手の込んだ精進料理の下ごしらえは、実におもしろい。
ゆでた蓮の実の芽を取ったり、たくさんの野菜を切ったり、混ぜたり。
さといもの皮を剥いていたら、去年に続いてまた指を切ってしまった。
仕方なく、あちこちでつまみ食いしていたら、しっかり奥さまたちに見られていた。
翌日に千秋楽を控えたその日の話題は、大相撲。
奥さまたちのご贔屓は、ほぼ稀勢の里。
下ごしらえがほぼ済んだところで、みんなそろって休憩。
ちょっと一杯もいただいて、疲れがどっと出・・・るほどは働いていなかったが、おとなしい奥さまたちの口がほぐれてゆくのが、たのしかった。
翌朝は早い出発であるし、満腹であるし、さっさと帰って寝るべきだったが
わざわざいったん帰宅して「ニューねこ正」へ。
本場所中にだけやってくる京都のご婦人とは痛恨のニアミスだったが、ほうぼう刺に平目をちょこっと添えてくれた板さんに興奮。
美人女将から白鵬の優勝を聞かされ、優勝パレードに間に合うかな、と考えた。
日ごろの行い、よくないんだけどなぁと友達に言うと
他にものすごい行いのいい人ばっかり来てるんだよ、と言われて納得。
初めて行く高原で、ウイスキーとビールのお祭り。
(「BAR GABGAB」にはビール、置いてないんですけどね)
とにかくお天気がよくて、マシンガントークの間にも、うっとり空を見上げたくらい。
まずはアブサンをチョイス。
みかんの香りのクラフトジンや、台湾のウイスキー、地元のウイスキー、濃くてとろりとしたビールなどなど、飲んだ端から太陽の光で蒸発!
柿にウイスキーが合うとは知らなかった。
最後に柿のヘタを乗っけたところで、バーテンダーの株が急上昇。
葉巻なんかもちょっと吸って、北方謙三の気分も味わった。
最初にちびっと舐めたアブサンは、やはり太陽のせいか軽くなっていた。
最寄駅からの送迎もおつまみも椅子も、なにもかも完璧にしてくれた友だちふたりは翌日は、別の場所でビールセミナーだという。
なんて勉強熱心なふたり!
そのまた翌日は、いろいろから逃げて、行きたかった場所へ。
いつもは飲んで食べて、海を見て、しんみりして帰るのが常になっていたが、毎回これでは芸がない。思いきってラン用品一式かついで出かけた。
昨日に続いてよいお天気の昼間、静かな海沿いの道を走るのは、それだけで気持ちがよかった。島まで行きたかったが暑くて断念して、途中でピーナッツプリンを食べて終了。
海の家を解体しているのを眺めながら海岸を歩いて、ちょうどいい時間のバスに飛び乗って帰宅。
あのパン屋さんにも、魚屋さんにも、喫茶店にも寄っていないなんて!
しんみりどころか、にやにやしながら帰るなんて!
さらに驚いたことに、この日を境に酒を飲んでいない。
友だちにもらった雷電のビールやひやおろしの誘惑をものともせず!
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