2020年7月2日木曜日

君の名前で僕を呼んで

北イタリアの乾いた景色やプール、おいしそうなアプリコットに、過ごしたこともないステキな夏を懐かしく思い出した。永遠に続くと思われたあの夏。ビタイチ過ごしてませんけど。
主人公エリオのパパがなんともチャーミングでいいなぁと思っていたら終盤の彼の言葉で涙がこぼれた。やさしく説得力のある愛ある視線と言葉。そしてラストの、暖炉の炎を見つめるエリオの表情にも涙がじわり。

涙を拭ってCKBの「Ivory」を聴きながら、せつない夏だったなぁとしみじみ。梅雨も明けてないし夏らしい日を過ごしてもいないのに。
いろいろな余韻に浸りながらPCを背に唐突にほうれん草をゆで始める。次は「夜のビブラート」のライブ(feat.RHYMESTER!)、そしてほうれん草を夜のスパゲッティのお店のドレッシングで和えていると始まった「マクガフィン」で画面に釘付け。ふたつも感動したあとにでも鳥肌が立つ自分に、もう復活か、とオリバーの声が聞こえた気がしたがそれは全然意味が違うぜ。

2020年7月1日水曜日

夏はイヤだよ イヤだよ夏は

ラン友に誘われて、何ヵ月ぶりかの日比谷ライド、そしてみんなで街ランへ。
全員お久しぶりねで、会えてうれしいのに名前が出てこない。
街ランなのに苦しくてたまらなかったのは肥えたせい。コーチに太ったなぁ、とズバリ言われて返す言葉もなし。
汗を流して、日比谷の路上でみんなと飲んですっきり帰ってきた翌日は、ダイエットのためにつつましく帰る途中で飲み友だちに誘われて「おいてけ堀」。
いつの間にか3人か4人で飲む間柄になったこの不思議なグループだが、この日は珍しくサシ飲み。翌日の博多出張で夜はうなぎを予定しているその友だちはそれはもう嬉しそうだった。強い風の吹きこむ店内はあまり見ない顔ばかりだった珍しい夜。

先日届いたCKBの新譜がとてもよくて、この夏はこれをヘビロテすることに決めた。
(残念ながら『両国のひと』ではない)
この曲にぴったりの出来事があれば文句なしだが、夏は暑いのでむつかしいことを考えたくない。そもそもなにかが起こるとも思えないし起きなくてよい。目下の関心事は、朝ソバをキメるタイミングがいつ来るかだ。

2020年6月29日月曜日

冷たい女

毎度ダメな週末ではいけないと、一念発起してあれこれ用足しした上にちょびっとジョグ。ただずっと行こうと思っていた展示だけはおケツが重くて行けなかったので雨降りの翌日に持ち越し。雨降りの方が気分が出るのは雨女たる所以か。
てくてく歩いて銀座の小さなギャラリーに到着して入館前に体温測定をしてもらうと、何度測っても34℃。体温いつも低いですか、とスタッフに訊かれたがそんなわけはない。5回ほど測るも結果は変わらず。高いよりいいですから、と無罪放免になり民芸品とヒバの香りでいっぱいの展示をゆっくり観た。それから弾みがついて日本橋の美術館で3つのナゾの作品群を観て(体温は36.5℃だった)なんともいえない気分をどうにかするために神保町などパトロール。
夜は飲み友だちのバイトしているお店に登場。とんでもなく美味しいお料理をとんでもなく濃い焼酎の水割りでいただく。たちまち酔いがまわり、美味しかった希少な魚・石投の名前を忘れそうになったのでお品書きをカメラに収めた。
帰宅後、ベランダのくちなしは新しいつぼみが開いていい香り。両親から届いた野菜も濃くていい匂い。いい気分で体重計に乗ると、体温が低すぎたとは思えないほど体重が増量していてがっくりうなだれた。

2020年6月27日土曜日

みんなが笑ってる

月に一度のお楽しみのRHYMESTER配信飲みーティング。
同じ日がやはり月に一度だったチーズ会社のセール再開の日でもあり、ここで飲みーティングのお供を入手しようと思い付いた。途中、毎朝気になっていた「真夜中のスパゲッティ」のお店も覗いてみようかとも思ったが、ひと足お先にチーズ会社へ行った友だちからの浮き足たつメッセージに気持ちが前のめりになり寄らずに早歩き。
セール会場は川のほど近くの小さなスペースで毎回違うものが並んでいる。いろんな種類のチーズはもちろんサラミや生ハム、ワインやオリーブオイルなど見ごたえがあり、残りわずかなタパスや唐辛子のペースト、このチーズもドライフルーツもいくか、と次々に手にしてお勘定。今日は贅沢するんだぜ、とかばんの中の財布を探す。こうしている間にも後ろにはお勘定を待つお客さんの列が出来ており店員さんも汗を拭いながら計算機を叩いたりチーズの説明をしたりと大忙しだ。

財布が見当たらない。
まさかそんな、と改めてかばんの中を漁るもやはり財布はなかった。ゆっくりでいいですよ、と言ってくれた店員さんに、ごめんなさい、お財布忘れたみたいです、と平謝りに謝りあわてて会場を後にした。
これで今宵の飲みーティングのための、いつもよりちょっといいチーズやタパスやワインが消えた。ひと足お先にセールを楽しんだ友だちに事の顛末を伝えると、サザエさんか?と返信。

帰宅すると、果たしてそこには我が財布が転がっていた。今からセール会場に戻るには疲れすぎており、結局いつものお店でいつものようなものを買いそろえた。

楽しみにしていた飲みーティングが始まり、友だちとメッセージをやりとりしながら夜は更けていった。頭の片隅には逃したチーズやタパスがずっとこびりついていた。

2020年6月25日木曜日

旅に出ました

銀座の裏路地に捨てられていた地方紙がとても気になり、旅に出たくなった。しかしこのご時世、東京からの客人なぞ嫌がられることだろう。
そんなとき少しだけ旅気分にひたることのできる場所、それは各地のアンテナショップ。
先ずは長崎県へいそいだ。
島の多い長崎県のパンフレットは聞いたことのない地名も多いが、行ったこともこれから行く予定もない場所のパンフレットでもひとまずいただく。移住しませんか、の文字に引き寄せられてそんなパンフレットも手に取る。今から知らない場所へ移住か、仕事を探してよさそうな飲み屋さんをみつけてそれから、と妄想はふくらむ。(運転免許がない時点で可能性薄)続いて店内の五島うどんやちゃんぽんを見て長崎港や中華街に想いを馳せる。

さあ、次は福島県へ行こう。
このところ毎週のように乗りものを予約しては取り消している。長崎よりはるかに近いのだからさっさと行けばいいのに、いつも他の予定を失念していたり日付を間違えていたり。そんなときはアンテナショップでパンフレットを集めて気持ちを高めるのがいちばん。旅のパンフレットをじっくりながめるには「おいてけ堀」でなければ気分が出ない、というのをいいわけにしてダイエットで減酒生活に入っているのに「おいてけ堀」へ向かう。かばんの中には長崎県・福島県各地のパンフレットに「私の若草物語」「パラサイト」の映画パンフレット、そして決意のヘルスメーターが入っており肩がもげそうだ。
飲み屋さんへ来たのは久しぶりだなぁ、と思ったが数えてみたらたったの4日ぶりだった。こらえ性のないやつめ、と穴子を味わう。たった4日ぶりだが早くも酔いがまわってきた。美人女将が、ねぎ炒めはそろそろねぎが固くなってきたからやめました、と声をかけてくれた。今年はねぎの季節が長かった気がするが、いよいよ夏だ。

2020年6月24日水曜日

映画な日々

観ていた映画が自分でも気づかないほど退屈だったようで、こっくりこっくり船を漕ぎながらようやくエンドロール。
イタリアの美しい景色やド派手な映像をたのしみにしていたが、印象に残ったのはスタイルも顔もすばらしいラテン系美女たちと20歳の大学生の彼女。あと子ヤギ。
この映画についてラジオで紹介した方の話がおもしろかったので観たのだが、実際に鑑賞すると事実は小説より奇なりという言葉がしっくりきた。これが現実にあったことの断片とは。
事実は映画より奇なり。でも豪邸もパーティもあまり楽しそうじゃなかった。

ずっと観たかった映画をいつ観にいこうかと思いながらうっかり予約。まあこういうのは勢いが大事だし、と詳細を見たら翌日の予約のはずが今日だった。しかも日本橋の映画館を予約したつもりが日比谷だった。
最近、いや以前からこんなうっかりミスが多いが大丈夫だろうか自分。

観たかった・観た映画は「ストーリーオブマイライフ・私の若草物語」。絵本の「若草物語」が好きだったのは食べものの絵が美味しそうだったからという理由だが、丸腰で臨んだこの映画はもうすべてがよくて、食べものよりもドレスや髪、家や景色、そして登場人物が素敵だった。マスクはびちょびちょになった。

帰りの電車でパンフレットを読みたいと強く思い、なぜか「パラサイト」のパンフレットまで入手して思った以上の楽しい帰り道であった。


2020年6月22日月曜日

雨にうたれて

週末は日帰りの旅に出よう、急に思い立って往復の乗り物を仮予約。
しかし現地での当日中の移動がどうにも不可能であることに直後に気付いて泣く泣くキャンセルしたその晩はまたもや深酒。つかの間の旅のときめきは消えうせたが、観たい映画と観たい絵がある。どちらに行こうかな、その前に久しぶりに走ろうかな、とわくわくしながらも何もしなかった二日酔いの休日。開き直って引きこもることにして早々におやすみなさい。

翌朝はまだ薄暗いうちに目が覚めたので、思いきって以前から行きたかった朝市へ出発。小雨がぱらついているのも気分よ気分、と傘を差して海のまちへ。
朝市は離れた3ヶ所で行われるとのことで、こぢんまりした岬の1ヶ所めをパトロールしたのちにしばらく歩いてバスを待つ。雨脚はだんだん強まりどしゃ降りになった。傘の柄をしっかり握りしめながら、どしゃ降りの早朝からよく知らない場所でいったいなにをしているのだろう、という考えが一瞬頭をよぎった。いけない。
2ヶ所めに着いたころには滝のような雨。当然朝市などやっておらず、なのにまだ3か所めを目指そうとする自分にストップをかけて海岸を目指す。
以前このあたりで入手したコーヒーがとてもおいしかったことを思い出して歩を進めるも店はまだ開いていない。時刻は午前9時前。当然だ。
買いものたくさんしちゃったらどうしよう、といくつも持ってきたエコバッグのせいで肩が痛い。海岸を歩くことはわかっていたのに白いスニーカーを履いてきたのもばかばかしい。
海には釣りに興じたりボートに乗ったり磯遊びをする多くの人たち。雲の切れ間からは青空が見えてきた。ぼさぼさ頭のカラスが波打ち際で遊んでいる。朝市への色気がまた出てきたが、ここはおとなしく帰ろう。


部屋を整理していたら出てきたという一升瓶の泡盛をくれた友だちから、今度は会津の古酒の一升瓶が出てきたよ、いるよね?との連絡があり待ち合わせ場所へ向かう。しかし一升瓶が何本も隠れている家とはいったいどんな家なのだろう。
先日もばったり会って少し立ち話をしたが、この日は横断歩道の信号の色が何回変わったかわからないくらい長いこと立ち話。その後もらった一升瓶をかついで歩いていたら、近所の友だちにばったり。少し締まった印象なのでそう伝えると、毎日5Km走っているとのこと。この日話した友だちふたりはまったく別のルートで知り合ったラン友だが、ふたりともスリム体型であることから、人生初のダイエットに挑戦してみる気になった。

ダイエットには禁酒だ。でもゆるやかに始めようとおつまみ少なめ、お酒は薄めで始めた昔のドラマ鑑賞がつらくてつらくて、飲まなきゃやってられないと禁断の古酒にも手を出してしまったダイエット初日の夜。
本気出すのは明日からだ。