2019年11月18日月曜日

スキマだらけでアソビだらけでユトリだらけで流れ任せでいこう

近所の友だちと毎度おなじみの酒場へ登場。
その晩は初対面のひとと三人。
いささか緊張したはずだが、途中からピッチとテンションがアガッて何十杯飲んだのか、女将にたくさん飲んだわね、と言われた。かばんの中にプロテインバーが入っていたのはなぜなのか。

翌朝はのんびりLSDをするつもりだったが眠くて起きられず。こんな日もあるさ、と開き直りあと少しで読み終わる小説を開き、平三さん(主人公)にお付き合いする。

念入りに支度して向かったのはRHYMESTERのライブ。
フロア中央のど真ん中でクアーズを舐めながらかすかなSEに耳を傾けていると、照明が落ちSEの音量が大きくなるにつれて歓声が大きくなるあの大好きな瞬間がやってきた。

先月の松本でのライブとまた違ってこの日のライブは現在からデビュー当時へさかのぼっていくセットリスト。
いつもゆるく聴いていたあの曲のリリックが刺さり、この日特に力が入っていたという照明に照らされるメンバーが神がかり的にカッコよくて涙と汗が吹き出したがゲストのKOHEI JAPANの「涙が止まりません」には脱力。
体感時間30分ほどでライブが終わり現実の世界に戻ってゆくあの時間がやってきた。さあ帰るか、と出口に向かおうとすると耳に入ってきた靖幸の声。「マクガフィン」だ。
この曲を聴かずに帰れるわけがない。足を一歩踏み出したまま静止して最後まで聴いて幸せな気分で帰途についた。

その翌日はまったく練習できていなかったマラソン。「銚子さんまマラソン」へ。
早朝の電車から見えた朝焼けがきれいで、大好きな千葉へ行けるのもうれしくて気分がアガる。
いわしのつみれ汁で舌を焼き、今回は音楽を聴きながらいつもより気楽にスタート。つらくなると「予定は未定で。」のリリックを思い出してペースを落とし、かわいい犬が応援に駆り出されているのを見ると色目を使い、暖かな日差しを浴びてきれいな海をながめてのんびり走る。さんまマラソンなので頭にさんまをつけて走っている人もちらほらいて、その後ろをかつおが追っていく。かつお、がんばれ!の声援に、さんまだけに早いんですよ、とかつおがぼやきながら走っていくのも楽しい。
結局今年もさんまは食べずじまいだったが、完走後のトマトが美味しくて18個も食べた。
この日2杯めのいわしのつみれ汁と犬吠ホワイトでおつかれさま。

のはずが、この日は友だちのご主人がいいところへ連れていってくれるということで、今年はマラソンに出られなかったご主人のクルマに乗り込む。快適だ。これだけでも快適なのに、そうだこれ開けて、とクーラーボックスを渡される。中には缶ビールがぎっしり。友だちは下戸だしご主人は運転があるので恐縮しながらいただく。快適だ。これだけでも快適なのに、去年三人で行った銭湯まで連れていってくれた。
番台のおじさんも、電気が感じられない電気風呂もそのままでうれしくなった。本当は今年もここへ来たかったのだ。
文句なしにさっぱりして下足箱から靴を出すと、すごいタイミングでご主人カーがやってきた。快適だ。これだけでも快適なのに、そこの神社の近くにいいお店があって、とまだ熱いおでんと焼きそばを渡された。好きなものばかりな上においしくて、さらにご主人から聞くその神社とお店の話がおもしろくて、今度はマラソン抜きで来ようと決意。

対向車があったらどうにもならない細い山道をくねくねのぼって下りると、谷合に広がる田んぼとそこの小川で釣り糸を垂れる人たち、それと小さな看板。
着いたのは、松山庭園美術館。

広い敷地内には展示室や喫茶スペース、茶室などもあり、オーナーの作品が意外にアバンギャルドで、それがここの特別感にぴったりだった。
紅葉が半分ほど始まっていて、こまめに打ち水していると思われるきれいな庭園は森閑としている。不意に現れるねこたちはみな毛並がよくて機敏でほどよく人馴れしており、大事にされてるんだな、とわかった。
なのに写真を撮る習慣のない私はこんな写真しか撮っておらず。

友だち夫婦は夫婦そろってステキなひとだが、それにしてもこんなすてきな場所に連れてきてくれるとは。訪れた季節も時間も、このときが一番よかったのではないかと思われた。おみやげに小さなモミジの葉を拾った。

駅でご主人カーを降りるとき、感激しすぎて通りいっぺんなお礼しか言えないでいるとご主人は、そうだこれ持っていったら、と冷えた缶ビールを渡してくれた。飲んじゃうから荷物にはならないでしょう、と言われ、よくわかってらっしゃる、と唸った。
周囲によい人たちが多すぎて、どうやってお礼を言ったらよいのか、どうしたらこの気持ちを伝えることができるのか、惑わないはずの40も後半なのにわからない。
初めて来たまちの夕焼けを見送りながら3本めのビールを開けた。そういえばこの日はハーフマラソンを走ったのだった。

2019年11月15日金曜日

ガッデーム!

読んでいる長編小説の、えらいことになってきた平三さん(主人公)には付き合いきれず、かなり早めに就寝した夜。
数日後に迫っているハーフマラソン大会のために早朝ジョグする気持ちは起きなくても、早朝ソバのためなら早朝ジョグできそうな予感。
予感は的中、いつもより早く起きることができて、まだ暗い中をのろのろ走りだした。
既に営業しているお蕎麦屋さんにはまだお客さんはいなかった。

おいしく早朝ソバを食べるための早朝ジョグなので、疲れたら歩き、散歩中のかわいい犬には色目を使い、のんびり走る。空がだんだん明るくなるも、残念ながらマジックアワーには立ち会えなかった。

ゆっくり走り終えて、出勤の支度を整えてからいざ早朝ソバ。
開店したての早朝は「はっしゃオーライ!」のタクシードライバーや「はとエアライン」のパイロットが多いが、出勤時間になるとこれから現場へ向かう職人さんが多い。
天井近くに備え付けてあるTVのニュースを聞きながらおそばが茹で上がるのを待つうちに、せわしなかった気分も落ち着いてくる。
しばらくぶりの早朝ソバは、朝にぴったりのやさしい味。
味に慣れたら、そこのゆず胡椒を少し入れると味が変わっておいしいですよ、辛いけどね、とねぎを持って入ってきたおじさんに声をかけられる。知ってるけど、知らなかったふりをしてもぐもぐと返事をする。

ごちそうさま、と引き戸に手を掛けると、いってらっしゃい、とおばさんに言われるのもうれしい。
いつもより早く歩きながら「マクガフィン」をRadikoタイムフリーで聴く。
たしかにジンのような苦くてさわやかな香りのしてきそうな曲だな、と思う。そこにほんの少しの甘い香りも入っているゴルチェのオー・ド・トワレのような。
カッコいい大人のつくる音楽ってカッコいいなぁと、いつもと違うルートをしばらく気分よく歩いていたら、なぜか元の道に戻っていた。大人の色気の魔力ってこわい。

2019年11月14日木曜日

さらに マクガフィン

寝ても寝ても眠くてたまらない。
お久しぶりねの「おいてけ堀」でそう話すと、秋だからとちがう?と友だちに言われた。
どんなに早く床についても朝はぎりぎりまで起きられず、お昼前にこっくりこっくりしてお昼後にもこっくりこっくり。
どんなに早く床についても早朝ジョグをキメることができず、さらに早朝そばをキメることもできずにいる。


いつも絵や美術館の話しをする酒友だちが貸してくれた本が重い内容なのになんともいえずおもしろかったので、その本の話を肴にまたもや飲みすぎた。国家の陰謀ではないか、という結論に落ち着いた。
勧められた本を読むのは新鮮だし、勧めてくれた酒友だちのことがわかる気がしておもしろい。
最近読んでいる長編は佳境に入っているのになかなか進まずもどかしい思いでいたら、やっと新しいフェーズに入った。続きが気になって、寝坊したくせに今朝ちょっとだけよ、とベランダで本を開いた。ついにやってしまったか・・・これからどうするんだ平三(主人公)よ、と落ち着かない気持ちで弁当をつめる。


宇宙初オンエアの新曲を聴き終えたあと、あまりのカッコよさに思わず立ち上がった夜。
こんなカッコいい曲を作ってしまったの!と興奮していてもたってもいられなくなったが配信は再来週。これを爆音で聴きながら走りたいな、と思ったが、まずは早起きをしなければ叶わないこと。

2019年11月12日火曜日

時は流れるが戻るすべはなくはない

それは、じわじわとやってきた。
お風呂にためていたお湯があふれるように少しずつ、
毛糸がセーターになってゆくように少しずつ、
季節がいつの間にか変わるように少しずつ、飽きの気配がやってきた。


いつかはこの日が来るだろうと思っていた。
走ることが楽しくなくなったから仕方ない。
熱しにくく醒めやすいわりには長く続いたじゃないのと、無理をするのをやめた。それでもイベントごとはまだあるが、これはもう粛々とこなすしかない。

またいつか、散歩のように走りたくなったら再開しよう。

2019年11月11日月曜日

スカイツリーと東京タワー

夜の甘夏書店へ件のブックカバーを納品した帰り道。
目の前にはスカイツリーと満月。
こんな晩はしみじみ飲みたい、ということでフンド氏のお父さま行きつけのお店の暖簾をくぐる。
禁じていた熱燗も、こんな夜には解禁でしょう。
こちらではこの時期、牡蠣のオイル焼きのあるかなしかが季節の変わり目となる。
入手したZINEを読みながら、胃の腑に染み渡る菊正宗。しかし酔ってはいられなかった。
翌日は、月末のマラソン大会に向けて姪が合宿にやってくるからだ。しかも今回は下の子も初参戦。

当日は、姉妹お揃いのスエット上下で張り切ってフンド氏邸を訪問。行こうって言ってくれるんだからありがたい。ええ子たちだ。
それからのんびり歩いて公園へ向かうも、ビタイチ走っていないことに気付く。
夜は姉妹ご所望のどじょうのから揚げを求めて「ニューねこ正」へ。
自分の好きな酒場へ姪姉妹を連れて飲みに来る日が来ようとは。飲んでるのは自分ひとりだが。
お腹を満たしたらやはり姉妹ご所望の銭湯へ。
日本酒風呂ではなくローズヒップ風呂で温まり、風呂上りは牛乳と瓶コーラでキメる。

よふかししたくてもできない幼い姉妹の寝相の悪さに笑いを堪えながらいつもの本の続きを読んで眠りに落ちた。

フンド氏がいなくなって以来、ひさしぶりにまともな朝食をつくった翌朝。
びろびろベーコンに目玉焼き、そして「ニューねこ正」でいただいたメークイーンがおいしかったのでそれも添えて。じゃがいもをフンド氏にもあげようよ、と姉妹が提案。ええ子たちだ。

この日ははとバスに乗ると決めていた。
オープンエアの2階建てのはとバスで都心をぐるっと回る。妹の方は風邪薬が効いて爆睡していたが、姉は静かに楽しんでいてくれたようでよかった。
東京タワーの色は赤ではなくインターナショナルオレンジであると初めて知った。

この日の昼食は万世に行くと決めていた。
白いシャツをぱりっと着た店員さんがワゴンでステーキやハンバーグを運ぶ、なつかしいファミレスのような雰囲気が好きだ。
肉食姉妹は大人仕様のメニューをぺろりと平らげた。
そういえばこの時間までビタイチ走っていないことに気付く。形ばかりでも走らねば、と隅田川のあちらがわに渡って吾妻橋までのんびり歩く合間に少し走る。

夜は妹夫婦と甥と合流して宴会。
しかし子どもを育てるってのは大変なことだなぁ、よくぞここまで育てたなぁ、と心から感服。
保護者がいるおかげで気が緩んで、気持ちよく酔った。

2019年11月8日金曜日

本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展は明日から

本日搬入の「本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展2019」に出すブックカバーは、昨夜遅くに完成した。
ねまちの銘店「土俵そば」のブックカバーで、しおりは海苔のついたおそば。
 表紙を開くと、そばをすする生姜。
裏表紙を開くと、やはりそばをすする梅。

このブックカバーに合わせたいのは、池波正太郎著「むかしの味」。(もしくは『散歩のときになにか食べたくなって』)
ちょっといいお蕎麦屋さんで注文したおそばを待ちながら、あるいは旅先で食べる駅ソバを愉しみにしながら、このブックカバーで本を読んでみてはいかがでしょう。
飛び散るおそばが邪魔くさく、梅がやけにかさばるブックカバーではあるけれど、おしゃれは我慢であると「サロン・ド・こけし」のマダムも
「MOD BARBER こけし」の店主も申しております。
久しぶりに、売れませんように!と思えるものができました。



本と遊ぶ!ブックカバー・しおり展2019
日時 11月9日(土)~30日(土) 12~18時 最終日17時まで
※火・水定休

場所 甘夏書店 〒131-0033 東京都墨田区向島3-6-5 一軒家カフェikkA2F


ブックカバー作り最後の追い込みは、イヤホンで音楽を聴きながらおこなった。
静かな場所で聴くと新しい発見がある曲がいくつもあり、集中しながらも時には目を潤ませ、歌ったりヘッドバンキングしたりして完成のときを迎えた。

完成と音楽で気分が昂揚してフラゲしたワインを開けた。
フンド氏に見せたら褒めてもらえただろうなぁ、そうだ、誰かに写真を送り付けたろかと思ったが、既に日付が変わっていたので我慢。我慢してなぜか掃除を始めた夜更けに聴くCreepy Nutsの「よふかしのうた」は、ナニモノにも代えがたい。

2019年11月7日木曜日

NO MUSIC,NO LIFE

労働と仕事と課題の先が見えてきたある晩。
今夜くらいは飲ませてよと赤ちょうちんならぬ、はためく暖簾に誘われてみた。
遅い時間だったのでもしかして会えるかな、と思っていた酒友がカウンターの人気席に座っていた。
カキフライあるよ、と美人女将が言うか言わないかのうちにカキフライを注文。ぶりもよいし新さんまの刺しもよい、と白板を見てうなっていると酒友もうなっている。乾杯して、秋のメニューって迷うから困るよね、と互いに来たおつまみを見たら、ほとんど同じものだった。

「ニューねこ正」を出ると、うっすらかいていた汗がたちまち冷たくなった。
晩秋のこの感じ、嫌いじゃないぜ。


愛用のiPodクラシックを洗濯してしまってからしばらく、歩きながら音楽を聴くことができなかった。クラシックは重くても大きくてもデザインが好きだから他のものに浮気することはなかったが、好きな曲を爆音で聴くことのできない日々は味気なく、耐えきれずに禁断のiPod nanoを購入。カラーは禁断のレッド。
しかし音楽を持ち運べる喜びにくらべたらこんなことはどうでもよい。
寝不足でも気持ちのよい朝に聴くORIGINAL LOVE「ゼロセット」は最高。