2021年6月7日月曜日

大根は罪

妹が泊まりにきた週末、ひとりでは面倒で行かないお店に寄るなどのんびり過ごして久々の楽しい時間を過ごした。
妹を見送って家に戻りいつもの晩酌をしながら日常に戻ってゆく。適当な映画を選んで観ていたら、主人公のあまりの大根ぶりにストーリーが頭に入ってこなくなった。
風景や小物、脇役は素晴らしいのに主人公のこの大根ぶりはいかがなものかと投書したくなるほどの大根ぶり。ストレスなしで好きなように過ごした週末の締めくくりに落胆。
まあこんな夜もあるさと週末の戦利品に目を遣ると、あのひととおそろいのハンカチに釘付けになった。勢いで手に入れてしまったが、やっぱりいい。買ってよかった。
口直しに観た別の映画はおもしろくて、焼いたサバに大根おろしをたっぷりかけて食べてやった。

2021年6月4日金曜日

お疲れさま

ラン仲間の実家で合宿という名の食いだおれ旅。
主催者が晴れ男であるおかげで道中からくっきり富士山が出迎えてくれて、磯の匂いを吸い込んで海を眺めながら約20kmのLSDをキメた。
この旅のメインである夕食はものすごい迫力で、お刺身もアワビも伊勢海老も素晴らしかったが小鉢もすべて手が込んでいて、かぼちゃのポタージュやタコのぬたがおいしかった。
翌朝はまだ暗いうちから起きて軽くトレイルラン。まだ身体が起きておらずおなかの急降下が不安だったが、朝焼けの海岸やジャスミンの香る山の中を走るのは気持ちがよかった。海に浮かぶ岩場の洞窟やトンネルなどにときめいていたらこんなふたりに遭遇。
地元では有名人らしい。

ここ最近、夜ベランダで一服していると向かいのマンションのどこかから缶ビールを開ける音が聞こえてくる。
どこの誰だかしらないけれどお疲れさま、と乾杯する気分で飲む酒は実はもう3杯め。

2021年5月28日金曜日

こんなことって

実は先日、財布を落とした。
気付いたのは翌日で、酒で濁った頭と体をなんとか動かして前日立ちよった近所のお店に聞き込みに回るも成果はなし。そのまま近所の交番へ行って指定の用紙に必要事項を書き込んでいると、PCをいじっていたお巡りさんが、もしかしてY-3のお財布ですかと言うので、えっ!そそそそうですと応えると、そのお財布なら今朝本署へ届けましたと言う。まだ朝早いのでもう少ししてから行ってみてくださいと言われたが、即本署へ向かって歩き出した。
果たしてそこには愛しい私の財布があった。お金は抜き取られていたがその他の大切なもの(ぼっちゃんのひげの入ったお守りやフンド氏のお墓参りに必要なカードなど)は移動こそしていたが無事だった。
届けてくだすった方の連絡先を教えてもらってひとまず帰宅して、なぜか行かなくてもよい労働に行って働いた。
愛しのお財布を拾ってくれた方はとても変わった苗字だった。どうやってお礼の気持ちを伝えようか数日考えて結局ハガキにした。

学生時代の友だちから新茶を送るとの連絡があり、その日は早めに帰宅して一杯やっていたら新茶のことはすっかり忘れていた。呼び鈴が鳴って扉を開けたら、たまに来る宅急便の腰の低い若いお兄さんだった。伝票にサインをしていると、あの失礼ですが、数週間前にお財布を落とされませんでしたか、と言う。なぜそのことを?と思わず名札を見ると、果たしてそれはお財布を交番へ届けてくだすった方の変わった苗字であった。
あなたが、と言葉を失ってアホ面を隠せずにいると、ハガキありがとうございました、うれしくて大事にとってありますと言う。とんでもない、こちらこそ本当に感謝しています、大事なものが入っていたので、とコメツキバッタのように頭を下げた。
そうだったのか、あの腰の低い若いお兄さんがとうれしくなって、財布を落としたことを話したふたりのうちのひとりの妹に迷惑電話をしてから友だちからの宅急便を開けると、新茶の隣にガーベラが3本入っていた。造花ではなく生花。友だちの住むまちはガーベラの生産量日本一なのだそう。茎は水を入れた風船に入れて輪ゴムでしっかり巻いてありみずみずしかった。
あわててコップに挿したガーベラを眺めながら、ぼんやり啜った焼酎はもう何杯め?

2021年5月25日火曜日

あれから何度めの

離れていてもリアルタイムでナマで同じイベントを見て大騒ぎできるのがコロナ禍で唯一のよいところ。週末の夜はRHYMESTERのMTVアンプラグド発売記念の配信打ち上げであった。
幼なじみに送ってもらった赤豆でチリコンカンを作って酒は控えめにして時間を待つ。缶ビールは酒ではないが2本にしておいた。
始まってからは狂喜乱舞、冒頭の正真正銘アンプラグドの「ザ・サウナ」に白ワインと間違えて買った赤ワインで酔いが回ってわけがわからなくなった。ベースの彼がカッコよかった。
オンラインのイベントは終わると急にさみしくなるもの。〆に幼なじみと互いにYouTubeでライブを観ておやすみなさい。幼なじみは「サマーアンセム」私は「The R」、あなたは右に私は左に、振り向いても負けじゃない。
翌日はひとりLSDを30kmキメてくたくた、その翌日は友だちと25kmのLSDをキメたおかげで前後左右不覚で、平日の夜に改めて配信打ち上げをじっと見た。途中じんとくることが何度もあり、やはりライブが観たくなったのでYouTubeでライブを観ていたら身体がむずむずしてきてまたもやお弁当のおかずをつくり始めた。
歌って躍りながら炒めものなぞしていたら「マクガフィン」になったので手を止めてモニタをじっと見ていると、何度も観ているのに同じところでぐっときて滅多に言わないひとりごとが出た。
「か、かっこいい」
これで興奮が止まらなくなり、あの夜の赤ワインを飲んでおかずも一品多くつくってしまった。
白とら
だから早く寝なさいよ!

2021年5月18日火曜日

虹を見たかい

ラジオで大相撲中継を聞きながら、御嶽海の変化に座布団を投げそうになったり豊昇龍の2日連続大関撃破に興奮したりした帰り道。
立ち止まり何かを見ている人たちに気付いて空を見上げると、虹が出ていた。
ビルをはさんで見える見事な大きい虹。ゆっくり歩きながら眺めていると新大橋で全体像が見えた。しかもダブルレインボー。くっきり7色見えた。
こんなに長く虹を見たのは、いつぞやの初めてのトレイルランの大会の帰り道以来。友だちの運転でみんなで虹のたもとを見に行ったのであった。
ざりがに
こういうのって写真に撮らずに目に焼き付けるんだってあの人いつも言うよね

かっぱ
でも結局撮ったんでしょう

まっくん
センスがないからやっぱりうまく撮れなかったらしいよ

パンダ
ところであなた誰なの

まっくんとは私の田舎の近くのまちのキャラクターで松ぼっくりのまっくんらしいのだが地元の友だちは誰も知らない。帰省して見つけるたびにうれしくなるのだけどなぁ。

2021年5月17日月曜日

夜更けのうわさ話

手のひらにマメまでつくって本棚を完成させた。
この機会に絵本は絵本、食べものは食べものに、読み返しそうなものはそれなりにまとめることができた。もう読まないけれど面白かったものは友だちへ送った。部屋は少しだけ広くなった。
椅子にふんぞり返ってTVの位置を確かめて満足するもこの夜は見たいものがなく、お弁当のおかずをつくり始める。
めざし
またあんなにつくっちゃって。

ひよこ
あーあ、ホタテに指はさまれて悶絶してるし。

すずめ
もうじゅうぶんつくったのに今度は鶏のささみを見て腕を組んでいるよ。

小鳥たち
デリカシーのない人!
パンダ
まだ私たちの仲間が段ボール箱の中にたくさんいるのに結局今夜も出さないのね。

かっぱ
仲のよかった小鳥の水笛も象の爪切りも、もう3年以上段ボールの中だよ。

ダニエル・クレイグ
私なんて顔が好みだっていうだけでこんな鼻炎薬の隣なんかに飾られているんだよ。
「007」も観たことないくせに。

2021年5月15日土曜日

土曜日の気分

遠くのヘリコプターの音はのどかな休日の象徴だ。
ラストにその音を聞きながら「家族ゲーム」を観終わったのは金曜日の深夜だった。
土曜日の始まりだ。
洗濯物とふとんを干して、音楽をシャッフルしたら懐かしい「Saturday in tha park」が始まった。この曲を聴くと休日に実家の四畳半の隙間に挟まって小さな窓からぼんやり空を見ていたことを思い出す。
そうだ、久しぶりにフラットホワイトを飲もう、と家を出たがいつものお店を通りかかって唐突にカレーライス。
この日は今までになく美味しい切り干し大根の煮物をつけてくれた。カレーライスは土曜日らしく最後の最後のカレーの様子でそれもよかった。
食後にフラットホワイトを求めてコーヒー屋さんにようやく到着。
またもやマラソン話に花を咲かせてぶらぶら帰宅する途中で、暖かくなるとリード付きで玄関から出てくる三毛猫に再会して思う存分撫でくりまわす。隣の犬が通っても道のど真ん中から動かない三毛猫は可憐で毛並みがよい。

この日は相撲のパイセンと大相撲観戦。着替えていそいそ出かけると、とんかつ屋さんの前で貴闘力に遭遇。そういえば王鵬は今場所どんな感じだったかなと考えながら国技館へ向かう。

取組はあっという間で、伊勢ヶ浜親方をじっと見つめたり幕内土俵入りで豊昇龍と若隆景が並んでいる姿に見とれたり血まみれの剣翔に驚いたり応援タオルをとっかえひっかえしているうちにもう御嶽海が控えに出てきた。途中、自分の応援している関取たちがどうやら北勝富士以外全員負けていることに気付いて照ノ富士だけは験担ぎにタオルなしで応援しようと思ったが、照ノ富士だもん大丈夫だよとパイセンが言うので思いきってタオルを広げた。結果危なげなく勝ってホッとしたのもつかの間、結びの霧馬山は負けた。
緊急事態宣言下でヤミ営業をしているお店のない両国で、それでもなにか食事でもとノンアルコールビールでパイセンと乾杯。杯を重ねるうちにノンアルコールでも次第に酔った気になってきた。
自宅で二次会を始めたらもう深夜で、完璧な土曜日が名残惜しくて深酒をキメたのはいうまでもない。