2020年12月16日水曜日

バンドマンにセクシーサンドを

朝、同じ場所でパンを食べている妙齢のお兄さんがいる。
いた、と横目でチェックしたり今日はいないのかと思ったり。なぜこんなに気になるのか、それはオーソドックスなモヒカンとオーソドックスなバンドマンのファッションに、学生時代に憧れていた往年のパンクバンドの匂いを感じるから。
長年パンクバンドを続けていて、ライブのときはモヒカンをビンビンに立てて爆音でギターを弾きながら大きな声で叫んでいるんだろうな、今はライブが出来ないだろうから昼間は働いて夜は曲作りしているのかな、そのパンを食べ終えたら袋をくしゃくしゃに丸めてタイトなジーンズのポケットにねじこんで、すぐ近くの喫煙所で一服してから仕事へ向かうのかな、仕事はきっときちんとやる人なんだろうな、などと想像しながら通りすぎる。
その妙齢のバンドマン(と勝手に設定している)は通り過ぎる車を睨みつけながらいつも菓子パンのようなものを気持ちいいほどがつがつ、むしゃむしゃ食べている。
その姿を見るたびに、私のバッグに入っている「おはよう!商店」の朝食を教えてあげたくなる。セクシーサンドなんていかが。

ようこそ、キャベツのバッグ

ビタイチ練習しないまま朝からリレーマラソンの休日、せめてもと早起きして徒歩で集合場所へ向かう。途中で紅しょうが天そばもキメて静かな銀座を抜けるのは気持ちよかった。

第一走者になってしまい、ぶんぶん飛ばす仲間を早々に見送ってたった5kmをへとへとで走る。練習ゼロな上に前夜納品したのがうれしくて飲みに出かけたせいなのはわかっている。
明日は大会なんですと言っておきながらもう5杯目よと白ママにたしなめられた。でもチームのみなさんの爆走のおかげで優勝。早い人が走るのを見るのは気持ちのよいものだった。
2時間一本勝負の昼忘年会を終えて、とにかく走るのが早い仲間に蚤の市の会場まで送ってもらって深呼吸。酔った勢いで、という言い訳まで用意していざドワーフを束ねるお兄さんのお店へ。
再会したキャベツのバッグはどうみてもやっぱり素敵で笑顔のお兄さんはドワーフたちを背負っており、なんだかんだ話しながらも既に決心していたので、ついにこれくださいと言ったのであった。
そのときの気持ちは手元がぶれた写真のようで心許なかったので、帰り道何度も目の前にバッグを掲げて確認。うれしい!

2020年12月14日月曜日

ほしいものが止まらない

12/12から甘夏書店で行われている「縁起ものと贈りものフェア」に無事納品。

とはいえ前夜に力尽きたので納品当日の朝も作業して、最後の仕上げでふと間違いに気付いたが時すでに遅し。「おめでたい!ねまちのマッチ」の表のお赤飯には端におにぎりと海苔巻きが描かれているのに、全部お赤飯で覆ってしまった。右上の部分はああしてこうして、めくればおにぎりと海苔巻きが見えるように応急措置。
あとはお寿司とおいなりさんのブローチ、それと笑顔の顔ブローチとクリスマスとお蕎麦のマッチも。(それにしても写真が雑だ)

大量の野菜で慎重にナポリタンをつくったらどこよりも美味しくできて(自分比)上機嫌でブランチをキメる。
食後のコーヒーも堪能した。
のんびり隅田川沿いを歩いて甘夏書店さんへ向かうと、納品したすぐそばから顔のブローチをひとつお買い上げくだすった作家さんが。ありがたい!

この日もまたまた民芸の新しい本を紹介していただいてすっかり虜に。アフリカに藍染があることなんて知らなかったしイラストもとてもステキで気に入ってしまった。あとカナダのタコス屋さんでのアルバイト話を描いた「それぞれのそれぞれ」と、チェコを旅してつくったという版画展でひとめぼれした来年のカレンダー。早くこれらを横目に一杯やりたいものだ、と帰路を急ぐも気にかかることが小骨のように胸に引っかかっている。
それは前日に久々にお邪魔した古道具屋さんにあっためざしの絵。

実店舗を来年1月に閉店するとの話を聞きつけてお店に行くと、果たしてそこには変わらずオモシロな雰囲気をまとった笑顔の店主とサイズも見た目もばっちりな椅子が。
その椅子を担いで帰るためにていねいに梱包していただいていた間、壁にかかっていためざしの絵が目に留まった。
板を少し彫って直接彩色したその枯れた雰囲気はとても心惹かれるものだったが、その時は椅子に夢中で忘れていた。それが今になって気になるなんて。あまりに気になるのでオモシロ店主にメールで問い合わせたら、取っておきますよと即返信。
ほっと胸を撫でおろすも、きみ最近散財しすぎじゃないか?と心の声が。

いいじゃないの、ほしいものがあるってすてきなことよ、と自分に言い聞かせたその翌日には、ついにキャベツのバッグまで手に入れたのであった。

2020年12月8日火曜日

エジプトの夜は更けて

ふだんパンはほとんど口にしないが、この日はある理由で朝から1年分のパンを食べた。世の中(といってもあるエリアのみ)には実にいろいろなパンがあるのだなぁ。でもやっぱり私には「おはよう!商店」のたまごパンが一番。
それからわずかな時間にちょびっとジョグしながらたくさんの犬ねこにせわしなく色目をつかってエジプトへ。
電車に乗ってエジプトへ行けるなんて便利な世の中になったものだ。というのはウソで、ドレスコード飲み会が世界の料理を食べる会になり記念すべき第一回がエジプト料理になったというわけ。
茶色くてお腹がいっぱいになるエジプト料理を食べてエジプトワインを飲んでエジプトの衣裳を着せてもらって、わずかな残り時間を今度はイタリアで過ごす。というのはウソでイタリアンなファミレスへ。次回はクロアチアに決定して、この会では初めて誰も泥酔せずにさようなら。
しかしイタリアで鼻水が止まらなくなり翌朝ひどい副鼻腔炎を再発しようとはこの時は知るよしもなかった。

2020年12月7日月曜日

キャベツのバッグいつ手に入る

またキャベツのバッグを買う決心がつかなかった。
キャベツを入れることはないだろうがどうにもキャベツを入れたくなるバッグ。大根を入れたくなるバッグもある。ちゃんとおゼゼも用意してはいたが、きみ、今じゃないだろうとフンド氏がささやいた。その代わりにいい色の革のコインケースを見つけた。

リッツ・カールトンのロビーのソファに使われた革の端材でつくられたサスティナボーな小さなバッグと出逢ったときに初めてお目にかかったその作家さん。作っているものと作家さんがこれほどぴったり合う人もいないだろうと思った。今回またお話ししながら、この作家さんはドワーフたちが助手なのではないかと気付いた。
そしてテーブルの上のアナログレコードに乗って回るドワーフに目を奪われた子どもに気付いたこの作家さんが軽くスクラッチをしたことに私が目を奪われた。ヒップホップのライブでしか見ていなかったスクラッチを、まさかドワーフを束ねるこのお兄さんがするとは。

いずれあのバッグはいただきますので、とキャベツバッグに心理的にツバをつけてさようなら。

朝もそば、お昼はめったに行けない遠方の駅のホームの駅そば。
2食連続そばをかましたが、それぞれ違って満足した。
「サロン・ド・こけし」で髪もさっぱりカラーもしっかりで夜はもちろん「ニューねこ正」へ。
そこから未亡人会会長と再会してさらに深い夜が待っているとは知るよしもなかった。

2020年12月4日金曜日

縁起ものとおくりものフェア

まじめな夜ふかしをして一服しようとベランダへ出たら、向かいのマンションの何部屋かに明かりがついていた。
みんなこんな深夜まで何をしているのかな。私はチクチクいろんな顔をつくったり来年の手帳をつくったりしてたんだぜ、ワインもほとんど飲んじゃったけど酔ってないんだぜ、と自慢したい気持ちで一服。
12/12から甘夏書店さんで行われる「縁起もの贈りものフェア」。何をつくるか決めたのが前日で、前日は「ニューねこ正」でむしがれいで飲んでしまったのでこの日から始めたのであった。
「縁起もの贈りものフェア」
期間 12/12(土)~1/23(土) (定休日 火・水)
※冬期休業12/28~1/7

時間 12~18時(17時以降の会計は1階)

   店内と一階入口甘夏書店屋台

※通販あり(12/14~旧正月2/12頃)

これで翌朝、紅しょうが天そばをキメることができたら言うことなし。

2020年12月2日水曜日

私がover the sunになったよ

どうしても行きたくない労働の飲み会を当日ずる休みするという手でぶっちぎったことをいろんな友だちに話したら、ネガティブな気持ちは免疫力を下げるらしいよとひとりの友だちに言われて納得。どうやって行かずに済むかを相談した幼なじみに、行きたくない飲み会でコロナに感染したらイヤでしょうと言われてずる休みを即決した私は間違っていなかった。おかげでいいことがいっぱいあったしね。
そして今度は労働後の会社での軽い飲み会もぶっちぎった。今回は何も言わずしずしずと退勤。どうしても参加したくなかったらなにがなんでも参加しないという強い意思が大事、と助言してくれた友だちと、仕事(労働)の飲み会には参加しない主義なんです私という姿勢を普段から見せるといいよとの友だちの助言が生かされた。
誰とでも仲よく、つまらなくても笑顔で、なんてしないで好きな人とだけ好きなことだけをしようと改めて決意したその日は予約していた資生堂ギャラリーへ。
私にはさっぱりわからない展示だったが、以前「記憶の珍味」を観に行ったときの香りが強く残っていたのでマスク越しにそれを堪能した。この香りのためだけにまた行くのもいいかもしれない。それから穴子をめざして「おいてけ堀」へ。
最新号の「味覚春秋」と「花椿」をのんびり読みたかったから。
もとはフンド氏の父上が通っていた「おいてけ堀」は、大好きなフリーペーパーを読みながら酒を飲むのに最適だ。自宅だと他に読みたいものがあるから。

好きな場所を選んで行けるようになったのは、ついに本物のover the sunになったからか(オジサンかもしれないけれど)ようやく好きなもの・大事なものがわかってきたからか。ちょっと遅かったけれど、これでもいいのだ。