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2017年10月4日水曜日

秋の夜長は「ザ・両国」と

きんもくせいが香るこの季節
ゆうべは、角を曲がったら
びんづけ油の匂いが漂っていた。
そりゃそうだ
両国だもの。

でも、意外な匂いも悪くないかも、と
翌日は自分の香りを変えてみた。
「サロン・ド・こけし」のマダムと
「MOD BERBAR」のオーナーを見習って、
少しはおしゃれをしないと。


脚の筋を傷めているため
飲酒とスポーツを禁じられている。
患部を温めてはいけない、というので
熱燗はお預け。
ビールを少し飲んで、おとなしく寝・・・
る前に、
「ザ・両国」もストレートで少々。

興がのって
長崎みやげのさつま揚げと
会津みやげのまこもだけを
長崎おでんのつゆで煮込んで、
ちょっとだけよ、と
つまんでいるうちに、
秋の夜は更けていく。

2017年9月19日火曜日

こんなところでも、気づかされる

友だちの展示を見に行って知り合った方の主催している
「おとなのデコぬりえ教室」に参加した。

プロの漫画家さん(今回は劇画)の描いた下絵に
ぬりえしてデコるなんて、なんだか楽しそう、と
軽い気持ちで寄せてもらったのだが
その下絵を描かれた漫画家さんとその奥さま
ふだん作品作りをされている方々などなど
プロ尽くしだけれど、なごやかな雰囲気の中
自分だけ必死に、色鉛筆を動かす。

かなしいことに
デコがまったく理解できずに、先生に仕上げてもらった。

おのれの乙女心が残量ゼロであることに気付かされ
激しく動揺しながら、大雨の中を帰宅。
こんなていたらくでは「サロン・ド・こけし」のマダムに
叱られてしまう!
女子力の高さナンバーワンである
「BAR GABGAB」白ママの姿をぬすみ見しながら
ひとまず、秘蔵のネイルを取り出した。


深紅のネイルを塗っただけでうっとりして
翌日、なぜか大掃除を始める。
本棚からベランダ、トイレにおふろまで。
すこし剥げてくすんだネイルを見ながら
やはり足は「ニューねこ正」へ。

「あら未亡人会の」

なんとこの日は、カウンターの半分が未亡人であった。
いつもきれいな未亡人たちを見て
思わず爪をかくした。

2017年9月7日木曜日

未亡人との再会

カウンターで、友だちと大笑いしながら呑んでいたら、
向こうがわに、未亡人会メンバーのひとりが座った。
友だちが手洗いに立ったときに
「こんばんは」とあいさつしたら
「あら、未亡人会の」と、にっこり。

あざやかな緑色のブラウスに、翡翠の指環がとてもきれいで
さみしげな横顔もうつくしく、つい見とれていたら
また一杯、ごちそうになってしまった。



ちかぢか、大切な用事があるというのに
いつもの美容院に行ける日がなくて
特別に紹介してもらった、夜の「サロン・ド・こけし」へ。
ホテルのカフェで話しをしているうちに、
少しずつまわりの景色が変わって
そのうちに、まったく別の店にいることに気付く、
という小説が好きであるが
夜も更けてからの美容院も、なんとも不思議な雰囲気。

お酒の呑める美容院って、どう?などと
アハアハ(田辺聖子のマネ)話しつつも
ほんとうに、いいかもしれない、と
帰宅してから考え込んだ。
ばか言ってないで、煮込みがきたよ。

2017年8月18日金曜日

酔いどれ未亡人のブルース

我が家の大家さんのご母堂さまは
90に手が届く年齢だそうだ。

「BAR GABGAB」の白ママにちょっと似ていて
いつでも美しく、
物腰はやわらかで、おしゃれで上品。
それは
20年以上前に先立たれたご主人に
「いつまでも、きれいでいておくれよ」
と言われたから、と聞いた。
それを託されている「サロン・ド・こけし」のマダムは
たいそうはりきっていることだろう。

ある晩の「ニューねこ正」のカウンターにて
適量を呑んだので、そろそろお勘定を、と思っていたら
なんとなく、隣のマダムたちとおしゃべりが始まった。


「春に主人を亡くしたのよ」

「私も10年まえに旦那を亡くしたんだけど、まだ駄目ね」

「実は私も2年前に・・・」

「あら、全員未亡人じゃない」

「未亡人会つくりましょ」

「いいわねぇ」

「あなた、あの色男の獣医さんとこのマンションでしょう」

「ああ、ちょっといい男よね」

「でも家賃が高いから、引っ越そうと思ってて」

「あら、うち空いてるわよ。息子も独身よ」

「あの部屋、水道使えないじゃない」


何度か顔を合わせているマダムたち。
食べきれないから、と
まぐろ刺しをごちそうになったこともあるし
お酒をごちそうになったこともあるが
会えばいつも「はじめまして」

次の未亡人会は、いつだろうか。