2019年9月6日金曜日

ハブ酒とチャンピオン、か・ま・せ!

先週から楽しみにしていた「アフター6ジャンクション」のスタジオ生ライブをうっかり聞き逃した。
ため息をつきたくなるほどむし暑い朝であったが、Radikoタイムフリーの再生が始まったと同時に足取りが軽くなったのは、前日に入手したハブ酒のせいだけではなく、聴き逃したのがCreepy Nutsだったから。

今や日本一のMCと日本一のDJのふたり。彼らの音楽もラジオも大好きだけれど、なによりお互いのことを尊敬していてお互いのことを好きなところが好きだ。
20分強のスタジオライブ、途中でRが放つ「DJ松永、かませ!」のひとことが「チャンピオン、かませ!」に変わっていたことに、口角が上がるのを抑えられなかった。
その直後のプレイはもちろんかっこよかったし、あれほどの音で聴かせてくれた技術スタッフのスキルと愛、そしてライブはもちろん尊敬する宇多丸と話すふたりの様子も、ふたりが去ったあとに宇多丸が語った彼らの音楽の良さも、すべてが私の口角を上げ続けた。


ハブ酒は以前、友だちにもらってから好きになった。
ハブご本人は入っておらず、懸念していた匂いもまったくもってさわやかで味もくせがなく、いまいちな白ワインにプラスするとあら不思議。たちまち美味しいお酒になるのだ。
「BAR GABGAB」の常連ならば、あのふしぎに美味しい水割りのお水で水割りにしても美味しいはず。

2019年9月3日火曜日

伊勢丹でステキランチを

急逝した父上を見送ったばかりの友だちと酒を酌み交わす。
いつも元気な友だちだけれど今回ばかりはどうかな、と待ち合わせ場所へ急ぐと、彼女は早くも出来あがっていた。忙しかったのが急にヒマになったから、昼から飲んでたのよ、と笑う。
肉親の訃報を告げると、普段陽気な人でも急に神妙な顔つきになるのがイヤでたまらないからあまり報せていないのよ、と言う。よくわかる。

よく飲み歩いていた大昔からすると全員ずいぶん酒に弱くなったなぁ、あのときはごちそうになっていたのがいつの間にかワリカンできる仲になったのだなぁ、と感慨深く帰宅。
同席していた傘職人が、デッドストックの変わったパターンの傘があると教えてくれたので翌日突撃。
「しとしとぼっちゃん」の傘とはテイストがまるで違うが、70年代後半のan・anの広告で見かけたようなパターンの傘に狂喜して片っぱしから広げてゆく。今どきの傘よりスリムだけれどかなり重量があるのは、鉄の骨を使用しているから。でもなんでも軽けりゃいいってものではない。おしゃれは辛抱。
ああ、早く雨が降らないかなぁ、これでステキな洋服と出逢えたら、とずっしり重い傘を抱えて夕暮れどきの商店街を歩く。


観たかった展示にふたつ、行くことができた。
「日本の素朴絵」は友だちに奨めておきながら自分が見逃すという何度も犯した失敗をやらかすところだったけれど、奨めた友だちからとてもよかったと聞いて会期終了前日にすべりこみ。
素朴っていい言葉だけど、稚拙とは決して違う。とてもよく描きこまれた大昔の絵から、描いた人の生まじめさが伝わる。建物のパースがおかしいところが特に好きだ。入口に立っていた、いのししを抱えたハニワを見たときから、来てよかった、と思った。

翌日は楽しみにしていたプークさんの人形劇「オッペルと象」を観劇。
途中、よくわからない涙がにじんだのは自分と友だちだけではなかったようだ。
自由になったんだ、の言葉に胸が痛くなったのは自分が年を重ねたせいか。自由とはとても不自由なことだし、これまでのように仲間と仲良くやっていけるのか、などおせっかいなことを考えこんでしまった。

それから思いきって「原田治展」へ。
こちらも、このままでは行かないうちに会期終了になってしまいそうだったので、件の友だち(「MOD BAR BER」のオーナーと親しい、別のサロンの女主人)にお奨めという名の予告をしていた。

原田治といえばオサムグッズのイメージであったが、展示されている雑誌のカット等を見たら、あ、これも、これも原田治だったんだ、と驚くことしきり。昨日傘職人から仕入れたデッドストックの重い傘のパターンによく似たイラストも何点もあり、好きなものすべてがつながっている!と、うれしくなった。

それにしても、いくつもイラストのスタイルを持っている人!さらにイラストだけでなく、多才な彼はアトリエまで設計したという。
なんてステキなアトリエ!


いつもより濃いめの週末、酒場で酒もきっちり飲んだが、最近ちょっと秋の気配。
じゃなくて飽きの気配。観劇後に行った伊勢丹でのランチになにか影響されたのか。
しばらくおとなしくしていようか、河岸を変えようか。

2019年8月30日金曜日

素朴絵展と原田治展と友だちの展示と、あとなんだっけ

特にがんこなわけではないが、コーヒーなら「喫茶ニャーゴ」
新たな本を探すなら「オロロン書房」
勝負酒場なら「ニューねこ正」
(勝負ってなんだ)
傘を探すなら「しとしとぼっちゃん」
等々、決めごとがある。
どのお店も、歩いていて見つけた。
あてもなく歩く、ということをしなくなって久しい。歩かないと愉しいことは落ちていないのに。
音楽やラジオを聴きながら、あるいは長電話しながら歩くのも、景色が違って見えて面白いもの。
ブリブリでゴリゴリな曲に変わると気付けば肩で風切って歩いているし、遠く離れた友と話しているとたとえそこが駅ビルであっても、目の前に海が広がる。

久しぶりに予定のない土曜日、行きたかったところ全部に歩いて行きますか。
(まずは今晩飲みすぎないことが重要)

2019年8月26日月曜日

思春期がやってきた

山登りの帰りには、大盛り蕎麦を食べた。
私、3人前じゃなくて大盛りを頼んだんですけどって言いたくなるほどの量だった。
誰より早く完食した。


年齢ひと桁の姪たちは、すでに大人と同じ量の食事を食べる。
ある日の遅めのランチ、やつらはステーキとハンバーグを平らげていた。
普段なら選ばない、中学生男子の喜びそうなボリュームのあるメニューを選んだのは、姪たちに煽られたわけでは決してなく、朝からなにも食べていなかったから。
もちろん完食した。


別の日のランチは、餃子のおいしいまちの中華屋さん。
前日の食べすぎのため朝食は抜いたが、昼どきになるとお腹は空くのね。
禁断の昼酒も手伝って、ものすごい量の餃子が次々に胃袋に吸い込まれていく。
当然完食した。


50の声が聞こえる年になったというのに、食欲が衰えない。
最近では、酒よりも食いに走っているケがある。もちろんその結果もきっちり出ている。
以前、今が思春期なんじゃない?と誰かに言われたときにはまさか、と笑ったが、もしかして・・・
せっかく父さんと一緒に脂肪分を持って行ってあげたのに!

2019年8月23日金曜日

宝物は盗撮写真

夏休みが終わり、また退屈な日が始まると思ったら、毎日なにかと忙しくて気付けばソロ活動をしていなかった。
閉店後の「ニューねこ正」で美人女将や大将やおにいさんと立ち話をするだけの日々。
この夏のリア充ぶりを話すには、腰を据えて臨まなければならない。

毎月一度会うみなさんと久しぶりに皇居を走った。正確に言うと、同じ時間に皇居周辺にいたことはいたが、ソロで走ったのちにみなさんで恒例のおいしいものを食べに行った。
久しぶりに走る前の、あの根拠のない「できる」気持ちはどこからくるのだろう。毎回それでぶっ飛ばして失速するのが常なのに。湿気で息が詰まりそうだったが、途中初対面のメンバーのひとりとばったり会って(Tシャツが目印)喋りながら気持ちよく走ることができた。



「アフター6ジャンクション」の今週の夏の推薦曲がよすぎて、子どものように遊んでいただけの今年の夏に、まるでなにかがあったかのような錯覚を起こす。
今年の夏のごほうびは、義兄からもらった写真。その写真を見たとたん、なつかしくて胸が詰まった。

こんな表情よくしていたなぁ、と、消えそうになっていた記憶がその写真の数々によって戻ってきた。
昔から写真を撮られるのは苦手だったが、義兄によって盗撮された写真は宝物になった。

2019年8月22日木曜日

人はなぜ山に惹かれるか

山に囲まれて育ったが、登山は嫌いだ。

なぜなら初登山が大雨で、想像していた楽しい山歩きとはまったく違う恐ろしいものだったからだ。
あのとき同じ大雨の初登山を経験していながら毎夏あちこちの山に登っている同級生たちに誘われて30年以上ぶりの登山に挑戦したのは、来月に迫っている初トレイルランニングの大会の練習になるかなぁと思ったから。

しかし記念すべきセカンド初登山の日は、台風により豪雨警報が発令されていた。

事前に行われた登山会議で初めて会った山男は、目が醒めるようなイケメン。
眼福、眼福、とイケメン山男を拝みながら飲んでいるうちにいつの間にやら泥酔、どのような話し合いになったのか覚えていない。
そして豪雨の中登った北アルプス燕岳。
その山小屋でもまた、同級生やイケメン山男が担いできてくれた大量の酒を浴びるように飲み、二日酔いで目覚めた翌朝は快晴。
下山前、痛む頭と動かない胃を抱えて山頂まで軽く走る。
山頂は岩場で、風が強くて足が震えた。りんどうの花がきれいで、ホシガラスという鳥の姿も見ることができた。いつの間にか体調はよくなっていた。

下山はなにより気を張らねばいけないので、常に目の前のイケメン山男の足運びを見ながらもくもくと進む。晴れたこの日は登山道も大渋滞。前日はホットコーヒーを求める客がちらほらいただけだった合戦小屋も、この日はスイカを求める登山客でごった返していた。

ケガなく無事に下山することができたが、実は体調不良であった上に二日酔いが重なり、来年もまた行こう、というみんなの声に即答はできなかった。

2019年8月21日水曜日

残念じゃない残念会

年に一度、信州は諏訪湖でおこなわれる諏訪湖花火大会。
とあるスジからよい席をご用意いただき、初めて観たのは一昨年の夏だった。

フンド氏がいなくなってからは花火自体にさほど興味もなくなり、花火に浮かれる人たちを見るのが愉しいくらいだったが、この花火大会は湖上に上がる大きな花火がとてもきれいで、送迎からイスにおつまみに酒とどこまでも用意してくれる友だち(全員酒飲みなのに運転手は飲めないし!)には感謝しかないし、なにより夏の定番になった。

さて、その諏訪湖花火大会、今年は台風の影響で開催が難しいのでは、ということで前日まで天気予報とにらめっこだったのだが、結論からいうと無事開催された。
私たちはというと、いつぞやの雨の花火大会での二の舞になってはいけないと、幼なじみやそのスジの友だちは残念会への変更を決断。

残念会はそのスジの友だち邸でおこなわれた。
そのスジの友だちは、たまに手伝っているというシードル醸造所の、吸いこまれそうな赤が美しいいちごのワインとハモンセラーノの原木セット(!)を用意してくれて、さらにそのシードル醸造所へ連れていってくれた。
木の匂いがさわやかな醸造所に入る前に、庭のりんごを見物。
見たことのない枝ぶりと実の付き方のりんごはハニールージュという名前で、実は大学で研究された上でうまれたシードルのためのりんごとのこと。
落ちていたりんごをかじってみると、中まで赤くて渋味がある初めての味。
残念会はいちごワインからスタート。
いちごしか使用していないこのワインは辛口で香りもすばらしく、いつまでも飲んでいたい味。2週間にわたっていちごのヘタを取る作業をしていたときは、この匂いもイヤになったよ、とイタリア人マフィアのような風貌のそのスジの友だちが笑った。

そのスジの友だち邸はとてもすてきで、彼の好きなものであふれている優雅な家。
ベランダにはカヤックが吊られ、リビングのテーブルには幼なじみが持ってきてくれたごちそうがところ狭しとならび、奥のテーブルにはハモンセラーノの原木が鎮座。リア充感満載であるが、これは残念会。
あの雨雲は諏訪湖に向かっているね、とか、今ごろ諏訪湖は降ってるね、浴衣とかびっしょりだね、などと花火ディスで盛り上がり、辛口シードルや雷電ビール、とっておきのとうもろこしにハモンセラーノもしっかりごちそうになっているうちに夜は更けていった。