的によく歩くようになり、会うたびに体も顔も締まっていっている。友だちも商売をしていた頃はいつも疲れており両国橋を渡るのさえも渋っていたのが、今では歴史探訪の本を片手にあちこち歩き回って元気いっぱいだ。
どこか行きたい場所は、と訊ねると六義園に行きたいと即答。けっこう歩くけど、と言いかけてやめた。ふたりとも既に6㎞は歩いており顔色よくやる気満々だ。

途中親切なご婦人が、六義園に行くんですか?この近くの入口は今閉まっているからまだまだ先ですよ、それに今の六義園は見るものないわよ、となぜ我々が六義園を目指しているのがわかったのか突然話しかけてきた。寒さと空腹(そして私は胃腸の疲れ)もあり一同踵を返して地蔵通りへ。道中で食べた牡蠣のクラムチャウダーが傷んだ胃腸を少し修復してくれた。そこから歩きも歩いたり、結局昼酒をかましたのちに友だち夫婦の家でまた飲んで飲んで、途中寝たはずのご主人が起き出したころには立派な酔っぱらいに仕上がっていた。
いけない、もう帰らなきゃ、と帰り支度をすると靴の上に生肉2㎏と明太子。
なにこれ、と言いかけて思い出した。友だち夫婦の家に向かう途中の商店街でとんでもなく安い国産鶏むね肉と明太子を発見して購入、忘れちゃなんねぇとそこに置いたのは自分であった。
寒い中をどんなに歩いても、生肉2㎏をかついでも疲れ知らずなシューズは「あんよ」にあります。

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