2020年9月21日月曜日

好きなものはなに

安藤鶴夫の著作などで名前だけは知っていた大津絵を観に朝から東京ステーションギャラリーへ歩いて向かう。
大津絵は、なるほどこういうものだったのかと納得していると、だからなにって感じぃ~との声が。そこがいいのになぁ。意味がないようであるようなものが好きだ。地口行灯にも似ている。
自分の好きなものがだんだん見えてきてもっと何かを観たくなったので、ステキ朝食を自分にごちそうしながら考えることに。
そういえばギャラリーが再開されたときになぜか民芸っぽい展示を観に行ったなぁ。民芸か、さっき観た大津絵の保存されている場所に日本民藝館って書いてあったな。調べてみると、現在はアイヌ民芸の展示をしているとのこと。よし、モノはついでだ、とステキ朝食を平らげたが、おっと先にフンド氏の両親のお墓参りに行ってから。

フンド氏の両親のお墓はキリスト教のお墓なので線香等は不要。お花だけを持って途中でお義父さんのお酒とお義母さんのコーヒーを買っていったものだがずいぶん前にそのお店は無くなった。
今回は帰りによく寄ったラーメン屋さんまで無くなっていた。かなり古いお店で、キンキン声のおばさんがいて懐かしい味のラーメンだった。これで行くラーメン屋さんが無くなってしまった。
気を取り直してこれまたよく行っていた喫茶店で珍しくプリンを注文。固くておいしいプリンだった。
それから日本民藝館へ。10年以上ぶりに小田急線に乗り初めての駅で下りて複雑な道を行く。幼なじみから教えてもらったラジオの再放送がおもしろくて何度も膝から崩れ落ちそうになりながらも、ようやく到着した日本民藝館の門前で最後まで聞き終えたのち、気持ちを切り替える。
ここにもやはり大津絵が何点かあり思わず声が出そうになった。たまたま見た、獣を狩って解体するためのナイフの柄とケースを作る過程に気が遠くなった。
芸術ではないけれど、実用のためのものだけれど芸術的。うーんこれが民芸なのか。おみやげのために大量に描かれた大津絵も初午のために描かれた地口行灯も、芸術ではないけれど味がある。結局味が好きなんだ。自己流に分析して納得し時計を見ると、大相撲中継が始まっている時間。あわててラジオで聞き始める。
空腹をおぼえたがせっかくだから神保町へ寄って佐々木一郎さんの「稽古場物語」を手にとってみたい。書店の二階から一階のエスカレーターに少し稽古場のイラストが展示してあり、思った以上におもしろそうだったので即購入。
早く読みたくていつもはあまり行かない酒場の縄のれんをくぐる。よく冷えた白ワインにハモの天ぷらなどつまみながら、いい買いものをしたなぁと「稽古場物語」をめくる。塩らっきょうで最後のワインを飲み込んで、帰宅後は大相撲の動画を見返したりPUNPEEのライブ配信を見返したり。かばんの整理をしたら先ほどのお店のレシートが出てきたので何気なく見てみたら、食べた覚えのないやきとんが4本も印字されていた。確かに少々お高いと思ったよ。がっくりうなだれてふて寝を決め込んだ。

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