2020年11月29日日曜日

私の髪が赤いうちは

「サロン・ド・こけし」のマダムの助言もあり
美容師さんに完全におまかせしている赤毛。
もう長いこと赤毛なので自分では馴れているが、人ごみの中で友だちから声をかけられたり夜の皇居ランで桜田門で待ち合わせた友だちから暗闇でもわかるよと言われたり、半年に一度ほどしか行かない酒場で会釈する程度の仲のお客さんから終電近くの両国駅前で声をかけられて、なぜわかったのかと訊ねるとその赤毛だよと言われたり、はたまた絵描きの友だちの個展を初めてのまちの喫茶店へ観に行くも彼女の都合で会えなかったときにそこの店主にこれ彼女からとおみやげを渡されてなぜわかったのですかと訊ねたら赤毛のイラストレーターだと聞いてと言われたり、他にもいろいろあって、いつの間にかトレードマークになっていたことに驚く。
これではうかつに酔って千鳥足で歩いて躓いたり犬ねこに色目を使ったりできないなと思いながらもまた近所を千鳥足で犬ねこに色目を使う日々なのであった。

2020年11月28日土曜日

ホットチョコレートでSeasons Greetings'20

急にいただいた仕事が終わって、それは最後の最後までは私はやらなかったのだけれどとにかく無事完了したので、久しぶりにミートソースをていねいにつくってからPUNPEEの配信ライブチケットを買ってお天気のよい中引きこもる。

PUNPEEのライブは本当によかった。デコレートしたロンドンバスで移動しながらライブするなんて、すばらしいアイデアだなぁ。途中、澤部渡さんの「遠い春」で涙してしまった。
バスの車内も外装もカッコよくてライブも楽しくて目が離せなかった。

先日の無印良品でのつながる市で出会ったオーストラリアのホットチョコレートを啜りながら堪能してふと気付けば陽が傾きかけている。お天気のよい休日に引きこもっていたなんて、と思ったがよい休日には違いない。
近所の友だちからまたまた家から出てきたというワインをもらいに出かけて
先日ベランダから落としたのちに行方不明になったものの代わりの新しい物干し竿も手に入れた。

2020年11月27日金曜日

パワースポットは国技館と台所

興奮と熱狂の大相撲11月場所が終わった。
二度目の観戦は応援タオルを持参するのを忘れたことに気づいて売店前で歯噛み。家に帰れば豊昇龍・照強・霧馬山・照ノ富士がいるけれど、竜電を追加。
ぼんやりしていて、呼出の邦夫をチェックするのを忘れて落ち込む。啓輔と利喜ノ丞、そして先場所から気になっていた行事・木村吉二郎は目を皿のようにして見たからヨシと・・・できないが仕方ない。
それにしても国技館は、特に2階は何度来ても鳥肌が立つほど興奮するなぁと毎回同じことを思う。パワースポットってこういう場所なんだろう。

以前よくおじゃましていたアンティーク屋さんへ。
イベントのお誘いをいただき、よもやま話に花を咲かせる。好きなものの話をするのは愉しくて、酒場へ移動したくなった。
思えばここで出逢った黄色のホーローの鍋からホーローが気になり始めて、大きな皿や洗面器、小さな鍋など少しずつさまざまな国のホーローが増えていった我が家。この日はポーランド製の大きな茶色のやかんに心を奪われた。
帰宅途中にどうしても「おいてけ堀」に行きたくなったので、ちょっとだけよ。
席につくなり美人女将が、穴子入りましたよ、とささやいた。
かたわらのホーローのやかんの入ったバッグをなでて、最新号の「銀座百点」をめくりながら穴子を待って酒を啜るしあわせな時間。
なんていい日なのだろう!

帰宅してていねいにやかんを洗って黄色のなべと並べてコンロに置く。
翌朝コーヒーを淹れるためにキッチンへ立って見たその姿は思わず笑みがこぼれたほどだった。なんてすてきな私のやかん!
とはいえ大きいやかんなのでお湯を沸かすついでにゆで玉子もつくったりして。
あの黄色のなべでジャムなんか作ってほしいわ、とアンティーク屋さんの店主に言われたが、今そのなべにはおでんが入っております。

2020年11月18日水曜日

両国のひと/R.Y.O.G.O.K.U.

友だちとの皇居ランの待ち合わせ時間より早く到着したので、ひと足お先に一周することにした。
ゆるやかな上り坂にさしかかってふと気付いた。この日はCreepy Nutsの武道館公演ではないか。歩道橋を渡ってまっすぐ行けば武道館だ。そういえば以前、用もないのに皇居ランの途中で武道館へ行って怖い目に遭って尻尾を巻いて帰ってきたことを思い出したが、この日はCreepy Nuts初の武道館公演だし、せっかくだからピーナッツ族でも見てこようとまた寄り道することにした。

リニューアルした武道館。ライブ前のわくわくする熱気とざわめきが伝わってきて満足して引き返す。どんなライブになるのかな、と緊張感も高まるがそもそもチケットを取ってさえいなかった。

彼らがゲスト出演した木村拓哉のラジオで、それは武道館公演の数日前だったが、ぶれずにRHYMESTERの話をしたのちにかけた「グレートアマチュアリズム」と武道館前日(当日?)に自身のラジオでかけた同曲に胸がいっぱいになった。チケットを取ってさえいないのに。

武道館公演後の彼らのラジオを聞いたら、DJ松永が思いのほか号泣したと言っていた。
なぜか「情熱大陸」の映像が浮かんできて、さらに以前ラジオでかけただけで松永が嗚咽したRHYMESTER「K.U.F.U.」のイントロまで頭で鳴り始めて目頭が熱くなった。

以前のように、チケットを取ってライブハウスで好きなミュージシャンのステージを観たいと思っても今はかなわぬこと。通勤途中や帰宅途中に爆音で好きな音楽を聴いて気分を上げるしかない。
A面でしっとり
B面でダンサブルに楽しもう。


2020年11月16日月曜日

「はとエアライン」にのって

 「みちくさウルトラマラソン」に出場する友だちの応援のために、というよりそのメンバーの中のひとりの実家の民宿でおいしい魚を食べるために、初めてのまちへ。
本人とそこに宿泊した数人の友だちによると、とにかく品数と量がえらいことなので完食した人を見たことがないとのこと。舟盛りなど脇役扱いだという。しかしそんな話を何度聞いても、私の食欲を舐めてもらっちゃ困るぜと実は自信をもっていた。

早朝出発時には何も食べず、現地でお蕎麦を食べて喫茶店でウインナコーヒーを飲み
まちをぐるぐる歩いてお店の方と立ち話をし、通常はバスで行く道のりを徒歩で進む。山道のトンネルで立ち止まって人魚の描かれた内壁を微笑ましい気持ちで見るも、よく見たら老婆のようだし妖怪にも見えて震え上がった。昼間でよかった。

予想時間より大幅に早くゴールした友だちと途中でDNFにした友だちをねぎらい、ハプニングをものともせずゴールした鉄人を迎えて民宿へ。温泉付きの旅館のような民宿でいざ、宴のはじまり。
結局、前評判どおりどれも美味しくて迷い箸しながら食べきれなかったごちそうを横目に酒もほどほどにしておやすみなさい。

パジャマにコートをはおって行った朝の海岸で最高級の貝殻も見つけたし本も一冊読んだし、気楽でよい旅だった。

2020年11月12日木曜日

背筋を伸ばし微動だにしない美女

先日偶然いただいた大相撲11月場所4日目のチケットをにぎりしめて国技館へ。
9月場所よりさらに配慮が行き届いているように感じながら売店を覗くと、なんと親方衆が売り子をしていた。呆然としてお釣りをもらうのを忘れ、若荒雄の不知火親方に呼び止められた。

わんぱく相撲でしか座ったことのない升席におそるおそる腰を下ろして周りを見回していると、しばらくして花道を挟んだ東側に武隈親方の豪栄道が現れた。映画「相撲道」を観たばかりなので余計に目は釘づけ、しかし今は髷こそあれど協会員のジャンパー姿。ふと気づくと花道奥に座っていたので何度か盗撮を試みるも、やはりためらわれてやめた。

幕下上位戦のころ、花道奥からえずく声が頻繁に聞こえた。咳込むならまだしも、オエ~ッとは如何に。一緒に観ていた方に、九重部屋の関取はわりと声出しますね、と言ったが苦笑いされた。席がよいせいか、関取衆の体が先場所より大きく見えたりイケメンで有名な呼出しさんがさらにイケメンに見えたり。
そして今場所話題の、中継で毎日見かける向正面溜席の謎の美女は、硬い床にも関わらずきちんと正座して背筋を伸ばして座っていた。
取組は手に汗握るきわどいものばかりで、お昼に食べたスパゲッティハンバーグもすっかり消えた。
一緒に相撲見した方は相撲にも相撲以外にも詳しく、帰り道は呼出の拓郎の話をしながら、このまま「ニューねこ正」コースかな、とドキドキしていると、私はあのお店に寄って帰りますと言うので、では私はあそこで一服して帰りますと頭を下げて別れた。
とか言って「ニューねこ正」の暖簾をくぐると、いつもの席におしぼりふたつ。
あれ、ひとりなの、と美人女将に言われて、ふられちゃいました、と席についた。
初対面に等しい人との相撲見、よく考えたら名前を聞くのを忘れていた。

2020年11月9日月曜日

久しぶりの「ぺろりレストラン」と「うとうと演芸ホール」

飲み友だちの好い人が営むレストランへ。
久しぶりに彼の顔が見れると喜ぶ飲み友だちの顔を見ているうちに緊張感が高まってきた。
あの灯りのお店だよ、と友だちの指差す方向を見ると、はたしてそこには友だちの好い人がいた。別にイケメンとかじゃないからね、と繰り返し聞かされていたが、なかなかどうして、とてもステキな人だった。
自分の好きな友だちの好い人がステキな人だとうれしくなる。しかもお料理もワインもおいしくて、たくさん食べてたくさん飲んでしまった。
次のバーでは、酔って映画「相撲道」と「電車を止めるな!」についてアツく語ってしまった。白ママが優しく聞いてくれるものだから調子に乗ってしまった。


その翌日は少しジョグして大相撲初日を観たのちに別の飲み友だちがスタッフをつとめる落語会へ。
(うとうと演芸ホールと違ってうとうとする間もなし)
今までは大御所すぎる噺家さんの落語会しか行ったことがなく、二ツ目さんくらいを聞いてみたいと常々思っていたところ教えてもらった落語会。というか独演会。
笑顔が楽しくて噺もおもしろかったその噺家さんは小太郎さん。常連さんと思われるお客さんの反応も含めてこれは好きだなぁと笑って笑って涙でマスクを濡らした日曜日の夜であった。