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2018年11月2日金曜日

日本シリーズにGは出ていませんよ、とは言えなかった夜

毎度おなじみの酒場へ登場。
ひとつだけ空いていた席にすべりこむと、「そこだと、テレビ見えないでしょう」と、マスター。
そういえば日本シリーズをやっている。
すぐ隣には酩酊した老紳士。
野球といえば、東京ドームのほど近くの友だちのお店で、その日敗けたGファンのお客さんたちが肩を落として飲んでいるなか、アンチGのフンド氏が、それと知らずに大声でGをディスりにディスって、お客さんたちがみな帰ってしまった夜を思い出す。
たのむから、ここでGのワルクチ言うなよ~と懇願していた、彼の友だちの顔も。

「失礼ですが、どちらを応援しているのですか」
酩酊紳士が尋ねてくる。
う~ん、なんとなく見てるだけです、と力なく笑う。
「こちらにはよくいらっしゃるのですか」
酩酊紳士が尋ねてくる。
「常連さんだよ」
なぜか、マスターが答える。

いつの間にか「常連さん」になっていたのかぁ。
フンド氏が聞いたら呆れるだろうなぁ。
Gファンの酩酊紳士は上機嫌で、まだなにか話したそうだったので、私スポーツは相撲しか見ないんです、と言うと、顔を輝かせた。
「私は生まれも育ちも両国です 木村庄之助は後輩です」
それから出るわ出るわ、式守伊之助だの栃錦だの初代若乃花だのの秘話が。
熱心に見ていた日本シリーズ、点が入ったことにも気付かずに、酩酊紳士は口角泡を飛ばして、キングス江戸弁とでもいうべき正統派の江戸弁で、おもしろい話しを聞かせてくれた。

酩酊紳士が帰り、「席うつりなよ」とマスターがしきりに言うので、お言葉に甘えて移動。
空いた席にママが座り、細い指にショートホープをはさんで紙にペンを走らせる。
煙を吐くさまが、なんともかっこいい。
その晩、店を出ていつものように小窓の向こうのマスターに手を振ると、ママも一緒に手を振ってくれた。

仲のいい夫婦っていいなぁ、ぼくたちみたいに、と言っていたフンド氏を思い出す。
両国に住んでいてよかった、と思える瞬間。

2018年9月26日水曜日

なにがあったのか

汗ばむ陽気の休日、お寺さんへ料理の手伝いに行った。

手の込んだ精進料理の下ごしらえは、実におもしろい。
ゆでた蓮の実の芽を取ったり、たくさんの野菜を切ったり、混ぜたり。
さといもの皮を剥いていたら、去年に続いてまた指を切ってしまった。
仕方なく、あちこちでつまみ食いしていたら、しっかり奥さまたちに見られていた。
翌日に千秋楽を控えたその日の話題は、大相撲。
奥さまたちのご贔屓は、ほぼ稀勢の里。
下ごしらえがほぼ済んだところで、みんなそろって休憩。
ちょっと一杯もいただいて、疲れがどっと出・・・るほどは働いていなかったが、おとなしい奥さまたちの口がほぐれてゆくのが、たのしかった。

翌朝は早い出発であるし、満腹であるし、さっさと帰って寝るべきだったが
わざわざいったん帰宅して「ニューねこ正」へ。

本場所中にだけやってくる京都のご婦人とは痛恨のニアミスだったが、ほうぼう刺に平目をちょこっと添えてくれた板さんに興奮。
美人女将から白鵬の優勝を聞かされ、優勝パレードに間に合うかな、と考えた。


翌日は、一点の曇りもない秋晴れ。
日ごろの行い、よくないんだけどなぁと友達に言うと
他にものすごい行いのいい人ばっかり来てるんだよ、と言われて納得。
初めて行く高原で、ウイスキーとビールのお祭り。
(「BAR GABGAB」にはビール、置いてないんですけどね)
とにかくお天気がよくて、マシンガントークの間にも、うっとり空を見上げたくらい。

まずはアブサンをチョイス。
みかんの香りのクラフトジンや、台湾のウイスキー、地元のウイスキー、濃くてとろりとしたビールなどなど、飲んだ端から太陽の光で蒸発!
柿にウイスキーが合うとは知らなかった。
最後に柿のヘタを乗っけたところで、バーテンダーの株が急上昇。
葉巻なんかもちょっと吸って、北方謙三の気分も味わった。
最初にちびっと舐めたアブサンは、やはり太陽のせいか軽くなっていた。

最寄駅からの送迎もおつまみも椅子も、なにもかも完璧にしてくれた友だちふたりは翌日は、別の場所でビールセミナーだという。
なんて勉強熱心なふたり!


そのまた翌日は、いろいろから逃げて、行きたかった場所へ。
いつもは飲んで食べて、海を見て、しんみりして帰るのが常になっていたが、毎回これでは芸がない。思いきってラン用品一式かついで出かけた。

昨日に続いてよいお天気の昼間、静かな海沿いの道を走るのは、それだけで気持ちがよかった。島まで行きたかったが暑くて断念して、途中でピーナッツプリンを食べて終了。
海の家を解体しているのを眺めながら海岸を歩いて、ちょうどいい時間のバスに飛び乗って帰宅。
あのパン屋さんにも、魚屋さんにも、喫茶店にも寄っていないなんて!
しんみりどころか、にやにやしながら帰るなんて!


さらに驚いたことに、この日を境に酒を飲んでいない。
友だちにもらった雷電のビールやひやおろしの誘惑をものともせず!

2017年10月4日水曜日

秋の夜長は「ザ・両国」と

きんもくせいが香るこの季節
ゆうべは、角を曲がったら
びんづけ油の匂いが漂っていた。
そりゃそうだ
両国だもの。

でも、意外な匂いも悪くないかも、と
翌日は自分の香りを変えてみた。
「サロン・ド・こけし」のマダムと
「MOD BERBAR」のオーナーを見習って、
少しはおしゃれをしないと。


脚の筋を傷めているため
飲酒とスポーツを禁じられている。
患部を温めてはいけない、というので
熱燗はお預け。
ビールを少し飲んで、おとなしく寝・・・
る前に、
「ザ・両国」もストレートで少々。

興がのって
長崎みやげのさつま揚げと
会津みやげのまこもだけを
長崎おでんのつゆで煮込んで、
ちょっとだけよ、と
つまんでいるうちに、
秋の夜は更けていく。

2017年9月26日火曜日

橙色の彼岸花のあるまちへ

日馬富士が、苦しみながらも、がんばっていたなか
夜間飛行、というほど遅い時間ではなかったが
夜の便で、旅に出た。
訪れるのは、2度めの場所であった。
以前教えてもらった、
夜12:00オープンの
ハンバーグがおいしい居酒屋さん。
1:00を過ぎてお店を覗くも、満員。
スナックに行くのも目的のひとつであった。

しかしこの街は、スナックが多すぎた。
2軒ほど呑んで回ったのに酔いが足りず、
ドアを開ける勇気が出なかった。
かに
「だめなやつだね」

たこ
「意気地なしめ」



初めて訪れたときに寄って、
とても好きになった洋服屋さん。
ここの女店主にお目にかかるのは、もちろん二度め。
でも、とてもなつかしく
古くからの知り合いに、逢ったみたい。

そこで、すてきなお店を教えてもらったり、
教えてもらったそのお店で
おいしいお店を教えてもらって
さっそく行ったり、
いいもの見つけたり。
かっぱ
「『いいもの』で、乙女心を取り戻したらしいよ」

パンダたち
「え~・・・・」
ただひたすら愉しかった旅の思いでにひたる間もなく
まもなく、健康診断とマラソン大会が。

旅の間にダイエットなど気にしたくはなかったので
週明けからストイックに行くぞ、と決めていたのに
るんるんパスタにさそわれて
マラソンレッスンの後にまた、食べて飲んでしまった。

2017年5月30日火曜日

第1回 はま太郎フェス

いつからか、夏といえば、フェス。
思い返してみると、
これまでに、数えるほどしか、フェスに行ったことがない。
ひとつは、大昔のジャズフェス。
山中なのに、乙女心から、白タイツにミニワンピース。
蚊にくわれて、血染めのタイツになってしまったことよ。

もうひとつは、
ライターや作家などが、いきなり街なかで原稿を書く、というもの。
書いては丸めて投げ、それをファンがひろう、という
傍から見れば、不審でしかないイベント。

ただ、
暑いから、それ以来、フェスは敬遠している。

千秋楽の前日、ニクい本屋さんが教えてくれたイベントの、
そのタイトルに、胸を貫かれた。
本屋さんを出るなり、申込みをしたのは
言うまでもない。
千秋楽は、うっかり遠出してしまった。

夕方両国に着いて、信号を待っていたら、
不意に白鵬があらわれて、そして小さくなっていった。

その後ろすがたに、まわりの方々と「おめでとう」と声をかけて
しょんぼり帰宅。
オープンカーから降りた白鵬と、歩道橋から下りたとたんに
偶然握手するかたちになったことも、あったなぁ。

2017年5月22日月曜日

まずは、タニマチ

先週までは、どこへ行っても
神輿の話でもちきりであった。
 なにを食べていても
 なにを飲んでいても
そばをすすっていても
神輿の話で、もちきりであった。
みなさん
忘れてはいないだろうか。
いま、大相撲夏場所が開催中ですよ。



かくいう私も、女神輿の元締めにさそわれて
三社祭の見物に出かけた。

ひたすらビールをあおってはおでんをつつき
全然違う行先のバスに乗って
よろめきながら帰宅。

来年こそは担いでね、と言われて
「あたぼうよ!」と即答したが
ほんとうは、ダボシャツがほしいだけ。
来年、ついに誂えようかしらん。
そのまえに、早くりっぱなタニマチにならねば。