2019年11月8日金曜日

本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展は明日から

本日搬入の「本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展2019」に出すブックカバーは、昨夜遅くに完成した。
ねまちの銘店「土俵そば」のブックカバーで、しおりは海苔のついたおそば。
 表紙を開くと、そばをすする生姜。
裏表紙を開くと、やはりそばをすする梅。

このブックカバーに合わせたいのは、池波正太郎著「むかしの味」。(もしくは『散歩のときになにか食べたくなって』)
ちょっといいお蕎麦屋さんで注文したおそばを待ちながら、あるいは旅先で食べる駅ソバを愉しみにしながら、このブックカバーで本を読んでみてはいかがでしょう。
飛び散るおそばが邪魔くさく、梅がやけにかさばるブックカバーではあるけれど、おしゃれは我慢であると「サロン・ド・こけし」のマダムも
「MOD BARBER こけし」の店主も申しております。
久しぶりに、売れませんように!と思えるものができました。



本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展2019
日時 11月9日(土)~30日(土) 12~18時 最終日17時まで
※火・水定休

場所 甘夏書店 〒131-0033 東京都墨田区向島3-6-5 一軒家カフェikkA2F


ブックカバー作り最後の追い込みは、イヤホンで音楽を聴きながらおこなった。
静かな場所で聴くと新しい発見がある曲がいくつもあり、集中しながらも時には目を潤ませ、歌ったりヘッドバンキングしたりして完成のときを迎えた。

完成と音楽で気分が昂揚してフラゲしたワインを開けた。
フンド氏に見せたら褒めてもらえただろうなぁ、そうだ、誰かに写真を送り付けたろかと思ったが、既に日付が変わっていたので我慢。我慢してなぜか掃除を始めた夜更けに聴くCreepy Nutsの「よふかしのうた」は、ナニモノにも代えがたい。

2019年11月7日木曜日

NO MUSIC,NO LIFE

労働と仕事と課題の先が見えてきたある晩。
今夜くらいは飲ませてよと赤ちょうちんならぬ、はためく暖簾に誘われてみた。
遅い時間だったのでもしかして会えるかな、と思っていた酒友がカウンターの人気席に座っていた。
カキフライあるよ、と美人女将が言うか言わないかのうちにカキフライを注文。ぶりもよいし新さんまの刺しもよい、と白板を見てうなっていると酒友もうなっている。乾杯して、秋のメニューって迷うから困るよね、と互いに来たおつまみを見たら、ほとんど同じものだった。

「ニューねこ正」を出ると、うっすらかいていた汗がたちまち冷たくなった。
晩秋のこの感じ、嫌いじゃないぜ。


愛用のiPodクラシックを洗濯してしまってからしばらく、歩きながら音楽を聴くことができなかった。クラシックは重くても大きくてもデザインが好きだから他のものに浮気することはなかったが、好きな曲を爆音で聴くことのできない日々は味気なく、耐えきれずに禁断のiPod nanoを購入。カラーは禁断のレッド。
しかし音楽を持ち運べる喜びにくらべたらこんなことはどうでもよい。
寝不足でも気持ちのよい朝に聴くORIGINAL LOVE「ゼロセット」は最高。

2019年11月5日火曜日

去りがたいまち・京丹波町と長いランチ

毎年一度、関西に住む叔父と出るマラソン大会。
今年は
黒豆で有名な京丹波町「京都丹波ロードレース」に、叔父叔母とともに参加。

今回はめずらしく気持ちもわくわくしていたが、やはり疲れるものは疲れる。へとへとでゴール。
前日に叔父叔母とビール・ワイン・日本酒を飲んだせいではない。

いわゆる「京都」にはまったく興味はないのだけれど、田辺聖子の小説に出てくるこのあたりは時間が止まったようで、なつかしい気持ちになるなんとも好きなまち。去りがたかったなぁ。丹波の黒豆はもちろん、他にも名物だという巨大なしめじや丹波ワインなどをおみやげに買ってもらった。
ふだんマラソン帰りは疲れて飲みに出かけてしまうのだけれど、試食させてもらった巨大しめじがあまりにおいしかったので香りを愉しみながら、発売前のワインとともに夜更けにいただいた。
丹波の黒豆も、こんなに新鮮なものは初めてで、ワインがすすんだ。


優雅な晩酌を終えた翌朝は、祝日のマラソン練習会。
カラダは疲れていなかったが、朝から課題に少し手をつけるうちにサボっちゃおうかなぁという考えがむくむくと頭をもたげてきた。このまま課題を続けて果たして進むのか、二度寝するのが関の山ではないのか、しかし練習会に出たら昼酒してしまうし、いやそれを断って帰宅すればランと課題ともにできて今夜は美味しいお酒が飲めるはず、などと逡巡してひとまず顔を洗った。

お天気が最高によいこの日の練習会は、先日金沢で知り合ったエリートランナーたちが参加しての街ラン。オリンピック会場を目指して気持ちよく走るうちに前日の筋肉痛が出てきた。外苑や青山墓地、国立新美術館や六本木ミッドタウンなどを駆け抜けるうちに腹の虫がにぎやかになり、早くなにか食べたいな、と考え始めた頃には課題のことはすっかり忘れていた。

ランチに出かけたはずなのに、外に出たら辺りには夜のとばりが降りていた。
走った時間より長く飲んでしまった。


昼間の街ランで見たクリスマスツリーはきれいだった。湘南ねこ美術館ではクリスマスのマッチが待っています。
甘いものはあまり好きではなかったのに、おみやげでもらった丹波栗のシフォンケーキがおいしくて、また好物が増えてしまった。
銘菓「両国の恋人」も、無性に食べたくなるときがあるんだよなぁ。

2019年11月1日金曜日

ねこたちのクリスマス展は明日から

熱燗が美味しくなったな、と思ったら11月になった。
11月といえば「ねこたちのクリスマス展」が明日11/2(土)から始まる。
ハロウィン気分もビタイチ味わうことなく、クリスマス気分に突入するあなた、私も同じです。
熱燗で晩秋に気付くのも悪くないけれど、葉山の静かなねこ美術館へ初冬の訪れを感じに行くのもよいもの。
いつもの「喫茶ニャーゴ」が、気合いの入ったクリスマスケーキをつくりました。
観に行ってみてください。

「ねこたちのクリスマス展13」
湘南ねこ美術館
神奈川県三浦郡葉山町下山口1502
11/2(土)~12/24(火)の土・日・月曜日(12/24は開館)
10:00~17:00


いいかげんに次の課題に取りかからないと、と焦る一方で観たい映画が3時間近い上映と知って気持ちが怯んだ。上映が終わったら帰り道で赤ちょうちんに誘われてしまう。赤ちょうちんに誘われたらねむくなって作業などできない。
飲まなきゃよいのでは、という発想はない。
映画は後日にして、久しぶりにウィスキーでも飲もうかな、とそんなお店にイン。
今月も来月もイベントごとが多くて、財布に穴でも開いてるのかってほどフトコロがさみしい。
飲まなきゃよいのでは、という発想はない。


幼なじみから来月のライブどうする?のメッセージ。
フトコロがさみしいからなぁ、と0.5秒ほど迷ったが行く!と即返信・即チケット購入。
前々日に別のミュージシャンのライブがあるのはわかっていたが、こういうのって勢いが肝心だから、と手帳に書き込もうとして手を止めた。
その翌日もまた別のミュージシャンのライブであった。

2019年10月31日木曜日

秋の気配が消えた夜

うすうす気づいてはいたけれど、もしかして、もしかしたら、秋かもよ。
だるま:またなんか言い出した

少し前からそうなんじゃないかって思ってたのだけど、やっぱり、秋みたい。
青いかに:もしかして・・・

口に出すと本当になるから言わないでいたけれど、カラダがもう秋だとわかってしまった。
だるまちゃん:出た、熱しにくく醒めやすいやつ。

こないだもいつものあれをサボってしまった。
ぶた:めずらしい。あれだけは欠かさず行っていたのにね。

夜をサボっても朝があるさ、と天気も確認して意気込んで帰ったのに。
肉バッグ:朝もサボるんじゃないの、とうすうす気づいていたくせに。


早朝に下見したい場所があるから、それも兼ねてあれをしようと思っていた。
やる気まんまんだった。
なのに、夜あれをさぼった時点で飲み仲間に連絡しており、さらにその日は振られたというのに、のこのこ赤ちょうちんを目指した。
めずらしくお客さんの少ない「ニューねこ正」で本を開く。そういえばこんな時間を最近すごしていなかった。
禁断の熱燗に手を伸ばして、明日は早起きするから熱燗は1本にしておこう、と熱い酒を啜った。

静かだった店内も気付けばほぼ埋まっており、また引き戸を開ける音がした。
あら、今夜はいらっしゃると思ってたわ、と女将が声をかけると、そうですか、と笑う声。どの常連さんかな、と思いながら大事に酒を啜っていると、こんばんは、と隣に座ったのは、たまにここで会って話すスリムランナー。

彼は相当エリートなランナーのはずだが、愉しむために走っているところがいい。
なんだかもうイヤになっちゃって、と打ち明けると少し黙って、島とかどうですか、と唐突に言う。島でハーフとか楽しいですよ、参加賞で泡盛なんかもらえるし、フェリーで移動するのも面白いですよ、との言葉に一気に引き込まれた。
結局熱燗はもう1本追加して、気持ちは既に島へ飛んでいた。
ざるそば:なんて単純なんだろう・・・

2019年10月30日水曜日

名古屋と和解しなければ

金沢から福井の旅を終えた翌日は、次号の「深川福々」編集会議。
次号のスタッフコラムも担当することになり、前号に続き今回も得意分野なので今から楽しみ。
スタッフのひとりが連れてきた友だち2名が2名ともおもしろそうな人で、翌朝に健康診断を控えていなければもっとお話ししたかった。最近おもしろそうな人とよく出会うが、実に幸せなことだなぁ。


とりかかっていた作品がどうも気に入らなくて一時保留している。
最近なかなか神が降りてこなくて、と先日「秋の収穫祭」で隣り合った画家でアーティストの子に打ちあけたら、そんなときにぴったりの本があると勧められた。勧められた翌日に、その本も見ぬ間に神が降臨。
いいもの、できるかな。


先日の金沢・福井の旅のあと経由した名古屋には、学生時代に住んでいた。
今から思えば学生時代はそれなりに楽しかったはずだけれど、名駅の昔の地下街の匂いを思い出すだけでなぜか気分が沈む。
学校が嫌いで、授業をさぼっては名駅をぶらぶらしていたからだ。
夕方、帰宅時間が迫ったころのあの地下街の匂いは、守口漬とほこりっぽい古びた匂いの混じった絶望的な匂いであった。
そろそろ名古屋とも和解しなければ。

2019年10月29日火曜日

まつぼっくりがあったとさ

初めての金沢は、観光ゼロに終わった。
しかし、地元出身のラン仲間の案内でおいしいものばかり食べて飲んで、忘れちゃなんねぇソウルフードも食べることができたし、念願の駅ソバも堪能した。なんといっても気楽な仲間ばかりの旅だったのでたのしかった。
旅先で友だちに会うのもいいものだった。旅先で友だちになった人たちも気持ちのよい人たちだったし、泊めてくれた友だちの実家も不思議に落ちつく雰囲気で、文句なしの旅だった。マラソンを除いては。


金沢まで行って観光しないなんて、と少しは思ったが、じゅうぶん楽しかったからいいや。友だちとは駅でさよなら。普段ゆっくり話すことのないラン仲間と初対面のエリートランナーたち、みんないい人だったな、としんみり。集団行動は苦手なはずなのに、駅で手を振っただけでさみしい気持ちになるから不思議。
前夜の酒で頭も胃も動かないまま、目指すはかこさとしさんの故郷・福井県武生。二度めの訪問だが、今回は逆方向から行くので気分も違う。前日のマラソン大会でのどしゃ降りがウソのような、ぽかぽかしたおだやかな日。先日「秋の収穫祭」で入手した福井の本を開くも、眠気に負けた。
武生駅でも駅ソバを堪能し、石畳を踏みしめながら引接寺へ。
着いたのはお昼どきであり、幼稚園の子どもたちのいただきます、の声が響く。隣の丈生幼稚園の園児たちだろう。このあたりの独特のイントネーションではしゃぐ声がのどかで、すいません赤毛の中年通ります、と心の中で頭をさげて門をくぐった。

実にお寺の多いまちだが、神社仏閣にさして興味のない私がここへ来たのは、かこさとしさんのお墓があると知ったから。ようやく見つけた彼のお墓は、最後までこんなにすてきにしめくくったなんて、と笑いが浮かぶほど彼らしいお墓だった。
そこで拾った青いまつぼっくりの松脂がとてもいい香りで、よいおみやげになった。

それから、金沢のラン仲間のご両親にも武生駅前の観光案内所のお姉さまにも勧められて、武生名物・菊人形のおまつりへ。
菊人形の会場の越前市武生中央公園も隣接する越前市立図書館もかこさとしさんの監修によるもので、一歩も動きたくないくらいたのしい。あんまりすてきな場所なのでしばらく眺めてから、かこさとしふるさと絵本館へ。
気づけば帰りの時間が迫っており、用もないのに市役所へ寄ったり、かこさとしさんが幼少期に入院したという病院の看護師さんと立ち話をしたりして帰宅。次回は泊まりで行こうと決心した頃には、金沢マラソンの苦い思い出などきれいさっぱり忘れていた。