2020年12月21日月曜日

ねまちのヒレ酒

「深川福々」の配布であちこちで油を売った後は、エジプトに続いて今度はスペインへ。
両国駅で待ち合わせて乗り換え一回でスペインへ行けるとは便利な世の中になったものだ。というのはウソで、ご近所の飲み友だちの好い人が切り盛りしているスペイン料理のお店がすっかり気に入ったのでお願いしてまた連れていってもらったのだ。
この日も珍しくて美味しいお料理とワインを堪能してクリスマスのチキンまでいただいて当然のように2軒めのバーへ。ここも友だちの行きつけだったお店だけれど私は2度め。なのにバーテンもマスターもなぜか私を覚えていたので、さては前回なにかやらかしたかと思ったら、当時観たばかりだった映画「相撲道」を全力でおすすめしていたらしく、私も覚えていなかったディテールまで他のお客さんに話してくれた。
気を取り直して飲んだカバランはとても美味しくて、次にいただいた天使の分け前という名のバーボンですっかり酔った。
翌日は嫌々ながらジョグに出かけて寒さに凍えてお久しぶりねの酒場へ。そこでマスターからごちそうしてもらったふぐのヒレ酒が最高だった。なにが最高って「ねまち亭」のマッチであぶったヒレ。
何杯飲んでも香ばしくておいしく、何よりこんな風に使ってくれてるのがうれしくて、またもや飲みすぎたのは言うまでもない。

2020年12月18日金曜日

きっとクリスマスも二日酔い

久しぶりの早朝そばをキメたこの日は二日酔い。
紅しょうが天そばください、と酒臭い息で言うといつもは無愛想なそば屋さんが、あたしとおそろいだ、と自分のまかないの丼を指差した。頭が濁っていてほんとだ、としか言えずにいると、こういうのって家では作れないでしょう特に紅しょうがはさ、これからどんどんそばのおいしい季節になるよねぇとにこやかに話す姿にも、えへへとしか返せなかった。ここの紅しょうが天そばが一番好きです、と言いたかったのに。

前夜「おいてけ堀」で改めて読み返した「それぞれのそれぞれ」がとてもよくて思わず熱燗に切り替えそうになったのをぐっとこらえた。
えらい。
帰宅後にご近所の飲み友だちからの誘いに応じてまた酒場へ出かけたのもまあヨシとして、ここまで飲んでおいて家でまた飲んでしまうというのはいったいどういうことか。それで二日酔い。
そういえばクリスマスが近づいているのだった。
クリスマスの贈りものは、甘夏書店さんの「縁起もの贈りものフェア」でどうぞ。

2020年12月16日水曜日

バンドマンにセクシーサンドを

朝、同じ場所でパンを食べている妙齢のお兄さんがいる。
いた、と横目でチェックしたり今日はいないのかと思ったり。なぜこんなに気になるのか、それはオーソドックスなモヒカンとオーソドックスなバンドマンのファッションに、学生時代に憧れていた往年のパンクバンドの匂いを感じるから。
長年パンクバンドを続けていて、ライブのときはモヒカンをビンビンに立てて爆音でギターを弾きながら大きな声で叫んでいるんだろうな、今はライブが出来ないだろうから昼間は働いて夜は曲作りしているのかな、そのパンを食べ終えたら袋をくしゃくしゃに丸めてタイトなジーンズのポケットにねじこんで、すぐ近くの喫煙所で一服してから仕事へ向かうのかな、仕事はきっときちんとやる人なんだろうな、などと想像しながら通りすぎる。
その妙齢のバンドマン(と勝手に設定している)は通り過ぎる車を睨みつけながらいつも菓子パンのようなものを気持ちいいほどがつがつ、むしゃむしゃ食べている。
その姿を見るたびに、私のバッグに入っている「おはよう!商店」の朝食を教えてあげたくなる。セクシーサンドなんていかが。

ようこそ、キャベツのバッグ

ビタイチ練習しないまま朝からリレーマラソンの休日、せめてもと早起きして徒歩で集合場所へ向かう。途中で紅しょうが天そばもキメて静かな銀座を抜けるのは気持ちよかった。

第一走者になってしまい、ぶんぶん飛ばす仲間を早々に見送ってたった5kmをへとへとで走る。練習ゼロな上に前夜納品したのがうれしくて飲みに出かけたせいなのはわかっている。
明日は大会なんですと言っておきながらもう5杯目よと白ママにたしなめられた。でもチームのみなさんの爆走のおかげで優勝。早い人が走るのを見るのは気持ちのよいものだった。
2時間一本勝負の昼忘年会を終えて、とにかく走るのが早い仲間に蚤の市の会場まで送ってもらって深呼吸。酔った勢いで、という言い訳まで用意していざドワーフを束ねるお兄さんのお店へ。
再会したキャベツのバッグはどうみてもやっぱり素敵で笑顔のお兄さんはドワーフたちを背負っており、なんだかんだ話しながらも既に決心していたので、ついにこれくださいと言ったのであった。
そのときの気持ちは手元がぶれた写真のようで心許なかったので、帰り道何度も目の前にバッグを掲げて確認。うれしい!

2020年12月14日月曜日

ほしいものが止まらない

12/12から甘夏書店で行われている「縁起ものと贈りものフェア」に無事納品。

とはいえ前夜に力尽きたので納品当日の朝も作業して、最後の仕上げでふと間違いに気付いたが時すでに遅し。「おめでたい!ねまちのマッチ」の表のお赤飯には端におにぎりと海苔巻きが描かれているのに、全部お赤飯で覆ってしまった。右上の部分はああしてこうして、めくればおにぎりと海苔巻きが見えるように応急措置。
あとはお寿司とおいなりさんのブローチ、それと笑顔の顔ブローチとクリスマスとお蕎麦のマッチも。(それにしても写真が雑だ)

大量の野菜で慎重にナポリタンをつくったらどこよりも美味しくできて(自分比)上機嫌でブランチをキメる。
食後のコーヒーも堪能した。
のんびり隅田川沿いを歩いて甘夏書店さんへ向かうと、納品したすぐそばから顔のブローチをひとつお買い上げくだすった作家さんが。ありがたい!

この日もまたまた民芸の新しい本を紹介していただいてすっかり虜に。アフリカに藍染があることなんて知らなかったしイラストもとてもステキで気に入ってしまった。あとカナダのタコス屋さんでのアルバイト話を描いた「それぞれのそれぞれ」と、チェコを旅してつくったという版画展でひとめぼれした来年のカレンダー。早くこれらを横目に一杯やりたいものだ、と帰路を急ぐも気にかかることが小骨のように胸に引っかかっている。
それは前日に久々にお邪魔した古道具屋さんにあっためざしの絵。

実店舗を来年1月に閉店するとの話を聞きつけてお店に行くと、果たしてそこには変わらずオモシロな雰囲気をまとった笑顔の店主とサイズも見た目もばっちりな椅子が。
その椅子を担いで帰るためにていねいに梱包していただいていた間、壁にかかっていためざしの絵が目に留まった。
板を少し彫って直接彩色したその枯れた雰囲気はとても心惹かれるものだったが、その時は椅子に夢中で忘れていた。それが今になって気になるなんて。あまりに気になるのでオモシロ店主にメールで問い合わせたら、取っておきますよと即返信。
ほっと胸を撫でおろすも、きみ最近散財しすぎじゃないか?と心の声が。

いいじゃないの、ほしいものがあるってすてきなことよ、と自分に言い聞かせたその翌日には、ついにキャベツのバッグまで手に入れたのであった。

2020年12月8日火曜日

エジプトの夜は更けて

ふだんパンはほとんど口にしないが、この日はある理由で朝から1年分のパンを食べた。世の中(といってもあるエリアのみ)には実にいろいろなパンがあるのだなぁ。でもやっぱり私には「おはよう!商店」のたまごパンが一番。
それからわずかな時間にちょびっとジョグしながらたくさんの犬ねこにせわしなく色目をつかってエジプトへ。
電車に乗ってエジプトへ行けるなんて便利な世の中になったものだ。というのはウソで、ドレスコード飲み会が世界の料理を食べる会になり記念すべき第一回がエジプト料理になったというわけ。
茶色くてお腹がいっぱいになるエジプト料理を食べてエジプトワインを飲んでエジプトの衣裳を着せてもらって、わずかな残り時間を今度はイタリアで過ごす。というのはウソでイタリアンなファミレスへ。次回はクロアチアに決定して、この会では初めて誰も泥酔せずにさようなら。
しかしイタリアで鼻水が止まらなくなり翌朝ひどい副鼻腔炎を再発しようとはこの時は知るよしもなかった。

2020年12月7日月曜日

キャベツのバッグいつ手に入る

またキャベツのバッグを買う決心がつかなかった。
キャベツを入れることはないだろうがどうにもキャベツを入れたくなるバッグ。大根を入れたくなるバッグもある。ちゃんとおゼゼも用意してはいたが、きみ、今じゃないだろうとフンド氏がささやいた。その代わりにいい色の革のコインケースを見つけた。

リッツ・カールトンのロビーのソファに使われた革の端材でつくられたサスティナボーな小さなバッグと出逢ったときに初めてお目にかかったその作家さん。作っているものと作家さんがこれほどぴったり合う人もいないだろうと思った。今回またお話ししながら、この作家さんはドワーフたちが助手なのではないかと気付いた。
そしてテーブルの上のアナログレコードに乗って回るドワーフに目を奪われた子どもに気付いたこの作家さんが軽くスクラッチをしたことに私が目を奪われた。ヒップホップのライブでしか見ていなかったスクラッチを、まさかドワーフを束ねるこのお兄さんがするとは。

いずれあのバッグはいただきますので、とキャベツバッグに心理的にツバをつけてさようなら。

朝もそば、お昼はめったに行けない遠方の駅のホームの駅そば。
2食連続そばをかましたが、それぞれ違って満足した。
「サロン・ド・こけし」で髪もさっぱりカラーもしっかりで夜はもちろん「ニューねこ正」へ。
そこから未亡人会会長と再会してさらに深い夜が待っているとは知るよしもなかった。