例によって深酒した翌朝、目覚めるととてもよい気分であった。
この時間なら軽く朝ジョグをキメられる。
しかし布団の中であれこれ考えているうちに、考えが変わった。
そうだ、あのおそば屋さんへ行こう。
今朝はいつもの「おはよう!商店」をやめて
朝ソバとしゃれこむのだ。
いそいそと「土俵そば」への道を急ぐ。
「土俵そば」は早朝からお店を開けており、フライト前の「はとエアライン」の機長や夜間飛行を終えた「こうもりエアライン」の機長、「はっしゃオーライ!」のタクシードライバーなどで、うす暗いうちからにぎわっている。
ハナニラやパンジー、エニシダでにぎやかな店先で店主にあいさつして、のれんをくぐる。
おそばを注文して、なぜ今朝はここにしようと思ったのかと考える。
久しぶりに行く大相撲五月場所が愉しみだからか。
先日、ジムで臥牙丸関のトレーニング姿に目を奪われたからか。
パンパンにつまったおいなりさんをながめながらおそばを食す。
おいなりさんの隣のおにぎりもはちきれんばかりに丸々としており、やはり臥牙丸関は大きかったな、と改めて思う。
いつもと少し違う道を歩く。
築100年をとうに超えた、以前からちょっと好きな建物は健在であったが、それにしてもあちこち変わったなぁときょろきょろして歩く。
通勤途中であることをうっかり忘れた、ある朝のはなし。