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2020年12月4日金曜日

縁起ものとおくりものフェア

まじめな夜ふかしをして一服しようとベランダへ出たら、向かいのマンションの何部屋かに明かりがついていた。
みんなこんな深夜まで何をしているのかな。私はチクチクいろんな顔をつくったり来年の手帳をつくったりしてたんだぜ、ワインもほとんど飲んじゃったけど酔ってないんだぜ、と自慢したい気持ちで一服。
12/12から甘夏書店さんで行われる「縁起もの贈りものフェア」。何をつくるか決めたのが前日で、前日は「ニューねこ正」でむしがれいで飲んでしまったのでこの日から始めたのであった。
「縁起もの贈りものフェア」
期間 12/12(土)~1/23(土) (定休日 火・水)
※冬期休業12/28~1/7

時間 12~18時(17時以降の会計は1階)

   店内と一階入口甘夏書店屋台

※通販あり(12/14~旧正月2/12頃)

これで翌朝、紅しょうが天そばをキメることができたら言うことなし。

2020年11月3日火曜日

つながる市でいろいろつながる

いつ以来か思い出せないほど久しぶりのマッチ売り。錦糸町PARCOの無印良品での「つながる市」が始まった。
お客さんが来るたびに変な汗をかいたが、
近所の友だちや夜にしか会わない「ニューねこ正」

の常連さんご夫婦、「おいてけ堀」
の常連さん、はたまたいつも愛読している墨田区のフリーペーパーや墨田区のWebのライターさんなどなど、たくさんの方に来ていただいてさらに変な汗が吹き出るほどうれしかった。さらにお買上げまでしていただいて本当にありがたかった。
今回声を掛けていただいた甘夏書店さんのお隣であることと、地元であることのおかげで楽しくお店屋さんをすることができた。両国の方に両国のマッチを紹介できるのはうれしい。
しかも後ろは以前よく行っていた西荻モンガ堂さん。古書店に囲まれ、さらにワンフロア下では古書市もしており、また新しい本に出逢ってしまった。
今日は最終日。

2020年10月16日金曜日

82年生まれキム・ジヨンと相撲道

たまには映画館に行こうと「82年生まれキム・ジヨン」を観に行った夜。
いい映画だったのだが、観終わってなんだか落ち込んできたので連日の「ニューねこ正」へ。
常連のご夫婦と「おはようございます」と昨夜と同じごあいさつ。
「ニューねこ正」は連日でも飽きないどころか、食べたいものが多すぎて追いつかない。昨夜は初ものの秋刀魚の塩焼きがおいしかったがやはり刺身も食べたくて来た次第。白板と短冊をじっと睨んでいると、この季節には少し早いふぐのから揚げを発見。もう熱燗から始めるしかない。
フンド氏と来ていた頃とほぼ同じペースで「ニューねこ正」へ来るようになり、美人女将はいつしか実のお姉さんのような存在に。たのもしくてやさしい美人女将にはなんでも話すので、先日のクソ合宿話もしたし、その日の特においしい魚をこっそり教えてもらってもいる。
秋刀魚刺とふぐの後はやはり白子でしょう、と言われてほんのりピンク色の白子を久しぶりにいただく。季節のおいしいもので季節が変わろうとしていることを知るのはいつもここ。でも今年は特に、ぼんやりしているうちに季節が変わっていった気がする。

そういえば今月末、ついに映画「相撲道」が公開される。
「82年生まれキム・ジヨン」が始まる前の予告が相当カッコよかったし、街頭ビジョンで見た予告もカッコよくて思わず立ち止まって見入ってしまった。

2020年9月10日木曜日

太陽にほえろ!

フンド氏の誕生日は、休みをとっていつもの場所へ。
海以外に目当てのなにかがあるわけではないけれど、なんとかのひとつ覚えみたいにそこへ行きたくなるのだ。
小さめのかばんに本を入れて、朝からなにも食べていなかったのでめずらしく駅弁をキメる。
ずっと前から気になっていた小さめのトンかつ弁当。ずいぶん昔からあるお弁当らしく簡易な包装にも掛け紙にもひとめぼれした。もちろんとてもおいしくて、本を読んだりうとうとしているうちに、あっという間に到着。
着いたらまずは駅のテラスで一服することにしている。ずいぶん暑いなと空を見上げたら、ぽつりぽつりと降ってきた雨が激しくなった。雨雲が去って足が勝手に喫茶店へ向かう。海へ行こうと思っていたのにな、と思ったがフンド氏が行きたがっているのならと従うことにした。

以前読んでいた見知らぬ人のブログを何年かぶりに見てみたら、その人はつい最近突然パートナーを亡くしていた。その人は外食産業の仕事をしておりブログにもあちこちのお店の食べものや自宅でつくった料理などがならんでいたが、それを続けながらもパートナーへの思いもあふれている。食べものは何を食べたかではなくて誰と食べたかが大切だと、またきちんと仕事をしつつ感情を文章にすることができるなんてすごいな、と心から思った。自分にも、お店のいつもの席で涙を流すような素直さがあったら、と後悔するも今は目先の寒天。いつもの席などあるはずもないこの喫茶店では春はいちごのケーキ、その他の季節は寒天と決めている。そして帰りにコーヒー豆を挽いてもらうのだ。ここのコーヒーは家で淹れてもすぐにこの喫茶店の様子がありありと浮かぶ独特な香り。
あとは海へ行ってパン屋さんでフンド氏のホットドッグを手に入れて帰るだけ。レンタサイクルを漕ぐ元気もなく日傘をさして海岸へ出ると、沖が緑色に光ってとてもきれいだった。
しばらく海岸を歩き雨に2度降られて、途中でいちじくを手に入れてさようなら。

パン屋さんがめずらしくお休みだったので「ニューねこ正」の焼鳥を持って帰ろうと思ったのに、フンド氏の父上の行きつけだった「おいてけ堀」の暖簾をくぐってしまった。
気分よ気分、といつもの肴で軽く飲る。誕生日のことさえ忘れて気分よく帰った翌日はいよいよ「ニューねこ正」へ。北海道のほやがあったのですかさずご指名。焼いた赤魚が来て堪えきれず枡酒にチェンジ。ソロ活動するようになって干物などの魚を自宅で焼かなくなった。魚は大好きなのにな、としみじみ味わう。
そういえば外のあれ、気付いてないでしょうと急に大将に言われて外のサンプルケースを見ると、はたしてそこにはなつかしのマッチが。ずっと前から飾っていたとのこと。知らなかった!
おみやの焼鳥とともに渡された焼いもが温かくてうれしかった。

とはいえ、美人女将と話していたのは「太陽にほえろ!」のことばかりだったのだけど。

2020年9月7日月曜日

予定のない日は すべすべ温泉へ

「ニューねこ正」の美人女将に借りた「鬼龍院花子の生涯」を見終わった。三度に分けて1週間かけて観たが正解だった。濃度が高くていっぺんに観られないから。
仲代達矢の顔が目に焼き付いて離れない。まぶしいほどの夏目雅子はもちろん、美しい岩下志麻に夏木マリに、花子の顔も。

後日美人女将に報告しに行くと、今度はショーケン関連のDVD-Rを渡された。いつかは通る道と思いながらちっとも通って来なかった若き日のショーケンに、ついにお目にかかることができる。

思いきって枡酒をもう一杯お願いしたのはこの日初めてお目にかかった北海道のほやのせい。ちょうど帰り道で「ウィークエンドシャッフル」の泥水特集を聞いていて、RHYMESTERが初めての地方イベントに向かう東北新幹線のデッキで酒盛りを始めて〽ホ~ヤ ホヤホヤと浮かれてへべれけで到着し、その後・・・という話を聞きなおして笑いを堪えて歩いたところであった。
今まで食べていたのは東北地方のものでそれはそれでおいしかったが、北海道のほやはまったくの別モノでびっくりした。へべれけで帰宅して、楽しみにしていたCreepy NutsのMステ初出演を観たはずなのに記憶が断片的だったのが悔やまれる。

特に予定はなかったがこの日は一日お風呂に浸かろうと決めていた。
落語の「らくだ」に出てくる棺桶のような自宅の浴槽ではなく、広くて静かで長居できるお風呂。
久しぶりの「すべすべ温泉ねこぞの」はぐっと大人の雰囲気になっていた。
最近お気に入りの高炭酸風呂では自分の手脚についていく泡を気持ち悪いと思いながら飽きずに見て、露天風呂ではひょうたん型の天井から雲ひとつない空を眺めた。途中岩盤浴でうとうとしているうちに、暑いのになぜわざわざ熱いところで寝ているのかと疑問が浮かんだが気づけばまた高炭酸風呂で腕の泡をじっと見ていた。
身も心もすっきりしてねこぞのを後にしたが、すべすべマッサージを受けるのを忘れていたことに気付いた。日々がんばっている自分にご褒美ならばリベンジしたいところだが、まったくふざけた毎日をおくっているので特に悔しくはなかった。

2020年8月24日月曜日

今年もオーバーナイト60㎞

なぜか毎年出ている、みちくさウルトラマラソンのオーバーナイト60㎞。ここ最近の急激な増量に危機感を感じていたところに友だちからのお誘いがあったので参加することに。

前夜は近所の整体へ登場。以前から気になっていて比較的お安いので気軽に行ってみたらこれがもう大当たり。開始直後からマラソン後もお願いしようと決意。
うつぶせで施術をうけたためについた妙な寝癖とむくんだ顔のまま「ニューねこ正」で英気を養う。この日は生牡蠣が最高だった。昆布森というところで獲れたらしいが名前からしておいしいことを約束されたものだ。大会前によくいただく軟骨焼きを美人女将がそっとサービスしてくれた。

新型コロナのせいでマラソン大会が次々に中止になる中での開催ということで主催者側も相当気合いが入っていた。例年は深夜にも関わらず沿道の方々が声をかけてくれたものだけれど今年はピリピリしているのかな、と気を引き締めてスタート。ところがピリピリどころか例年より多く感じる声援と私設エイド。とてもありがたくうれしかった。途中小さな声でランナーに向かってなにやら歌っている男性数人。今なにか歌っていたねと友だちに言うと「サライ」だったよ、とのことで吹きだした。
今回はウルトラ経験豊富な鉄人と月間300㎞走っている伸びざかりのふたりに挟まれて走った。今年は減量目的だし練習していないし完走は難しいだろうと思っていたが、まじめで親切なふたりのおかげで例年より早く翌朝5時頃にはゴール。休憩も多すぎず少なすぎず、ペースも早すぎず遅すぎず、気遣いもありがたかった。しかし箱根湯本への坂道にさしかかった残り3㎞あたりで、ゴール前だし少し走りましょうかと言うやいなや走りだした坂道好きなふたりの背中をうらめしく見て付いていったことだけは繰り返し伝えておいた。

途中つまづいて転んでもなんとか完走できたのは、打ち上げにお鮨が待っていたから。
今回一緒に走ったメンバーは練習会後の食事会にかなり重点を置いていて毎回ご相伴にあずかっているのだが、その中の主要メンバーおすすめのお鮨の店が真鶴にあるという。
真鶴は今は亡きフンド氏の友だち家族に誘われて一度だけ訪れたことがあり、とにかくいい思い出しかない。地名も好きだし小説「真鶴」も好きだ。これはぜひ行きたいと、そのために必死で走ったのだ。

痛むあちこちを温泉で休ませたあと、いざ真鶴へ。
タクシーの運転手さんに店名を告げるだけで通じるそのお店は、毎日労働帰りに通るお店だった。飲食店は数あれど、いつ見ても店内はいっぱいだったのにいつのまにか消えていたので不思議に思っていたら真鶴で開業しますます評判の店になっていたのだ。
すてきなつくりの店内にため息の出るお料理の連続。背筋は伸びるが緊張感を強いることはない。聞いたことのなかったスミヤキという地魚や藁焼きの魚、特にキスの昆布〆のお鮨にはどんな言葉を送ってよいかわからないほどだった。
時間の経つにつれてため息をついては眠気が襲ってきている鉄人を見て笑っていたが、帰りの電車では私も睡魔に襲われ何度も失神した。

2020年8月19日水曜日

いつかあなたに

ここしばらくはRHYMESTERに夢中で、以前あんなに好きだった星野源は疎遠になっていた。
夏休みの前に「ニューねこ正」の美人女将が、BSでやっていた星野源のワールドツアー観た?録画したから今度あげるよと言ってくれたときも、正直断れなくて申し訳なく思っていた。
休み明けからの二日酔いやら激太りやらで酒場を避けていたが、この夜ふらっと寄った「ニューねこ正」に入るなり美人女将が挨拶もそこそこに渡してくれたDVD-Rを帰宅後さっそく再生する。ああ、ニューヨークでもこの曲から始めたんだ、へぇこの選曲だったんだ、とうれしくなった。
桜も桜の季節の歌も大嫌いで、いろいろがよみがえってきて泣きそうになったのでスマホを片手に歌って踊ることにした。
この日は歩数が少なかったからということもあり、涙しながらも歩数をチェックする自分は決してキライじゃないぜ。

2020年8月5日水曜日

誕生日は終了

ふうふう言いながら宅急便のおじさんがやってきた。幼なじみからの大きな箱を開けると、大きなすいかが鎮座。半分に切っても我が家の冷蔵庫にはおさまらないほどだ。そのほか、なすにししとうにピーマン、ムンクの叫びのような色のトマトに枝豆に、まだまだたくさん。なんてすてきな夏の贈りもの!
あわててすいかを半分に切り「ニューねこ正」へ向かう。
よく冷えているうちにすいかをおすそわけ。ついでに幼なじみの友だちのところで採れたというししとうが、どう見てもししとうに見えないのでそれも持参。
短縮営業が再開になったために閉店間際の雰囲気だったが、顔見知りのご夫婦がいて安心。
商売柄、食べものにくわしい「ニューねこ正」の美人女将も大将も板前さんも、この下原(しもっぱら、というらしい)すいかにはびっくり。そしてなぞのししとうについて尋ねると、食べた方が早いとその場で串に刺して焼いてくれた。新種の激辛唐辛子だったりして、と笑いながら口に運ぶと、見た目はつるっとした小ピーマンなのに味は万願寺に似たとてもおいしいししとうであった。
全然味が違うから食べてみて、と大将が枝豆を2種出してくれた。先日耳鼻科へ行ってよかったと心底思いながら食べ比べてみたら、ぜんぜん風味が違う。それもそのはず、だだちゃ豆と茶豆であった。晩酌はすませていたので満腹だったが、小肌を注文したのは調子に乗りすぎか。禁断の最後の客になってしまった。
帰宅後すいかを小さく切って食べると、幼なじみのいうとおり歯ざわりがよくてすっきり甘くておいしい。これが毎日食べられるなんて、と幸せな気分になったが、いつか無くなる日が来ると思うと悲しくなった。

べつの日。
愛用していた義兄作のお皿がまっぷたつに割れてしまい、適当に補修して使っていたのだがまた割れてしまった。どうしても捨てたくなくて義兄に相談すると、数日後にすばらしく豪華なお皿が届いた。しかも名入り。もったいないが使ってこそのお皿。このお皿に見合う料理を作ろうと決心した。まっぷたつのお皿も再度補修して使うのだ。

またべつの日。
晩酌しながら照ノ富士の取組をしつこく見ていたら妹からメッセージ。大好きな長崎の古着屋さんが立ち退きで閉店するそう。目の前が暗くなり久しぶりにホームページを見てみるも気付くと普通に買いものをしていた。翌日店主からメールがあり、次なる野望に燃えているとのことだったのでうれしかった。私と妹がお邪魔したときに教えてくれた、真夜中のスパゲッティならぬ真夜中のハンバーグが人気のお店のあたり一帯がやはり立ち退きで閉店とのこと。ショックだったがこのお店も場所を変えて営業するというのと、数えるほどしか行っていないお客のことを覚えていてくれたことがうれしかった。
後日届いた商品の中に、うれしい手紙とプレゼントが。これだから調子にのって親近感が湧いてファンになってしまう。

そろそろ今年も誕生日が近づいてきた。
特別感は皆無でなんの感情もなかったが、うれしいことばかりあったのでもういいや。

2020年7月25日土曜日

大相撲七月場所五日目

どこにも行くことができないこんな連休は遊ぶしかない。金に糸目はつけないぜ。程度によるけれど。
出かけたのはまたまた国技館。初日はかなり興奮してぐったり疲れたが、今回は冷静に観られるかなと開場5分前に到着。洋服は白。以前は忌み嫌っていた応援タオルまで用意した。照ノ富士に連勝してほしかったからだ。
この日の席は天覧相撲の際の天皇陛下の席の隣で最前列、幕下の最初から観ることが出来た。あわただしく番組表を見ては先日のパンフレットをめくる。呼出の邦夫の美声は終盤ホーミーのようだったよ、とその晩久しぶりに隣り合わせた飲み友だちに言ったら、それって褒めてるの?と怪訝な顔をされたがこの日の声は特に素晴らしかった。
あっという間に十両土俵入り。ぼけっと鮮やかな青のまわしの豊昇龍に見入る。
先日、相撲好きな友だちに今場所のパンフレットを送るついでにひと言メモをと思ったら止まらなくなって、終いには付箋だらけに。照ノ富士、霧馬山、豊昇龍でまたモンゴル時代が!などと書きなぐったが実は本音。でも琴勝峰のような底知れない若手もいる。あと若元春と若隆景兄弟に北勝富士も。

今場所二度めの観戦もやはりぐったり疲れて「ニューねこ正」へ駆け込む。
この日が最後のスナップえんどうとこの日だけの最高のつぶ貝で緊張していた体が緩んだ。

2020年6月9日火曜日

「ニューねこ正」にかぎる

どれぐらいぶりかわからないほど久しぶりに皇居へ登場。
ひと気の少ない日比谷公園を横切って桜田門へ向かうと、今までに見たことのないほど少ないランナーたち。待ち合わせより早く着いたのでソロで軽く一周すると、意外にカラダは軽かった。
二周めは友だちと話しながらゆっくり走り、焼鳥屋で大急ぎで飲んで食べてさようなら。営業時間が短縮されているからだが、私にはこの方がよい。それにしても焼鳥はやはり「ニューねこ正」にかぎる。
ここ数日とある問題で悩んでいたのが、憑物がとれたかのようにすっきり解決。
その夜は「ニューねこ正」にいたのだが、おいしい焼鳥などをいただいた直後になぜかクソまずい焼鳥を食わされるはめになりせっかくのねこ正の余韻がとんでしまったことが遠因で問題は解決。
後日改めてソロで「ニューねこ正」へ。美人女将の目の前の席に座って、コトの顛末を聞いてほしかった。しかし、今日のは美味しいよ、といわれたかつおがそれはもうおいしくて、板さんが添えてくれた皮の近くの身を薄く削いだものにも悶絶するうちに話すのを忘れた。焼鳥だけでなく、やはりすべては「ニューねこ正」にかぎる。

2020年6月1日月曜日

現実逃避

旅先の食堂で目にした懐かしいドラマが気になって、労働から帰るなり三話まで視聴。
週末は酒を飲みすぎて海で遊んでたらふく食べて
おっとその前に大切な問題が発生してずっと頭の片隅で考え続けながらもラン友からのランのお誘いをありがたく受けたりしつつ実家から送ってもらった巨大なズッキーニを炒めたりして、三話まで視聴したのだ。

昔のドラマは中身はもちろんのこと、景色が当時を思い起こさせるものだからたまらない。ツヨシくん元気かなぁ。雨の井の頭公園といえばツヨシくんと行ったあのステキカフェを思い出すなぁ。でもカフェの名前忘れちゃったなぁ。

今夜はここまで。
問題は山積だけれど、悩みすぎて疲れたから今夜はこのまま寝るから、と食べきれなかったズッキーニに語りかけながら風呂に向かうのであった。

2020年3月27日金曜日

おいしいものは最強

ほぼ満開の桜に見向きもせずもくもくと歩いたこの晩は、鼻がきいたのか「ニューねこ正」に今年初めてメニュー入りした山菜にありつくことができた。さらに黒鯛としめ鯖で悩んでいると大将が、合い盛りにしますよ、と小声で言ってくれたのでお言葉に甘えた。
体調がよくないという美人女将はそれでも輝くばかりの美貌。なんだかんだいっても布団に入って本を広げるとすぐに顔面に本が落ちる私は悲しいほど健康だ。この健康を分けてあげたい。
口に入れたとたんにおいしくて言葉を失った黒鯛と最高のしめ鯖、そして今年は河岸でも高くてなかなか仕入れられないというたけのこの天ぷらに、毎日のうつうつとした気持ちが一瞬消えた。
春はろくなことがなかったし桜は苦手だ。(毎年桜の開花に合わせて行われる新酒発表会は除く)花見は自粛するように言われているが、言われなくてもしませんよ。夜、冷えが直に伝わる地べたに座ってウェイウェイつべたい缶ビールを飲んでいるのを想像しただけで帰りたくなるし実際途中でこっそり帰ったものだ。桜なんて通りすがりにちらっと眺めるくらいでじゅうぶん。

春が近づくあの匂い、今年は2月から感じられてそれも不快だった。沈丁花が香るころはきりっと澄んだ寒さがなければ。
などと心の中で文句を垂れながら、早く秋にならないかな、と思う。


愉しみにしていたというより心の支えにしていたRHYMESTERの総選挙は生配信になり、それなら一緒に飲んで騒いで見ようよ、と提案してくれた友だちもコロナのせいで上京を断念。生配信が中止にならなかっただけいいといえばいいが、これが終わったらもう次の心の支えが・・・
などと嘆くヒマがあったら、作品を少しでも作ったらどうなんだ。

2020年3月24日火曜日

おはよう!琉球放送一直線

毎朝5時に生島ヒロシの声で目覚める。
6時からの「おはよう一直線」というタイトルは他の追随を許さないセンスだと思っているが、5時からの「おはよう定食」もなかなかどうして。早起きシニアに向けたラジオ番組であるとは思うけれど、電車の中吊り(もしくは新聞の週刊誌の広告)のような硬軟おりまぜたニュースにひとつひとつツッコみを入れるヒロシ、長い沈黙ののちに大きなくしゃみをするヒロシ、ゲストに森永卓郎氏が出るたびに彼のものまねをするヒロシなど、時計がわりに聞いていたはずなのに気付けばすっかり好きになっていた。妙に発音のよい番組最後の「Thank You,and Good Luck!」を聞いたらキッチンのPCを立ち上げて今度は「森本毅郎・スタンバイ!」。これも時計がわりだったのに、玉鷲関が好きでニュースにきちんと怒るタケローやそれに対してニュースを分析して解説するゲスト、いつもひかえめでかわいらしいのに酒好きな一面がたまに覗く遠藤泰子さんのトリコになりこちらも毎朝の定番になった。
家を出るまでのこの一連の流れにたまに入るのが、Radikoのなぞのエリア判定による遠い地域のラジオ番組。これまでも北海道や長崎、愛知に栃木に千葉などあちこちの番組を聞いて朝から旅気分に浸ったものだが、この朝はついに沖縄へ。RKB・琉球放送の文字を見たときは労働を休んでしまおうかと思ったほど。
NAHAマラソンですっかりファンになった琉球銀行のラジオCMや小学生の作文、そしてなんといっても現地の天気予報を聞いてしばし気持ちは沖縄に飛んだ。
締切間近の作品が手つかずでもありマラソンの練習会もサボったのでさっさと帰るつもりが、思いのほか冷え込んでいたのでついつい「ニューねこ正」へインしてしまった晩。
体調不良の美人女将にかわって焼き鳥を焼く大将がメニューをにらむ私によかったら初鰹が少しだけあるから合い盛りにしようか、と提案。フンド氏ほどのかつお好きではないが、この晩のかつおは見た目も味も素晴らしかった。

ほぼ同時にカウンター席についたスリムランナー青年に、どうしたら休日にジョギングする気になるかについてレクチャーを受ける。まずは家を出ること、そしてお昼になにを食べようか・どこの銭湯に行こうかを考えてコースを決めること、この2点かなぁ、という意見に激しく同意。次回はこれでいこう。
先日は2時間かけてようやく家を出て、たった5km走って退散した。風が強くて、ということにしたがいったい誰に言いわけしているのか。
そして窓辺のこの犬はなぜ手拭いを巻いて寝ているのか。

2020年3月5日木曜日

三月の初午とオムライス

初午の日に地口行燈を見に行きたいと思いながら早や10年以上経った。
もう3月。今年も逃したな、と諦めていたところ、通りかかったとある町内会の掲示板に初午の文字。
その神社は小さすぎたために気付かず通りすぎていた。雨上がりの鳥居をくぐるとひっそりと数個の地口行燈に灯りがともっていた。ほうほうとひとつひとつ観察して小さな神社を見回すと「福箸をどうぞ」の貼り紙とともに三方に福箸。背筋を伸ばしてお詣りし、ありがたく頂戴した。
初めていただいた福箸、いつおろそうかな。


ぼんやりした不安に包まれた今日この頃、夜の酒場こそが救いの場。(いつもそうなんだけど)
もうじき無くなる冬のメニューをしみじみいただいていると、美人女将がこっそりお皿を差し出した。
それは、長年恋い焦がれていた「レストラン両国駅」のオムライスと同じオムライス。
炒めたごはんを薄焼きの玉子で包んだ正統派。この日のまかないのおすそわけ。
興奮して写真を撮っていると、そんなに好きなの?と大将が笑った。
作るのが面倒だし自分ひとりのためにつくるのはもっと面倒だからしばらくつくってないんです、とゆっくりスプーンを口に運んだ。

2020年2月26日水曜日

せつない梯子酒

ランをお休みしているせいもあり、連休など存在も忘れていたのでなんとなく帰省。文太くんとのんびり話がしたかった。
両親と話していて文太のお母さんの話になり、文太のお母さんの写真を発見。体の大きさは違うが顔はそっくり。白い靴下を穿いているところも同じ。

元気に散歩する文太もやや体力が落ちたか。
これまでのようなロング散歩でなく、いつもと一本違う道を歩いたり近所に建設中の家をいつまでも眺める文太に付き合ったりした。

なつかしいお店でローメンも食べた。
むかしむかしラーメン屋の店主が夏場に麺を保存する方法を考えていた。麺を蒸したらカチカチになったのでそれを茹でたらなかなかよい感じになった。その麺を野菜や肉と炒めてくれとお客さんに言われて出来たのがローメンらしい。田舎にいた頃は食べたこともなかった地元の名物。

梅の香りがただよう山の中の、母の実家のお墓へも久しぶりに行った。
あの道を上りきったところに曼珠沙華がたくさん咲くお寺があると母が言う。曼珠沙華は彼岸花ともいうしきつねのかみそりと呼ぶ地方もある。お彼岸になり一斉に燃えるような赤が咲き乱れるさまは圧巻だろう。一度行ってみたいものだ。

母の手料理で晩酌を始めたころ、声を聞くのは20年ぶりくらいの方から電話があり台所で長電話。その方は最近かなしい出来事があったのだが、努めて明るくふるまう声と裏腹にさらに抱えきれない出来事が重なっており、なぜこんなことになったのかと怒りを通り越してせつなくなった。
長電話を終えた私を待っていたのはテーブルに顎を乗せた文太。なんとなくだったけれど帰省してよかったと思った。

たくさんの野菜を担いで両国へ戻り、いつもの店の前を通りすぎる際にメニューを横目で見ると、たこのから揚げを発見。荷物を置いて引き返した。
満員のカウンターで手を振る人は未亡人会会長。今宵は副会長とご一緒ではないのですね、とごあいさつするとその副会長が体調がよくないのよ、とのこと。
未亡人会のよいところは、相手に気を遣わせずに亡き連れ合いについて惚気ることができることと、さみしいと言えること。大先輩ばかりだけれど、そこは同じなのだ。
病気で連れ合いを亡くした人ばかりなので、病気の話になるとつい黙りこむ。それを紛らすために未亡人会のメンバーは梯子酒をするのか、この晩もまた梯子酒。

2020年2月21日金曜日

ハトをストーカー

懸案事項であった、もういない人への贈りものの手配を終えたら急になんともいたたまれない気持ちになったので、酒場へ急ぐ。
こんな夜は本でもめくりながら静かに飲みたい。そう思って席につくなりかばんを開けると、駅弁の本しか入っていなかった。駅弁の本を読みながら酒を飲むのはヘンなものであったが文字を読みたいのだから仕方ない。
肩を叩かれて振り向くとゴルチェおじさん。その隣のおじさんが駅弁の本を読んでいるのかい、と話しかけてきたことから新幹線や駅弁の話になった。仕事で行った新大阪からの帰り、途中の駅でお寿司屋さんに出前してもらって翌日すし桶を宅配便で返したこと、一升瓶を持ち込んで宴会していて寝過ごして車庫に行きそうになったこと、車内で注文をとって受け取る米沢牛の弁当がいちばんうまかった、などなどおもしろい話をたくさん聞いているうちに禁断の4杯めに手を出してしまった。いたたまれない気持ちは少しだけ軽くなった。

翌朝はひさびさにヒロシ体操の時間に目覚めて、いい具合に空腹でもあったため早朝ソバへ。
今日は歩いていくの、と女将さんに言われてはい、今日こそは、と気合いが入る。

我が家よりも満開の沈丁花や梅の香りを吸いこんで気持ちよく歩いていると、路地の向こうから夫婦ものなのか友だちなのか2羽のハトが並んで歩いてきた。仲のよいことよ、とハトたちに向かって歩いて行くと、彼らの背後に不審な男性。尾行しているとしか思えない執拗さで彼らの後をつけている。うしろ、うしろ、と心の中で大声で叫ぶと彼らはものすごい早さで走っていった。
そこは飛べばよかったのではないか、と彼らのうしろ姿を見て思ったが、彼らも歩きたい気分だったのかもしれない。

2019年12月10日火曜日

合法的な酩酊

遊びすぎてフトコロが寒い夜。
冷たい風に吹かれて通りがかった「ニューねこ正」。品書きをうらめしく見ると、しめ鯖の文字が輝いていた。呼ばれている!と迷わず暖簾をくぐった。
美人女将の目の前の席を陣取り、ますます選択肢が増えたメニューをウキウキ眺めると、しめ鯖おいしいよ、と美人女将。それ食べるつもりで来ました、と食い気味で答えると、ふぐのから揚げもあるよ、というのでそれもください!と元気よく答えた。

注文の入った焼鳥を女将が炭火の上に置くのを見て気づいた。月命日のおみやをフンド氏に持っていくのを忘れていた。

この日のしめ鯖はやっぱり大当たり。わさびはたっぷりつけた方がおいしいが、そういえば新さんはカラシで食べていた。しめまくったしめ鯖で今度試してみよう。
ほどほどに飲んで食べて、来年の手帳も自慢して、さあそろそろと腰を上げかけたら友だちがやってきた。
これは帰るわけにはいかない、と頼まれてもいないのにお銚子もう一本。
気になっていたことなど話しながら、こりゃ酔ってきたな、と思ったのでお先に失礼しようと立ち上がると、お勘定を済ませた男性と目が合った。
「おいてけ堀」でたまに会うスリムランナー青年であった。
ここでも会うなんて、とうれしくて青年をつかまえて那覇マラソンに出た話をムリヤリ聞かせる。彼は過去に那覇マラソンに数回出ているので、酔っぱらいは差し引いてもこの興奮はわかってくれたに違いない。

あとで訊いたら、彼もかなり以前から「ニューねこ正」に通っているとのこと。
何度か隣り合っていたかもしれないね、と驚く。かなりいい趣味をしているとみた。
フンド氏に手羽先のおみやをあげて、DVDを観て踊りながら弁当のおかず作りを始める。
しかしフトコロはさみしいし冷蔵庫もさみしい。
と思ったら、幼なじみにもらった伊勢みやげと先日友だちの家に遊びに行ったときに持たせてもらったお料理があった。おかずをつくっては飲み、つまんでは飲み、合間に歌って踊ってやっぱり酩酊。

2019年11月20日水曜日

あわてんなメーン

魚が食べたくて「ニューねこ正」へ参上。
特等席も空いておりホッとして腰を下ろすと、晩秋から初冬のメニューに変わっており
お刺身も焼き魚も牡蠣もベストメンバーがそろってた。
牡蠣は昨夜もいただいたけれどここのフライは外せないしあじフライもいいし、などと唸っていると美人女将がこっそり合い盛りにしてくれた。それからかぼすブリの刺身とたまたま入手できたというこの時期にはめずらしいスナップえんどう。先日食べそこねたさんまもおいしそうだったが満腹で断念。
美人女将に先日行った銚子の話などをしながらすっかり温まっていたら、二階からなにやら言い争う男女が下りてきた。
そういえば、お勘定のときに持ち合わせの足りなかった(らしい)男に女が怒り出し、男と扉(鉄製)を蹴るのをこのお店で見たことがある。先の男女がそれで言い争っていたかどうかは不明だが、なぜかバツが悪くなり隠れて女将と笑った。

お勘定で言い争った経験はないが、危うく食い逃げ犯になるところだったことが三度ある。
あるときはフンド氏が持ち合わせが少ないと言うので私がお勘定を、と思ったら財布を家に忘れていた。このときはフンド氏を人質にして財布を取りに家へ走った。
またあるときも、ソロで飲っていてお勘定をお願いしようとしたら財布を家に忘れたことに気付き、金目のものは持っていなかったので携帯電話をモノ質にして全力で家へ走った。息を切らしてお店に戻ると大将がおかえり、と一杯ついでくれた。
またあるときには、妹一家とさんざん食べて飲んでごちそうさま、と品よく店を出たところで大将から名前を呼ばれて振り向くと、大将の気まずそうな表情から支払いをビタイチしていなかったことに気付いた。

今後はこのようなことがないようにしたい。