2019年12月13日金曜日

ブラック社員のつぶやき

カットのお仕事をいただいている方とオリジナル日傘の制作をしている奥さまと、以前連れていってもらったお気に入りのお店で一杯。
初めてお邪魔したときから落ち着くお店だったけれど、初めての三人飲みでも肩の力が抜けるいいお店。とてもいいご夫婦で、楽しいお話しをいっぱい聞くことができて、昔のことも思い出して、まったくいいお酒だった。(ごちそうになってしまった!)


ときに
中途採用で入社した人が隣の席に来た。
長いこと空席だった隣の席に人がいるというのは妙なもので、普段のびのびとやっていたことができなくなった。

仕事ではない内職的なこと、早弁、朝寝に昼寝、見逃したTVや聞き逃したラジオを見たり聞いたりすること等々。すべて労働中にしてはいけないことばかりではないか。今までまじめにやってきたと自負していたが、とんだブラック社員だ。
しかしこれらが日常だったために、ここ数日は労働が捗りすぎてストレスがたまってきた。今後これでやっていけるのだろうか自分。
かっぱ:
今までやってこれたのが奇跡だよ

うさぎ:
どうしようもない中年だよ

2019年12月10日火曜日

合法的な酩酊

遊びすぎてフトコロが寒い夜。
冷たい風に吹かれて通りがかった「ニューねこ正」。品書きをうらめしく見ると、しめ鯖の文字が輝いていた。呼ばれている!と迷わず暖簾をくぐった。
美人女将の目の前の席を陣取り、ますます選択肢が増えたメニューをウキウキ眺めると、しめ鯖おいしいよ、と美人女将。それ食べるつもりで来ました、と食い気味で答えると、ふぐのから揚げもあるよ、というのでそれもください!と元気よく答えた。

注文の入った焼鳥を女将が炭火の上に置くのを見て気づいた。月命日のおみやをフンド氏に持っていくのを忘れていた。

この日のしめ鯖はやっぱり大当たり。わさびはたっぷりつけた方がおいしいが、そういえば新さんはカラシで食べていた。しめまくったしめ鯖で今度試してみよう。
ほどほどに飲んで食べて、来年の手帳も自慢して、さあそろそろと腰を上げかけたら友だちがやってきた。
これは帰るわけにはいかない、と頼まれてもいないのにお銚子もう一本。
気になっていたことなど話しながら、こりゃ酔ってきたな、と思ったのでお先に失礼しようと立ち上がると、お勘定を済ませた男性と目が合った。
「おいてけ堀」でたまに会うスリムランナー青年であった。
ここでも会うなんて、とうれしくて青年をつかまえて那覇マラソンに出た話をムリヤリ聞かせる。彼は過去に那覇マラソンに数回出ているので、酔っぱらいは差し引いてもこの興奮はわかってくれたに違いない。

あとで訊いたら、彼もかなり以前から「ニューねこ正」に通っているとのこと。
何度か隣り合っていたかもしれないね、と驚く。かなりいい趣味をしているとみた。
フンド氏に手羽先のおみやをあげて、DVDを観て踊りながら弁当のおかず作りを始める。
しかしフトコロはさみしいし冷蔵庫もさみしい。
と思ったら、幼なじみにもらった伊勢みやげと先日友だちの家に遊びに行ったときに持たせてもらったお料理があった。おかずをつくっては飲み、つまんでは飲み、合間に歌って踊ってやっぱり酩酊。

2019年12月9日月曜日

罠だもん

松本でのRHYMESTERライブに付き合ってくれただけでなく、同伴(同伴?!)もアフターもキメッキメにキメてくれた幼なじみ。彼女はU2のチケットを探していた。それなのに、なぜかRHYMESTERの名古屋公演の情報を発見してそれを私に持ちかけた。

RHYMESTERのライブなら行きたいに決まってる。けど、名古屋か・・・名古屋、と悩んだのは10秒ほど。名古屋は鬼門だけれど幼なじみが一緒なら楽しいに違いない。アルバム発売ツアーでないワンマンライブがライブハウスで見れるチャンスはもう残っていない。3回も行ったけれど、金欠だけれど、行きたいので行くことにした。
その前々日は
初めて観るCreepy Nutsのワンマン。
なんといってもDJ松永の世界一のDJプレイをナマで観て聴くことができたのがうれしかった。カッコよかったなぁ。R指定の聖徳太子フリースタイルもやっぱりすごかった。

寒さが一層厳しい新木場帰り、酒場で温まりたくて「ちゃんこ えびすこ」に登場。
遅い時間だったので人気席も空いていた。
温奴と熱燗ですっかり温まっていると、おひさしぶりねのプロ雀士。思わずもう一杯飲ってしまったのは当然のこと。

一日置いた翌日に、因縁の地・名古屋へ向けて出発。
先日も乗り換えがてら通った名駅だが、地下鉄に乗る段になるとあのほこりっぽい守口漬の匂いがよみがえる。意を決して地下へ向かうも、さすがに30年近く経っているために面影はなくなっていた。幼なじみと一緒なので余計にホッとした。

名古屋は暖かくて喉が渇いた。お寺の境内にあるお店で、ビール片手にライブ前に気炎を吐く。おでんにどて煮で地酒も。
さあ、これから本腰入れて、という頃に時間切れ。心のこりだったが、ライブ前はこれくらいがよかろう。

ツアーをここまで追いかけまわすのはうまれて初めてで自分でも怖くなるが好きなんだから仕方ない。これで4ヶ所めになるが、セットリストが毎回違うことを除いても、何度見てもいつ見てもKING OF STAGEは毎回最高でナンバー1なのでやめられない。
初めてナマで聴いた「よけいなお世話だバカヤロウ」でブチ上がり、「The Choice is yours」では初めてチッタで聴いたとき弱っていたものだから正面から食らって呆然としたことを思い出した。「ONCE AGAIN」は何度聴いてもいいし「ラストヴァ―ス」は聴くたびに切なくなるがDさんと宇多さんに指さされて(中学生か!)卒倒寸前であった。

体感時間20分ほどでライブは終わってしまい、「マクガフィン」に追い出されながら〽がって~んと上機嫌でライブハウスを後にする。この曲、ナマで聴いたら立っていられないね!と大興奮。しかしあの人たちなんであんなにカッコいいの、ともう何度もしている話を繰り返して怒り、ほんのちょっと時間があったので1杯だけビールを飲んであっという間によいお年を。

帰りの新幹線でふと見ると、ふたつ前の席にスキンヘッドの男性。
宇多さんがライブ後にこだまに乗っているわけはないけれど、いやもしかして・・・と緊張が高まる。絶対違う、違うはずだけれど、万が一ってこともある。どうしよう。幼なじみに連絡しようか、いやテキはきっと今ごろバスの中で爆睡しているはずだし、などと逡巡しているうちに睡魔に襲われて、気付くと新横浜。慌てて前を見ると彼はもういなかった。

2019年12月5日木曜日

あれは、夢?

那覇に到着した日に友だちのお姉さんに連れていってもらった沖縄そばのお店がおいしくて忘れられず、翌朝はひとりバスに乗って本店を目指した。那覇でも朝ソバ。
独特のつくりの家々や玄関先のシーサー、石敢當や珍しい花などを眺めながら相当歩いて港に到着。ここで道を間違えたことに気付いて踵を返し歩を早めた。前日のフルマラソンで筋肉痛だったはずだが、これから食べるおそばのことを考えたらまったく気にならず。
(土俵そばもいいけど沖縄にいたら、ねぇ)
目当てのお店は開店前だったにも関わらず、どうぞと言われておそばにありつくことができた。
苦手なはずの角煮も三枚肉も不思議においしくて、つゆまで飲み干して大満足。だったのに、バス停へ向かう途中で見つけたファミリーマートならぬファミリーマーケットでカップに入った生の沖縄そばを発見して小さいほうを手に取ってしまった。つゆは大きなタンクに入っており、蛇口をひねって適量かける。満腹だったのにホテルに戻って立ち食いした。
(土俵そばもいいけど沖縄にいたら、ねぇ)
友だち姉妹に迎えに来てもらって前日のマラソンコースを車でたどる。ここでYMCAやった?とかここは辛かったね、などとしみじみ景色を見る。マラソン大会でどこを走ったかなんてほとんど覚えていないものだけれど、今回ばかりは覚えている。とっくり木綿という木の花が満開。花が終わるとふわふわの綿があちこちを飛ぶらしい。見てみたいなぁ。

しばらく山道をのぼって着いたのは、言葉を失うほど絶景のお風呂。
窓全面に空と海が広がり久高島を望む高台のお風呂で口を開けたまま、ちょうどいい湯加減の茶色い湯に浸かる。実はマラソンのためのスポーツブラを忘れて普通のブラで完走したためにものすごい傷だらけだったので温泉に多く含まれる塩分が沁みた。
ここは友だち姉妹の母親が住むまち・南城市。那覇マラソンの翌日は必ずここで湯に浸かってストレッチをするらしい。いつまでも眺めていたい風景だった。
それから山を下り、ねこ島とも呼ばれる奥武島へ。
駐車場で車を下りると、ねこたちが思い思いの場所でくつろいでいた。万年ねこ不足のため、せめて目からねこを吸収しようと眺めていると、大声で鳴きながらこちらへ来るサバねこ。脚にすり寄り、靴の上でどすりと寝て前足でフミフミを始めた。
ぼっちゃんに少し似ていて妙な気を起こしそうになるも我慢。前の晩もシャムねこにナンパされて膝をフミフミされて変な気を起こしそうになった。ろくろ首になるほど後ろ髪を引かれたが、実は今もまだ引かれている。

奥武島から浜辺のカフェに向かう下り坂にさしかかるところで、ここ、ここ見てほしかったの、と友だちに言われて前を見ると、それは見たこともない天国のような景色。ニライカナイへの道という名前の道は、小さなトンネルを抜けると空なのか海なのかわからない景色が広がっていた。言葉を失って見入る。
こんな景色初めて見たよぅ、とまぬけ面で言うと、ここを走るマラソン大会もあるよと彼女の妹が言った。

到着した浜辺のカフェはこれまた信じられないほど贅沢な風景を見ながらのんびりできる場所。友だち姉妹のお気に入りの場所とのこと。こんなすてきなところを知ってるなんて、と改めて姉妹に畏怖の念を抱く。
そういえば那覇に到着した日に彼女のお姉さんに連れていってもらった瀬長島もそうだったが、とてつもなく美しい場所の中でみんなお気に入りの場所を持っているのが本当にすてきだなぁ。
珊瑚でできた海岸を散歩しておみやげを拾って、だんだん言葉少なになる。今度ここに来るときにはもっと勉強してこよう。

2019年12月4日水曜日

初めての沖縄 NAHAマラソン

昼間で、酒も飲んでいないのに自分がいる場所が曖昧になる。
初めての沖縄の旅でそんな経験をしたのは、沖縄出身の友だちのおかげ。
NAHAマラソンは、それはもう完璧を越えた最高ですばらしい大会だった。

暑い中途切れることなくずっと続く私設エイドでチューチューを8本はいただき、みかんやパイナップル、マンゴーにレモン、さんぴん茶にコーラに沖縄そば、牛丼に魚汁、他にもたくさんいただき、何度もエアサロンパスをかけてもらい、東京にいるときは特に何も感じなかった安室奈美恵の歌声にここでは胸が熱くなり、絶妙な場所でかかった「YMCA」にブチあがり、微妙な歌声の「鉄腕アトム」には笑いをこらえ、コースを少し外れてひめゆりの塔で手を合わせたら胸がいっぱいになり、かわいい犬が多すぎて忙しく色目を使い、きれいな海やさとうきび畑や家々に見入り、少子化とは?と首を傾げるほど大勢の子どもたちの力いっぱいの応援にゴール後涙をこぼした。来年もここに来る!と走っている最中に思ったのは初めてだった。

沖縄出身の友だち姉妹やその友だちなどが陣取っていた場所でのゴール後の宴。
地元の人たちはゴール後みんなこうやって宴会するんだよ、といきなり来た私も宴席に加えてもらって、初めて・一年ぶり・ウン年ぶりに走ったNAHAマラソンの感想を話しながら地元のごちそうとよく冷えたビールをいただく。
そういえばゴール後に預けていた荷物を受け取っていると、あのぅ以前会津若松の大会に出ていましたよね、と声をかけられた。振り向くと、帰りのバスでご一緒したんですけど覚えてますか、と言われて記憶がよみがえってきた。一昨年のことだった。
よく覚えてましたね、と言うと横顔に見覚えがあったから、とその人は笑った。


とにかく楽しいばかりだったNAHAマラソンは終わったが、感動したのはそれだけではなかった。

2019年11月29日金曜日

ひさしぶりのマジックアワー

完璧に晴れの予報の朝、気合いを入れて早朝ジョグへ。
寝起きで寒さがよくわからないまま万年橋から隅田川テラスへ下りると欄干にサギたち。
大きめのシラサギと、あとはゴイサギかなと思ったが後で図鑑で調べてみたら、当たりであった。
桜並木にさしかかると、何をするでもなくおじいさんがベンチに座っている。おじいさんの視線の先にはマジックアワー。よい場所を知っているんだなぁと畏怖の念を抱いた。
夜が明けて行きかう人が増えてきたので、iPodのイヤホンを装着、走りながら聴きたかった曲をスタート。何度も何度も聴いている「マクガフィン」はコーラスが妙に小さく聞こえたが、それは家で歌っているときの自分のコーラスが大きいからだと気づいた。


会社で食べる朝食を用意したのに、足が自然に早朝ソバへ。
鼻水をすすりながら気持ちよく徒歩出勤、といきたいところだったが時間がなかったため空港へ行くバスのターミナルを横目に東京駅まで歩く。

ところで
懸念だった来年の手帳が完成した。
飲みに行くとき季節の魚を確認するために、季節ごとの魚を配置。
表紙は春夏の魚と、昔働いていた生活選手のタグを拝借。
裏表紙は秋冬の魚と、義兄のお店で大量入手していた音符のアップリケ。
月ごとに、色味が好きなむかしむかしの料理本の写真を拝借。


これで心置きなく旅に出ることができる。
飛行機に乗るのはかなり久しぶり。
はとエアラインにはしょっちゅう乗っているから、いろいろは鍛えられている。

2019年11月26日火曜日

雨の土曜日

思い立って美容院へ。
もう25年以上のお付き合いになる、少し離れた場所のお店。
こちらのオーナーは「サロン・ド・こけし」のマダムとは異なり、おとなしそうな見た目なのにはっきりした人で、その腕前はもちろん、個人的にも信頼している。
今までもなにかと相談したことはあったけれど、そのとき困っていたことを話のついでに相談したら、あれよあれよと解決に導いてくれた。
話に夢中になっているうちにヘアスタイルもきれいに整えてくれて、うれしい気持ちで大雨の中、初めて行く場所へ向かった。
それは年に一度、コーヒー屋さんでの秋の収穫祭でご一緒するアーティストの個展を行っているべつのコーヒー屋さん。
急に連絡したので用事があるとのことで彼女には会えなかった。でもいいのいいの、作品が見れたらいいんです。
お店に入る前にぐるっとまわりを歩くと、外から見える場所に2枚の油絵。彼女の作品だ、と傘をさしたまま見入る。
お店に入って中を見まわすと、カウンター上部の壁に描かれたチョークアートも彼女の手によるものくさい。なるほど、外の作品とこの絵が個展ということなのか。

シックな店内をきょろきょろ、うろうろしていると、○○ちゃんのお友だちのマッチ作家さんですか?とお店の方に声をかけられた。は、はい、と消え入りそうな声で答えると、赤毛のおかっぱのマッチ作家さんが来るから、とだけ彼女から聞いていたので、とお店の方は笑った。そういえばお互い名前を知らなかった。
おいしいコーヒーをいただきながらのんびり過ごし、お勘定をする段になって、奥の扉の向こうにギャラリーを発見。あやうく彼女の作品すべてを見ずに帰るところだった。

キャンバスだけでなく段ボールや茶紙にも描かれた彼女の絵は、たまに会うときに見かけるいたずら描きのようなスケッチを思い出させた。絵にはその人が出るんだなぁ。自由で元気がみなぎる絵を見て、ここへ来てよかったと思った。

このお店のブレンドに横綱ブレンドというのがあったので(稀勢の里の故郷だからだろう)それをおみやげにして次に向かうは明日一緒にマラソン大会を走る姪の待つ家。
「はとエアライン」でピュッと行きたいところだったが、雨の日は運休なんです。
荷物を少なめにして、お気に入りのレインコートとブーツ、傘で歩きましょう。