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2022年8月18日木曜日

ぺろりべんとうの手ぬぐい

ばかあさん、あんなに時間をかけてつくった手ぬぐいのことをもう忘れたの?
あたしがお水をこぼしたり絵の具をつけたまま走り回ったりしてお手伝いしたのに、もう忘れたの?
次の手ぬぐいに取りかかるって息巻いてたのに、連休中は遊びまわっていたわよね。

誕生日までには、と思っていたのに誕生日には海へ行ってうなぎとなすとハガツオという旬の短い魚のおいしいランチを食べて、「喫茶ニャーゴ」で寒天を食べてきたので
さらに数日かけて完成。

「本と手ぬぐい7」は甘夏書店さんで8/27(土)まで。
五十の手習いを見に、ぜひお出かけください。
実は友だちが結構出かけてくれたみたいでとてもうれしい。

夏休みはかこさとし展に感動したり久しぶりの友だちと飲んだり飲まれたり朝の築地でどしゃ降りに見舞われたり台風が来ているからと早いうちから飲んだりちょこっと走ったり「サロン・ド・こけし」できれいにしてもらったり
憂鬱な連休最終日は必ず会おうと約束している友だち夫婦と3人でフンド氏に会いに行ってからあちこち歩き回ったり。幼なじみからの通称おかん便の夏野菜などでぜいたくな毎日。過ぎてしまえばあっという間だけれど、楽しい休暇だった。

2022年5月30日月曜日

休日の特別なランチと「森の時間」

もしかしたら走る気になるかもしれないとランの格好で家を出るも、あっという間にお蕎麦屋さんにインした休日。
九条葱を山盛りにした冷やしたぬきそばのおいしかったことよ。それから「喫茶ニャーゴ」で豆をひいてもらいながら先日行った霞ヶ浦の話をすると、茨城県は多くの野菜が生産量日本一であることを教えてもらった。
誰も宣伝しないから知られていないけれど、ブランドかぼちゃなんかもあるんですとのこと。そういえば秋田の友だちも同じことを言っていた。実は納豆の発祥地は茨城ではなく秋田だが県民性なのか誰も主張しないので茨城に譲っていると。しかしこの話は議論を呼びそうなのでこの日は黙っておいた。

甘夏書店さんで開催されていた「手描きのブックカバー展」が終わり、搬出に向かった。久しぶりの甘夏書店さん、ブックカバーは引き続きネット販売してくださるとのことでありがたい。そして来月の楽しそうなイベントや川の向こうのパン屋さんの手拭いがかわいいらしいこと、さらに畏れ多くも今回のブックカバー展でご一緒したあるイラストレーターの方の、もう終了したかもしれない展示の話をしたら、その展示が明日までということを教えてもらった。しかもその展示をしているブックカフェの店主さんの話や美味しいチーズのこと、駅前にある湧水が実に美味しいことなどを聞くうちに、これも何かの縁と、ちょうど何も予定のなかった翌日に行くことを決めた。
弾みがついて川の向こうのパン屋さんへ走って手拭いを買い、コーヒー屋さんに教えてもらったハワイアンなイベントで竜眼ジュースを飲んで帰宅。
夜は「ニューねこ正」で年に数回、東京場所の際に顔を合わせる大阪のママちゃんと遭遇。とてもかわいらしい白鵬の大ファンのマダムとはこの日初めてゆっくり話してその行動力に驚いた。先日美人女将に熱海はいいですよと言われた翌日に一泊でひとり旅をしてきたそうで、ねえ写真見てと言われて覗き込んだスマホにはこの日断髪式だった豊ノ島のマスコットが揺れていた。
それから隣の席のおじさんとも盛り上がり、二軒隣のバーで3人で乾杯。途中、なんだろうこの3人、とおかしくなった。

翌日は予定通り千葉県は久留里のブックカフェへ。
のんびりしていたら行きの電車に乗り遅れ、乗り換えた高速バスでは珍しく車酔いして昼過ぎに到着。商店街の中で下車してしばし呆然と立ち尽くす。楽しそうなお店がたくさんある!
少し歩いてお目当ての「TIDE LAND BOOKS」の扉を開けると、いろんな食べものの濃い匂いで満たされていた。入口近くのカウンターでひとり静かに本を読んでいる男性のほか、ほどよくにぎやかな店内と本の数々。絵画展「森の時間」はちょうど案内されたテーブルの壁から展示されていた。この方の絵は初めて見たときからいいなぁと思っていたが、先日友だち夫婦に連れていってもらった松山庭園美術館でのこの方の作品との偶然の出会いから、もっと好きにになった。それにしても美味しかった地元の玉子とチーズだけを使ったカルボナーラ。あっという間に食べ終えてしまった。食べ終えてからもまた改めて作品を見て歩きポストカードを選んでいると、今日はご本人が在廊しているのでサインもしてもらえますよ、と店主がにっこり。はたしてひとり静かに本を読んでいたのがご本人であった。
急な展開にしどろもどろになって結局伝えたいことの1/10も話すことができず、それでも親切に話しかけてくだすったカイズケンさんは絵の雰囲気とぴったりの方だった。
後ろ髪を引かれながら駅へ向かうと先ほど気になったお店の数々。しかし満腹と満足でもうおなかがいっぱい。また次回にしよう。
駅前の湧水を汲んで飲むと、本当だ、本当に美味しい。ボトルに詰めた水は帰りの久留里線の中でちびちび飲んだが、前日カフェikkAさんで手に入れたケニアの紅茶を淹れたら美味しいだろうと思いついてあわててふたをしめた。
「森のパフェ」って絵だったかしら、あれいいわよね。あとわたしにそっくりな子の絵もよかった。

2021年12月15日水曜日

ナポリタンのブックカバー

子どもの頃から好きな、薄暗くて壁や柱にコーヒーの香りの染み付いた、音を絞ったジャズが流れる喫茶店。

昼どきには焦げたケチャップやチーズの匂いが漂ってきて腹の虫が騒ぐ。読んでいた本を伏せると今日のランチはナポリタンしかない気がしてくる。
こんなブックカバーをかけていたら気が散って読書どころではないでしょうが、このブックカバーをかけた本をかばんに入れた時点で、この日の過ごし方が見える。
マッシュルームがたくさん入っているとうれしい。マッシュルームもうれしい。

2021年12月7日火曜日

ミートソースのブックカバー

お気に入りの喫茶店「喫茶ニャーゴ」でコーヒーを飲みながら本を開くときほどよい時間はない。
コーヒーの匂いの染み付いた太い柱にもたれてコチコチと古時計の音を聞きながら穴ぐらのようなそこにいると、本を読みながらもぼんやりしてしまう。
・・・などということはなく、実際はあたりを見回したりせっかちにコーヒーを啜ったりして気づけばさっきから同じところを繰り返し読んでいるというのが常だけれど、大切なのは気分よ気分。
そんなとき手にしている本のカバーが素敵だと、なおよい。
墨田区向島の甘夏書店さんにて現在開催中の「本と遊ぶ ブックカバーとしおり展2021」に置いています。

スパゲッティミートソースが食べたくなってそわそわしたら「ぺろりレストラン」へ。
ハンバーグに目玉焼きまで乗っていてうれしくなりますよ。

そういえば私が子どものころに食べたスパゲッティハンバーグは、田舎のデパート(といっても三階建てほどのビル)の中の食堂だったが、今の東京でいうとこんな感じかな、というお店を先日通りかかった。特別食堂というその名前がイメージにぴったりであった。

2021年5月15日土曜日

土曜日の気分

遠くのヘリコプターの音はのどかな休日の象徴だ。
ラストにその音を聞きながら「家族ゲーム」を観終わったのは金曜日の深夜だった。
土曜日の始まりだ。
洗濯物とふとんを干して、音楽をシャッフルしたら懐かしい「Saturday in tha park」が始まった。この曲を聴くと休日に実家の四畳半の隙間に挟まって小さな窓からぼんやり空を見ていたことを思い出す。
そうだ、久しぶりにフラットホワイトを飲もう、と家を出たがいつものお店を通りかかって唐突にカレーライス。
この日は今までになく美味しい切り干し大根の煮物をつけてくれた。カレーライスは土曜日らしく最後の最後のカレーの様子でそれもよかった。
食後にフラットホワイトを求めてコーヒー屋さんにようやく到着。
またもやマラソン話に花を咲かせてぶらぶら帰宅する途中で、暖かくなるとリード付きで玄関から出てくる三毛猫に再会して思う存分撫でくりまわす。隣の犬が通っても道のど真ん中から動かない三毛猫は可憐で毛並みがよい。

この日は相撲のパイセンと大相撲観戦。着替えていそいそ出かけると、とんかつ屋さんの前で貴闘力に遭遇。そういえば王鵬は今場所どんな感じだったかなと考えながら国技館へ向かう。

取組はあっという間で、伊勢ヶ浜親方をじっと見つめたり幕内土俵入りで豊昇龍と若隆景が並んでいる姿に見とれたり血まみれの剣翔に驚いたり応援タオルをとっかえひっかえしているうちにもう御嶽海が控えに出てきた。途中、自分の応援している関取たちがどうやら北勝富士以外全員負けていることに気付いて照ノ富士だけは験担ぎにタオルなしで応援しようと思ったが、照ノ富士だもん大丈夫だよとパイセンが言うので思いきってタオルを広げた。結果危なげなく勝ってホッとしたのもつかの間、結びの霧馬山は負けた。
緊急事態宣言下でヤミ営業をしているお店のない両国で、それでもなにか食事でもとノンアルコールビールでパイセンと乾杯。杯を重ねるうちにノンアルコールでも次第に酔った気になってきた。
自宅で二次会を始めたらもう深夜で、完璧な土曜日が名残惜しくて深酒をキメたのはいうまでもない。

2021年4月26日月曜日

両国のさんぽ道

休日にしては早く起きたので、しばらく行っていなかったお店へ。
前夜は「ニューねこ正」で飲んだくれて、さらにおみやにしてもらったどじょうの唐揚げで家でも飲みあげてぺろんぺろんだったのでなにも食べたくなかったが無理やり胃を起こした。
そこは以前フンド氏が見つけた場所で、おかあさんひとりで切り盛りしているとても古いお店。丸いスツールには洗いざらしの綿の布カバーがかけられている。雑誌やテレビに出ていてもおかしくない味のあるよいお店だが、常連さんのために絶対にメディアには出ないと以前から言っている。
この日はやきそばサラダに決定。出来上がるまでどうぞ、と新聞を手渡されたがすぐに出来上がった。これよかったら、ときんぴらごぼうも付けてくれた。年寄りが多いからね、やわらかめなのよ、あたしも年寄りだけど硬い方が好きなんだ、とおかあさんは言ったが、ほどよい硬さであった。実は早朝から営業しており、ここのじゃないと、と納豆定食を毎朝食べにくるおじいちゃんがいると聞いて、次は朝来ますと頭を下げてごちそうさま。珍しい野球の番付表も見せてもらった。
食事がすんだらコーヒー。
コーヒー豆を買いに行くと必ずご夫婦とマラソン話になる。さっそく先日のトレランの話。
奥さまに、メロンのもらえるオンラインマラソンを教えてもらって、つめたいコーヒーを啜りながら今度は本屋さんへ。
最近だれかれ構わずに少年隊やニッキの話をするのだが、先日こちらでもべらべら話したら後日店主から関連本が入荷したとの連絡をもらって参上。
80年代のサブカル女子のための雑誌「MOGA」は、年代が違うからか田舎に住んでいたからか、サブカル好きだったのにまったく知らなかった。さらに以前ラジオで特集を聞いて読みたかった「Neverland Diner 二度と行けないあの店で」を発見。文庫本もこれは、というのが三冊も。これでゴールデンウィークの読みものはそろった。

こうして近所で一日油を売って歩く休日がなにより好きだ。

2021年4月9日金曜日

ほめられて

念願の海のまちへ出かけた、特別な日。
海以外なにもないので、特別な日に行こうと思っていたのだ。

のんびり砂浜を歩いてたまに水平線や遠くの島をながめ、好みの貝殻を探して歩き、ちょうどよい丸太を見つけて腰かけた。日陰で本を読みながらうとうとしたら気持ちよさそうな日。そう思ってこの日のお供に選んだ山口瞳「湖沼学入門」をバッグの上から撫でた。
山に囲まれて育ったから海があるだけでうれしい。

海のまちだけれど、行くのは喫茶店。
春になると登場するここのいちごケーキは自分にとって季節の風物詩であり、甘いものは苦手で、などと言っていられない特別なもの。
ここでしか見たことのない大きなまな板の上で注文の入ったサンドイッチを見事な手さばきで仕上げていくこわもてマスターがよく見える席でじっとその手つきを見る。いちごケーキはいちごがおいしくて、コーヒーをおかわりしてじっくり味わった。
薄暗くてコーヒー豆の香りが木の壁や床にしみこんだ古いお店。ここのブレンドは自宅で飲んでもこのお店の匂いがする。

予定も目的もなくいちごケーキでおなかもふくれて、むかし一度だけ行った森の中の雑貨屋さんがまちなかに越してきたことを思い出して向かう。まちなかといえど3㎞近く離れてはいるが、路上で売る花や野菜をながめたり年季の入ったビルで古書を売っているのを発見したり早くも田んぼに水が張ってありもうつゆ草が咲いていることに驚いたりしているうちに到着。制服姿の女の子とその両親が店主と話しており、店主は入学祝ですとなにかを手渡していた。
小さなそのお店をあちこち見て回っていると、鮮やかな金髪の店主からいい髪色ですね、と言われた。髪をきれいにしてもらっても酒場しか行かない身としてはうれしい。来てよかった。

パン屋さんでフンド氏へのおみやげにホットドックを買って一服しているといつの間にか隣にきれいな顔立ちのおばあさんがにこにこ立っていた。あなた、その赤いスニーカー似合ってるわね、と唐突に言われて、えへへ、ありがとうございますと答えた。新しい靴を履いても酒場しか行かない身としてはうれしい。

ほめられたからではないけれど、やっぱりこのまちが好きだなぁ。
愉しかった、いい一日だったな、とマスクの中でつぶやいた。

2021年2月15日月曜日

こんなに走っても体重はビタイチ減らない

エリートランナーたちと遠方から遠方へLSDの休日。
ペースはさほど早くなかったが、なにしろ週に一日しかランを休まない人たちなのでついていくので精一杯。しかし長距離初挑戦の女子が、湖が見えたら帰りますと言っていたのにうっかりほぼ全行程を走ってしまったほど湖は美しかった。
先日のお墓参りランから間がなかったために足取りは重く、登り坂では何度も歩いたがなんとか湖を一周、コンビニ休憩でいつもは絶対に食べないいちごパフェを食べたらやる気がみなぎってきた。モノレールの始発であり終点である駅で女子とはいったんさようなら。
いよいよ後半、玉川上水をつまづきながら走る。
エリートランナー2名のペースが上がっている気がして、ちょ、ちょ、ちょっと早くないですか、とクレームをつけると、ああそうだね、でも大丈夫でしょうとつれないこたえ。
ほうほうのていでゴール。なんとか30㎞を走り切った。
同じ日の同じ時間に別の場所でLSDをしていた仲間たちから優雅にコーヒータイムをキメている写真が送られてきて、写真さえ忘れて必死で走っていたことに気付いた。
案内された地元の銭湯の露天風呂では、気持ちよくて思わず唸り声が出た。
そして待ちに待った打ち上げはビールがおいしくてずっとビール。先週の胃の不調はきれいさっぱり消えた。

中1日で30㎞ずつ走ったので翌日はさぞかし体がきつかろうと思ったがそうでもなく、ジョグに出てもよかったのだが近所をぶらぶら散歩。
ご夫婦ともにランナーのコーヒー屋さんで筋肉痛自慢をしてからフンド氏邸へ寄り、途中で大好きな白ワインを発見したので、もう何度も見ている「タイガー&ドラゴン」をお供に夜を過ごすことにした。
それにしても何度見ても唸る。唸りつつ酔いが回ってきたころ、古田新太と清水ミチコの夫婦漫才で涙が止まらなくなった。
最終話の手前で電源を落とし「仮面舞踏会」を見てからおやすみなさい。翌朝はまた、まぶたが33に腫れていることだろう。

2020年12月14日月曜日

ほしいものが止まらない

12/12から甘夏書店で行われている「縁起ものと贈りものフェア」に無事納品。

とはいえ前夜に力尽きたので納品当日の朝も作業して、最後の仕上げでふと間違いに気付いたが時すでに遅し。「おめでたい!ねまちのマッチ」の表のお赤飯には端におにぎりと海苔巻きが描かれているのに、全部お赤飯で覆ってしまった。右上の部分はああしてこうして、めくればおにぎりと海苔巻きが見えるように応急措置。
あとはお寿司とおいなりさんのブローチ、それと笑顔の顔ブローチとクリスマスとお蕎麦のマッチも。(それにしても写真が雑だ)

大量の野菜で慎重にナポリタンをつくったらどこよりも美味しくできて(自分比)上機嫌でブランチをキメる。
食後のコーヒーも堪能した。
のんびり隅田川沿いを歩いて甘夏書店さんへ向かうと、納品したすぐそばから顔のブローチをひとつお買い上げくだすった作家さんが。ありがたい!

この日もまたまた民芸の新しい本を紹介していただいてすっかり虜に。アフリカに藍染があることなんて知らなかったしイラストもとてもステキで気に入ってしまった。あとカナダのタコス屋さんでのアルバイト話を描いた「それぞれのそれぞれ」と、チェコを旅してつくったという版画展でひとめぼれした来年のカレンダー。早くこれらを横目に一杯やりたいものだ、と帰路を急ぐも気にかかることが小骨のように胸に引っかかっている。
それは前日に久々にお邪魔した古道具屋さんにあっためざしの絵。

実店舗を来年1月に閉店するとの話を聞きつけてお店に行くと、果たしてそこには変わらずオモシロな雰囲気をまとった笑顔の店主とサイズも見た目もばっちりな椅子が。
その椅子を担いで帰るためにていねいに梱包していただいていた間、壁にかかっていためざしの絵が目に留まった。
板を少し彫って直接彩色したその枯れた雰囲気はとても心惹かれるものだったが、その時は椅子に夢中で忘れていた。それが今になって気になるなんて。あまりに気になるのでオモシロ店主にメールで問い合わせたら、取っておきますよと即返信。
ほっと胸を撫でおろすも、きみ最近散財しすぎじゃないか?と心の声が。

いいじゃないの、ほしいものがあるってすてきなことよ、と自分に言い聞かせたその翌日には、ついにキャベツのバッグまで手に入れたのであった。

2020年11月16日月曜日

「はとエアライン」にのって

 「みちくさウルトラマラソン」に出場する友だちの応援のために、というよりそのメンバーの中のひとりの実家の民宿でおいしい魚を食べるために、初めてのまちへ。
本人とそこに宿泊した数人の友だちによると、とにかく品数と量がえらいことなので完食した人を見たことがないとのこと。舟盛りなど脇役扱いだという。しかしそんな話を何度聞いても、私の食欲を舐めてもらっちゃ困るぜと実は自信をもっていた。

早朝出発時には何も食べず、現地でお蕎麦を食べて喫茶店でウインナコーヒーを飲み
まちをぐるぐる歩いてお店の方と立ち話をし、通常はバスで行く道のりを徒歩で進む。山道のトンネルで立ち止まって人魚の描かれた内壁を微笑ましい気持ちで見るも、よく見たら老婆のようだし妖怪にも見えて震え上がった。昼間でよかった。

予想時間より大幅に早くゴールした友だちと途中でDNFにした友だちをねぎらい、ハプニングをものともせずゴールした鉄人を迎えて民宿へ。温泉付きの旅館のような民宿でいざ、宴のはじまり。
結局、前評判どおりどれも美味しくて迷い箸しながら食べきれなかったごちそうを横目に酒もほどほどにしておやすみなさい。

パジャマにコートをはおって行った朝の海岸で最高級の貝殻も見つけたし本も一冊読んだし、気楽でよい旅だった。

2020年6月22日月曜日

雨にうたれて

週末は日帰りの旅に出よう、急に思い立って往復の乗り物を仮予約。
しかし現地での当日中の移動がどうにも不可能であることに直後に気付いて泣く泣くキャンセルしたその晩はまたもや深酒。つかの間の旅のときめきは消えうせたが、観たい映画と観たい絵がある。どちらに行こうかな、その前に久しぶりに走ろうかな、とわくわくしながらも何もしなかった二日酔いの休日。開き直って引きこもることにして早々におやすみなさい。

翌朝はまだ薄暗いうちに目が覚めたので、思いきって以前から行きたかった朝市へ出発。小雨がぱらついているのも気分よ気分、と傘を差して海のまちへ。
朝市は離れた3ヶ所で行われるとのことで、こぢんまりした岬の1ヶ所めをパトロールしたのちにしばらく歩いてバスを待つ。雨脚はだんだん強まりどしゃ降りになった。傘の柄をしっかり握りしめながら、どしゃ降りの早朝からよく知らない場所でいったいなにをしているのだろう、という考えが一瞬頭をよぎった。いけない。
2ヶ所めに着いたころには滝のような雨。当然朝市などやっておらず、なのにまだ3か所めを目指そうとする自分にストップをかけて海岸を目指す。
以前このあたりで入手したコーヒーがとてもおいしかったことを思い出して歩を進めるも店はまだ開いていない。時刻は午前9時前。当然だ。
買いものたくさんしちゃったらどうしよう、といくつも持ってきたエコバッグのせいで肩が痛い。海岸を歩くことはわかっていたのに白いスニーカーを履いてきたのもばかばかしい。
海には釣りに興じたりボートに乗ったり磯遊びをする多くの人たち。雲の切れ間からは青空が見えてきた。ぼさぼさ頭のカラスが波打ち際で遊んでいる。朝市への色気がまた出てきたが、ここはおとなしく帰ろう。


部屋を整理していたら出てきたという一升瓶の泡盛をくれた友だちから、今度は会津の古酒の一升瓶が出てきたよ、いるよね?との連絡があり待ち合わせ場所へ向かう。しかし一升瓶が何本も隠れている家とはいったいどんな家なのだろう。
先日もばったり会って少し立ち話をしたが、この日は横断歩道の信号の色が何回変わったかわからないくらい長いこと立ち話。その後もらった一升瓶をかついで歩いていたら、近所の友だちにばったり。少し締まった印象なのでそう伝えると、毎日5Km走っているとのこと。この日話した友だちふたりはまったく別のルートで知り合ったラン友だが、ふたりともスリム体型であることから、人生初のダイエットに挑戦してみる気になった。

ダイエットには禁酒だ。でもゆるやかに始めようとおつまみ少なめ、お酒は薄めで始めた昔のドラマ鑑賞がつらくてつらくて、飲まなきゃやってられないと禁断の古酒にも手を出してしまったダイエット初日の夜。
本気出すのは明日からだ。

2020年5月18日月曜日

FSDで始まり黒革の手帖で終わる

我慢ならなくて、ブローチをたくさんつけたバッグで妄想旅行へでかけた。
きれいな海岸を思う存分歩いて最高の貝殻を拾い、春のケーキを食べてコーヒーを味わい、びわも入手した。
たいへん満足したがそのあとは酒という感じではなく、それなら映画でもと所定の位置に座るもフリースタイルダンジョンに夢中になり挙げ句懐かしいMVなぞ見続けて目が疲れた。寝るか、とぼっちゃん椅子で本棚を見ていたらもう何度も観たDVDが目についた。
気付けば終いまで観てしまった「黒革の手帖」。本当に観たかったのは「ストレイトアウタコンプトン」だったのに。
その晩は、やはりというかなんというか、わけのわからない夢を見た。

2019年11月5日火曜日

去りがたいまち・京丹波町と長いランチ

毎年一度、関西に住む叔父と出るマラソン大会。
今年は
黒豆で有名な京丹波町「京都丹波ロードレース」に、叔父叔母とともに参加。

今回はめずらしく気持ちもわくわくしていたが、やはり疲れるものは疲れる。へとへとでゴール。
前日に叔父叔母とビール・ワイン・日本酒を飲んだせいではない。

いわゆる「京都」にはまったく興味はないのだけれど、田辺聖子の小説に出てくるこのあたりは時間が止まったようで、なつかしい気持ちになるなんとも好きなまち。去りがたかったなぁ。丹波の黒豆はもちろん、他にも名物だという巨大なしめじや丹波ワインなどをおみやげに買ってもらった。
ふだんマラソン帰りは疲れて飲みに出かけてしまうのだけれど、試食させてもらった巨大しめじがあまりにおいしかったので香りを愉しみながら、発売前のワインとともに夜更けにいただいた。
丹波の黒豆も、こんなに新鮮なものは初めてで、ワインがすすんだ。


優雅な晩酌を終えた翌朝は、祝日のマラソン練習会。
カラダは疲れていなかったが、朝から課題に少し手をつけるうちにサボっちゃおうかなぁという考えがむくむくと頭をもたげてきた。このまま課題を続けて果たして進むのか、二度寝するのが関の山ではないのか、しかし練習会に出たら昼酒してしまうし、いやそれを断って帰宅すればランと課題ともにできて今夜は美味しいお酒が飲めるはず、などと逡巡してひとまず顔を洗った。

お天気が最高によいこの日の練習会は、先日金沢で知り合ったエリートランナーたちが参加しての街ラン。オリンピック会場を目指して気持ちよく走るうちに前日の筋肉痛が出てきた。外苑や青山墓地、国立新美術館や六本木ミッドタウンなどを駆け抜けるうちに腹の虫がにぎやかになり、早くなにか食べたいな、と考え始めた頃には課題のことはすっかり忘れていた。

ランチに出かけたはずなのに、外に出たら辺りには夜のとばりが降りていた。
走った時間より長く飲んでしまった。


昼間の街ランで見たクリスマスツリーはきれいだった。湘南ねこ美術館ではクリスマスのマッチが待っています。
甘いものはあまり好きではなかったのに、おみやげでもらった丹波栗のシフォンケーキがおいしくて、また好物が増えてしまった。
銘菓「両国の恋人」も、無性に食べたくなるときがあるんだよなぁ。

2019年11月1日金曜日

ねこたちのクリスマス展は明日から

熱燗が美味しくなったな、と思ったら11月になった。
11月といえば「ねこたちのクリスマス展」が明日11/2(土)から始まる。
ハロウィン気分もビタイチ味わうことなく、クリスマス気分に突入するあなた、私も同じです。
熱燗で晩秋に気付くのも悪くないけれど、葉山の静かなねこ美術館へ初冬の訪れを感じに行くのもよいもの。
いつもの「喫茶ニャーゴ」が、気合いの入ったクリスマスケーキをつくりました。
観に行ってみてください。

「ねこたちのクリスマス展13」
湘南ねこ美術館
神奈川県三浦郡葉山町下山口1502
11/2(土)~12/24(火)の土・日・月曜日(12/24は開館)
10:00~17:00


いいかげんに次の課題に取りかからないと、と焦る一方で観たい映画が3時間近い上映と知って気持ちが怯んだ。上映が終わったら帰り道で赤ちょうちんに誘われてしまう。赤ちょうちんに誘われたらねむくなって作業などできない。
飲まなきゃよいのでは、という発想はない。
映画は後日にして、久しぶりにウィスキーでも飲もうかな、とそんなお店にイン。
今月も来月もイベントごとが多くて、財布に穴でも開いてるのかってほどフトコロがさみしい。
飲まなきゃよいのでは、という発想はない。


幼なじみから来月のライブどうする?のメッセージ。
フトコロがさみしいからなぁ、と0.5秒ほど迷ったが行く!と即返信・即チケット購入。
前々日に別のミュージシャンのライブがあるのはわかっていたが、こういうのって勢いが肝心だから、と手帳に書き込もうとして手を止めた。
その翌日もまた別のミュージシャンのライブであった。

2019年10月21日月曜日

明日は秋の収穫祭

いよいよ明日は
年に一度の「秋の収穫祭」だ。

明日は雨。
雨は嫌いじゃないが、せっかくなのでやっぱり降らないでほしい。なんなら小雨で手を打ちませんか。
ねまちのマッチとシールと、旅のおともにぴったりのブックカバーとともに中年がお待ちしております。

このお祭りが終わったら、次はアレとあれとアレの準備が待っている。
いろいろ抱えているわりにどれも滞っているのだが、思いきって葉山の湘南ねこ美術館へ出かけた。締切の迫っている「ねこたちのクリスマス展」とは関係なく、友人の展示を観に行くため。

お久しぶりねの館長さんは変わらずねこに似ており、2階の家主のまりんさんとも初めましてのごあいさつをかわした。展示を眺めて館長さんやまりんさんといろいろお話しするうちに、昔の感覚を少し取り戻せたような気がした。
まりんさんの目の色は、本当にきれいな水色。
海を見ながら海岸を歩いて駅まで戻り、一杯飲んで帰宅。


翌日は正午前から江東区民まつりの角乗のお披露目。
木場角乗保存会の会長や副会長、そして角乗を教えてくださった先生の雄姿を見たくてジョグがてら木場公園へ。
途中からきれいに晴れた10月の空の下での角乗、練習会でお世話になったみなさんの緊張が伝わってきて見終えた後はぐったり疲れた。
会長さんのよく通る口上、紺色の法被姿で次々にみなさんをさばいていく副会長、そして抜群の安定感の先生の姿(特に三方落し)に友だちと黄色い声をあげた。
途中にっこりこちらを見て話しかけてこられた方は江戸文字を生業にされているとのことで、角乗にもくわしくてこれまた江戸弁のかっこいい方。まわりの観客も長年この日に角乗を見ているらしく、批評なぞしていておもしろかった。
角乗を見ている間も漂ってくるしょう油の焼ける香ばしい匂い。
江東区民まつりはとにかく規模が大きく、小銭しか持ってきていない身としては目の毒、鼻の毒。友だちと別れてジョグに出かけた。
遊歩道を進んで見慣れたクローバー橋に出ると、どこをどう間違えたのか目指していた場所とはまったく違う場所に出た。がっくりうなだれて帰宅を決意。のつもりが未練たらしくまた木場公園へ。おいしそうな匂いだけを嗅いですごすご帰宅ジョグ。
ゆっくり昼食をとり、ずっと切らしていたコーヒー豆を求めて「喫茶ニャーゴ」へ。
そこで火曜日の「秋の収穫祭」のことを思い出して(忘れてなんかいないけど)あわてて足りないものなど考えて歩く。

足りないものだらけだけれど、雨の休日は「秋の収穫祭」にぜひお出かけください。