2019年12月4日水曜日

初めての沖縄 NAHAマラソン

昼間で、酒も飲んでいないのに自分がいる場所が曖昧になる。
初めての沖縄の旅でそんな経験をしたのは、沖縄出身の友だちのおかげ。
NAHAマラソンは、それはもう完璧を越えた最高ですばらしい大会だった。

暑い中途切れることなくずっと続く私設エイドでチューチューを8本はいただき、みかんやパイナップル、マンゴーにレモン、さんぴん茶にコーラに沖縄そば、牛丼に魚汁、他にもたくさんいただき、何度もエアサロンパスをかけてもらい、東京にいるときは特に何も感じなかった安室奈美恵の歌声にここでは胸が熱くなり、絶妙な場所でかかった「YMCA」にブチあがり、微妙な歌声の「鉄腕アトム」には笑いをこらえ、コースを少し外れてひめゆりの塔で手を合わせたら胸がいっぱいになり、かわいい犬が多すぎて忙しく色目を使い、きれいな海やさとうきび畑や家々に見入り、少子化とは?と首を傾げるほど大勢の子どもたちの力いっぱいの応援にゴール後涙をこぼした。来年もここに来る!と走っている最中に思ったのは初めてだった。

沖縄出身の友だち姉妹やその友だちなどが陣取っていた場所でのゴール後の宴。
地元の人たちはゴール後みんなこうやって宴会するんだよ、といきなり来た私も宴席に加えてもらって、初めて・一年ぶり・ウン年ぶりに走ったNAHAマラソンの感想を話しながら地元のごちそうとよく冷えたビールをいただく。
そういえばゴール後に預けていた荷物を受け取っていると、あのぅ以前会津若松の大会に出ていましたよね、と声をかけられた。振り向くと、帰りのバスでご一緒したんですけど覚えてますか、と言われて記憶がよみがえってきた。一昨年のことだった。
よく覚えてましたね、と言うと横顔に見覚えがあったから、とその人は笑った。


とにかく楽しいばかりだったNAHAマラソンは終わったが、感動したのはそれだけではなかった。

2019年11月29日金曜日

ひさしぶりのマジックアワー

完璧に晴れの予報の朝、気合いを入れて早朝ジョグへ。
寝起きで寒さがよくわからないまま万年橋から隅田川テラスへ下りると欄干にサギたち。
大きめのシラサギと、あとはゴイサギかなと思ったが後で図鑑で調べてみたら、当たりであった。
桜並木にさしかかると、何をするでもなくおじいさんがベンチに座っている。おじいさんの視線の先にはマジックアワー。よい場所を知っているんだなぁと畏怖の念を抱いた。
夜が明けて行きかう人が増えてきたので、iPodのイヤホンを装着、走りながら聴きたかった曲をスタート。何度も何度も聴いている「マクガフィン」はコーラスが妙に小さく聞こえたが、それは家で歌っているときの自分のコーラスが大きいからだと気づいた。


会社で食べる朝食を用意したのに、足が自然に早朝ソバへ。
鼻水をすすりながら気持ちよく徒歩出勤、といきたいところだったが時間がなかったため空港へ行くバスのターミナルを横目に東京駅まで歩く。

ところで
懸念だった来年の手帳が完成した。
飲みに行くとき季節の魚を確認するために、季節ごとの魚を配置。
表紙は春夏の魚と、昔働いていた生活選手のタグを拝借。
裏表紙は秋冬の魚と、義兄のお店で大量入手していた音符のアップリケ。
月ごとに、色味が好きなむかしむかしの料理本の写真を拝借。


これで心置きなく旅に出ることができる。
飛行機に乗るのはかなり久しぶり。
はとエアラインにはしょっちゅう乗っているから、いろいろは鍛えられている。

2019年11月26日火曜日

雨の土曜日

思い立って美容院へ。
もう25年以上のお付き合いになる、少し離れた場所のお店。
こちらのオーナーは「サロン・ド・こけし」のマダムとは異なり、おとなしそうな見た目なのにはっきりした人で、その腕前はもちろん、個人的にも信頼している。
今までもなにかと相談したことはあったけれど、そのとき困っていたことを話のついでに相談したら、あれよあれよと解決に導いてくれた。
話に夢中になっているうちにヘアスタイルもきれいに整えてくれて、うれしい気持ちで大雨の中、初めて行く場所へ向かった。
それは年に一度、コーヒー屋さんでの秋の収穫祭でご一緒するアーティストの個展を行っているべつのコーヒー屋さん。
急に連絡したので用事があるとのことで彼女には会えなかった。でもいいのいいの、作品が見れたらいいんです。
お店に入る前にぐるっとまわりを歩くと、外から見える場所に2枚の油絵。彼女の作品だ、と傘をさしたまま見入る。
お店に入って中を見まわすと、カウンター上部の壁に描かれたチョークアートも彼女の手によるものくさい。なるほど、外の作品とこの絵が個展ということなのか。

シックな店内をきょろきょろ、うろうろしていると、○○ちゃんのお友だちのマッチ作家さんですか?とお店の方に声をかけられた。は、はい、と消え入りそうな声で答えると、赤毛のおかっぱのマッチ作家さんが来るから、とだけ彼女から聞いていたので、とお店の方は笑った。そういえばお互い名前を知らなかった。
おいしいコーヒーをいただきながらのんびり過ごし、お勘定をする段になって、奥の扉の向こうにギャラリーを発見。あやうく彼女の作品すべてを見ずに帰るところだった。

キャンバスだけでなく段ボールや茶紙にも描かれた彼女の絵は、たまに会うときに見かけるいたずら描きのようなスケッチを思い出させた。絵にはその人が出るんだなぁ。自由で元気がみなぎる絵を見て、ここへ来てよかったと思った。

このお店のブレンドに横綱ブレンドというのがあったので(稀勢の里の故郷だからだろう)それをおみやげにして次に向かうは明日一緒にマラソン大会を走る姪の待つ家。
「はとエアライン」でピュッと行きたいところだったが、雨の日は運休なんです。
荷物を少なめにして、お気に入りのレインコートとブーツ、傘で歩きましょう。

ONCE AGAINをONCE AGAIN

リキッドルームといえば新宿だったが、今は恵比寿。
香月といえば恵比寿だったが、今は六本木。
47都道府県ツアー39箇所めの東京公演で宇多丸さんがそう言ってDさんから古いよ、いつの話だよ、と言われていたが実は私もまったく古かった。
以前は職場も家も恵比寿でリキッドルームは新宿だったし、香月は仕事で遅くなったときに先輩とよく行ったものだ。この日はRHYMESTERが東京へライブしにやってきた(帰ってきた)ので、午前中姪っ子とマラソン大会で走ったあとに急いで向かった。
今回は東京ということもあり、歓声がいつもよりものすごく大きかった。
1曲めからKOHEI JAPANが出てきたときは驚いたが、この日は怒濤の豪華ゲストで特にもう、ジブさんやキエるマキュウが出てきたときには興奮のるつぼ。私的にはBOY KENが出てきた「隣の芝生にホールインワン」がたまらなかった。リリックはアレだけど、あの声が忘れられない。

汗を滝のように流し、涙をボタボタ流し、体感時間20分ほどで夢のような時間は終わった。追い出しの「マクガフィン」は自然に口ずさめるほど覚えた。

帰宅後、今までにない疲れを感じて、でも興奮で眠れず、ワインに口をつけては部屋をうろうろ。
どんなに楽しいことが続いても、こんなことはなかった。
翌日は大寝坊、仕事はなんとか終えたが心ここにあらず。
帰りに飲みに寄った「おいてけ掘」でようやく正気を取り戻した。

2019年11月22日金曜日

よふかしして早起きもする

二日酔いの友だちと待ち合わせして、またも早朝ソバ。お店こそ違うが3日連続。
まったく俺って、そばとか、そばとか、好きだよなぁ・・・と、新さんのように背景に波を背負って小雨の中を歩く。
注文を受けてから手際よく揚げるごぼ天と茹でたてのおそば、そしてやさしい味のおつゆはおいしい。二日酔いの友だちはかけそばをありがたい、と完食。

友だちと別れて、寄り道しながらのんびり徒歩出勤。
早朝、好きなおそば屋さんに寄るとやる気がみなぎる。

歩きながら、先日の「アフター6ジャンクション」の、タイのダンスミュージック・サイヨー特集をタイムフリーで聞く。サイヨーは腰を落として膝を入れ、とにかく低く低く踊るのがクールらしいが、細かいことはいいから楽しもう!という音楽が、みなぎる朝にふさわしくてタイのDJがプチャヘンザッと言うたび手を上げそうになる。
今週は早朝によく活動した。
これからますます寒さが強まるが、夜明けが遅くなればマジックアワーの時間に立ち会える可能性大だし、早朝営業のお店を新しく発見したり散歩中のかわいこちゃん(犬)たちとも顔見知りになれるかもしれないので、できるだけ早起きをこころがけよう。
お酒はひかえめにな。

2019年11月20日水曜日

あわてんなメーン

魚が食べたくて「ニューねこ正」へ参上。
特等席も空いておりホッとして腰を下ろすと、晩秋から初冬のメニューに変わっており
お刺身も焼き魚も牡蠣もベストメンバーがそろってた。
牡蠣は昨夜もいただいたけれどここのフライは外せないしあじフライもいいし、などと唸っていると美人女将がこっそり合い盛りにしてくれた。それからかぼすブリの刺身とたまたま入手できたというこの時期にはめずらしいスナップえんどう。先日食べそこねたさんまもおいしそうだったが満腹で断念。
美人女将に先日行った銚子の話などをしながらすっかり温まっていたら、二階からなにやら言い争う男女が下りてきた。
そういえば、お勘定のときに持ち合わせの足りなかった(らしい)男に女が怒り出し、男と扉(鉄製)を蹴るのをこのお店で見たことがある。先の男女がそれで言い争っていたかどうかは不明だが、なぜかバツが悪くなり隠れて女将と笑った。

お勘定で言い争った経験はないが、危うく食い逃げ犯になるところだったことが三度ある。
あるときはフンド氏が持ち合わせが少ないと言うので私がお勘定を、と思ったら財布を家に忘れていた。このときはフンド氏を人質にして財布を取りに家へ走った。
またあるときも、ソロで飲っていてお勘定をお願いしようとしたら財布を家に忘れたことに気付き、金目のものは持っていなかったので携帯電話をモノ質にして全力で家へ走った。息を切らしてお店に戻ると大将がおかえり、と一杯ついでくれた。
またあるときには、妹一家とさんざん食べて飲んでごちそうさま、と品よく店を出たところで大将から名前を呼ばれて振り向くと、大将の気まずそうな表情から支払いをビタイチしていなかったことに気付いた。

今後はこのようなことがないようにしたい。

2019年11月19日火曜日

寝坊する夢を5回も見た朝

まだ暗い雨上がりの朝6時前、寝坊する夢を5回も見たのちに待ち合わせ場所へ走る。
先日初対面の人を交えた三人で大酒を飲んだ際に、週イチで朝ランしようよ、ということになったのだ。
通りがかった早朝開店のお蕎麦屋さんは早くもにぎわっていた。
マジックアワーが終わった頃、ねぼけまなこの三人は曇り空を軽く走り出した。
こんな早い時間に誰かと喋りながら走るのは初めてで愉しい。距離は短めでも気持ちよく走り終え、出勤の支度をして早朝ソバへ急ぐ。早朝ジョグをしたら早朝ソバへ行くとカラダが覚えてしまったようだ。
ひっきりなしにお客さんが入れ替わるこの早朝ソバ屋さんだが、せわしない空気はまるでない。
常連とおぼしきおじさんがやってきて、ねぎたくさんね!と言って背広のポケットからパックの納豆を取り出した。
このおじさんはこれからなにを食べるのだろうとソバを啜りながら注目していると、あと歯が痛くなるくらい冷たいソバちょうだい、とおじさんは納豆をかきまぜ始めた。なんでもないふうにおばさんがハイよ、と差し出したソバにうれしそうに納豆とねぎをぶちこむおじさん。なるほど、持ち込みカスタムか。

そんなに抱えてないで、置いてゆっくり食べたらどう?不意におばさんに声をかけられてわが身を見ると、バッグをななめ掛けにして大判のストールを脇に抱え左腕にはお弁当を入れたトートをかけたまま、どんぶりを抱えていた。
たしかに、このゆったりしたお蕎麦屋さんでこの格好はないよな、と自分のせっかちさを反省して、残りのソバはゆっくりいただいた。

ごちそうさん、と出てゆくお客さんに、いってらっしゃいと言ってくれるのもこのお店の好きなところだけれど、よく見ているとお疲れさま、と言っていることもある。夜勤明けにここで朝食をとる人を覚えているんだなぁ、とますますこのお店が好きになった。

お蕎麦屋さんを出てこの日は別ルートを歩いた。周りはみなコートの前をかきあわせたりマフラーを巻いたりしているのに、ひとり汗を拭き拭きセーター一丁で大股で歩く。
BGMをシャッフルに任せたら梅田サイファーの「マジでハイ」が始まった。ソバのせいではない新しい汗が生まれて、歩く速度はますます上がった。