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2019年11月11日月曜日

スカイツリーと東京タワー

夜の甘夏書店へ件のブックカバーを納品した帰り道。
目の前にはスカイツリーと満月。
こんな晩はしみじみ飲みたい、ということでフンド氏のお父さま行きつけのお店の暖簾をくぐる。
禁じていた熱燗も、こんな夜には解禁でしょう。
こちらではこの時期、牡蠣のオイル焼きのあるかなしかが季節の変わり目となる。
入手したZINEを読みながら、胃の腑に染み渡る菊正宗。しかし酔ってはいられなかった。
翌日は、月末のマラソン大会に向けて姪が合宿にやってくるからだ。しかも今回は下の子も初参戦。

当日は、姉妹お揃いのスエット上下で張り切ってフンド氏邸を訪問。行こうって言ってくれるんだからありがたい。ええ子たちだ。
それからのんびり歩いて公園へ向かうも、ビタイチ走っていないことに気付く。
夜は姉妹ご所望のどじょうのから揚げを求めて「ニューねこ正」へ。
自分の好きな酒場へ姪姉妹を連れて飲みに来る日が来ようとは。飲んでるのは自分ひとりだが。
お腹を満たしたらやはり姉妹ご所望の銭湯へ。
日本酒風呂ではなくローズヒップ風呂で温まり、風呂上りは牛乳と瓶コーラでキメる。

よふかししたくてもできない幼い姉妹の寝相の悪さに笑いを堪えながらいつもの本の続きを読んで眠りに落ちた。

フンド氏がいなくなって以来、ひさしぶりにまともな朝食をつくった翌朝。
びろびろベーコンに目玉焼き、そして「ニューねこ正」でいただいたメークイーンがおいしかったのでそれも添えて。じゃがいもをフンド氏にもあげようよ、と姉妹が提案。ええ子たちだ。

この日ははとバスに乗ると決めていた。
オープンエアの2階建てのはとバスで都心をぐるっと回る。妹の方は風邪薬が効いて爆睡していたが、姉は静かに楽しんでいてくれたようでよかった。
東京タワーの色は赤ではなくインターナショナルオレンジであると初めて知った。

この日の昼食は万世に行くと決めていた。
白いシャツをぱりっと着た店員さんがワゴンでステーキやハンバーグを運ぶ、なつかしいファミレスのような雰囲気が好きだ。
肉食姉妹は大人仕様のメニューをぺろりと平らげた。
そういえばこの時間までビタイチ走っていないことに気付く。形ばかりでも走らねば、と隅田川のあちらがわに渡って吾妻橋までのんびり歩く合間に少し走る。

夜は妹夫婦と甥と合流して宴会。
しかし子どもを育てるってのは大変なことだなぁ、よくぞここまで育てたなぁ、と心から感服。
保護者がいるおかげで気が緩んで、気持ちよく酔った。

2019年11月7日木曜日

NO MUSIC,NO LIFE

労働と仕事と課題の先が見えてきたある晩。
今夜くらいは飲ませてよと赤ちょうちんならぬ、はためく暖簾に誘われてみた。
遅い時間だったのでもしかして会えるかな、と思っていた酒友がカウンターの人気席に座っていた。
カキフライあるよ、と美人女将が言うか言わないかのうちにカキフライを注文。ぶりもよいし新さんまの刺しもよい、と白板を見てうなっていると酒友もうなっている。乾杯して、秋のメニューって迷うから困るよね、と互いに来たおつまみを見たら、ほとんど同じものだった。

「ニューねこ正」を出ると、うっすらかいていた汗がたちまち冷たくなった。
晩秋のこの感じ、嫌いじゃないぜ。


愛用のiPodクラシックを洗濯してしまってからしばらく、歩きながら音楽を聴くことができなかった。クラシックは重くても大きくてもデザインが好きだから他のものに浮気することはなかったが、好きな曲を爆音で聴くことのできない日々は味気なく、耐えきれずに禁断のiPod nanoを購入。カラーは禁断のレッド。
しかし音楽を持ち運べる喜びにくらべたらこんなことはどうでもよい。
寝不足でも気持ちのよい朝に聴くORIGINAL LOVE「ゼロセット」は最高。

2019年10月31日木曜日

秋の気配が消えた夜

うすうす気づいてはいたけれど、もしかして、もしかしたら、秋かもよ。
だるま:またなんか言い出した

少し前からそうなんじゃないかって思ってたのだけど、やっぱり、秋みたい。
青いかに:もしかして・・・

口に出すと本当になるから言わないでいたけれど、カラダがもう秋だとわかってしまった。
だるまちゃん:出た、熱しにくく醒めやすいやつ。

こないだもいつものあれをサボってしまった。
ぶた:めずらしい。あれだけは欠かさず行っていたのにね。

夜をサボっても朝があるさ、と天気も確認して意気込んで帰ったのに。
肉バッグ:朝もサボるんじゃないの、とうすうす気づいていたくせに。


早朝に下見したい場所があるから、それも兼ねてあれをしようと思っていた。
やる気まんまんだった。
なのに、夜あれをさぼった時点で飲み仲間に連絡しており、さらにその日は振られたというのに、のこのこ赤ちょうちんを目指した。
めずらしくお客さんの少ない「ニューねこ正」で本を開く。そういえばこんな時間を最近すごしていなかった。
禁断の熱燗に手を伸ばして、明日は早起きするから熱燗は1本にしておこう、と熱い酒を啜った。

静かだった店内も気付けばほぼ埋まっており、また引き戸を開ける音がした。
あら、今夜はいらっしゃると思ってたわ、と女将が声をかけると、そうですか、と笑う声。どの常連さんかな、と思いながら大事に酒を啜っていると、こんばんは、と隣に座ったのは、たまにここで会って話すスリムランナー。

彼は相当エリートなランナーのはずだが、愉しむために走っているところがいい。
なんだかもうイヤになっちゃって、と打ち明けると少し黙って、島とかどうですか、と唐突に言う。島でハーフとか楽しいですよ、参加賞で泡盛なんかもらえるし、フェリーで移動するのも面白いですよ、との言葉に一気に引き込まれた。
結局熱燗はもう1本追加して、気持ちは既に島へ飛んでいた。
ざるそば:なんて単純なんだろう・・・

2019年10月7日月曜日

続・旅人よ

RHYMESTERを地方のライブハウスで観るのは初めてで、しかも幼なじみとRHYMESTERのライブ会場にいるなんて、と興奮しているうちにSEが消えて歓声が上がった。


見えない。
男子率が高いので前が見えない。

でも曲が始まり声が聞こえると、どうでもよくなった。
だって、この夜のライブはRHYMESTERミュージアム。普段のライブでは聴くことのできないクラシック=名曲を、結成時から現在に至るまで時系列で聴くことができたから。
噴き出す汗と涙でぐちゃぐちゃになって、合法的にトびまくった。

スペシャルディナーの前に、実はまた行きたかったお店で祝杯をあげた。
しかしあんなに豪華なセットリストある?
アレもアレもアレもよ?贅沢だよ。
あんなカッコいいアラフィフいる?
など、宇多丸さんに負けないほどマシンガントークは冴えわたった。

その後のスペシャルディナーは、彼女の名を冠したメニューが特に最高でお酒が進んで仕方なかった。
ここの大将は野菜は育てているわ、それらを使ったお料理はすべて手間ひまかかっていておいしいわ、お料理のことを聞けばなんでも教えてくれるわ、しかもそれらをすべてひとりでやってのける、それはもうびっくりするほどすごいお店。だからつい食べすぎて途中でお酒が止まった。

たくさんの新鮮な野菜をいただいて、日付が変わってから帰宅。
それにしても、もっとましな恰好で来ればよかったと反省。
深夜に満腹で洋服を脱ぐことができなかったことと、胸より胃が出ているのを見たのは初めてであった。


昨夜の酒はまったく残っていなかったが満腹はおさまらず。
お昼、食べることができるかなぁなどと言っていたのに
リクエストしたお蕎麦屋さんが近付くにつれて鳴り出した我がお腹。
子どもの頃よく食べたいくちなどのきのこと、細く長く切った長いもの乗ったおいしいお蕎麦で、また満腹になった。食べ終えたばかりなのに、また来たくなった。

あちこち連れていってもらって、ここでまたスットコドッコイが勃発。
時間を決めて焦りたくないからと予約していなかった帰りの交通手段。松本マラソンのランナーや登山客でどの便も満席。しかも遊びすぎて頭がぼんやりして検索が進まず、幼なじみに調べてもらって、普通電車を乗り継いで帰ることに。
最初から最後まで幼なじみに世話になりっぱなしでお礼もできないまま、駅まで送ってもらってお別れ。

車窓を流れる景色を見ながら、普通電車でもやはり立ちっぱなしか、と笑いがこみあげてきた。甲府駅に到着する際に、今ごろRHYMESTERはここでライブ中だな、と思いだして電車を飛び降りたくなったが我慢がまん。

乗換えの駅でホームに降り立つと、風が明らかに冷たくなっている。
昨日駅ビルで購入したものの一度も袖を通していなかったカーディガンが初めて役に立ったのはこのときであった。

2019年10月3日木曜日

かつお風味のふんどし

いいことがあった友だちと飲んだ帰り道
たまに出くわす「これ」が道に長々と横たわっていた。
力士のふんどし。
両国に住んでいるとこういったものが干してあるのをよく見かけるが、深夜の道端で出会うとは。

いいことがあった友だちと会う前に、お久しぶりねの未亡人会会長とその息子さんとご一緒。
みんなご主人と長年「ニューねこ正」へ通っていて、未亡人になってから改めて通うようになった。案外見られているもので、あなたのご主人素敵な方だったわね、などと今も言われる。

いいことがあった友だちは、えいっと出かけたひとり旅がとても愉しかったと写真を見せてくれた。目当ての場所はひとつだったけれど、偶然行った美術館も大当たりだったとのこと。
年若い友だちで、とても賢くてやさしくて愉しみが多い。そんな彼女の話を聞いているうちに禁断の熱燗に手を出してしまった。ふと隣をみると彼女も手酌で熱燗を味わっていた。

その帰り道に出会ったのが、例のふんどしであった。

2019年8月30日金曜日

素朴絵展と原田治展と友だちの展示と、あとなんだっけ

特にがんこなわけではないが、コーヒーなら「喫茶ニャーゴ」
新たな本を探すなら「オロロン書房」
勝負酒場なら「ニューねこ正」
(勝負ってなんだ)
傘を探すなら「しとしとぼっちゃん」
等々、決めごとがある。
どのお店も、歩いていて見つけた。
あてもなく歩く、ということをしなくなって久しい。歩かないと愉しいことは落ちていないのに。
音楽やラジオを聴きながら、あるいは長電話しながら歩くのも、景色が違って見えて面白いもの。
ブリブリでゴリゴリな曲に変わると気付けば肩で風切って歩いているし、遠く離れた友と話しているとたとえそこが駅ビルであっても、目の前に海が広がる。

久しぶりに予定のない土曜日、行きたかったところ全部に歩いて行きますか。
(まずは今晩飲みすぎないことが重要)

2019年8月23日金曜日

宝物は盗撮写真

夏休みが終わり、また退屈な日が始まると思ったら、毎日なにかと忙しくて気付けばソロ活動をしていなかった。
閉店後の「ニューねこ正」で美人女将や大将やおにいさんと立ち話をするだけの日々。
この夏のリア充ぶりを話すには、腰を据えて臨まなければならない。

毎月一度会うみなさんと久しぶりに皇居を走った。正確に言うと、同じ時間に皇居周辺にいたことはいたが、ソロで走ったのちにみなさんで恒例のおいしいものを食べに行った。
久しぶりに走る前の、あの根拠のない「できる」気持ちはどこからくるのだろう。毎回それでぶっ飛ばして失速するのが常なのに。湿気で息が詰まりそうだったが、途中初対面のメンバーのひとりとばったり会って(Tシャツが目印)喋りながら気持ちよく走ることができた。



「アフター6ジャンクション」の今週の夏の推薦曲がよすぎて、子どものように遊んでいただけの今年の夏に、まるでなにかがあったかのような錯覚を起こす。
今年の夏のごほうびは、義兄からもらった写真。その写真を見たとたん、なつかしくて胸が詰まった。

こんな表情よくしていたなぁ、と、消えそうになっていた記憶がその写真の数々によって戻ってきた。
昔から写真を撮られるのは苦手だったが、義兄によって盗撮された写真は宝物になった。

2019年7月31日水曜日

夏服も「メンキー&ノンキー」

脳みそが沸騰するこの季節は、考えごとはしたくない。

毎朝、着る洋服で悩む時間など、たまらなくイヤだ。
そもそも悩むほどの数も持ち合わせていないし、夏場は重ね着の組みあわせを考える必要もないのに。褪せて見える洋服の数々を見ては、ため息をつく。
「メンキー&ノンキー」で、心が弾む洋服を見たい。あとバッグ。
ここに行けば、必ず欲しいものに出会えるから。


先日「メンキー&ノンキー」へ寄ったときのこと。
店主に、一昨日の晩、盛大なくしゃみをしませんでしたか、と訊ねると、したかもしれないと言うので驚いた。一昨日の晩、あなたの噂をしていたんですよ、と言うと、どなたとですか、と訊かれたので初めて会ったおじさんとです、「ニューねこ正」で隣り合わせて話しているうちにこのお店の話になったんです、と答えた。
誰だろう、と店主は首を傾げるも、名前はわからないし顔だって曖昧だ。
あの洋服屋の店名は隠し子の名前らしいよ、とか、あのスーパーマーケットの人たちはとても感じがよいがレジスターのあいつはダメだ、など近所の話に終始しておもしろかった、と言うと店主はピンときたようだった。
「ニューねこ正」いいお店ですよね、ぼくもたまに行きます、と店主が言うので、私は毎週行っています、と胸を張った。

その日見つけたのは、タグまですてきなワンピース。昔、女優が海外旅行に行く際にものすごいおめかしをしていたのを真似て、今度の旅に着ていこうかな。


そうそう
「深川福々」最新号で、角乗り体験取材記を書きました。
(写真は勝手に深川福々のTwitterから拝借しました)
小さいコーナーながら、全身さらしております。
体当たりってこういうこと?脱いでないから違うか。
ばか言ってんじゃニャイよ!(久しぶりのぼっちゃん兄さん)

2019年7月29日月曜日

ビールと花火大会、そしてビール

幼なじみが指定したビールがおいしい小さなそのお店は、たまに通るだけの場所だった。
ごく普通のビールが、店主の手にかかるとすばらしくおいしいものに変身する。

おつまみもどれもおいしくて、特に日本からあげ協会なる団体が絶賛しているというからあげを2個にするか5個にするかで長年の友情にヒビが入りそうになったり、互いに話すことがありすぎてのどが渇いて新たにたのんだビールがまたおいしくて今の今まで話していたことを全部忘れて思い出したりしているうちに、幼なじみの帰りの時間が近づいてきた。
おいしかったです、また来ますね、とあいさつしてお店を出ようとしたら、これよかったらどうぞ、と手渡されたのはその日の夕刊フジ。真ん中あたりに注意してくださいね、いろっぽいページがありますからとの注意付き。

ビールしか飲んでいないのに千鳥足で駅に向かう。そして乗るべき電車を間違えた。
幼なじみの予約しているバスの時間は迫っている。
とにかく降りよう、と適当な駅で下車して別の路線のホームへ急ぐ。
なんとか間に合いそうだけれど念のためついていくよ、と言おうとしてやめた。千鳥足のしゃべり足りないスットコドッコイがついていったら最悪の事態を引き起こしかねない。申し訳ない気持ちで見送る。

へんな汗を流しながら時計をにらんでいると、間に合ったよ、との連絡。心底ホッとしていると、会いたかったひとから突然のお誘い。
酔ってはいるが、ビールしか飲んでないんだと言いきかせて酒場へ。
そのひとと飲むと、いつも愉しい。
ごめんね、なんか一緒に飲みたくなって呼びだしちゃったんだよね、と言われてうれしくなった。いえいえ、ありがたいです、その気持ち。
いつものごとく飲んで飲んで飲まれて飲んで、でも翌朝もきっちり生島ヒロシの声で目覚めた。


週末は、どこへ行っても隅田川花火大会の話題で持ちきりであった。
開催されるか否か、私は昨年に引き続き延期を願っていたが、台風はそれた。

「ニューねこ正」の美人女将は、台風のせいで焼き鳥のおみやげの電話が少ないとぼやいていた。毎年この日は昼過ぎからずっと焼きっぱなしだという。
かわらばん「深川福々」の最新号が発行されて、日中あちこち配布して歩く。
花火大会は夜だというのに、昼過ぎから浴衣姿の男女がちらほら。
配布先でも花火大会の話題で持ちきりであった。

花火大会が実施されるということは、毎年恒例となった「隅田川花火大会LSD」も実施されるということでもあり、日比谷からぞろぞろ走り始めた。
途中、栃の心が丸の内でラグビーボールを持って座っていた。

実は適当に行った場所で全員で今までで一番大きくて迫力のある花火を見ることができて、そして話してみたかったひとたちといろいろ話すこともできて、またもやビールでへべれけの夜であった。

2019年7月11日木曜日

ほおずきの香り 紳士のはじまり

あさがお市もほおずき市も終わった。

ほおずきが残り少なくなった夕暮れの浅草寺は、打ち水とほおずきの青臭いにおいで、なんともしんみりした気分になる。
しんみりするとロクなことはない。あわてて酒場へ急ぐ。

こんな夜は「ニューねこ正」ではなく
「おいてけ堀」でぼぅっとするのが気分だ。
フンド氏のお父さまが行きつけだったこのお店は、入口近くのカウンター席が好きだ。
にぎやかだけれどうるさくなく、ちょうどいいお店。



たまには誰とも話さず、スマホも見ずに、ぼんやり飲みたいものだ。
やらねばいけないあれやこれや、憂鬱なあれやこれやをとりとめもなく考えたり、本を読んだり、まわりを見まわしたり。
ふと気づくと、カウンターの離れた席で若者がひとり酒を飲んでいた。
チェックのジャケットが涼しげで、なによりひとりを愉しんでいる様子が好もしい。
ご近所さんが、お勘定時に美人女将に軽口を叩いているのを見て微笑んでいる様子に、私の考える「紳士」の片鱗を見た。

1.美味しい肴があり愉しいお酒が飲める、そんなお店をいくつか知っている。
2.常連ぶったり、お店のひとにタメ口をきくようなことはしない。
3.大勢で行くとき以外、安いだけのお店には行かない。
4.決して最後の客にはならない。

フンド氏から見てとった、私なりの紳士像。私は、今のところ4があやしいかな。



・・・というより、たまにはジムに行こうぜ自分。

2019年7月4日木曜日

ひとりでもふたりのように

少し遅い時間に「ニューねこ正」ののれんをくぐると、いつもの席のひとつ向こうに会いたかった彼女。
いつもの席に腰を下ろすなり美人女将は、鼻がきいたね、と笑った。

少し遅い時間だったせいか、お店の空気がほぐれていた。
自分の好みがしっかりしている、スタイルのある彼女と話すのは楽しい。落語には一家言ある彼女とは、いつか落語会にご一緒したいと思っている。

「最後の客にだけはなるなよ」とフンド氏にきつく言われていたのに、この日は最後の客になってしまった。腰を上げようとすると、美人女将がすいかを2皿差しだした。毎夏の愉しみ・富里のすいかだ。鼻がきいたとは、このことでもあったのか。


別の日、やはり少し遅い時間に「おいてけ堀」の縄のれんをかきわけると、一番好きな席にはいつものようにプロ雀士。今夜はプロ雀士とのんびり話そう、とカウンターへ向かうと、手前のにぎやかな大テーブルから手を振る、会いたかった人。
失礼します、と大テーブルに相席させてもらうと、他のみなさんは、全員ここで出会った関西人とのこと。私も以前大阪に住んでいました、と言うと、じゃあみんな関西人やな、と乾杯。
会いたかった人がいつも以上に巻き舌で饒舌なのは、ご一緒しているみなさんが今どきめずらしいほど人情に厚いやさしい人たちだったからだろう。

雨が降り始めた中、一同なぜかタクシーに乗り込む。
今日知り合ったばかりの、トウの立った若輩者まで連れて「スナック女将」によく似たスナックへ。
「スナック女将」と違うのは、男前で歌の上手いおとうさんがいるところ。
みなさんに促されておとうさんが歌った曲を私は知らなかったが、とてもいい喉をしていらした。
店には若いサラリーマンたちとひとり客がちらほら、聞くと全員関西人であり、そして領収書を切る人は皆無であった。

思いがけず愉しい夜。
また会いたい人が増えたと思うと、酒場ののれんをくぐるのも、わくわくする。

2019年6月26日水曜日

枝豆のおまんじゅうと紳士考

今夜こそはジムに行くのだ。
そう思ってお財布の中身も寂しくしておいた。

なのに、右手は「ニューねこ正」の引き戸にかかっていた。
習慣ってこわい。

「枝豆のおまんじゅう ごまソースがけ」と書かれた短冊が目に留まった。
これはいくしかないな、と短冊を睨んでいると、板前さんが待ってましたとばかりに声をかけてきた。よかったですね、照強、ぎりぎり幕内に残れたでしょう、と言われて、7月が近づいていることに気付いた。
隣の男性のところに、くだんの枝豆のおまんじゅうがやってきた。美味しそうだ。
なんにします?と大将に聞かれ、隣の皿を横目で見ながら、枝豆のおまんじゅうをください、と言った。
やっぱりこれ気になりますよね、と隣の男性はゆっくりおまんじゅうを口に運んだ。おもしろい味がしますよ、とうれしそうだ。

枝豆の話から、週末のキャンプで入手したおいしいとうもろこしの話へ。隣の男性は農業関連の仕事をしているとのことで、野菜のおもしろい話をしてくれた。
板さんは合間に、先日このお店へ来たという北勝富士関とのツーショット写真を見せてくれたり、照強関のちょっといい話を聞かせてくれたり。
枝豆のおまんじゅうは思いのほかボリュームがあったけれど、飽きない味で美味しかった。


ずっとフンド氏と来ていたこのお店にひとりで入るのも、知らないひとと愉しく話している姿も、数年前には想像もつかなかった。年をとると男性はおばさんに、女性はおじさんになるというからなぁ。こうなったら紳士をめざしたい。

思うに紳士とは

相手を思いやり、自分の趣味を愉しみ、決してクソおもしろくないワルクチなどは言わなくて、話がおもしろくて、友だちに愛されていて、行きつけの酒場が数軒あって、それから、それから・・・

悲しいときに何も言わず抱きしめてくれた「ニューねこ正」の美人女将のような人。
美人で男前なんです。

2019年6月11日火曜日

合宿という名のロング散歩と 木場の角乗り

1年ぶりの、姪との合宿。
今週末の大会に向けて、合宿という名のお泊まりに彼女はやってきた。

お泊まりなら「ニャーニャーホテル」のようなステキホテルが断然よいのだが
残念ながら、おんぼろの我が家。


お風呂だって「すべすべ温泉ねこぞの」へ連れていきたいところだが
残念ながら、少し離れた銭湯へ。
姪は、昨年の合宿の際に日本酒風呂に入ったことを覚えていた。
今年はというと、ビール風呂。来年はワイン風呂かもね、と笑い合った。

合宿は、いくつかの公園に寄ったり、あじさいを愛でたり、でいごの花の形に驚いたりして、気付けばロング散歩になっていた。

夜は「ニューねこ正」へ。
このお店で姪とふたり向き合うと、なんとも不思議な気持ちになる。
初めて娘と飲みに行く親父の気持ちだろうか。


翌日は、木場の角乗りの体験取材に姪も同行させる。
この道20年のベテランの方に丁寧にご指導いただいたが、己の体幹の弱さを実感。
姪は、そこにいた同い年の女の子に刺激を受けたか、上達が早かった。
それにしてもネイティブの江戸弁は、年配の方はもちろん子どもが喋っていても気持ちのよいものだなぁ。