2020年3月16日月曜日

飲みすぎたのは

聴いていて涙がにじむ曲は、泣ける曲調のものではなくてカッコいい曲である場合が多い。
カッコいい大人がつくる曲にはもの悲しさが根底にあってなんともグッとくるので、歩いていると速度は上がるしついつい酒も進む。
日曜日の夜ならばここでしょうという酒場へ行かずに自分スペシャルのおつまみをつくって地元のワインを一本空けた。もう読んでいない本はないだろうと思っていた多作の作家の知らなかった本を発見して読みながら聴いた曲にじわりときた。
たまには家で飲むのも悪くないが飲み過ぎだ。
週末楽しみにしていたTV番組は、楽しみにしすぎて始まる前には既に酔っていた。友だちとキャーキャーLINEしながら見たその番組は体感時間10秒ほどで終わった。

それにしても酔っぱらってばかりの毎日だ。
先日会った友だちが6月のウルトラマラソンに出るというので話を聞いたら、押さえた宿が安いのだが部屋が余っているので遊びに来ないかと誘われた。美味しいお店も押さえていると聞いてお邪魔しようかなと思っていたところ、やはり酔って帰った後にうっかりその大会にエントリーしてしまった。遊びに行くだけじゃなかったのか自分・・・

2020年3月12日木曜日

今朝は北海道

最近はまともに東京のラジオを聞かせてくれていたRadikoだが、この朝は予感がしていた。女の勘は皆無だがこういう予感は的中するもので、この朝は北海道エリアに設定されていた。

北海道のラジオは、天気予報でセンチメートルの言葉が飛び交っていた。積雪量か。いっぺんに部屋が寒く感じられ、副鼻腔炎と花粉症のために香りが薄く感じられるコーヒーをすすった。
未踏の地であり行く予定も未定の地・北海道、行くなら最初は函館と決めている。函館に旅したあとにこのラジオを聞いたら、函館のどこを思い出すだろう。
月に一度の皇居ランと美味しいものを食べる会に登場。カラダが重くておしゃべりしながら1周プラス日比谷公園を1周だけ走ってあとは食べて飲んでビールを吹き出して大笑い。みなさん時差出勤やテレワークで憂さがたまっていたというがやっぱり楽しかった。

帰り道、iPodをシャッフルしたら30年ほど前によく聴いていた曲が立て続けにかかった。しんとした深い時間にしみじみ聴き入るゴンチチやORIGINAL LOVEはちっとも懐かしい気持ちにならないから不思議だ。

2020年3月10日火曜日

リスペクト!

ヒマで予定のない週末ほど最高なものはないと思っていたが、楽しみにしていたイベントや映画などが中止もしくは延期になると話は別だ。カラダは丈夫なのだからジョグに出かければよいのでは、と考えるも花粉が、などと言いわけばかりのぐうたら生活。


幼なじみからマスクのおすそわけが届いた。
何らかの花粉のような見た目の七味ガラムマサラ(大好物!)とともに送ってくれたマスクには、自分は花粉症ではないし自動車通勤で満員電車には無縁だから使って、との手紙入り。
フンド氏の新居の、春のお彼岸の法要が中止になった。
手の込んだ精進料理と春の落語が愉しみだったが仕方ない。一緒に参加するはずだった未亡人友だちから、そういえばマスクある?とのメッセージ。幼なじみに送ってもらったおかげで大丈夫ですよ、と答えると、どんどんミシンで縫って人にあげてるから足りなくなったら言ってね、とのこと。
こんな友だちがいることがうれしくて、双方になんとお礼を言ったらよいのかわからず、やけ酒でへべれけになって帰宅したために単なる迷惑メッセージを何度も何度も送りつけてしまった夜。
「パラサイト」の地下室の住人みたいに、壁に頭を打ち付けて叫びたい。

2020年3月6日金曜日

先生に勝利

宅配便を受け取るため大急ぎで労働先を飛びだした。
電車に乗れば30分後には自宅で缶ビールを開けているだろう。しかしなぜか最近元気があり余っており、徒歩で1時間15分ほどかかる距離を小走りで帰ることにした。

Google先生による予想到着時間は19:20。宅配便が届くのは19:00~21:00。
テキは時間ちょうどに来たりするからこれでは間に合わない。しかしもう走りだしてしまった。
赤信号にひっかかりまっすぐの大通りを走っては止まり走っては止まっていると、並走する自転車に乗った保育園帰りの子とお父さんとのクイズの出題と正解とその理由まで全部聞いてしまった。Google先生のご機嫌をうかがってみると、予想到着時間は19:00。先生の予想を20分も上回ったことになるが勝負しているわけではない。調子よく登り坂まで走っていよいよ自宅前。改めて先生に伺うと予想到着時間は18:55。記録達成の瞬間であった。(何の記録だ)しかしこの夜に限って宅配便が届いたのは20時をとうに越えた時刻であった。


翌朝は少し早く家を出ることができたので隅田川沿いの遠まわりルートで徒歩出勤。
できれば何年も前から気になっているあのおそば屋さんで朝食をキメたいものだ、といそいそ歩く。川沿いの花壇には菜の花やつくしが朝陽を浴びており、ゆりかもめも鴨もすれ違うランナーも気持ちよさそうだ。
それなのに、ああそれなのに大通りに出ると赤信号を待つことに我慢できず不意に左折するも、ここからどう行くのが最短なのか知らないことに気付く。Google先生に登場してもらうと、予想到着時間は09:05。始業時間は09:00。これでは遅刻ではないか。先生にナビしてもらい、築地場外(気になっていたおそば屋さんは既に方向違い)や工事中の豊洲方向へ向かう道路を横目にずんずん進んでそこから殺風景な道路を走って走って労働先に到着したのは08:50。前夜に続いて先生の予想を裏切ることができた。
この朝のRadikoは東海エリアの設定になっていた。
実家に近いためそれほど旅の気分は出なかったが、まさか出勤時に迷子になるとは。

2020年3月5日木曜日

三月の初午とオムライス

初午の日に地口行燈を見に行きたいと思いながら早や10年以上経った。
もう3月。今年も逃したな、と諦めていたところ、通りかかったとある町内会の掲示板に初午の文字。
その神社は小さすぎたために気付かず通りすぎていた。雨上がりの鳥居をくぐるとひっそりと数個の地口行燈に灯りがともっていた。ほうほうとひとつひとつ観察して小さな神社を見回すと「福箸をどうぞ」の貼り紙とともに三方に福箸。背筋を伸ばしてお詣りし、ありがたく頂戴した。
初めていただいた福箸、いつおろそうかな。


ぼんやりした不安に包まれた今日この頃、夜の酒場こそが救いの場。(いつもそうなんだけど)
もうじき無くなる冬のメニューをしみじみいただいていると、美人女将がこっそりお皿を差し出した。
それは、長年恋い焦がれていた「レストラン両国駅」のオムライスと同じオムライス。
炒めたごはんを薄焼きの玉子で包んだ正統派。この日のまかないのおすそわけ。
興奮して写真を撮っていると、そんなに好きなの?と大将が笑った。
作るのが面倒だし自分ひとりのためにつくるのはもっと面倒だからしばらくつくってないんです、とゆっくりスプーンを口に運んだ。

2020年3月3日火曜日

You know?

朝、さくらんぼの花が満開になっているのを出勤途中のおじさんたちが立ちどまってながめているのをながめるのが好きだ。花そのものよりそういうおじさんたちを見ると幸せな気分になる。
極力にやにやしたりはしないようにしているが、聞いていたラジオがおもしろすぎてたまに堪えきれず吹きだしてしまうことも。この日聞いていたのは前夜のアトロク「ストリートテクニック(街頭技巧)」略してストテク特集。You know?考えてみればいつもしていることだったりするが、それにストリート的なネーミングを付けるだけでこんなにおもしろいなんて。膝を打ちすぎて痣だらけになりそうなほどおもしろかった。


重くなりすぎたカラダが怖くなったのと東京マラソンの影響で、唐突にジョグに出かけた休日。沈丁花の香りを胸いっぱいに吸い込んで蝋梅や三叉をながめながら、あるいはかわいこちゃん(犬)に色目を使いながら、走ることが楽しかった頃を思い出して、ゆっくりゆっくり川沿いを走った。
荒川が見えるところまで走って橋を渡り、これから出発する水陸両用バスがきれいに掃除されていく様子を見ていたのも休日らしくてよかった。

走っている途中で、いいかげんパンツを新調しなければ、と思って早や1年であることを思い出し、急いで帰宅しパンツを探しに、ジョグ途中で気になった商店街へ。
パンツよりあさりのコロッケやうなぎの串焼きに誘惑されて身も心も酒場を求めたが、悩んだ末に自宅酒場に決定。どこで飲むかばかり考えて、この日も新しいパンツを探すのを忘れた。


今後いっさい走ることはないのではないかと思われてやめたマラソン練習会。
単にダイエットのために再開したが、これまでアフターでなにを飲んでいたかを忘れており、ビール愛好家でメガジョッキだったじゃないの、とラン友に言われて思い出した。たいして走ってもいなかったのに、よくもそんなに飲んでいたものよ。
アフターはコーチとラン友と品よく北海道へ。品がよかったのでしらふのまま帰宅。
練習会の帰りになぜか日比谷公園から香ってきたきのこの匂いが気になって生のマッシュルームを選んだのは正解だった。

2020年2月29日土曜日

また旅に出た

楽しみにしていたというより心の支えにしていたイベントが新型コロナウイルスのせいで中止になってしまった。
やけ酒の前に郵便物を受け取りに遠くの郵便局まで赴いた帰り道、何年も前から気になっていた小さな赤提灯の前でふと立ち止まった。なんとも気になる風情で「そば うどん」と書いてある。そばもうどんも好きだけれど今はとにかく酒だ酒だ、酒持ってこい!と通りすぎようとしたら横目に「酒」の文字が見えた気がした。もう一度戻ってよくよく見るとやはり「酒」と書いてある。でも店の中は見えないし今宵の酒場は決めている。さっさと行こうと歩を進めるももういっぺん戻って小さな窓から中を覗いたが誰もいないこぢんまりしたカウンターしか見えなかった。ためしに一杯だけ、と意を決し引き戸に手をかけてこんばんは、ひとりなんですけど、と声をかけると上がって、と優しそうな女性の声。カウンター2席しかないのにどこに小上がりがあるのかと思ったら奥に小さな三和土。失礼します、と上がるとよその家の座敷のような場所の奥にどう見ても居間のような大きなこたつの部屋。いいのかな、と奥へ行くと輝くお肌のかわいらしいママがこたつの奥に席を作ってくれた。タンスもあるし家族写真もある、まさによその家の居間。向かいに白髪のおじさんもにこにこ座っていた。たっぷりのお茶とおしぼりが置かれ、熱燗をたのむとたくさんのおつまみというよりおかずが乗ったお皿が運ばれてきた。どなたかお知り合いの方と間違われてないかな、と不安になり前から気になっていて今日初めて入ったんですと言うと、うれしいわぁ、とママが笑った。白髪のおじさんもにこにこしながらそれはよかった、と笑った。途中から宴に加わったママの弟さんとママは来週、故郷の宮崎へ友だちと旅に出るという。たまに混じる宮崎弁が旅情をかきたてた。
すっかり盛り上がり規定量の倍飲んでカレーもごちそうになり、とてもきれいなお手洗いを見せてもらい、今度はカラオケでママの大月みや子を聞きなよと言われて帰途についた。聞くとカラオケのお店はフンド氏邸のほどちかく。これはなにかのプレゼントなのかな、とニヤニヤが止まらなかった帰り道。
誰かに話したくてたまらない気持ちをこらえておみやげにもらったお菓子を何度も確かめるも、やっぱりあれは夢だったのかな。