2022年2月14日月曜日

歯が欠けたはなし

ウェアに着替えたのに走りに出なかった休日。その晩「ニューねこ正」の常連さんにおすすめの神社を教えてもらったので、走って行ってみようと翌朝は張り切って仕度した。張り切りついでに歯みがき後に歯間ブラシを使っていたら前歯で引っかかって何かがポロリ。歯が折れていた。折れたというより抜けたに近いほど大きくポロリ。頭の中を〽️オレのな~に~かがポロリ~とスピッツのメロディーが流れた。
歯医者さんに留守電を入れて、午後の診療まで時間があるのでとりあえず走りに出かけた。
ほぼ空っぽの歯を何度も舌で探りながら目当ての今戸神社に到着。ここは縁結びの神社でねこのお守りや絵馬が多く、白ねこさんに会うと良いことがあるんだって、と若いムスメさんたちがはしゃいでいたが心ここにあらず。ぼんやり境内を歩いて裏の出口に向かうとひどい寝癖のおじいさんがしゃがんでおりチラリとこちらを見た。何をしているのか後ろから見ると果たしてそれは白ねこにカリカリをあげているところであった。
あっけなく白ねこにも会うことができたがぼんやりしたままランを再開、名前が気に入っている素盞雄神社でおみくじを引いたら大吉であったが大吉を引いても歯は折れている、と心は踊らず。
時間は迫っていたが、最後の診察でもいいやと以前から行きたかった西新井大師へ向かった。昔見つけて後日迷子になりながら行った喫茶店や気になる洋服屋さんなどを横目にやっと到着。遠かった。遠かったが西新井大師はとてもよい雰囲気で出店も楽しそう。帰りにじっくり見ようとお詣りに向かうと電話が鳴った。歯医者さんからであった。
留守電を聞きました、今日はこの時間しか空きがないんですけど来られますか、と訊かれて時計を見るともう余裕がない。せっかく来た西新井大師、でも歯とどちらが大切なんだと葛藤して予約を入れてもらった。目の前に神社はあるけれど時間はなく、出店にも後ろ髪を引かれたがグッバイ西新井大師。また改めて来ますよ、とがっくり駅へ向かった。
途中乗り換えの駅のホームにとてもいい雰囲気のラーメン屋さんを発見してこちらもかなり気になったけれど時間がない。次回ここに来たら必ず行こうと心に決めた。
折れた歯は先生も途方に暮れるほど少ししか残っておらず、幸か不幸か神経は生きているとみえて応急措置で「盛って」もらった。歯にも「盛り」ってあるのだなぁ。
翌日会った友だちに、マスクを外してにっこり笑ってみせたら吹き出した。あと何人の友だちに見せたら元を取れるのかと考えた。
元って、なんのことよ!

2022年2月10日木曜日

LSDではなくSSD

月に何度か友だちとLSDをしているが久しぶりにソロで走ろうとひとまずウェアに着替えた休日の朝。
そういえば用事があったのでランウェアで軽く走って向かう。用足しが済むと眠くなったがせっかく着替えたのでのろのろ出掛けた。
先日の友だちとのLSDは久しぶりに30km近く走ったのでこの日もせめて20kmはキメたいところであったが途中で気が変わって銭湯に向かった。というより銭湯で温まりたかったのであらかじめ着替えは持参して走っていたのであった。
以前酒場で隣り合ったランナーがとてもいいと教えてくれた銭湯。ランステとしても利用できるらしい。熱めのお風呂はとても気持ちよくて、脱衣所では髪を乾かすおかまが現役で活躍していたので頭を入れて髪を乾かしたら角度がよくなかったようで七三分けになった。
お風呂どうでしたか、と番台さんに訊かれたのでとても気持ちよかったですと応えてふと見ると志摩ノ海のサインを発見。日付はつい数日前のものだった。あのサインは、と訊ねると部屋が近いからよくいらっしゃるんですよ、他のお相撲さんたちもよくみえます、とのこと。昔は伊勢ヶ浜さんとかね、宮城野部屋があそこにあったときは宮城野部屋のみなさんも、そうそう、徳勝龍関が優勝したときはここのサウナで彼の地元のTVがインタビューもしたんです、と嬉しそうに話してくれた。次回はサウナに入ろうと心に決めて帰宅。

このような日こそ「おいてけ堀」でしょう、とお店の空いていそうな時間帯を狙って向かうとお久しぶりねのみなさんがいらしたので新年のごあいさつをしてひとごこち。

しかしその後、ごめんね、つくね終わっちゃったのよとママに言われて目の前が暗くなった。(私はつくねばかり食べることで有名らしい)
たまにあいさつをするご夫婦と隣り合わせて世間話を始めたらこれがもうおもしろくて、通称・囲炉裏席の大テーブルの全員で愉しく盛り上がった。

今はまん防中であるのであっという間にラストオーダーの時間。そこで欲張ってホッピーを2杯お願いしたら、ごめんね、ホッピーあと1杯で終わりなのよとママに言われたのでその1杯を大事に啜った。
ケケケケケ!
タマミの言うこと聞かなかったからよ!

2022年2月6日日曜日

久しぶりのさんぽ

出歩くなと言われると出歩きたくなる、出掛けてもよいと言われると出掛けたくなくなるへそまがりが発動。
労働に向かう途中に立ちよった厄除けと強運の神社へ改めてお詣りして今はお休み中のお蕎麦屋さんの代わりに別のお蕎麦屋さんで紅しょうが天そばをすすってから(とてもおいしかったけれどあの暗黒汁に太いそばが恋しい)「サロン・ド・こけし」のオーナーに教えてもらった「楳図かずお展」へ。
お天気がよい日で六本木ヒルズの展望台での展覧会だったために、現在の状況に重なる重たいテーマと素晴らしい絵に気持ちが圧倒されるたびに眼下の都心の風景に見入って落ち着いた。
それでまた飲みに行って女将さんとでれでれ相撲話をしてきたのね。

2022年1月31日月曜日

涙がパラリパラリと

大相撲初場所を千秋楽に観戦した友だちから彼女が大ファンの押尾川親方とのツーショット写真が送られてきた。
私は中日に観戦して照ノ富士のハリボテとのツーショット写真を友だちに撮ってもらったのが精いっぱいだったので、次回どなたかに遭遇したらきっと写真をお願いしようと決心したその舌の根も乾かないうちに豊昇龍関と遭遇。
たまたまチケットを譲ってもらった豪栄道の断髪式へ向かう途中、紋付き袴姿の関取が駅前を何人か歩いており、ひときわカッコいい関取をすれ違いざまにじっと見たら豊昇龍関だった。千秋楽のときも痛々しかったおでこから右目の傷はすっかりかさぶたになっており、TVで見るより大きくて壁のよう。しかし叔父さんと似た威圧感のようなオーラに声など掛けられるわけもなく、何度も振り返っては後ろ姿を見送った。
国技館に入るなりいつも以上に関取衆や親方衆があちこちにいることに舞い上がりつつ、いただいたチケットの席が狭すぎたのでゆったり観ることのできる席を求めて右往左往。

幕下選抜トーナメントはとても豪華なメンバー。そして断髪式・引退相撲といえば大好きな初切。このご時世なので口に含んだ力水をぶっかける代わりに塩を顔にかけていた。そして楽しみにしていた甚句で巧みな言葉あそびと美声に酔いしれ、決して聞き逃してはならない

〽せっかくなじんだ皆さまと
今日はお別れせにゃならぬ
いつまたどこで会えるやら
それともこのまま会えぬやら
思えば涙がパラリパラリと

このフレーズをしっかり聞いて満足。
さらに呼出の太助による太鼓の叩きわけ。太助がこんなに立派になって、と近所のおばちゃんフィーリング丸出しで感慨深く見入った。横綱の綱締め実演も照ノ富士のものはもちろん見たことがなかったので真剣に見た。これだけでも来た甲斐があったというもの。めったにお目にもお耳にもかかれないから。
肝心の断髪式は400名という大人数だったので途中抜け出してはお土産屋さんを覗く。まったくお腹は空いていなかったが晩御飯にと豪栄道弁当を買った。
豪栄道は違和感のないオールバックにタキシード姿で登場して、私が果たせなかった横綱を育てたいという言葉を残した。私までふんどしを締めなおしたい気分であった。
豪栄道弁当を買ったのを忘れて飲みに行ったくせに!

2022年1月28日金曜日

なんらかの血

医者通い最終日を終えて、朝食をとりながら窓の向こうの駅のホームに入ってくる電車と出ていく電車を眺める。

ずいぶん昔に、隣のビルのバーでこの景色を見た。ソウルミュージックと夜のホームに入ってくる電車にうっとりして酔いがまわったことを思い出した。
そういえばバーにもスナックにもしばらく行っていないなぁ。

あまった時間にねまちの爪切りへ。
ねまちのかかりつけの病院の先生はクールでべたべたした付き合いを好まないように見えるので必要最小限のことしか話さないよう心がけているが、たかが爪切りのためにと恐縮しているとさっさと終えてからねまちを抱いて揉んでは、手触り最高!とか、かわいいねぇとか、名残惜しそうに見えるのはモンスターペアレント、もとい親バカのせいかと思っていたら、実はドストライクなのよね、この子の顔、と言われた。この体にこの顔、本当にかわいいですよねと仰るので思わずそうなんですよねぇと目尻を下げた。
今日は体重を測りましょうと測定したら2ヶ月前から1㎏近く増えており、まだまだ大きくなりますねと言うので楽しみだなぁとますます目尻を下げたら、この子、なんらかの血が混じってるから結構大きくなりますよ、なんらかのね、と言う。
確か初めてねまちを連れて行ったときはメインクーンですかと訊かれ、いいえ野良だったのでわかりませんと答えた。その次に行ったときはサイベリアンですねと言われて、いいえ野良だったのでと答えながらも初耳だったので何度も聞き返して帰宅後すぐに調べると確かに似ていた。それ以降は何度もメインクーンですかと訊かれたが、次はなんと言われるだろうかと思ったら「なんらかの血」であった。
なんらかって、なに?

2022年1月27日木曜日

1月27日

いつものごとく、ねまちと攻防戦を繰り広げて家を出るときに思い出した。今日はぼっちゃんの命日。
最後に撮った写真は病院の先生に見せるためのおしっこの写真だったなぁ。不安でたまらなかった数日間といろいろを思い出しながら歩く。

フンド氏とぼっちゃんを続けて亡くして、今はねまちと生きている。
ねまちは晩酌を始めるとすぐ横でじっと見ているし、私がなんとなく見ているドラマを隣の椅子で真剣な顔で見ている。これは君の嫌いなおかずだよと言うと皿に砂をかけるしぐさをして、このドラマは君にはまだ早いでしょうと言うとばかにしないでと噛みつく。
毎朝ふたりでフンド氏とぼっちゃんにあいさつをして、チーンと鳴らす代わりに窓際の風鈴を叩かせる。健康でよく喋るいい子に育ったがまだまだ大きくなりそう。

「over the sun」を聞きながらしみじみ歩いていると例の親子に遭遇。
この親子のお世話をしている方のセンスと愛情に大きな拍手を贈りたい。

2022年1月22日土曜日

続・医者通い

今回は話を聞くだけだし、なんなら余った時間に国技館でも行っちゃおうかなぁなんて気楽に構えていた医者通いの金曜日。
念のため、と受けた検査が辛くて痛くて完全にテンションが下がった。一刻も早く帰ってねまちと遊びたいと気持ちは急いたが朝ソバだけはキメたくて

空腹でもなかったが近所のお蕎麦屋さんへイン。美味しかったはずだが心ここにあらず、家でねまちに絡んで嫌われてテレビ桟敷で大相撲観戦。宇良の奮闘と阿炎が負けたのに声を上げたらねまちが驚いて飛び起きた。
照ノ富士が勝ったのを見届けて「ニューねこ正」へ急ぎ、美人女将にまた愚痴を聞いてもらい慰めてもらってあじのつみれを食べてさようなら。
医者通いはあと1回増えてしまったが、痛くてツラいのはもう終わった。