2021年12月10日金曜日

助六のブックカバー

その友だちが秋田にいた頃は毎月のように会っていたのに、ご主人の転勤で都内に越してきてからは近くにいながらコロナ禍で顔を見ることもできず、たまに長電話してはあのおいなりさんが食べたいとしつこく言っていたら約2年ぶりに再会したとき何年越しかでつくって持ってきてくれた。

このおいなりさんにはゴマときゅうりとクリームチーズが入っており、以前秋田からの帰りの道中にと持たせてもらって以来、大好物になった。おいなりさんがそれほど好きでない私や彼女の息子までもが熱望する、おふくろの味。
久しぶりに食べたこのおいなりさんはしみじみおいしくて、大事に食べようと思っていたのにあっという間に完食してしまった。
食べ終えてから悲しくなり、猛然と作り始めたのが助六弁当のブックカバー。切れずにつながっているたくあんがしおりで、きゅうりのお新香もある。
幼なじみに見せたら、読書の邪魔をするブックカバーだね、とありがたいのかそうでないのかわからないキャッチコピーをもらった。
勢いでつくったこのブックカバー、きっと売れないと思うので自分で使おうと思う。

2021年12月8日水曜日

センセイのブックカバー

ブックカバーをつくるにあたってまず最初に頭に浮かんだのは暖かい風景。冬ですから。
冬の暖かい風景といえば、おでんの湯気と熱燗。
おでんは出てきていなかったと思うけれど、なんとなく「センセイの鞄」のお店が浮かんだ。センセイとツキコさんふたり並んでそれぞれの選んだ肴で静かに飲む姿を想像すると、しみじみよかった。

外の冷気をはらんだコートを丸めて席につき、ほどほどににぎやかなお店で酒を啜っておでんを選び、ひと息ついて本を開くのは冬の醍醐味だろう。
そんなとき手にしている本にこんなカバーがかかっていたら、まわりに見せびらかしたくなるかもしれない。
(それにしてもなんてひどい写真なんだ)


などと想像しながらも、実際はおでんがあってもそれ以外のものをたのむんですけどね。
焼き鳥屋さんでも焼き鳥はめったに食べないし、でもいいのいいの、雰囲気。

しおりはお銚子とお猪口、それとなぜか、しらたき。
墨田区向島の甘夏書店さんにて現在開催中の「本と遊ぶ ブックカバーとしおり展2021」に置いています。
おでんの季節が終わるころには、おでんの汁のシミがついているかもしれない。
本日6ヶ月を迎えたねまちは、辛子のついた厚揚げの匂いを嗅いでいる。

2021年12月7日火曜日

ミートソースのブックカバー

お気に入りの喫茶店「喫茶ニャーゴ」でコーヒーを飲みながら本を開くときほどよい時間はない。
コーヒーの匂いの染み付いた太い柱にもたれてコチコチと古時計の音を聞きながら穴ぐらのようなそこにいると、本を読みながらもぼんやりしてしまう。
・・・などということはなく、実際はあたりを見回したりせっかちにコーヒーを啜ったりして気づけばさっきから同じところを繰り返し読んでいるというのが常だけれど、大切なのは気分よ気分。
そんなとき手にしている本のカバーが素敵だと、なおよい。
墨田区向島の甘夏書店さんにて現在開催中の「本と遊ぶ ブックカバーとしおり展2021」に置いています。

スパゲッティミートソースが食べたくなってそわそわしたら「ぺろりレストラン」へ。
ハンバーグに目玉焼きまで乗っていてうれしくなりますよ。

そういえば私が子どものころに食べたスパゲッティハンバーグは、田舎のデパート(といっても三階建てほどのビル)の中の食堂だったが、今の東京でいうとこんな感じかな、というお店を先日通りかかった。特別食堂というその名前がイメージにぴったりであった。

2021年11月30日火曜日

悲しいオムライス

今日のランチはスパゲッティミートソースと心に決めてお店の前で仁王立ちしたある日。

あれほど強く決心していたのに、メニューの写真を見ていたらオムライスが目に入って離れない。注文を聞かれると口が勝手にオムライスくださいと言っていた。
まぁこれも食べたかったしね、と自分を納得させるも、やってきたそれはもう記憶にないほど美味しくなかった。熱々なのに冷めているような、薄焼き玉子でごはんを包んだ昔ながらの大好きなものなのになぜ、と悲しくなったことだけは覚えている。

もちろん「ぺろりレストラン」でも

「レストラン両国駅」でもありませんよ。


お店に入って席に着いたとたんに思っていたものと違うものを注文する癖、直さないとと決心しながら「ニューねこ正」のまかないの通称・貧乏オムライスのことを思い出した。具はほとんどネギのみで香ばしくておいしかったなぁ。
「レストラン両国駅」のオムライスは正統派で、チキンライスではなくてケチャップライスを薄焼き玉子で包んだもので玉子の厚みがでこぼこしていて端の少し焦げたところもたまらない。

あんなやつが食べたかった。それよりなによりミートソースはどうなるのだ、とうなだれていたら幼なじみが絶妙のタイミングで私の大好きなミートソースをおみやげにくれた。そして悲しいオムライスはいつの間にか胃から消えていた。

本と遊ぶ ブックカバーとしおり展2021

ねまちの避妊手術を無事に終えて、エリザベスカラー生活もあと数日。
モンペと言われようとも術後は4日間ずっと付きっきりでいようと、手術中はご近所さんに自転車を借りてねまちのフードや自分の食料や酒を買い込んで日がな一日じっとり観察していたけれど、2日後に久しぶりの友だちと再会するべく後ろ髪を引かれながらランチに出かけて帰ると、私が在宅していたときには残していたごはんをきれいに平らげており私がいないほうがよかったのではと反省。

久しぶりに会った友だちとはお互いなぜかじろじろ見合ってしまった。
変わっていなくてよかったと言うと、あんたは白くなったねと言われた。引きこもり生活のおかげか。ずっと食べたかった友だちお手製のおいなりさんはその晩大切に食べた。またつくるよ、の言葉がうれしかったが私をモンペ呼ばわりしたことは忘れないぞ。

別の日、会いたかった幼なじみとやはり2年ぶりくらいに「ニューねこ正」で再会。

変わっていなくてよかったと言おうとすると、身長が180㎝超えくらいになっていたらどうしようと思ったけど変わっていなくてよかったと言われた。幼なじみの恋人とともに生牡蠣で痛飲してどっさりおみやげをもらって、またね。

いつもばったり会う常連さんと「おいてけ堀」でひと月ぶりに再会して千秋楽前日の照ノ富士・阿炎戦を観戦。

続けて日本シリーズまで観戦。ひとりで観るより楽しくてまた痛飲。

会いたかった友だち全員の顔を見ることができてうれしかった数日間。
しかし喜んでばかりはいられないのだ。かなり久しぶりにお誘いを受けたイベントが始まる。

「本と遊ぶ ブックカバーとしおり展2021」
2021年12月5日(日)~12月25日(土)
12時~18時(最終日は~17時)
定休日 火曜日・水曜日
一軒家カフェikkA 2階 甘夏書店さんにて
https://amanatsu-shoten.hatenablog.com/

ちびちび作っては失敗、作っては失敗を繰り返しながらも、何点か出品できそう。
他の方の作品も楽しみだなぁ。

2021年11月18日木曜日

モンスターペアレント

ねまちの避妊手術の日が迫ってきて、心配でソロ活動する気分にもなれず家で晩酌の毎日であったが、ご近所さんに誘われて「おいてけ堀」に登場。

ご近所さんは高齢犬のピピくんを非常にかわいがっており同じ動物病院に通っていることもあって話は尽きない。そこでねまちの術後のケアのために休みをとって4日間引きこもること、エリザベスカラーを購入したことなどを話すと、4日間も引きこもるの、それにエリザベスカラーなんて病院でもらえるじゃないの、と驚かれて私も驚いた。
帰宅して締めの一杯を飲んでいたら友だちから電話でランチのお誘い。
本当は飲みたいけれどまだコロナが怖いから酒抜きでと言う友だちに、2年近く会っていないしとても会いたいがねまちの手術が、と言うと、あんた大袈裟だよ、私も昔犬の避妊手術を経験したけどそこまでしなかったよと言われ、でも心配で、と反論すると、あんたアレだよ、ほら、モンスターペアレントになるよと言われてハッとした。

そういえば、LSD後の飲み会を途中退席するようになって、この生活いつまで続けるの、とラン友たちに聞かれることが多くなったし、あれほどピピくんの世話をきめ細やかにしているご近所さんにさえ、そこまでするの、とドン引きされた気がする。
そうやってモンスターペアレントになっていくんだよ、だから会おうぜと説得されて、上り始めたモンスターペアレントへの階段を一段下りたのであった。
あたしに恥かかさないで!

2021年11月11日木曜日

うれしい言葉ふたつ

やらなきゃダメなのよ、なことの一部がほぼできたこともあり、今夜は飲みに行くぞと意気込んで出かけた「おいてけ堀」。

とんでもなくお腹がペコペコで、いつもの1.5倍のおつまみをむさぼり食って一服したら禁断の最後の客になっていた。いつもにこにこしているマスターがにこにこしながら珍しく客席に出てきてずいぶん遅いねと言うので、ねこにごはんをあげてて、と答えると、今度連れてきなよと言われてその光景を想像したら急に酔いがまわった。
未成年ですから、あわてて答えながらも、なぜかうれしい言葉だなぁと思った。
今夜はもう貸し切りよ、とママが言うので、じゃがいもとブロッコリーのカレー味のお通しが美味しかったことをチーママに伝えてそのつくり方について訊ねたり、ねまちの初めての体調不良と回復、そして彼女がいかにささみを愛しているかをママに激白して互いの家のねこや小鳥の写真を見せあったりしてごちそうさま。

先日、南伊豆食い倒れ合宿の主催者とその際に同室だった人とで肉を食べたときのこと。
このふたりと会うときは大人数のことが多いので珍しいなと思っていたら、ふたりで肉を食べようと話していて他に誰を誘うかと訊ねたらあなたを指名されたと主催者から言われてびっくり。
それほど親しくもないのになぜ、と思ったら、いつも楽しそうだからとさらりと言われた。
そうか、楽しそうに見えるのか、とうれしくなった。
めったに褒められることないもんねぇ。